2004.08.20
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誤字等の館 (ごじらのやかた) には、読者様から色々なコメントが寄せられています。
それらの一部をご紹介しつつ、館主からの回答を行うコーナーを設立してみました。
順番は適当、新旧ごちゃまぜです。
今回載っていないコメントも、いずれ登場するかもしれません。
念のため、ご注意。
回答は「個人的意見」ですので、なにごとも「保証」するものではありません。
館主自身にも、「思い込み」はあることでしょう。
明らかな間違いを見つけたら、どうぞ指摘してください。
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MS−IMEで「製造メーカー」は重ね言葉としてチェックされてしまいました。 ごもっともな事ですが、試しに検索すると69,100件ヒットしました。 これは?日本語として広く使われている言葉なのか、やはり誤字の仲間か迷うところ です。
同じ意味の言葉を続けるのは「重ね言葉」ではなく「重複表現」かと思いますが、それはさておき。
「メーカー」には「製造者」の意味がありますので、確かに重複しています。
しかし「make」の意味は非常に幅広く、「maker」の意味もひとつではありません。
外来語としても、「ペースメーカー」「トラブルメーカー」など、使い道は色々。
重複を避けつつ語義を厳密にしたいなら、「メーカー」ではなく「製造元」「製造業者」などと表現した方が良いでしょう。
ただし、「メーカー」と名乗っていても実際には物を製造していない「OEM」という形態もありますので、一概には言えません。
私としては、「製造メーカー」程度なら「誤字」とは思いません。
重複表現だとしても、そのすべてが「間違い」とは限らないはずです。
「今現在」といった「強調表現」もありますし、「石つぶて」のような「分かりやすさ」を増す効果のある言葉もあります。
さすがに、重複が歴然としている「馬から落馬」のようなものは「目障り」となることもありますが…
このあたりに神経質になりすぎると「日本語の表現力」が損なわれてしまいますので、あまり気にしない方が望ましいと考えます。
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ちなみに、英語に関して、単純な発音の誤りは恥ずべきものだろうと思ってい ます。そう言う意味で、異論があるのは知っていますが「ワーニング」は、 「インストゥール」と同様に正しい知識があれば避けられるはずの単なる誤り です。
確かに「war (戦争)」を「ワー」と読むのは聞いたことがありませんので、「ワーニング」はいかがなものか、とは思います。
それでも私は、単純な「英語の発音の誤り」は、あまり重視していません。
日本人の英語力は総じて高くないので、「外来語化」するときに「かけ離れた」発音で定着してしまうことは珍しくないからです。
残念ですが、「ウォーニング」では、「警告」を意味する外来語としては通用しないでしょうね。
「warning」の読み方を知っている人でも、「ワーニング」を「専門用語」として使っているのが現状です。
「インストゥール」の場合は、それとは根本的に事情が異なります。
「発音の誤り」を正しているつもりで余計に遠ざかっているというあたりが、なさけないわけです。
的外れな「英語っぽい発音」に自己陶酔している姿は、みっともないものですから。
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僕はファーストフード店でアルバイトしているもので、 ファーストフードという発音が間違っていると言われると少し辛いのですが(笑)、 このファーストフードというのは別に誤りではないみたいです。 アルファベットにすると間違いなく『fast food』なのですが、 生の英語でもファーストフードと発音している所もあるそうです。 ニュージーランドなど、アメリカ英語の国はファストフードと発音するそうですが、 オーストラリアなど、イギリス英語の国は日本と同様にファーストフードだそうで す。 ですので、単にfastという単語だけを見てファーストは間違っていると断定する ことの方が むしろ間違っているのではないかと思います。
同様のご意見は、本当にたくさん頂きました。
英単語としての「fast」を「ファースト」と発音することは間違いではない、だから「ファーストフード」も誤字ではない、といった主旨の指摘が多いです。
こういった擁護派にも支えられて、「ファーストフード」は日本語に定着したのかもしれませんね。
