考古学のおやつ/NEWSLINK

2019年1月10日（木）

北海道: 北海道内で地表に窪みとして残る先史時代の竪穴住居跡は道内1335遺跡で23000軒。北海道教育委員会の調査。[読売新聞]
長野県: 松本市・松本城三の丸で見つかった石組井戸のうち、35m分を路面下に保存へ。[信濃毎日新聞]
北朝鮮: 開城満月台の西部建築群で、幅12m、高さ5mの大型階段遺構。「焼銭」の銘文が入った祭器も見つかり、道教の祭礼に関連。[聯合ニュース]
中国: 陝西省西咸新区空港新城・雷家村十六国墓地で祭祀遺跡と穀物。[中国新聞網]
インド: ハイデラバード（Hyderabad）のモスク・ジャーマー・マスジド（Jama Masjid）が、違法な建設工事のため毀損。ゴールコンダ王国（Golconda）のスルターン・クリー・クトゥブ・シャー（Sultan Quli Qutb Shah）が1518年に創建し、ハイデラバードでは最古。[The New Indian Express]
▼テランガーナ州（Telangana State）
ブルガリア: シリストラ州（Област Силистра；Oblast Silistra）ドゥロヴォ市（Община Дулово；Dulovo Municipality）パルコヴニク・タスラコヴォ（Полковник Таслаково；Polkovnik Taslakovo）で、後期銅石器時代・紀元前4500年～前4200年の銅製斧やハンマーなど22点。合計22kgで、同時代のヨーロッパで最大規模の埋納。遺物はKodjadermen - Gumelnița - Karanovo VI文化の第2・第3段階に属す。[Archaeology in Bulgaria]
ドイツ: ロットヴァイル郡（Landkreis Rottweil）ベジンゲン（Bösingen）ヘレンツィンメルン（Herrenzimmern）で11世紀の日常土器の破片。[Schwarzwälder Bote]
▼バーデン＝ヴュルテンベルク州（Land Baden-Württemberg）ロットヴァイル郡（Landkreis Rottweil）
ドイツ: 中世の女性人骨の下顎にラピスラズリの顔料。貴重な顔料のため、装飾的で高価な宗教文書にのみ用いられた。この女性はそのような宗教文書の作成を助けた可能性がある。[LiveScience]
エジプト: スコットランド国立博物館（National Museum of Scotland）で展示されている、ギザの大ピラミッドの蓋石（casing stone）の正当性について論議。博物館側は1872年にエジプト政府の許可を得たと主張。エジプト政府側は輸出と所有の許可を検証したい意向。エジプト側の担当官は、蓋石がギザのものであるかの信憑性自体にも疑問。[BBC]
エクアドル: 海岸地帯のマ・ラン遺跡（Ma-Lan）でマチリリャ文化（Machalilla）・3500年前の遺跡。貝製の装身具や釣り針出土。ドイツ考古学研究所（Deutsches Archäologisches Institut）の調査。[Deutsches Archäologisches Institut]
方法論: 考古資料の破片からコンピューターで自動的に接合復元する新たなアルゴリズムが開発される。[Tech Xplore]

