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第193回

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あ〜諸君、この私がドルードル学園の事務局長である。

たべもの回答をたのしみにしている生徒諸君もいるだろう。局長はいわずもがな。
じっさいの食事では、メニューはもちろんのこと、とくに外でいただくときは食器のデザインにも注目したい。
用途や大きさに応じて ほどこされている柄やかたちは、主役をひきたてつつ しっかりアピールもしていて飽きない。

食べおえたら ほかの食器へかさねるまえに、じっくりながめながら余韻をたのしむ時間をもってみよう。
リラックスしながらながめていると 思わぬ発見に出会えるかもしれない。

(  名前の前の "◎" は生徒会長  ・ [ ] 数字は回答投票の番号   )


あらわれる人間模様

▼第193回出題の問題図


出題:東京・ぺぎら君

(問題図を押して別表示)
前回の人物シルエットから、記号味な問題図にもどった。
生徒諸君の のびのびした発想力は問題図のタイプによらず健在で、あらためて感服だ。

今回は たべもの回答から紹介をはじめよう。

【工場で板チョコを作成中】(群馬・夢眠君)[1]
熱っつあつのチョコを、ベルトコンベアで流しながらぐにゅーん。
この作りかただと、まったいらな板になるね。タイル状のとちがって、ランダムにパキッと割れてくようすを楽しめる。

まんなかに鎮座している長い円。単純な図形なだけに、さまざまな見立てを生徒諸君が披露してくれている。

【かまぼこ、板についたまんましょうゆつけて食う】(茨城・藤のの乃くん)[2]
つくる道具につづいて、こちらは食材そのものだ。
板や 薄く切ってないところといった、問題図で見えてないワードを表現しているところがうまい。
さかさまになってるところを、これらの見えてないモチーフで説明してくれた。

【居候 三杯目には 放り投げ】(神奈川・DA☆君)[3]
こんどは食器に見立ててくれた。
茶碗として ありえない角度。ならばと空中に飛ばしてしまった。夫婦げんかの光景ではおなじみだけど、これは新鮮。
居候として ありえない態度。最初のころはあんな殊勝にしてたのに、慣れてきて本性をあらわしたな。

つづいて、身体のどこかととらえた回答を紹介しよう。
長ぼそい半円形といえば、よく目にするここを真っ先に思いついた生徒諸君もいただろう。

【爪を切りすぎて大量に出血が】(夢眠君)[4]
黒エリアが下から左にまわりこんでるところを、どう表現するかがポイントだ。
指先にぴったり沿った、きれいなラインをえがいたテクニックはみごと。
なんだけど、こだわるあまりに つけ根の肉まで巻きこんでしまった。左側も下側も厚くて どばどば感にあふれているぞ。いたいって。

【指で枠を拭って嫁いびりを……って汚っ】(徳島・後野まつりくん)[5]
さっきの回答が流れ落ちる向きだったのに対し、こちらは指の脇をせりあがっている。
右下がもとの桟の厚さなのか、それとも積もりつもった上ずみをなぞっただけなのか。どっちにしても汚っ。
ホコリを吸いこんで、せき込みながらイビると説得力倍増だ。

【指先で乳首を愛撫しています】(夢眠君)[6]
黒エリアを べつのパーツに見立てた。
爪が見えないと思っていたら、上からではなく横からの視点なのか。指の横側をつかうなぞテクニシャンめ。

「CEOとして期待されているので、このような回答も(笑)」(同君)
ドルードルとしてもうまく仕上げているところが さすがのCEO。
乳首が自分のか他人のかは ドルードルには関係ないので聞かないでおこう。

【国境を指で隠すことによって国境を見失わせる作戦】(北海道・旅人君)[7]
この回答も、説明をはぶくことで 読み手が想像する妙をあじわえる。
現地を おおってしまうほどのでっかい手なのか。そんなハイパーフィジカルの持ちぬしなら、さかいめ関係なくミサイルなんぞワンパンで粉砕できそうだ。
それとも、敵のネットワークに侵入して 地図データを改ざんしてるところか。高度な技術を駆使してるのに、指の画像をペタッと貼ってるあたり いやにアナログなのだった。


