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Space Saver II Keyboard で遊ぼう!

第5回

スムースエイドを試す

キーボード好きの皆さん(?)こんにちは。

さて、前回の調査で、日本語版新品のキータッチの良さの秘密は、スライダ部に塗られた湿式の潤滑剤にあるらしい、ということが判りました。

前回も書きましたが、SSK II の欠点として、カサカサ感と引掛りが指摘されることがよくあります。キータッチを重視する人は、これだけで、このキーボードを使う気にならないでしょうね。
私自身はそんなにキータッチにうるさくはないんですが、それでも結構気になってました。(特に英語版の)キーの押し込み時のフィール自体は普通のメンブレン+ラバードームタイプのキーボードとしては結構気に入っていただけに、つくづく残念に思ってました。

これが解決できるかもしれない、となれば、潤滑剤を試すしかないでしょう。

で、潤滑剤に関する調査を始めたんですが、かの Qwerters Clinic によるとスムースエイドという乾式の水性潤滑剤があり、秋葉のネオテックという店で売ってるそうです。実は、しばらく売り切れ状態が続いていたようなんですが、丁度7月に販売が再開されたとのこと。ナイスタイミングです。
本当は手持ちの日本語版新品にも使われている湿式のほうが良さそうなんですが、キーボード用湿式潤滑剤にはどんなものがあるかよく判りません。Qwerters Clinic によると模型用のグリスでも良いようですが(例えばこれかな?)、ま、定番らしいですし、とりあえずスムースエイドを試してみることにしました。

ネオテック参リ

ということで、小雨降るある金曜日の夕方、秋葉はネオテックに行ってきました。
ちょっとマニアックな、しかも店頭には置いていないブツということで、少々緊張しながら店に入りました。
リラックスするために Realforce 106 とか、Avant Prime とかとても買えそうもないキーボードを一通り触った後(単に触りたかっただけだろう!)、勇気を出して店長さんに
「スムースエイドありますか?」と聞いてみました。
「はいはい」とサクっとブツをカウンターに置く店長。
そういえば、大量のキートップを引き抜かなきゃいけないんだな、と思い出し、
「キートップ引き抜く工具あります?」と聞いてみます。
「キートップ引き抜く工具?ハハハ。はいはい、キートップリムーバと言います。」
笑いながらブツを置く店長。
笑われちまったよ、オレ!(;.;)

まぁ、いい。気をとりなおして会計を済ませます。スムースエイド1000円、キーボードリムーバ600円だったかな?

「いろいろキーボードありますから、よかったら触って行って下さい。」と店長。
なんだ、単に気さくな人らしい。

それじゃぁ、ということで、当時入荷したばかりのMCK-86をさわってると...
店長:「それ、いいでしょう。コンパクトキーボードによくある Fn キーがないところが良いんですよ。」
私:「これアルプススィッチなんですよね?」
店長:「ええ、この辺の(と別なコンパクトキーボードを指さす)キーボードと違って本物のアルプスなんですよ。」
とか、
1000円ぐらいで売ってるFKB8720系のキーボードをさわってると、
店長:「それ、安いわりには良いキーボードでしょう?」
:「職場でこのシリーズのキーボード使ってますよ。たしかにキータッチいいですよね。」
店長:「スライダにストッパとか付いてたり、構造が凝ってるんですよね。もっともウチじゃあ高いキーボードばかり売れて、これはあまり売れないけど。」

とか話しかけてきます。
スムースエイドなんか買ったので、マニアと思われたか?マニアじゃないのに(ましてやコレクターでもないし)。にしても本当にキーボードが好きなんだな、この店長さん。

しかし、FKB8720系って良いキーボードだと思うけど、ネオテックじゃやはり売れないかぁ。私は実は一枚持ってたりするけど、「特にキーボード好きというわけじゃないけど、PC附属のキーボードに不満がある人」には自信を持ってお勧めできるんだけどなぁ。

で、結局散々触ったけど、この日はキーボードは買わず素直に帰宅。
店長さんごめんなさい。

(なお、会話の内容は、細かいところまで覚えてるわけもないんで、やや不正確です。大体はあってると思いますが。以上、余談終わり。)

黒く^Hいブツに塗れ!