2019年1月9日（水）

北海道: 厚真町青少年センターロビーの埋蔵文化財展示コーナーが地震被害から復旧し、展示を再開。[朝日新聞]
韓国: 慶尚南道金海市・鳳凰洞遺跡で加耶・4～5世紀の建物跡周辺から、家形土器。従来例の高床式とは違い、地面に密着した形。正面は切妻で背面は丸い。また、焼成遺構周辺の5世紀初めの文化層から、銅板を鉄鋲で接合した輪鐙も出土。国立加耶文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
▼鳳凰洞遺跡関連記事→2017年11月21日
中国: 広西チワン族自治区貴港市で西漢（前漢）から明・清に至る墳墓100基。漢墓からは長さ64.8cmの陶製の船。また、漢代の壕。[中国新聞網]
モンゴル: 後期青銅器時代・3500年前～2700年前の墳墓から出土した人骨25体を分析した結果、感染症やくる病、壊血病や栄養不足による病気はほとんど見られず。一方で、鼻や肋骨や脚に、戦いや落馬による骨折があり、背骨には乗馬に伴う摩耗など。
▼[Science]
インド: ハリヤーナー州（Haryana）ヒサール県（Hisar District）ラーキーガリー村（Rakhigarhi）のハラッパー文化（Harappa）の墓地で、同じ墓に同時に埋葬された若い男女の遺体。男性の顔は女性の方を向けられている。[The Times of India]
エジプト: マドリッドの国立考古学博物館（Museo Arqueológico Nacional）にあるミイラは、CTスキャンにより、古代エジプトのプトレマイオス朝のファラオ・プトレマイオス2世（Ptolemy II）の眼科医で司祭のNespameduのものと判明。[El País]
ペルー: パコパンパ遺跡（Pacopampa）で出土した紀元前500年～前50年ごろの6体の人骨に、首を切断して神殿に奉納した跡。人の首を儀礼で供えたことが科学的に確認できた最古級の例。[読売新聞]
Bioarchaeological evidence of decapitation from Pacopampa in the northern Peruvian highlands[PLOS One]
▼カハマルカ県（Departamento de Cajamarca；Cajamarca Region）カハマルカ（Cajamarca）
▼パコパンパ遺跡関連記事→2017年9月29日

2019年1月8日（火）

宮城県: 岩沼市・原遺跡で、建て替えられたとみられる掘立柱建物跡。律令時代の公的施設跡。「玉前駅家」の可能性。岩沼市教育委員会の調査。[共同通信]
中国: 陝西省西安市・馬騰空遺跡で、関中地域では初となる仰韶文化晩期の環濠集落。東周時代の秦人の集落と墓地。秦末～漢初の埋納された楚式青銅器。唐代の大型建築。[中国新聞網]
中国: 陝西省・雍城血池遺跡で、秦人が祭祀で用いた大量の馬匹は、幼く弱い馬を選抜したものと判明。[人民網]
▼秦雍城関連記事→2013年1月9日
インド: イースト・ゴダバリ県（East Godavari districts）のRudramkota村とRayanapeta村の巨石時代・前2500年～前500年の墳墓が、ポラバラム潅漑事業（Polavaram）のために、埋め立てられる見込み。[The Times of India]
▼アーンドラ・プラデーシュ州（Andhra Pradesh）
トルコ: オスマニエ県（Osmaniye il）カディリ郡（Kadirli）デレ（Dere）で1世紀のモザイク。ハツカダイコンや、手にブドウとウズラを持つ人物を表し、当時の産業の在り方を示す。[Anadolu Ajansı]
ポーランド: クラクフ（Kraków）のコシチュシコ山（kopiec Kościuszki；Kościuszko Mound）近くで2002年に発見された旧石器時代・25,000年前のマンモスの肋骨に、フリントの破片が突き刺さった状態で発見。投げ槍によるマンモス猟を実証。従来は、陥穴などに追い込んでマンモスを狩った、またはより弱い個体や病気の個体を狙った、などの説もあったが、ヨーロッパでのマンモス狩猟の証拠は初（シベリアでは2例あり、クマ猟の例はドイツにあり）。
Kraków/ The first evidence in Europe that man was hunting mammoths discovered[Nauka w Polsce]
UK（ウェールズ）: ブライナイ・グエント（Blaenau Gwent County Borough）の山岳地帯で、一部の違法なオフロードバイクのために、遺跡が毀損され、貴重な野生生物も滅亡の危機に。[South Wales Argus]

