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Space Saver II Keyboard で遊ぼう!

第10回

有機チタンってナニ?

キーボード好きの皆さん(?)こんにちは。

2002年7に購入した日本語版 SSK II も、はや使い始めて10か月。そろそろ経年変化など気になるところです。はたして変化はあったのでしょうか?

鍵人の SSK II レポート

かの鍵人には SSK II を評して、こんな記載があります。
付記。本鍵盤を半年以上使っていますが,危惧したとおり,打鍵感の劣化が明らかに感じられます。ゴム椀の弾力が低下してきたのでしょう,押した感じは非常に固く,ある程度押すと突然カクンとスイッチが入ります。しかもキーのはめあい精度が低いせいか,カタカタ音が下品です。打鍵感に関しては,残念ですが,5576-B01と同水準の出来であると結論せざるを得ません。
うーん、使い込んだのかもしれませんけど、たった半年で、そこまで固くなるもんですかねぇ、と思いつつ、改めて自分の SSK II を打ってみると...。

「う、固いといえば固いかも。」
しかも、ちょっとカチャカチャ言います。ありゃりゃ。

鍵人では、「ゴム椀の弾力が低下してきたのでしょう」と推測してます。けど...
ラバードームより、もっと劣化が早くて、そしてタッチに影響が強いものがありますよねぇ。このページでも何度か取り上げている湿式潤滑剤が。(鍵人の IT さんは、この連載ごらんいただいていて、さらにご自身でスムースエイドも試されているようなので、潤滑剤の影響については、彼は既にお気づきなんじゃないかとは思いますが。)

どうも、これが揮発(か劣化?)してきたっぽいんですね。キートップを外してみると、潤滑剤のてかりが薄れてきたような気がしないでもないです(確証はなし)。

となると...やはり湿式の潤滑剤を探して試してみますか。

チタングリス

と思って、実は先日 USB SSK を調達したその日、ついでに秋葉の Laox Hobby 館に行ってみました。以前、湿式の潤滑剤を軽く調べた時、模型用のグリスのタミヤのセラミックグリスなんてものを発見したんで、これを探してみようと思ったわけです。模型用品なら、秋葉の Laox Hobby 館に行けばあるでしょう。

と、思って行ってみたんですが、セラミックグリスは見当たりません。で、代わりに(?)おいてたのがこれ、タミヤのラジ四駆チタングリスです。
Titanium Grease Titanium Grease (back)
店頭にはラジ四駆用とミニ四駆用があって、ラジ四駆用のほうが少々高い(といっても20円ぐらいだったかな?)んですが、どう違うのかはよく判りません。「ラジ四駆用もミニ四駆用も、どっちも、ギアはプラスティックだったかなぁ?プラスティック侵さないよなぁ?」、と一沫の不安をかかえつつ、とりあえず、ラジ四駆用を買ってみました。

さて、このチタングリスパッケージの歌い文句によると、
有機チタンを配合した高性能グリスです。ラジ四駆のギヤやシャフト、ガイドローラーの軸などの表面にグリスを塗って有機チタンのコーティング膜を作ることにより、すべりをよくしスピードアップに効果があります。
だそうで。
しかし、有機チタンって何?

有機チタン

例によって Google ってみたところ、これまた例によって車なんかのエンジンオイル添加剤としてよく使われるもののようです。(またカー用品かよ:-)
なんでも、エンジンの熱によって、ピストンやシリンダの表面に TiO や FeOTi 等の皮膜を作って潤滑性を上げるものとのこと。
んでも、高温にならないラジ四駆のギアやキーボードのスライダじゃ、皮膜なんてできるわきゃーないと思うんですが。パッケージのうたい文句の「有機チタンのコーティング膜」ってどういう状態のことを言ってるんですかねぇ?ひょっとして単にコロイド状の有機チタンが表面を覆うってだけ?

ってなわけで、いまいちどういうしくみで、どう効果があるのかわらないままですが、ま、理屈はいいから、とりあえず塗ってみますかね。

どれに塗る?

本当は、新品で購入した SSK II に塗ろうかとも思ったんですが、このページで実験機として活躍している店頭展示品の方に塗ってみることにしました。

この SSK II 既にスムースエイドは塗ったは、ラバードームに切り込み入れるはで、キータッチはそれなりに改善され、それほど不満はなかったのですが、やはりかちゃかちゃ五月蝿いのは相変わらず。職場で使ってることもあり、この五月蝿いのが収まればラッキーかな?とも思ったもんで。新品で買ったほうはもう少し経年変化を見極めたいって気もしましたし。

さて、塗り方ですが、どうやって塗るのが良いのかわからなかったので、とりあえず、綿棒にチタングリスを付けてスライダとハウジングに薄めに塗ってみました。

で、やってみたところ。。。

おお、あの日本語版新品のしっとりしたキータッチに近いものになりました。これはいいかも!かちゃかちゃ音もだいぶ緩和された感じです。グリスでキーの動きにやや粘性が感じられるようになった分、制動が効いて、あまりかちゃかちゃ言わなくなったようです。
塗ってみた結果はこんな感じ。

(実際に使ってるので、ちとほこりっぽいですね。汚くてすみません。)

有機チタンなのか何かわかりませんが、粉っぽいものが付着しているのがわかります。塗布して数日してからの写真なんですが、特に部材を侵しているようにも見えません。しかし、有機チタンの効果がどれほどのものなのか、単にシリコン系のグリス塗ったのとなんか違うのか?やっぱりよくわかりません。

短い春

しかし、喜んだのもほんの数週間。グリス成分の揮発がどうも早いようで、しばらくするとまたかちゃかちゃ言い出します。しかも悪いことに、スムースエイド化で無くなった引掛り感が顔を出し始めました。

で、キートップをはずして見てみました。粉もグリス成分も一応残ってはいるようです。でも、肝心の接触部分は揮発しちゃったのかな?少なくとも粉は付着してません。

耐久性

ということで、効果はそれなりにあるのですが、その効果の持続性に難有りのようです。しょっちゅうメンテナンスするラジ四駆のようなものにはいいのでしょうが、頻繁な塗布が難しいキーボードにはあまり向かないのかも。
ま、安いので、費用対効果は決して低くは無いとは思うものの、やっぱ、スムースエイドはキーボード専用品をうたうだけあるわ、と逆に関心したりして。

ということで、今回はめでたさも中くらいなりおらが春って感じですか〜?もう春も終わりですが。

終わりに向けて

さて、みみラボ!で知ったのですが、若松のページによると、とうとう SSK II が生産完了だそうですね。ついに来るべきものが来たましたね。残念ですが、SSK II も工業製品なので、しょうがないと言えばしょうがないですね。ということで、次回、まとめをして、この企画も終わりにしたいと思っています。

では、今回はこのへんで。



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