2004.02.05

誤字等No.027

【干葉県】(似字科 固有亜科)

Google検索結果 2004/02/05 干葉県:683件

今回は、「KEI」さんからの投稿を元ネタにしています。

県名シリーズ第二弾。「干葉県」の登場です。
面白いことに、「干葉(ひば)」という言葉は実在します。
大根の葉や茎を干したもの、あるいは枯れて乾いた葉を意味しています。
大根の方は、食材としてだけでなく「入浴剤」としても使われているようですね。

しかし「県」が付いていれば、これはもう確実に「千葉県」の誤字です。
同じように「市」が付いていても、千葉県の県庁所在地である「千葉市」の誤字となります。
当然のように、OCRの使用率が高いと思われる、企業・行政系ページでの誤字が目立ちます。
千葉市自身が発行する「ちば市政だより」に「干葉」の文字がちりばめられているのは、もはや笑い話にしかなりません。

確かに文字の形はよく似ていますから、OCRが認識ミスをしたとしても仕方のないことです。
あるいは、ローマ字入力で「CHIBA」と打ったつもりが、先頭の「C」を忘れて「HIBA」になったのかもしれません。
いずれにしても、自分の属する県くらい、間違えずに表記できるようになりたいものです。

さて、「」や「」と似た形の漢字は、まだあります。
手葉県」「十葉県」「千薬県」など、思いつくままに検索してみたところ、すべて見つけることができました。
さらに、「誤変科」の誤字等として「千場」「千馬」などに変換されたパターンも、これまたヒット。
地名から生まれる誤字等は、なかなかに奥が深いもののようです。

地名だけでなく、日本人の「姓」としても、「千葉」さんはそれほど珍しくありません。
きっと、「干葉」と書かれて難儀することもあるのではないでしょうか。
干葉真一」なんて、まるで有名アクションスターの「偽者」のようです。
(もし本当に「干葉真一」さんが実在したら、失礼!)

[実例]

日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名しました。
そして、似字の波は人名や地名などの「固有名詞」にまで及んでいます。
そのような品種を、似字科から分岐した「固有亜科(こゆうあか)」と命名しました。

[亜種]

干葉市:199件
チ葉県:4件
手葉県:5件
十葉県:3件
千票県:1件
千菜県:1件
千薬県:10件
千場県:4件
千馬県:13件
干葉真一:5件
干葉氏:5件
干葉さん:6件

※ 2006/07/05
「ちりばめる」を「散りばめる」と書くのは間違いであるというご指摘をいただき、修正しました。
正しい漢字表記は「鏤める」だそうです。……振り仮名がないと読めません。

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