2004.01.10
誤字等No.016
Google検索結果 2004/01/10 管原道真:57件
今回は、ペンネーム「やじぃ」さんからの投稿を元ネタにしています。
固有亜科に「人名」が初登場しました。
学問の神様、「管原道真」公です。「天神様」とも呼ばれていますね。
しかし、これでは学校のテストで「×」になります。
正しくは、「菅原道真」公です。「くだわら」でも「かんばら」でもありません。
現代でも、「菅原」という姓はそれほど珍しくありません。
全国のランキングでもかなり上位に位置しています。
そんな全国の「菅原」さんを代表して、道真公にご登場いただきました。
さて、この「菅」という漢字、小学校で習う「教育漢字」には含まれていません。
また、人名や地名以外で使用する機会もあまりないでしょう。
一方、よく似た形の漢字「管」は、小学校四年生のときに学習します。
しかも、「管理」「血管」「管弦楽」など、様々な場面で使用されています。
どちらが「漢字」としてメジャーな存在かは、考えるまでもありません。
だからでしょう。「菅原」さんは、特に手書きの場合、かなりの割合で「管原」と表記されてしまいます。
「菅」と「管」の見分けが付かない人、「菅」という漢字の存在自体に気付いていない人すらいるかもしれません。
ちょっと気にしている人は、「竹かんむりでいいんでしたっけ?」などと訊いてきます。
「菅原」さんは、新しい人と出会うたびに、「管原ではありません。菅原です」と訂正し続けなければならないのです。
蛇足ですが、菅原さんは読みをひらがなで表記する際にも「すがわら」と「すがはら」の二通りがあり、なかなか難儀しているようです。
「菅」の字を使った姓は、「菅原」だけではありません。
例えば、女優の「菅野美穂」さん。あるいは、民主党代表 (注:2004年1月当時) の「菅直人」氏。
それぞれ、「管野美穂」「管直人」と表記しているサイトの、なんと多いことか。
このお二人の場合は「菅」を「かん」と読むため、余計に間違われるのかもしれません。
なお、本当に「管原」「管野」「管」と表記する姓の方も実在されます。
数としてはあまり多くはないようですので、逆に「管原で正しいんです。菅原じゃありません」という訂正が必要になってしまうかもしれませんね。
いずれにしても、人の名前を間違えることは、非常に「失礼」な行為にあたります。
書籍を売っているサイトで、著者名を「管直人」と誤記しているなど、もってのほかです。
特に「組織」としてWEBページを公開するならば、重々気をつけていただきたいものです。
日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名しました。
そして、似字の波は人名や地名などの「固有名詞」にまで及んでいます。
そのような品種を、似字科から分岐した「固有亜科(こゆうあか)」と命名しました。
管野美穂:13,100件
管直人:6,360件