2004.03.06
誤字等No.040
Google検索結果 2004/03/06 前面リニューアル：507件
「全面」と「前面」、これもまたよく見かける誤変換です。
しかも、冷静に意味を考えてみると、なかなか面白い文面になっていることが多いものです。
今回の表題である「前面リニューアル」も然り。
「リニューアル」を謳いながら、実は見かけを新しくしただけで中身は変わっていない、という「本音」が垣間見えるようで、思わず納得してしまうことも。
一般的に、「全面リニューアル」は高らかに宣告されることが多いものです。
それが「前面」になっていると、せっかくの誇らしさが「台無し」という悲哀感が漂います。
楽しげに「前面リニューアルしました！」と主張するWEBサイトに対して、「『前面』ということは、新しくなったのはトップページだけということでしょうか」などと質問したら…
イヤミ以外のなにものでもありませんね。
そこまで悪趣味な真似は、なかなかできません。
「全面リニューアル」というからには、それなりの時間をかけて、しっかりした計画の下に作業を進めてきたものと思います。
そのすべての努力が実を結ぶ「公開の瞬間」は、集大成とも呼べる大切なもののはずです。
ここで手を抜いては、「詰めが甘い」と非難されても仕方ありません。
「全面リニューアル」を前面に出してアピールしたいのなら、最後まで気を緩めないことです。
他にも、「全面」を「前面」と表記した傑作は、色々と見つかりました。
「前面対決」…そりゃ、横を向いていたら対決しづらいでしょうねぇ。
「前面禁止」…前を向いてはいけません、とか？
「前面解禁」…建前上は解禁でも、裏ではまだまだ。
「前面禁煙」…隠れて吸う分には、問題ないようです。
「前面支援」…後方や側面からも支援してもらえると助かるんですけど。
「前面撤去」…前面以外は放置ですか。
「前面印刷」…両面印刷はできません、という宣言かな…
どれも、味のある誤字等です。
一方、「前面」を「全面」とした誤記の方は、どうでしょうか。
「全面」には「全ての面(全方面)」と「面の全て(面全体)」の二種類の意味がありますので、解釈も二通り可能となります。
「全面に出る」…「全方面」なら、手広い人です。「面全体」なら、ひたすら目立ちたがり？
「最全面に移動」…どこですか、それは。「最」の意味が分かりません。
「全面排気」…どちらにしても、風通しが良さそうです。
「全面USB端子」…全ての面に端子があるなら便利。面の全てが端子だらけだったら不気味。
「全面図」…全方面の意味だと、六枚以上の図面が必要ですね。ご苦労様です。
「全面道路」…道路に囲まれた土地でしょうか。それとも道路自体を分譲する気でしょうか。
「全面集中配置」…それじゃ集中していないと思うんですけど。
こちらも、秀作ぞろいと言えそうです。
人間ですから間違いはあります。大事なのはそれを見逃さないこと。
前面に出る前に、全面的に見直しをする習慣を、持ちたいものです。
日本人とは、かくも「誤変換」に弱いのでしょうか。
このような「誤変換」が原因と思われる誤字等の品種を、「誤変科（ごへんか）」と命名しました。
前面対決：167件
前面禁止：352件
前面解禁：63件
前面禁煙：215件
前面支援：90件
前面撤去：30件
前面印刷：133件
全面に出る：639件
最全面：238件
全面排気：10件
全面USB端子：2,830件
全面図：76件
全面道路：839件
全面集中：32件