2019年1月7日（月）

富山県: 富山市・富山城下町遺跡の2006年、2008年の調査資料の中に、中国の明・清時代の陶磁器。富山市埋蔵文化財センターと東洋陶磁学会の共同調査。[北日本新聞]
▼富山城下町遺跡関連記事→2016年5月4日
福井県: 福井市・福井城跡にある福井県庁舎や福井県議会棟・福井県警本部について、観光振興なども視野に移転を検討へ。[日本経済新聞]
中国: 安徽省蚌埠市・蚌埠双墩遺跡で出土した新石器時代の堆積物を分析した結果、淮河中流では7300年前～6800年前に南のイネと北のキビが共存していた。[中国新聞網]
イスラエル: モディイン（Modi'in）北西のネビ・ゼカリア（Nebi ZechariahまたはChorvat Zechariah）でイスラム時代初期・アッバース朝～ファーティマ朝・9～11世紀の計画的な街並み。モザイクやアーチで装飾された豪華な家。漆喰が塗られた貯水槽。油の圧搾機やガラス工房、ワイン工場。オリーブ圧搾機に十字架が刻まれていたり、ギリシャ語銘文など、キリスト教徒の存在を示す証拠があり、一方でアラビア語の銘文を記すガラス製分銅も出土。教会跡やモスク跡は未発見ながら、イスラームの征服後もキリスト教徒とイスラーム教徒が共存していたことを示す。十字軍のころに衰退し、マムルーク朝・13～14世紀に短期間復活。貴重な発見ながら、イスラエル古代遺跡管理局（Israel Antiquities Authority）が異例に早く開発許可を出したため、遺跡は人目に触れないことに。考古学者や市民は狼狽。開発と遺跡保護のバランスの問題を、記事ではインタビューを交えて詳述。
1,200-year-old Islamic-period Town Found in Israel, but You Will Never See It[Haaretz]
UK（イングランド）: サフォーク州（the county of Suffolk）セント・エドモンズバリー（St Edmundsbury）グレート・ウェルネサム（Great Whelnetham）のローマ時代・4世紀の墓地では、人骨52体中17体の頭蓋骨が両脚の間に置かれていた。頭部は死後に丁寧に取り外されており、斬首ではない。独自の埋葬習俗か。[BBC]
UK（スコットランド）: イースト・ロジアン（East Lothian）のトラプレイン・ロー（Traprain Law）のヒルフォート（Hill fort）で1919年に発見された23kgにのぼる銀250片は、1500年以上前・初期中世のもの。かつてはトラプレインの蛮族がローマ人から略奪したと考えられてたが、現在はむしろ、経済危機に埋蔵の原因が求められている。多くの銀製品は、ローマの重量の基準に合うように切断されて、けっしてでたらめに壊されているわけではなく、ローマ人と接触した人物の手による。おそらくはローマ帝国領内で切断され、外交上の贈与か、傭兵への支払いのためにトラプレイン・ローにもたらされた。[Herald Scotland]
アイルランド: ボイン川（The River Boyne）流域で新石器時代・5500年前の羨道墳（Passage Tomb）。蓋石には線刻文様。比較的小型で、同地域最古のものと推定。農耕が開始された紀元前3800年に近い時期に築造されており、信仰が人々の生活に果たす役割が大きくなったことを示す。[Archaeology Magazine]

