★乃木夕菜様よりの投稿5
おなじみ乃木夕菜様からの投稿は通算で5回目の掲載でございます。有り難いことでございます。今回は食い物にまつわるお話でございますが…これをお読みになって「似たような経験を夫ないしコドモにしたことがあるわ…」という奥様方はかなりいらっしゃるのではないかと思わずにはおれませぬ。
私の夫は、味にうるさいヒトです。
『美味しんぼ』の山岡さん並とまではいいませんが、それに近いウンチクを垂れることはよくあります。3年半にわたる“専業主夫”の生活で、料理の腕にもすっかり自信を持ち、それが“味へのこだわり”に拍車をかけたようです。
対して私は、味覚はサホド鋭くなくしかも「食べ物を粗末にしてはいけない」という観念が強いので、出された料理はすべて平らげるヒト。美味しいものは大好きですが美味しくなくても不平を言うことなく食べきります。不器用なので、料理の腕もイマイチ。
こんな私が、夫のために食事の支度をしなければならなくなった苦痛をお察しください。さて、以前私の実家に帰ったとき、実母がコーヒー豆を大量に持たせてくれました。といっても、スーパーの特売で買ったもの。焙煎して挽いてある豆の粉が、でっかい缶に入っている、アレです。
夫は、この豆が気に入らなかったようで「まずい、まずい」と文句を言った挙句、自分でコーヒー豆を買ってきました。仕方がないので、私はひとりでコーヒーを飲むときは「まずい」といわれたほうの豆、ふたり分コーヒーを淹れるときは彼が買ってきた豆を使うようにしていました。ある日、夫が居間にいる隙に、「まずい」方のコーヒー豆でコーヒーを淹れ、そ知らぬ顔で出しました。彼は何も気付かずに、そのコーヒーを飲み干しました。
「まずい」豆は残り少なくなっていました。私は彼が買ってきた豆の容器に「まずい」豆をぶち込み、じゃかじゃかと混ぜておきました。
「あのまずい豆、どうした?」
「私がひとりで全部飲んじゃったのよ」
「へぇ。よぉ飲んだな、あんな豆」
イヤ、アナタも…。
いえいえ。
このことは、皆さまと私との、ヒミツです。あっ…ひでえ〜…夕菜様の御主人である芳明様はこの投稿を御覧になる可能性は…ないのでしょうか?ホントに?確かにお忙しいはずですからこんなバカサイトを覗く可能性は低いですが…。万一、芳明様がこの「妻投稿」を御覧になって、妻の裏切りと虚言に激怒し、家庭争議がボッ発した時は、ワタクシいわんやは喜んで知らないフリをさせて頂きます。
実はこの投稿には夕菜様の添え書きがございまして、「前回掲載していただいた“出雲〜広島プロペラ機ツアー”を実現させるために、今朝彼は旅立ったのです。職場のバス旅行が出雲方面、しかも現地解散だというので、帰りにプロペラ機で広島まで戻り、それから新幹線で帰って来るらしいです」と書かれてございました。ちなみに、添え書きの最後には「どうか無事に帰って来ますように」とも書かれておりまして、ナンのことはない、実は相変わらずラブラブのお二人。家庭争議とは無縁のようでございます。
しかしこういう投稿を拝読するにつけ、トホ妻が妻として主婦として、食い物に関していかにラクをしているかということを実感致します。何せいわんやはクソガキ時の「ケチャップライスのトラウマ」を経て「ゴキブリの舌を持つ」と評される男でございますから、コーヒーならインスタント、オカズならウインナ炒め、サケなら発泡酒で満足してしまうチョーお手軽野郎。こういうのをワレ鍋にトジ蓋と言うのでしょうか…。夕菜様、このたびは投稿ありがとうございました。
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