2004.02.09

誤字等No.029

【郡馬県】(誤変科 固有亜科)

Google検索結果 2004/02/09 郡馬県:219件

まだ続きます、県名シリーズ。
茨木県」が登場したからには、同じ北関東の「郡馬県」を取り上げないわけにはいかないでしょう。
本当の表記は「群馬県」ですが、なぜか「郡馬県」でも違和感がありません。
…と言ったら、群馬県民に怒られますかね。

」と「」では形が似ていますので「似字科」でも良かったんですけど、
読みが同じ「ぐん」であること、私のパソコンで「ぐんま」と入力して変換すると何故か「郡馬」も候補として表示されることから、「誤変科」に分類します。

さてこの誤字等、検索結果の件数はそれほど多くありませんが、意外と気付かれにくい曲者のようです。
とあるサイトの、申込者情報入力画面に見つけることができました。
リストから都道府県を選択する形式で、選択肢にあったのが「郡馬県」です。
これでは、群馬県民は申し込むことができないですね。

郡馬県」にあまり違和感がないのは、地名を表記する際に「」を使う局面が珍しくないからかもしれません。
行政区画としての「」は、かつては「こおり」と呼ばれ、現在の「都道府県」や「市区町村」のような「地方公共団体」でした。
今では地理上の区分としてしか使われていないようですが、正確な住所を記載する際に「○○」と入れることは普通に行われています。

そして、似字科の常である双方向性。
「○○」が「○○」と表記される誤記は、それこそ無数にあります。
北の方から適当に調べてみただけで、軒並み二桁ヒットを記録しました。
詳しく追っていけば、相当な数の誤字等を発見することができそうです。

さて、この「」という漢字、「集団」を意味する「群れ(むれ)」としても使われます。
その使い方でも、「」と「」が間違われることはあるようですね。
「魚の郡れ」「ファンの郡れ」「高層ビルの郡れ」等々、探してみれば色々と見つかるものです。

ところで、「群馬県」には、もうひとつ「群鳥県」という不思議な誤字等もあります。
まぁ、確かに「」と「」は似てないこともないです。
1件だけですが、「馬取県」なんて表記も見つけられました。多分「鳥取県」のつもりでしょう。

文字の形が似ていますから、「群鳥県」までは似字科の範囲です。
しかし、さすがに「群島県」とまでなると、少々無理があると言わざるを得ません。

・・・

まだまだ「県名」シリーズのネタはあるのですが、少々飽きてきました。
次回は、他の誤字等を紹介したいと思います。
いずれ気が向けば再開しますので、地理好きの方はお楽しみに…

[実例]

日本人とは、かくも「誤変換」に弱いのでしょうか。
このような「誤変換」が原因と思われる誤字等の品種を、「誤変科(ごへんか)」と命名しました。
そして、誤変の波は人名や地名などの「固有名詞」にまで及んでいます。
そのような品種を、誤変科から分岐した「固有亜科(こゆうあか)」と命名しました。

[亜種]

北海道空知群:13件
青森県三戸群:29件
秋田県仙北群:41件
岩手県胆沢群:16件
宮城県登米群:23件
山形県飽海群:18件
福島県安達群:10件
の郡れ:14件
群鳥県:11件
群烏県:4件
群島県:3件
群間県:1件

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