2003.12.20

誤字等No.006

【以外な】(誤変科)

Google検索結果 2003/12/18 以外な:41,300件

数ある誤変換の中でも指折りの古参であり、かつメジャーな存在であり続けている言葉が、「以外」と「意外」の間違いです。
実例にお目にかかった方も多いことでしょう。
以外な事実」「それ意外でも」など、双方向で間違いは頻発しています。
冷静に読めばすぐに分かる間違いですし、意味の違いが分からない人はあまりいないと思いますが、「」の字が共通なためか、間違っていることになかなか気付かれないようです。

日本語に「同音異義語」が存在する以上、かな漢字変換によって文章を入力するスタイルが生まれたときから「誤変換」は避けられない問題です。
特に「意外」と「以外」は両方とも比較的よく使う言葉であるため、取り違えるケースも多くなっています。
原因のひとつには、かな漢字変換プログラム(ここではFEPと表記します)の学習機能も関わっているかもしれません。
この場合、FEPが何を第一候補として表示するかは、それ以前にどの言葉を確定したかによって変わります。
「この言葉は間違いが起きやすい」という事実を頭に入れている人であれば、変換結果を注意深くチェックします。
そうでない人はFEPを信頼して、「こんな簡単な言葉で変換ミスが起こることはないだろう」と思い込む結果、第一候補をそのまま確定してしまいます。
その結果として、使うべき言葉が入れ替わるごとに誤字等が発生することになるわけです。
FEPが品詞を正しく解釈していれば、「いがいな」を変換して「以外な」が候補になることはありえないのですが、「いがい」だけで変換キーを押してしまうような人も多いのでしょう。

最近ではFEPも賢くなって、前後の文脈から最適な候補を選択してくれる機能が普通に付いていたりします。
しかしそれは「きちっとした」日本語を書く場合にこそ有効でも、くだけた雑文にはかえってジャマになることもあります。

以外」と「意外」の間違いを駆逐すること、それは日本語FEP研究における究極の目標かもしれません。(大げさ?)

[実例]

日本人とは、かくも「誤変換」に弱いのでしょうか。
このような「誤変換」が原因と思われる誤字等の品種を、「誤変科(ごへんか)」と命名しました。

[亜種]

それは以外:583件
それ意外でも:322件
意外ありえない:340件

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