2005.01.11

【誤字等の談話室 12】

誤字等の館 (ごじらのやかた) に寄せられる読者様のコメントに対して館主が答える「誤字等の談話室」、その第12弾です。

[052]

コスメチック(cosmetique)をコスメティックと書いている人、多くないですか?多分
コスメチックが正解です。辞書にもコスメチックと書いてあります

「化粧品」という意味の「コスメチック」でしょうか。
「cosmetique」とつづるのは、フランス語ですね。英語では「cosmetic」となります。
私の持っている辞書には、「コスメチック」「コスメティック」の両方とも載っていました。
外来語として定着しているのは「コスメチック」の方だと思いますが、原語を意識する人が「コスメティック」と書きたがるのも分かります。
「プラスチック」をわざわざ「プラスティック」と書く人と、根は同じでしょう。
「ディスクトップ」などのように「遠ざかっている」わけではありませんから、誤字とまでは言えなさそうです。

辞書には、「化粧品」以外に「棒状に固めた男性用整髪料」という意味も載っていました。
「チック」と略されることもあるそうなので、この意味での外来語としては「コスメチック」に限定されるでしょうね。
実物を見たことも触ったこともない私には、それがどのようなものなのか、いまひとつよく分かりませんが。

[053]

どうも、最近の変化した言葉には批判的・蔑視的であるのに、すでに
定着してしまった誤用には寛容・「今更気にする方がおかしい」と一
貫性が無いようにみえます。もう少し客観的な書き方をされることを
期待します。このWEBページは情報としては好みなのですが、文面
が疲れるのでしばらく来ていませんでしたが、あいかわらずですね。

疲れますか。それはすみません。
もっと軽い文体にした方が良いでしょうかね。
あるいは、もっと短く簡潔にまとめた方が読みやすいでしょうか。

さて、「一貫性が無い」とのご指摘について。

よく言われることですが、言葉とは「変化」するものです。
時代に合わせて変化するからこそ、「生きている言葉」となり得るものです。
「現状維持」にしがみつく保守思想には、発展は訪れません。
「変化」を受け入れることで、はじめて「進化」が得られます。

私は、できるかぎり「変化」には寛容でありたいと思っています。
「すでに定着した誤用」の中には、「時代に即した変化」と呼べるものもあるはずです。
そう思えるものについては、批判はしたくありません。

しかし、数多の誤字の中で、「変化」と呼べるようなものはほんの一握りにすぎません。
大多数はただの「間違い」であり、正されるべきものと考えます。
誤字等の館でとりあげる誤字は、その多くが「変化」ととらえるに値しない、と私が判断したものたちです。

何か勘違いしてしまっている「ディスクトップ」や、校正作業の不手際をあらわすかのような「徴妙」などは、その代表格と言えるでしょう。
こんなものが定着してしまうような世の中など、願い下げです。

この姿勢が常に貫かれているかというと自信はありませんが、これが私の基本的な考え方です。

もうひとつ、「客観的な書き方」について。
確かに、誤字等の館の文章には筆者の「主観」が多く含まれています。
ここ「誤字等の館」は、WEB上の誤字について勝手な分析・考察を試みるサイトです。
誤字を集めた「データベース」の構築を目指すような野望は持っておりません。
主観が含まれることは、このサイトのスタイルとしてご了承ください。

笑って済ますのも、本当か?と疑ってみるのも、自由です。
お気に召さなければ、批判もどうぞ。
目安箱に投書していただければ、こうやってお答えすることもあります。

まぁ、あまり肩肘張らず、気軽に読んでいただけると幸いです。

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