2003.12.18

誤字等No.004

【講議】(似字科)

Google検索結果 2003/12/14 講議:28,000件

講議」、この言葉をGoogleで検索してみて、私は驚きました。
え?…28,000件?何かの間違いでは?
そして、検索結果を見て、私はあきれました。
大学、予備校、研究所…著名な組織が、次々と登場します。
仮にも「人に何かを教える」立場に立っていながら、このありさまは一体どういうことでしょう。

私は、次第に不安になりました。
もしかして、間違っているのは私の方で、実は「講議」でも正しいのではないだろうか…と。
私のパソコンで「こうぎ」を変換しても、「講議」は出てきません。
いくつかの辞書を調べてみましたが、「講議」は載っていませんでした。
どうやら、間違ってはいないようです。

確かに、「講議」も「講義」も「こうぎ」と読めます。
文字も似ていますし、発音も同じ。
漢字の意味を考えても、「講議」にあまり違和感はありません。
だからこそ、こんな誤用がこれほどの広がりを見せているのでしょう。
間違いだということに気付いていない人も多そうです。
講議」で正しいと本気で思い込んでいる人もいるはずです。
そして、「講議」を使っている人たちの中には、同じページ中に「講義」を混ぜている人も珍しくありません。
きっと、自分が「二種類の表記」を使っていることにさえ、気付いていないのでしょう。

このまま押し切られれば、いずれは「講議」でも正解とする、という時代がやってくるのかもしれません。

しかし、ここでもまた「徴妙」と同じ疑問が湧いてきます。
この人たちは、一体どうやって「講議」を入力しているのでしょうか?
普通にパソコンで文章を作っていれば「講義」と変換されるはずなのに…
不思議でなりません。

[実例]

日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名しました。

[亜種]

義事:240件
抗義:90件
討義:93件
議務:35件

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