主観が幅をきかす

指いがいにも さまざまなところに見立ててるよ。

【角刈りヘルメット(正しい向きでかぶってください)】(旅人君)[8]
ただしい向きとちがう場合、寝て や おじぎ と表現するのが常套手段だ。
頭のばあい、かぶりもの という応用幅のひろいアイテムを使えるのが強みだね。
一家にひとつ、だれしもあこがれる角刈りにすぐ変身だ。頭みがきを念入りにしすぎて ツルっちゃったか。

【ハンプティダンプティのボウアンドスクレープ】(DA☆君)[9]
下半身も長丸なキャラクターをブッキングしてくれた。
さすが紳士の国、言動は理不尽でも礼はきちんと身についている。
足がずいぶん太くみえるのは、寒がりで着こんでるんかな。

【1年に2回もラッキースケベが起きるなんて、ラッキーと思わせる あいての策略に まんまとはめられてるんじゃないか、ともかんぐってしまう。©事務局長】(夢眠君)[10]
この回答も、目のまえに鎮座してるのが右脚とか左脚かで 想像の妙をあじわえる。
強調しとくけど、けしてラッキーねらいで問題図をえらんでないぞ。

191回の事務局長のコメントをそのままいただきましたm(_ _)m」(同君)
つかえる表現を貪欲にさがす姿勢はおおいに評価したい。
そのぶん、オリジナリティにはどうしても欠けてしまう。どちらを優先するかは生徒諸君しだいだ。

ラッキーだからといって、手放しでよろこんではならない。

【スカートの中を盗撮していたことがバレた犯人が最期に見たものは、勢いよく飛んでくる被害者の膝小僧だった】(兵庫◎ryu君)[11]
ずいぶん視点が近くないか と思ったときには、すでにニーキックをお見舞いされたあとなのだった。
そして後悔するまもなく お縄へとつづく一本みちが待っている。
犯人 のかわりに名前を入れておくと、読んだとき さらに胸がすくね。あの有名人とか、その生徒とか。

左と右のエリアだけを使った回答は少数派だった。

【ピンヒールで蹴りの応酬】(DA☆君)[12]
黒と白のコントラストが、2足の対立構造を強調してくれている。
応酬というと 履いてる人どうしが蹴りあっているように聞こえるけど、上で ひっつかまえた標的を2人して責め立ててるようにも見える。
どっちが激しくダメージを与えたか、では応酬ともいえるね。ダブルのピンヒールで責められてる標的がどう感じてるかは知る由もないが。


すきまをめざして

つぎのとらえ方を思い浮かんだ生徒はどのくらいいただろう。

【暗闇の中浮かんで見える応援してくれているであろうメガホンだけが希望だった】(後野まつりくん)[13]
全体が見えてないところから、視界におさまらないほど応援パワーが大きいと 訴えかけられる。
気になるのは、こんなでっかいメガホンを使ってたのに聞こえなかったの?

【膝の間を見ようと光源を持ち込むとは】(後野まつりくん)[14]
このフォルム、そして前の回答とおなじく巨大だろうことをかんがえると、懐中電灯よりも光源というほうが適してるね。
ラッキーは受動的だけど、こちらは積極的に明るくしにいった。
ライトの大きさから感じる熱意は買うけれど、疑いようのない証拠でもあるのだった。 アウトバーンなみに お縄一本みちへ直行だ。

【ガリバートンネル入り口】(藤のの乃くん)[15]
トンネルは右側とも左側ともとらえられるけど、黒エリアを活用できる左側としたい。
先入観で人サイズのほうを入口とかんがえがちだけど、じつは小さいほうなのかも。

長めの半円形というと、これもよく見かける。

【トイレットペーパーと間違われて流されるも、ほうほうのていで便座から這い出る一反木綿】(ryu君)[16]
なんどとなく見かけるものが、回答で思いうかぶとはかぎらない。
右の白エリアはタンクにもできそうだけど、回答へ仕上げるまで苦労しそうなわりに見ためが地味。
そこでインパクトを大きくしようと、巨大なペーパーを引っ張ってきた。流されてる じゃなく戻ってきたので、ストーリーも深くできるね。てことは、そのまえに…

【全体塗りつぶし機能はない代わりにめっちゃ太いブラシがあるペイントソフト】(ryu君)[17]
先がかなり丸いので、じっさいの筆記用具とはとらえにくい。
問題図のワクが画面全体なんだろう、そう見ると太っとっ!
ソフトなら どんな太さでも自在とはいえ、なぜにバケツアイコンがないんだ。スポンサーに文房具メーカーがいたのかな。


