'01年度 三年生/夏休み医 学 生 日 記
試験が終わってすぐ、つるの実家の沖永良部島に帰省。去年はあちらでもめったにない大嵐に遭遇したが 今年は天候に恵まれ、毎日サンゴ礁の海を楽しんだ。足がつく深さでも、岩やサンゴのある所では コバルトブルーの魚や黄色い島のチョウチョウウオ、小さなハリセンボンなどがいるが、浮き輪 (←私と子供達)&シュノーケルでほんのちょっと沖に出るだけで、さらにすごいサンゴと魚の群れを 見ることができる。シュノーケルのマウスピースをくわえた時、あれ?なんかこういうの、つい最近やったような。。と 思ったら、生理学実習で肺活量だの何だのを測った時だと気付いた(^_^;)。
2年生の娘は初めてシュノーケルを使えるようになった。シュノーケルはマウスピースを歯でくわえて 支えているので、息をしながら結構しゃべることが出来る。ぷか〜り ぷか〜りと漂う管から、 「シュー・・シュー・・あっっおもしろい!・・・う〜・・・きれ〜!!」と 声が聞こえてくるのが面白かった。 5歳児の方は、浮き輪にゴーグルをつけて、鼻をふんっ!とつまんで下を覗き、魚ウオッチングに成功。また、つるの実家から歩いてすぐの、中規模の個人病院にリハビリ入院している義曾祖母のお見舞いに日参。 1階は外来、2階は病室、3階は介護型の病室とリハビリ室というつくりなので、3階はのんびりサロン風 の雰囲気だった。リハビリやレクレーションに使うおもちゃやパズルなどがたくさんあるので子供達は喜んで うろうろし、そこらじゅうのおじいちゃんやおばあちゃんにかわいがってもらった。
そのフロアに常にいるのは介護士のお姉さんたちと理学療法士のお兄さん。本当にニコニコとおじいちゃん、 おばあちゃん達と楽しそうにやっていて、そういう現場を初めて見た私はとっても感心してしまったのだった。 昼寝も終わってみんなテーブルに集まってきた頃に、入院患者のおじいさんの一人がサンシン(沖縄三味線) を見事に奏で出すと、琉球民謡大合唱、介護士さんの踊り付き、といった日もあった。
もっとも、働く方も入院する方も、そうそう楽しいことばかりではないだろうし、財政的な問題なども あるだろうが、ともかくも私にとっては初めて見ること、知ることがいっぱいで勉強になった。
休み中も、ものすごい量の実験レポートなどがあり、手が空いた日はそれをして過ごさざるを 得なかったわけだが、案の上、計画の5分の1も消化はしなかった。でも時間がある状態でデータをまとめたり、 ゆっくり調べたりするのってなかなか楽しい。ついでに私の血圧は人間としてはいまいちだが、ウサギなら ばっちり正常であることも知った。実験データのやり取りやいろんなお知らせ、秋の大学祭に関して生じた少々ややこしい議論なども、常に Eメール、ML、掲示板で日々やり取りでき、本当〜〜に便利だぁ・・・と思った。小さい頃見た、「未来の くらし」って絵本の「未来の会議」のようだ。。
もっとも、物理的に遠いと本当にふっつりとすべてが途絶えて、 夏休みの長さが身にしみるって言う距離感もそれはそれで風情のあるものではあるけど。あとは子供との夏休みの平日を堪能する日々。映画に宿題(しかし親もやってる)、絵を描いたり、 買い物に行ったり、散歩したり、いっしょにご飯作ったり。
保育園のクラス有志で一泊旅行。2年前も行った長野の八ヶ岳の保養所。子供達は群れになって遊ぶと、 家でまったりしている時とはまた全く違う面がいろいろ見られて面白い。寝かしつけてからの親の 飲み会タイムもいろーんな雑談の他、様々なお仕事の話を聞けるのがいつも楽しみ。まったく知らない 世界も面白いし、毎年何かしら医療関係の人がいるのでそんなお話もまた興味深い。一昨年は看護婦さん と検査技師さんにいろいろ教えてもらったし、今年は医師夫婦と、救急車に乗っている消防職員さん がいたのでいろいろお話を聞く。で、結局4時に寝た。それでも元気に朝飯前の早朝テニスなどして、朝食後解散。夏休み最後の週末で高速は混んでいたので、 つるが一度通ってみたかったという長野から埼玉に抜ける三国峠という古い道を行く。くねくね 峠道を上って、てっぺん到着。ここが三国峠なんだ〜!こっから先は埼玉県なんだね。と下りに入ると、 おーい!!いきなり舗装道から砂利道へ。じゃりなのに、狭いのに、片面はほとんどもれなく絶壁なのに、 ガードレールがないとこが多い〜。路肩の縁が草で見えない〜!落石注意の看板より、ごろごろ落ちてる でかい岩のほうが多い〜。・・・・埼玉は予算がないのか・・?
