2004.02.07
誤字等No.028
Google検索結果 2004/02/07 茨木県:1,680件
次々行きます、県名シリーズ。
前回までの似字科から、「誤変科」に飛び火しました。
今回のテーマは、「茨木県」です。
正しくは「茨城県」なのですが、間違って覚えている方、結構いるのではないでしょうか。
「いばらき」で「茨木」と変換できることから「誤変科」としましたが、この誤字は「手書き」の文章で出現する機会も多そうですね。
「木」の方が画数が少なくて簡単ですし。
県名の語源は「茨(いばら)の木が茂る所」だという説もあるようですので、もともとは「茨木県」で正しかったのかもしれません。
それでも、現在の県名は紛れもなく「茨城県」ですので、ここは茨城県民の心の主張を尊重してあげましょう。
茨城県民の苦悩は、漢字の「表記」だけでなく「読み」にもあります。
「いばらぎ」じゃない、「いばらき」なんだ!…という魂の叫びを、何度聞いたことか。
本当の発音が「いばらき」であることを知っている人ですら、無意識のうちに「いばらぎ」と言っていることがあるほどです。
きっと、「いばらぎ」の方が発音しやすいのでしょうね。
かな漢字変換プログラムが「いばらき」でも「いばらぎ」でもちゃんと変換してしまうことも、間違いに拍車をかけています。
さらには、同じ漢字を使う県の「宮城(みやぎ)県」や、茨城県と同じ北関東にある「赤城(あかぎ)の山」の存在も無視できません。
さて、「茨木」という表記自体が間違いかというと、そうではないところがまたややこしい。
大阪府には「茨木市」が実在しますし、民話に登場する鬼「茨木童子」は「茨城童子」ではありません。
このようなことも、「茨木県」という誤字等が生まれ、支持される原因のひとつと言えるでしょうか。
その逆に、大阪府の「茨木市」は「茨城市」と表記されて辟易することもあるのでしょうね、きっと。
ちなみに、「茨木市」と「茨木童子」の読みは、どちらも「いばらき」です。「いばらぎ」ではありません。
「茨城県」と「茨木市」のどちらかが「いばらき」でもう片方が「いばらぎ」である、などということを言う人もいますが、デマです。
信じてはいけません。
さて、「茨木県」という誤字等の誕生には、「お隣さん」である「栃木県」も大きく影響しています。
群馬県を含めて「北関東三兄弟」と呼ばれるような間柄ですから、同じ漢字が使われても不思議ではありませんし。
ついでに、「とちぎ」の発音が、「いばらぎ」の原因にもなっているかもしれませんね。
日本人とは、かくも「誤変換」に弱いのでしょうか。
このような「誤変換」が原因と思われる誤字等の品種を、「誤変科(ごへんか)」と命名しました。
そして、誤変の波は人名や地名などの「固有名詞」にまで及んでいます。
そのような品種を、誤変科から分岐した「固有亜科(こゆうあか)」と命名します。
宮木県:12件
赤木の山:21件
大阪府茨城市:95件
茨城童子:169件
いばらぎ県:75件
茨域県:55件
茨減県:1件
次城県:1件
栃城県:3件