2019年1月6日（日）

佐賀県: 佐賀市・三重津海軍所跡（みえつかいぐんしょあと）で、ドライドックの壁の一部に蠣殻や石炭を詰めた俵の土のうを使用。佐賀市教育委員会の調査。[佐賀新聞]
熊本県: 和水町での文化財被害は、江田船山古墳に加えてさらに3件。田中城跡、日置の墓地、上津田の六地蔵。[西日本新聞]
中国: 広州市・中山大学の構内で、漢時代とみられる墓。[新聞中心]
▼広東省
イタリア: コモ（Como）のクレッソーニ劇場（Cressoni Theater）跡から、滑石製の容器。中にはローマ時代・4～5世紀の金貨数百枚。発見地はユリウス・カエサル（Julius Caesar）が紀元前59年に建設したノヴム・コムム（Novum Comum）に近い。[Archaeology Magazine]
▼ロンバルディア州（Regione Lombardia）コモ県（Provincia di Como）
フランス: アンドル＝エ＝ロワール県（Le département d'Indre-et-Loire）アルタンヌ＝シュル＝アンドル（Artannes-sur-Indre）クロ・ブリュノー遺跡（Clos-Bruneau）で鉄器時代2期の火葬墓群やガリア時代の貯蔵穴など。そのほか、井戸、掘立柱建物跡なども。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。[la Nouvelle République]
▼サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏（Centre-Val de Loire）
UK（イングランド）: エセックス州（the county of Essex）コルチェスター（Colchester）でローマ時代・2～3世紀の建物跡群。骨製のさいころや、360年ごろの硬貨も出土。[BBC]

2019年1月5日（土）

三重県: 明和町・斎宮跡（さいくうあと）で、飛鳥時代後半の方形区画と多数の建物跡。大来皇女の就任に伴い造営されたとみられる。斎宮歴史博物館の調査。[読売新聞]
▼斎宮跡関連記事→2018年11月14日
京都市: 左京区・大文字山の南に位置する尾根斜面で塑造仏50個や、平安時代前期以前に檜尾古寺（ひのおふるでら）の建物跡。[京都新聞]
モンゴル: アルハンガイ県（Архангай аймаг；Arkhangai）のTsatsyn Ereg墓地で鹿石113基。[CNRS]
カザフスタン: イシク墳丘墓（Issyk）から1969年に出土した、紀元前3～前2世紀のスキタイ（Scythian）の貴人と推定される「黄金人間」が、今年封印されて地中に保管へ。発掘以来50年間段ボール箱に納められて悪い環境に置かれ、汚染が進行。未来の世代の新技術による解明にゆだねるため。[BBC]
スイス: ゾロトゥルン州（Solothurn）オエンジンゲン（Oensingen）でローマ時代の石灰窯。[az Solothurner Zeitung]
UK（イングランド）: オックスフォードシャー州（the county of Oxfordshire）ヘンリー・オン・テムズ（Henley-on-Thames）で中世末1500年代末の土器。ヘンリーの始まりを示す。一部の柱穴は後期鉄器時代や初期ローマ時代の可能性も。2010年の調査では17世紀の城壁が発見されている。AOC Archaeology Groupの調査。[Henley Standard]
エジプト: エドフ神殿（Tell Edfu）で新王国時代第18王朝初期・紀元前1500年～前1450年の大規模な邸宅。そのうち最大の部屋の隅には、先祖を祭った神殿。シカゴ大学（The University of Chicago）の調査。
Ancient urban villa with shrine for ancestor worship discovered in Egypt[UChicago News]
ペルー: クスコ県（Cuzco；Cusco）のピキリャクタ遺跡（Pikillaqta）でワリ文化の儀式の際の供物を発見。神像6体、銀の女性戦士像24体、人物像3体、人体の一部を刻みだしたウミギク族の殻など。地域間の交易や文化交流を示す。[Andina]
▼クスコ県（Cuzco；Cusco）キスピカンチ郡（Quispicanchi）

