ということで、困った時の夢中レポート。夢中レポートの読者の方ならお気付きかと思いますが、STARTさんは
SSK II のキータッチが重いというので、ラバードームに切り込みを入れるという技を試されてます。今回の店頭展示品の問題はキーの重さだけでなく、底打ち時の衝撃の問題もあるわけですが、キーを軽くすれば、そもそも指にあまり力を入れずにすむんで、底打ち時の衝撃も、ある程度改善しそうです。試してみる価値はありそうです。しかし、この技は危険だ!
STARTさんはサラっと書いてますけど、これ、実は結構大変そうなんです。何しろラバードームは直径は12mmほど。かなり細かい作業になります。それに、どんな風に、どれくらい切り込みを入れればいいかも良くわかりません。そして、失敗するとキーが戻んなくなっちゃって使い物にならなくなります。そこまでハデに失敗しなくても、すべてのラバードームに均等に切り込みを入れないと押し下げ圧がばらばらになってしまうこと必死(気持ち悪そう)。おまけに元に戻すことはもう一台買ってでもこない限り基本的に不可能!こりゃ、おいそれと手が出せません。
うむー、どうしよう、とつらつら考えること1週間ほど。
まずは、素直に STARTさんと同じようにラバードームに横に(底面と並行に)2箇所切り込みを入れることを考えました。が、作業が大変そうです。というのも横に切り込みを入れるにはラバードームをつまみながら切る必要があるのですが、ラバードームとメンブレンシートの接着は非常に弱いので、ヘタにつまむと取れてしまいそうです。それにこの方法だと同じ長さだけ切り込みを入れるのも難しそうなことがわかりました。
次に考えたのが、穴開けや切り込み入れ用の専用工具を作ることです。これは工夫次第で均等に穴や切り込み入れられそうですが、まぁ、正直、工具を設計したり作るのが面倒ですよね。ということで、アイディアを練るまでもなく、早々にギブアップ。
最後に考えたのが、ラバードームを指で押しつぶして、つぶれたふちの部分に縦に(底面と垂直に)ハサミで切り込みを入れる、というものです。この方法だと、作業時に接着部にもほとんどストレスがかかりませんし、比較的均等な長さに切り込みを入れることが出来そうです。それに、切り込み部が「ベコ」っとつぶれてくれるため、今一番問題になっている、押し込み時の硬さを緩和する効果が大きそうです。ただし、使いつづけていくうち、切り込みがどんどん成長する可能性もありそうです。
とまぁ、いろいろ考えたのですが、考えてばかりいても先に進めないので、駄目になってもそんなに困らなさそうな Pause キーに縦にハサミを入れてみることにしました。ラバードームを潰して端の部分にとりあえず1mmほど切り込みを入れてみます。で、匡体をかぶせ、キーを押してみます。やや軽くなった感じです。また、キーの戻りも若干遅くなったような気がします。さらに反対方向にも切り込みを入れてみました。キーが戻らなくなるほどではないですが、私には、やや軽すぎるように感じます。
ということで、とりあえず、切り込みは一本で良さそうです。それから、何度もキーを押してみましたが、まぁ、100回程度では、特に切り込みが成長することもなさそうです。さらに、切り込みを2mm程度に深くしてみましたが、これも十分キーは戻ってきます。これなら多少切り込みが成長したところで大丈夫そうです。耐久性は、それほど気にしなくても良さそうです。
ということで、仕様頻度の高い Alphabet + 記号キーだけ、キーを潰しつつ、縦に1mmほど切り込みを入れてみることにしました。切り込みの長さが異なると当然キータッチも異なります。緊張しながら、一発勝負で切り込みを入れて行きます。慣れるとわりと一定の長さで切り込みが入れられるようになりました。で、出来上がりはこんな感じ。