2004.02.03

誤字等No.026

【鳥根県】(似字科 固有亜科)

Google検索結果 2004/02/03 鳥根県:169件

似字科誤字等に「県名」が初登場しました。
第一回のテーマは、「鳥根県」です。
ここでは「」と「」の字形が似ていることから「似字科」に分類しましたが、果たしてこれは「島根県」の誤字なのでしょうか。
検索結果の中には、中国地方の県名として「島根県」と「鳥根県」が列挙されていることから、「鳥取県」と間違われているものと思われるものもあります。
だとすると、この場合は似字科とは少し違うかもしれませんね。
(余談ですが、この「中国地方」という名前も、日本だか中国だかはっきりしない、ややこしい存在です)

さて、島根県と鳥取県は、互いに間違われやすい県です。
だいたいの位置は分かるけど、どっち西でどっち東だかよく分からないという人、結構多いのではないでしょうか。

県の知名度自体は、それほど低いとは思いません。
人口ランキングの最下位を独占することでも有名ですし、選挙における「一票の価値」が問題視されるときには必ず登場します。
鳥取砂丘や出雲大社など、全国的に有名な観光スポットもあります。

しかしこの二つの県は、場所も隣、形も似てるし、名前の文字も似ています。
「人口が少ない」という特徴まで同じとあっては、もう「キャラがかぶっている」と言わざるをえません。
見分けがつかなくなり、両者を混同する人が現れても不思議ではないのです。
その証拠に、両県に属する市町村も、多くの人にとって、どっちがどっちだかよく分からなくなっています。
「島根県米子市」「鳥取県松江市」「鳥取県出雲市」などを検索してみれば、大量にヒットすることが分かります。
検索結果を眺めていると、「もう、どっちでもいいです」と言いたい心境になりました。

そんな両県ですから、両者の表記が混ざりあった「鳥根県」という誤字等が出現するのも、必然と言えるでしょう。

さらに特徴的なのは、両県ともに、単独でも誤字等を提供してくれることです。
」と「」も似た字形ですが、さらにもっと似た字の「(からす)」もあります。
OCRが「」と認識したとしても、小さな字で見ていれば全く気付かないでしょう。
烏取県」は、結構な数がヒットしました。

鳥取」を「取鳥」と表記する誤記も有名です。
替誤科の誤字等として、独立させてもいいくらいです。
ふつうに「とっとり」と読めてしまうところが、またなんとも味があります。

当然、これらの「組み合わせ」もあります。
アクセスポイント一覧表に「島取」「鳥根」なんて書いているプロバイダさん、ウィンドウを常に前面に出すなんていう迷惑な小細工をする暇があったら、記載内容を見直したらいかがですか?

[実例]

日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名しました。
そして、似字の波は人名や地名などの「固有名詞」にまで及んでいます。
そのような品種を、似字科から分岐した「固有亜科(こゆうあか)」と命名しました。

[亜種]

烏根県:3件
島取県:75件
烏取県:258件
取鳥県:82件
取烏県:2件
取島県:2件

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