2004.10.30
誤字等No.119
Google検索結果 2004/10/30 プラグラム:4,730件
「コンピュータ、ソフトなければただの箱」
コンピュータには、どのような処理を行うかを規定する「ソフトウェア」が必要です。
そして「ソフトウェア」を構成する実体は、コンピュータに対する「命令」を記述した「プログラム (program)」です。
「プログラム」とは「予定」「計画」などの意味を持つ言葉であり、イベントの進行順序を記載した小冊子なども「プログラム」と呼ばれます。
まさに「進行手順表」のように、コンピュータに処理させるべき命令を順序良く並べたものが、「プログラム」となるわけですね。
さて、この「プログラム」という言葉、外来語の中でもかなり「日本語に定着した」言葉と言えるのではないでしょうか。
「運動会のプログラムを配る」といった使い方も、十分に市民権を得ているはずです。
にもかかわらず、いざ検索してみると、意外なほどに誤字が多いことに気付きます。
今回は、そういった数多の誤字の中から「プラグラム」を表題としてみました。
「プログラム」のつもりで「プラグラム」と書いてあるページは、かなりの件数になります。
おそらく、そのほとんどは「ただの書き間違い」でしょう。
しかし、意図して「プラグラム」という表記を使っている人がいる可能性もないとは限りません。
他のパターンの誤字に比べて「プラグラム」の件数が突出している背景には、何か理由があるはずです。
あくまでも「仮定」の話ですが、もし、発音上の理由で「プラグラム」と表記している人がいたら。
「プログラム」よりも「プラグラム」と発音した方が「英語っぽい」などと考えている人がいたとしたら。
なんとも「滑稽な勘違い」と言うしかありません。
近づくどころか、余計に遠ざかっているのが実態なわけですから。
さて、上述のように、「プログラム」に関する誤字は「プラグラム」だけではありません。
WEB上には、実に多種多様な誤表記が散在しています。
その一部を、ここでご紹介しましょう。
まずは、「プラグラム」の親類とも言えるものたちから。
「プログラム」の「ロ」が、「ラ行」の他の文字に変わってしまったパターンです。
プリグラム:127件
プルグラム:639件
プレグラム:32件
次に、「ロ」ではなく「ラ」の方が他の文字に変わってしまったもの。
プログリム:2件
プログルム:6件
プログレム:248件
プログロム:151件
真ん中の「グ」が変化すると、こうなります。
プロガラム:8件
プロギラム:16件
プロゲラム:37件
プロゴラム:13件
「グ」の代わりに、発音の似ている「ブ」が使われることもあります。
プロブラム:1,010件
「プロブレム (problem: 問題)」と紛らわしいですね。
または、先頭の「プ」に代わって「グ」が使われることもあるでしょう。
グログラム:122件
なんとなく、気味の悪い印象の言葉になりました。
さらには、「プリベイト」の項でもご紹介した、濁音や半濁音の間違いもあります。
フロクラム:6件
ブログラム:1,530件
フログラム:309件
ブロクラム:10件
プロクラム:1,670件
不思議な語感の表記もありました。
プログラモ:8件
プログランム:7件
そして、一部の文字を重ねて書いてしまったもの。
ププログラム:460件
プロログラム:30件
プロググラム:68件
プログララム:23件
プログラムム:35件
ついでに、「ロ (ろ)」と間違えて「口 (くち)」を書いてしまうという番外編も。
プ口グラム:376件
などなど…
きっと、探せばまだまだ見つかることでしょう。
上記のパターンを組み合わせた誤表記も、いろいろとありそうです。
前述のように、「プログラム」は日本語にかなり定着した外来語という印象があります。
そんな言葉でさえ、これほどに多彩な誤字等を生み出しているのが日本語の現状です。
これは嘆かわしい事態なのでしょうか。
それとも、日本語が良い意味で「いい加減」であることを示す好例なのでしょうか。
現実問題として、世の中にこれほどの誤字等が実在する以上、最良の対処法は、「気にしない」ことでしょうね、おそらく。
日本人とは、かくも「外国語の発音」に弱いのでしょうか。
このような「外国語の発音」が原因と思われる誤字等の品種を、「外誤科(がいごか)」と命名しました。
プロバラム:20件
ブラグラム:3件
プロダラム:10件
プログラーム:16件