落ちたあとにどう動く

まんなかの円が縦長ということは、ほぼ垂直な急斜面が長くつづくわけで、

【陰陽師専用ハーフパイプ】(旅人君)[18]
スポーツのフィールドに見たてるとスリル感がぐっと増幅される。プレイヤーがいなくても身震いしてしまうよ。
白黒くっきりしてるってだけで、およそこの場にふさわしくない業界を引きずりこんだ。フィールドが じゃっかん陰寄りなところに、業界内の力関係がかいま見える。
衣装はいつもの仕事着なんかな。業務中はもっと危険なめにあってるだろうから これくらいのアクロバットは朝飯前なのだろう。

【エスケープルートがあるジェットコースター】(藤のの乃くん)[19]
コースターのスリルもうなぎのぼり、カタコト昇ってくときの身震いを増幅させる効果は絶大だ。
それだけに、ご利用中のゲストの身体に緊急事態が発生する可能性も高まってしまった。非常路の設置もやむをえまい。

土でつくられてるフィールドでは、その状態を色で示せる。

【全馬コーナーを曲がりきれず逸走】(DA☆君)[20]
カーブがもっともきついのが 問題図のいちばん下。右下の直線が、それまでの猛スピードと、コケたあとのズザー感をものがたっている。
さっきまでの2種目にくらべるとなだらかで、人も走らないけれど、参加者の心身への負担は匹敵するか それ以上かも。
おひろめのレースが店じまいのレースになったんだろな。主催者の心身への負担はいかばかりか。

急な傾斜をさらに大きいスケールでとらえると、

【片方の山の影がもう一方を覆うように落ちた】(後野まつりくん)[21]
問題図はふもとだけなので対称にみえるけど、右のほうが はるか高くそびえたってるわけだ。
おなじくらいの背格好なら日照権だーとうったえるとこだけど、そのそぶりも見せられないほどニラミが強いんだろな。

【崖から落ちちゃったので今日はここでキャンプしまーす】(ryu君)[22]
コースターばりの断崖絶壁から滑落したのにこの調子。テントを立てる体力気力は問題なさそううだ。
一夜があけてからは、なんもプラン立ててなさそなんだけど、これくらいの気構えのほうが たくましくサバイバル生活を送れるかもしれないね。

ドルードル学園も、これくらい大船に乗ってゆったりした心持ちでのぞんでいきたいもの。
その道中で ささやかなアクセントでありたいのがトップ賞だ。今回その栄誉をいとめたのは!

◆◆◆ トップ賞 ◆◆◆
【全馬コーナーを曲がりきれず逸走】
(神奈川・DA☆君)

長丸、黒エリアの左側、右側と問題図のパーツを余すことなく役割をもたせてくれた。
じっさいの競馬場のコースよりカーブが急なところもリアル。
そして、全馬逸走という ふつうありえない単語のつながりが生み出すパワーの強さにとどめをさされたよ。

あれデジャブ? こないだも同じような発表をみたような。
そう、DA☆君は前回にひきつづき連続でトップ賞を獲得だ。
前回 ハードルが上がるとコメントしたばかりだけど、やすやすと超えてきた実力はさすがだ。
これからも、ますます期待をせずにはいられない。おめでとう!


第191回授業の投票

▼第191回出題の問題図


(問題図クリックで授業を表示)
第191回の回答のなかから、生徒諸君それぞれが これぞ というものをひとつずつ挙げてもらった。
局長とはことなる着目点もあって、とても興味ぶかい。

2票:【急カーブに立てた看板は撤去され、跡だけが残っている】(後野まつりくん)

1票:【目をふさいできた指の間から最後に見たものはこちらに向かってくる包丁だった】(後野まつりくん)
  • 包丁という発想がよかったですね

1票:【花子ちゃん、逆上がりは横棒でやるんだよ。縦棒でやったらポールダンスだよ!】 (ryu君)

1票:【42度を超え限界突破して破裂した体温計】(DA☆君)
  • うっかりその辺に出しっぱなしたのでは? 的な事を思う気温だったもので

1票:【無理なダイエットがたたって病床に伏せる富士山】(夢眠君)
  • お見事としか言いようがない

ゆいいつ複数の生徒があげたのが看板の回答。
遠近法をぞんぶんにいかして、みじかい縦線に歴史を植えつけれくれた。


おバカ回答投票

つづいては2024年度の年間イベント「おバカ回答」の投票だ。
イベントの趣旨は 生徒会長の開催宣言 を参照しよう。
なにがおバカなのかも生徒諸君さまざま。目からウロロのコメントもあって、こちらもおもしろい。