といいつつも、ものすご〜く景色がきれいで、しかもぜんぜん他の車がいなくてとっても面白かった。 安全運転さえすれば特に危険はない。(無茶な人はすぐ天国へ行けそうだが・・)
岩壁のあちこちに小さなすごく冷たい滝があって、これが川の源流なんだなぁと実感。少し下のほうで 川辺に降りられるところを見つけて降りてみると、綺麗な水は足つけて30秒我慢するのはちょっと 無理というような冷たさだった。渓流の両脇に深い森が高く高く空に向かって切り立って、息をしていた。人里になって、舗装道になってから眠くなったつるに替わって小1時間運転。山道は慣れないので慎重に。 正丸トンネルというところが、なんか妙〜に圧迫感があって怖い。後ろに結構車がいたけど (すいませんけど〜私怖いから50km以上出しませんよ〜それにしても〜なぜこんなに怖い〜)と 思いつつメーターを見ると、踏んでもいないのに50km 超えてる!下り(坂)かいっっ!
それからブレーキばっかり踏んでのろのろ抜けて一安心。そういえば正丸トンネルって、お化けが出るとか いう話もあったような。でもあの時たとえ誰かがフロントガラスに張り付いてても、私はそんなもの 見る余裕はありませんでしたよ。
夕方保育園のお迎えの時、園の前を足を引きずってヒョコヒョコ歩くカラスが出現。大勢の子供達を振り 切って逃げ惑っていたカラスだが、ニブい割にタイミングとって動物を捕まえたりするのがなぜか得意な 私の手中に。すごい力で羽ばたこうともがきながら、ガァァァ!と鳴く巨大な黒い鳥。周りにいた子供達:「ずるーい!私もおうちに連れてかえるぅ〜(;o;)」
子供達のお母さん:「ほらほら、ヒロ君のお母さん(←私)に任せて。ねっ!!(^^;;)」猫か車にやられるのは時間の問題だと思ったので放すわけにもいかず、ダンボールにつめて、子供達と 近所の動物病院へ。普通の住宅地の中の一軒の一角が診察室になっていて、そこの奥さんがのんびり開業 してる、という感じのちいさな病院だった。結果、怪我はなく単なる栄養失調で、バランスのよい食事を すれば治るとの事だった。黒いくちばしの内側が綺麗な紅色だったのだが、これはこの春生まれた若い鳥の 証拠との事。2年目からは完全に真っ黒いくちばしになるそうだ。いくらかかるのかしら?とドキドキしたが 「野鳥だから、お代はいいですよ」との事で、ほっ。
仕方ないので一時保護ということで鳥カゴを買ってそこに入れた。ゴージャスな大きい籠など買えないので ぎゅうぎゅうだが仕方ない。パンやソーセージ、スモモを手から食べてとてもかわいいのだが、人馴れ しても困るのであまり遊べないのがもどかしい。
しかしすぐに、旅行の予定。旅行中、鉢植えを預かってもらう予定だった実家の父母が来たので「あの〜 一個増えちゃったんだけど・・すみませんがそれもお願いします〜」「え?いいわよ」「これなんだけど。 カラス。」「カァァァ!」。。(-.-;)
一週間後、カラスは一回り大きなポータブル犬舎に入って帰ってきた。腰が落ちてつかまれなかった 止まり木にしっかりつかまり、羽ばたくようになったので川辺の土手に放した。カラスはまずスタスタ 歩いて川に入り、狭いところでフンだらけだった体をしっかり洗い、私達が近づくと迷惑そうに逃げて 行ったので、寂しいけどまあよかったということで引き上げた。その後、野生でやっていけたのかは 分からないが、あとは彼(女)の運と実力に任せた。
NHKの朝ドラマ「ちゅらさん」は沖縄が舞台。つるの実家は鹿児島だが、どちらかというと沖縄に近い 島なので色んなものが共通で「うんうん、確かにそう言うよなぁ」「海といえばこの色だよなぁ」 「この人(おばあ役の沖縄のベテラン女優)、島のおばさん以外の何者でもないよなぁ」等と言いながら 観ている。また、主人公は今は東京に住んでいて病院に勤めているのだが、その建物のロケ地が私の 行っている大学なので、毎朝映るたびに「ママの大学が映った〜」。私は、まぁ〜うまくきれいな とこだけ映してるわ・・(^^;)と感心。
そのドラマ中に出てきて人気上昇中のキャラクターが、沖縄の野菜ゴーヤー(苦瓜)をかたどった、 ゴーヤーマン。プリティー。東京ではあまり手に入らないので沖縄空港周りで帰省した時、 グッズを買おうと思ったら広い空港のすごい数のお店の中で扱っている店はわずかな上、超品薄。 観光客はあっちこっちでゴーヤマンないの?と駆けずり回っているのに、きょとんとして、え? うちでは扱ってないんですが・・。なんていっている所もあったりで、あ〜もったいないなぁ。と 人事ながら気をもんでしまった。朝ドラで人気が出て、観光客がどっとくるこの夏が最大の儲け時なのに。 いっぱい作っておけばすごく売れたのに!今から慌てて増産すると、ブームとずれて在庫が残る危険が 大きいのに。ハラハラ。
ここで買ったゴーヤーマンTシャツを着た息子は、お見舞いに行った島の病院でも、帰ってから着て いった保育園でもいろんなとこで声をかけられてニコニコ。