ってなわけで、無事スムースエイドとキーボードリムーバをゲットしました。これで、ガンガンキートップを外してガンガン塗りまくれます。
スムースエイドとキーボードリムーバー スムースエイドとキーボードリムーバー。
帰宅して早速塗ってみました。まずは、例のキータッチの悪い日本語版店頭展示品から。
どんな感じかよくわからないので、まぁ、いいやと、とりあえずテキトーに塗ってみることにしました。刷毛が容器の蓋に付いてるタイプなんで、簡単に塗れそうです。全部塗っちゃうと比較できないので、とりあえずアルファベットと記号キーだけ、キートップを外してスライダにスムースエイドを塗ってみました。それから、匡体側の接触部にも。さすがに水性だけあって、プラスティックとはそんなに親和性がなさそう、ノリはそんなには良くないです。

スライダを装着し、数回動かした後、しばらく、放っておきました。その名の通りスムースになるんでしょうか?

待つことしばし...

さて結果ですが...
予想以上に引掛りが少なくなり、スムースになりました。
がたつきが多いキーボードなので、乾式だとあまり効果は期待できないな、と思ってたのですが、予想より良い感じです。もちろん、湿式の日本語新品のあのガチャガチャ感がやや少なめ、かつ、しっとりした感蝕にはなりませんが。少なくともあのカサカサ感は無くなりました。それに、キートップのはじを押したり、斜めに力を掛けてもほとんど引っ掛かりません。今迄引掛りがあるため、ついつい指に余計な力を掛けてましたけど、それも大分少なくなったのか、指への負担も減りました。乾式でもなんでこんなに滑るの?って感じです。なんか宣伝文句だけ見てると胡散臭そうなんですが、使ってみると効果があります。

こりゃキーボード界のマイクロロンか?

さらに、2度塗り3度塗りもしてみたところ、さらにスムースさは増したようです。
水性だけに最低でも2度塗りはしたほうが良さそうですね。一度目は下地処理って感じで。乾燥に時間かかるんで(とはいえ、30分ぐらいで良いようですが)、2度塗りは面倒ですけどね。

さらに英語版にも塗ってみました。上に書いたように、英語版に関してはもともとキータッチ自体は気に入っていただけに期待は高まります。乾燥させてタイプしてみると...引掛りとカサカサ感はかなり無くなりました。もともと日本語版よりはがたつきが少ないようなので、さらに効果が感じられます。メンブレン+ラバードームタイプとしては、かなり好みのキータッチになりました。うん、いいぞいいぞ!湿式じゃないので、ガタつきとカチャカチャ音は変化ないようですが、まぁ、私はキータッチにはあまりウルサくないんで許容範囲です。

ということで、スムースエイドは潤滑剤なしの SSK II には、ずいぶん効果があるみたいです。引掛りとカサカサ感で使用を諦めていた人は、値段を考えても試してみる価値はあるかもしれませんね。

あと、他の手持ちのキーボードにも塗ってみたのですが、やはりキーボードの構造によって効果にかなり差があるようです。SSK II のようにカサカサ感のあるキーボードにはかなりの効果があるようですが、もともと滑りの良いものがさらに良くなるか、というと、それほどでもない感じです。まぁ、詳しことは、別の機会にでも。

それから、こうなると、湿式潤滑剤も試してみたいですね。とりあえずは、タミヤのセラミックグリスでしょうか?(某ハンズに行ったら「扱ってない」といわれたので、まだ入手していません。)
他の使えそうな潤滑剤の入手方法等、情報をお持ちの方は、ぜひメイル下さい。お待ちしてます。

ということで、今回も十分な効果が得られました。キー配列変更するよりお金も手間もかかりませんしね。めでたしめでたし。

では、今回はこのへんで。




スムースエイド
販売元はネオテック。米国RO-59社のRO-59という潤滑剤を希釈したものだそうです(輸入元はタフ・インターナショナル)。
しかし、本家のサイトが www.yahoo.com で調べても見当たらないなぁ。
マイクロロン
車等のエンジンオイル添加剤の一種。なんでも他の添加剤と違い、ピストンやシリンダをコーティングし、潤滑性を上げるものだそうだ。
一般にこの手のケミカル製品は、ちょっとアヤシゲな気もするけど(エンジン内の爆発は、複雑な物理・化学現象ですからねぇ)、私の車のディーラーの兄ちゃんは「5万キロ越えたら効果ありますよ」と勧めてた。

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