私は、「英語の発音」そのものにケチをつけるつもりはありません。
「外来語」と「外国語」は、別物です。
英語と日本語では音韻体系が違いますので、カタカナ表記できっちり区別しようとする考え方自体に無理があるのは当然のこと。
「fast」の読みは「ファスト」であって「ファースト」ではない! などとこだわっても、そのこと自体は間違いでしょう。
ただし、日本語の文章中にカタカナ表記の「ファースト」が登場したとき、それが「fast」を意味するものとしてとらえられるでしょうか。
私なら、まず間違いなく「first」に相当する外来語として解釈します。
「fast」の意味なら「ファスト」と表記するだけで確実に勘違いが減るのに、「ファースト」に拘泥する必要などないのではないかと。
「ファーストフード」の回は、これを「first food」だと思い込んでいる勘違いをネタにしました。
今から思えば、「fast」と「first」を取り違えた「取違科」の誤字等に再分類した方が良さそうですね。
余談ですが、「朝食」を「breakfirst」と表記する人もいます。
これも同類の「勘違い」と言えそうです。
「一日の最初の食事」だから「first」だと納得してしまっているのかもしれません。
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私、Windows XP Professional + IME 2003 を使っているのですが、 つい先ほど、見慣れないポップアップに遭遇いたしました。 IME の変換品質向上のためでしょうか、「誤変換を報告してください」 とのことでした。 もう長いこと、WinXP + IME2003 を使っておりますが、このような ポップアップを見たのは先ほどが初めてでございます。 ひょっとすると、WinXP SP2 のプレビュー版をインストールしたため かもしれません。
「ITmedia」に、その機能が紹介されていますね。
どれだけの運用が可能なものか疑問ですが、アイディアとしては面白いです。
これにより少しでも変換効率が上がるのなら、価値のある試みかもしれません。
マイクロソフトを信用しきれない私としては、送信する気になれませんが…
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揚げ足を取ってるようにしか思えなくて不愉快なところが多々あった。 けど、自分も間違えているところがあったので面白かった。 「ン」をカタカナの「ソ」に変えて遊ぶという事を知らないのですか? 「ふいんき」もわざと間違えて、他人の発言を釣るし。 「こんばんわ」は、自分の設定したルールを破られると 腹が立つ人の意見にしか聞こえません。 「今日は」「今晩は」は既に意味を持たない、音でしかないわけで。 別に嘆くことじゃないです。やっほーとかわーいと同じです、 意味なんか吹っ飛んでます。 ブとヴを書き分けるのは古いですが、これも遊びのレヴぇルなので 別に突っ込んだところで「それで?」っという感じです。 ユキビタスについては、 情報処理の講議を受けているので衝撃的なじぢつでした。 聞きなれないので仕方がないとは思いますが・・・。 日本人は、外来語など新しい言葉、個人個人の独特な喋り方に 寛容・・・というか、関心が薄いのが特徴だと思うので それを否定するのはノンセンスだと思いました。 適当に誤字を散らばせておきました
わざと誤字を入れたコメントは、ときどき届きます。
こういった遊び心は好きですね。
「どうだ、見つけられるか?」といった挑戦的なものも、面白いです。
私は「遊び」で雑文を書いている人にツッコミを入れるなんて無粋な真似をするつもりは、毛頭ありません。
ただ、「他人の発言を釣る」という行為は趣味が悪いと思いますが…
「今日は」「今晩は」の意味が既に失われているのは、その通りでしょう。
腹を立てるようなことではないです。
しかし何も知らずに「こんばんわ」と書いているようでは、「教養」が疑われる場面もあります。
知っていて「わざと」そう書くなら、「TPO」の理解は欠くべからざる大事なもの。
遊んで良い場面かそうでない場面かを区別できなくても許されるのは、「子供」だけです。
日本人の「言葉に対する許容性」は利点だと思います。否定するなんてとんでもない。
しかし、それに甘えて「知る努力」を放棄した姿勢は、誉められたものではありません。
他人への寛容さは美徳かもしれませんが、自分への寛容さは怠慢です。
開き直ったり言い訳したりせず、間違いは素直に認めるようになりたいものです。
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