1票:【夢だと信じたいので、痛くないように頬をyogiboではさむ】(ryu君)

1票:【砂時計(1時間用)】(夢眠君)

1票:【キャンパス全体を一色に塗りつぶす専用の絵筆】(ryu君)

1票:【めちゃくちゃ持つところが短いバーベル】(旅人君)

1票:【通天閣スライダーに味を占めた人が直滑降バージョンを作りました】(藤のの乃くん)

1票:【無理なダイエットがたたって病床に伏せる富士山】(夢眠君)

おもいきり票が分散した。それだけ、生徒諸君の発想の幅がひろいともいえるね。
イベントは前半戦。おバカ王をめざす生徒諸君、いまからでも巻き返せるぞ。


おまけアンケート「最近、ちょっと遠出したところは?」

ときおり体験する、ちょっとした非日常。
場所もシチュエーションも生徒諸君によりさまざまだけど、そのときあじわったワクワクとともに記憶にきざまれていることだろう。
その体験をおすそわけさせてもらった。

「電車で1時間半、そこからバスで30分のカフェ。推しのイベントがあったもので」(藤のの乃くん)
おいかける時間から、推しへの熱量をはかれる。行きかえり4時間は奮発かな、朝飯前かな。
時間も予算も青天井な活動をしてる人もいるね。それほど情熱をささげられるあいてに めぐりあえるとは なんて幸せだろう。

「房総半島一周&千葉のローカル鉄道乗り潰しをしてきました。直後にいすみ鉄道がレール破損による脱線事故で長期運休になってしまったので、その前に乗れてよかった」(DA☆君)
こちらも なかなかの中旅行。房総半島の真ん中へんまで行ったことがあるけど、けっこう時間かかったよ。
いすみ鉄道の復旧は数年後なんだ、ローカル線はいなくなってしまうかもしれない、思いたったら すぐ出かけよう。

「近くにないチェーン店とかですかね。やっぱ市街地中心にしかないとかありますから」(旅人君)
似た業種の ほかの店は近所にあるのかな。
そこに出向くってことは、限定コラボとかなんかな。応募条件をみたすために いらないモノも買ってないか心配になってしまう。

「・・・・・・・・町外のスーパー?」(後野まつりくん)
となりまちへ出かけなきゃ手に入らないモノも ときには出てくる。ちょっとした冒険にはちがいない。
なにしろ、生鮮品にしても ほかの食材にしても 売り場の順番が ぜんぜん違うんだもの。
買うものはひとつだけでも、時間や歩いた距離はいつもの買い出しと同じくらい、もしかすると倍いじょうかかってしまうよ。

「仕事で草津まで行きましたが、日帰りだったので温泉に入れず」(夢眠君)
観光地での仕事は うしろ髪ひかれるね。訪問先が湯けむりや名物の香りただよう場所ならなおさら。
なんとか月曜の午前や金曜の午後にスケジュールを立てられないか 画策できないものか。

局長は 帰省や出張をのぞくと、以前いた職場のまちで、当時のメンバーと泊まり会に行ってきた。
コロナ期間をはさんで数年ぶりだったけど、一瞬でそのときの雰囲気にもどって なつかしくすごせたよ。

「普段行かないところに行ったという意味では近くの公園で花の写真を撮ったりしました とあるYoutuberが小さい秋の写真を募集していたのでね
ちょうど菊の展覧会などやっていたのでフォトジェニックな写真には困らなかったのですが、いかんせん虫が多くて撮影が大変でしたw
花は花束か画像で見るに限りますわ」(ryu君)

近場であればあるほど、目的をもって行くことはすくなくなるね。新鮮な気分で味わえたことだろう。
虫がつきものと わかってはいても難儀するね。桜はその最たる花だね、接写したくなるからなおさらだ。

遠出の距離感はそれぞれ。また別の場所に行きたくなった生徒諸君もいただろう。
あたらしく行ったところがあれば、回答でもホームルームでも、その感想をおしえてほしいぞ。

今回の授業はこれまで!

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