2004.09.09

【誤字等の談話室 4】

誤字等の館 (ごじらのやかた) に寄せられる読者様のコメントに対して館主が答える「誤字等の談話室」、その第4弾です。

[016]

面白かった誤字等 1 :
  特になし

お気に召しませんでしたか。それは失礼しました。
筆者自身は「面白い」と思っているからこんなサイトを作ったわけですが、それは個人的な感覚でしかありませんね。
十人十色、千差万別、各人各様、蓼食う虫も。
同じ内容でも「面白い」と思う人がいれば「つまらん」と思う人もいます。
つまらなければ無視するだけの人が大半かと思われますが、この方のようにそれを伝えてくるというのは非常に珍しいものです。
貴重なご意見として、伺っておきましょう。

[017]

誤字を体系化するという切り口は面白いけど切り方がつまらないです。
何か、たった一文字間違っただけでまるで交通事故で人を轢いてしまっ
たかのような扱いを受けている感じがして読んでて不快な気分になります。
たった一文字間違えることぐらい誰にでもあります。
このサイトにだって誤字の1つや2つくらいあるでしょう。
もう少し誤字を楽しもうという心意気がほしいです。

[016]と同じ方からのコメントです。
そんなに強烈に非難しているように見えましたか。
私自身は結構楽しんでいるつもりなんですが、伝わらなかったようで。
難しいものですね。

個人的に書いた文章に「うっかりミス」があるのを責めたところで、確かに面白くありません。
それこそ、誰にでもある、珍しくもない話ですから。
これがミスではなく「変に気取った勘違い」だったら、「笑い話」になります。
誤字等の館にはこういったネタも多いのですが、それも不快でしょうか。

ところで、ただの「雑文」と、「仕事として」対価をもらって書いているはずの文とでは「重み」が違います。
特に税金を費やしている行政関係などで、1つや2つどころではない誤字が散在していたらどうでしょう。
責められてもやむなしの「怠慢」だとは思いませんか?
そういったものまで、笑って済ませるのが器量でしょうか。

[018]

正:祟り(出+示)
誤:崇り(山+宗)

パッと見ただけでは同じ字に見えます。
また、MS-IMEで「たたり」と入力して変換すると
間違った方も出てきます。これが、たくさんヒット
する原因かもしれません。
先日、マイクロソフトにメールで指摘しておいた
ので、今後は修正されるでしょう。

本当だ。「たたり」で「崇り」と変換されました。
「たたる」と「あがめる」では、まるで意味が違うのに…
これが辞書のデータミスだとしたら、ちょっとみっともないですね。

[019]

子供の遊び「びんぼう・だいじん・おおだいじん」。正しくは「貧乏・大尽・大大
尽」ですが、「貧乏・大臣・大大臣」だと思っている人が多いです。「大尽」なん
て死語ですから、しかたないですね、特に子供には。私も子供の頃は「大臣」だと
思っていました。

すみません、私には何のことだか分かりませんでした。
ネットで検索して、だいたいのことは理解できましたが、そんな遊びがあったんですね。
全然、記憶にありませんでした。寂しい子供時代だったようです。
地方によって色々な形はあるようですが、基本形は全国共通なのでしょうか。

ついでに言うと、「大尽」という言葉も知りませんでした。
まぁ、自分には縁がないという意味では、「大尽」も「大臣」も似たようなものかもしれません。

「貧乏・大尽・大大尽」と同じようなものとして「あきすとぜねこ」や「爺婆殿姫」といったキーワードも見つけることができました。
これもまた私にはさっぱり覚えがないのですが、バリエーションは相当な種類になりそうですね。
全国的に広がりつつも、地方によって様々に形を変える「子供の遊び」。
情報化が進み、子供たちがあたりまえのようにコンピュータを使うようになると、こういった地域差は減っていくのでしょうか。

[020]

「少しづつ」と「少しずつ」との使い分は、少しづつではなくて、少しずつです
か。たとえば、「続く(つづく)」は「つつく」と、「つすく」の2つを発音してみ
て、前者が近いから「つづく」とする。「竹筒(たけづつ)」も同様に、「たけつ
つ」と、「たけすつ」を発音してみて、前者が近いから「たけづつ」とすることで
確認できますが、「少しづつ」と「少しずつ」との確認を前記の方法でやってみる
と、「少しつつ」と「少しすつ」となり、前者に軍配が上がってしまいます。どの
ような方法で確認したらようのでしょうか。

「竹筒」のように、「連濁」によって濁音となったものは、清音化することで確認できます。
「三日月」は「つき」だから「みかづき」、「黒酢」は「す」だから「くろず」、といった具合ですね。
ただし、「稲妻」が「いなずま」でも許容されているように、「確実」な判定方法とはなりません。

「発音が近いかどうか」という観点だけで確認するという方法については、聞いたことがありません。
そのような方法を、どこで覚えたのでしょうか? オリジナルですか?
その方式では、ことごとく「つ」に軍配が上がってしまうような気がします。
「図鑑 (ずかん)」も「泉 (いずみ)」も「親不知 (おやしらず)」も、「ず」ではなく「づ」になってしまうのではないでしょうか。
「ぢ」や「づ」の使い方はルール化されているのですから、「確認法」などに頼らず、しっかりとルールを理解することが近道かと思います。

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