2004.09.02

【誤字等の談話室 3】

誤字等の館 (ごじらのやかた) に寄せられる読者様のコメントに対して館主が答える「誤字等の談話室」、その第3弾です。

[011]

「ふところ」を「懐ろ」のように「ろ」をおくるひとが多数います。あれこ
れかんがえてみたのですが、理由がおもいあたりません。
分析をおねがいします。

多分に、気分的なものと思われます。
「懐」のひと文字だけでは、何と読むか確信が持てない。
だから「ろ」という送り仮名を付けることで「ふところ」という読みを明確にしたい、という心理が働くのではないでしょうか。

日本語では、純粋な「名詞」に送り仮名を付けることはあまりありません。
が、「副詞」や「形容動詞」となれば話は別です。
「ろ」と送る言葉だけでも、「寧ろ (むしろ)」「懇ろ (ねんごろ)」「蔑ろ (ないがしろ)」などが思いつきます。
他にも、「強ち (あながち)」「専ら (もっぱら)」「吝か (やぶさか)」などなど、同様の形をした言葉はいくつもあります。
こういった言葉につられて、「懐ろ」と表記してしまうという可能性もあるかもしれません。
もっとも、上記はいずれもかなり「難しい」読みの漢字ですので、それにつられて…という仮説には、厳しいものがありますね。

[012]

87番。20004年ですが、
打ち込む際に心の中で「にせん、よねん」と思って
2000と打った後4年と打ってしまうというのが理由として大きいのではないで
しょうか。
私もよくやる打ち間違いです。はい。

「二千四年」を「二千」+「四年」に分解して考えているんですね。
それは、まったく気づきませんでした。
数字として「20」+「04」で考えることはありましたが、読みから入るとは。
そういう考え方をする人、多いのでしょうか?
色々と、不便なのではないかと心配になってしまいますが…
そのままでいったら、そのうち「200010年」になったりして。

[013]

7は、「しち」または「なな」と読みますが、
「ひち」と読む人が非常に多いです。
アナウンサーもたまに間違ってたり・・・

名前に、しちが入るのでよく間違われます。。。

「ヒ」と「シ」の逆転、および混合は、「訛り」や「方言」に関する話題で頻出します。
この両者の区別を付けられない地方は、意外なほど多いようです。
東京の、いわゆる「江戸っ子」訛りもそのひとつ。
「平井さん」は「シライさん」になり、「弘君」は「シロシ君」になります。

私の印象では、「ヒ」が「シ」になるのが関東系、「シ」が「ヒ」になるのが関西系、という感じですね。

[014]

個人的には結構好きです。でも「揚げ足取り」と言われる事も多いでしょう
ね。かなりの労力だとは思いますが頑張ってください。

そういって応援していただけると、とてもうれしいです。
「揚げ足取り」と言われることも確かにありますが、そんなに多くありません。
ときどきトゲのあるコメントが来ることもありますが、珍しいので、つい楽しく読んでしまいます。

誤字等の館を書くのに「労力」はそれほどかかっていないと思うんですけど、時間はかかります。
最近は本業が忙しく、なかなか時間がとれなくなっています。
更新ペースが落ちることもあるかと思いますが、気長にお待ちください。

[015]

さて、標題の「コミニュケーション」ですけど、これを誤る人が
多い原因のひとつには、「マスコミ」という言葉にひきずられる、
というのもあるんじゃないでしょうか。「マスコミ」から「マス・
コミニュケーション」を連想するのはいかにもありそうですが、
「マス・コミュニケーション」にはちょっとつながりにくい。

で、迷ったときは「『マスコミニュケーション』は誤り」と覚え
ておく、というのも手かも知れません。

なるほど。
確かに、「マス・コミュニケーション」の略が「マスコミ」というのは、少々無理があります。
ちゃんと、「マスコミュ」と呼ばなければ。
…なんだか、「ガンダム」に登場した「サイコミュ」のような言葉になってしまいました。
そういえば、「サイコミュ」は「サイコ・コミュニケーター」の略だったはず。
おお、こんなところにも、迷わずに済む方法が見つかりました。
ガンダムファンなら、二度と「コミュニケーション」を間違うことはありませんね。

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