2019年1月4日（金）

熊本県: 和水町・江田船山古墳の石棺が、最大震度6の地震のためひび割れ。国の史跡。[時事通信]
イラン: ダマーヴァンド山（Mount Damavand）のGol-e-Zard洞窟で数千年にわたって成長した石筍が気候変動を記録。石筍よりも砂漠にはマグネシウムが多く含まれており、石筍のマグネシウム含有量により、風上にあるシリアやイラクの砂漠化・乾燥化の度合いがわかる。ウラニウム＝トリウム年代による年代測定で、4510年前から110年間と4260年前から290年間の大規模な旱魃を認識。後者はイラクを中心に栄えたアッカド帝国（Akkadian Empire）の滅亡時期に一致。気候変動がアッカド帝国滅亡の一因との推定を裏付け。従来説でも、アッカド帝国は徐々に帝国北部の生産力に依存するようになったが、シリア北部で4200年前に突如土器などの考古資料が消滅し、肥沃な土壌が風で砂塵に入れ替わり、集落が放棄されたことが知られており、北部を干ばつが突然襲ったために滅亡したとみられていた。
How climate change caused the world’s first ever empire to collapse[The Conversation]
ヨルダン: アズラク（Azraq）で25万年前の大量の石器や獣骨。石器時代に人類がいかに環境に適応したかの手がかり。[Boston University School of Medicine]
イスラエル: イスラエル北部の古地質学的証拠により、紀元前8世紀に大地震が起こったと推定。旧約聖書のアモス書、ゼカリヤ書に記す、紀元前760年に起こったとみられるの地震に対応か。[Haaretz]
トルコ: ブルサ県（Bursa il）ニリュフェル市（Nilüfer）のウルバト湖（Uluabat Gölü；Lake Uluabat）にあるギョルヤズ村（Gölyazı）で、2600年前の古代都市Apollonia ad Ryndacumから医神アスクレピオス（Ἀσκληπιός；Asklepius）の聖域アスクレペイオン（Asklepeion）と医療器具。[Daily Sabah]
イタリア: シチリア島の古代都市ハラエサ（Halaesa）で紀元前4～前3世紀の劇場跡。1万人を収容可能。[Le Figaro]
UK: 米国・オーストラリア・カナダから、大金を払って英国の歴史的遺跡を金属探知機をもってうろつく、金属探知ツアー（detectorist tourism）が増加している。英国では、発見者が自主的にPortable Antiquities Schemeに報告したり、ボランティアガイドラインに沿うことを期待しており、重要遺物に関しては1996年宝物法により報告が義務付けられている。多くの金属探査者は法に従っているが、その一方で違法な金属探査もおり、2018年6月にはハドリアヌスの城壁（Hadrian’s Wall）に50か所も違法に穴が掘られた。英国では金属探知ツアーで得た遺物について、50年以上古いもので輸出許可証が発行されていれば英国からの持ち出しを可能にしているが、多くのEU諸国では金属探査に関して、禁止または厳しい基準を設け、考古学的な文脈が破壊さえることを防いでいる。
The tourism of detectorists[Heritage Daily]

2019年1月3日（木）

長崎県: 佐世保市・宇久町の一部地域で、体を伸ばして埋葬する伸展葬などキリシタン特有の習俗が近年まで受け継がれていた。信仰が途絶えても習俗だけが残った例。大浦天主堂キリシタン博物館の調査。[長崎新聞]
韓国: 慶尚南道金海市・元支里4号墳で、加耶時代の古墳から、日本の須恵器と同様の器形の土器が出土。活発な交流を証明。加耶文物研究院の調査。[ハンギョレ]
韓国: 慶尚南道昌原市義昌区東邑花陽里にある青銅器時代の花陽里1号支石墓が開発工事のために棄損。上石が移動され、上石を支える支石のうち一つは行方不明。昌原市は現状も把握できず。未指定の文化財には管理が及ばぬ実情。[慶南道民日報]
中国: 山東省青島市平度市古峴鎮八里庄村・小光頂墓地で漢時代の陪葬坑。彩色された人物、騎馬、ウマなどの俑が40件出土。漢時代の膠東国の官吏の墓と推定。膠東半島で漢時代の車馬行俑の陪葬坑が発見されるのは初。[新華社]
中国: 山西省運城市聞喜県川底鎮酒務頭村で、商（殷）時代晩期の大型の高級貴族墓地。墳墓12基、車馬坑6基、灰坑5か所。[新華社]
中国: 陝西省神木市高家堡鎮・石峁遺跡の中心にある「大台基」遺構で、石彫30点出土。大きな石の1面に浮彫状に符号、人面、神面、動物、神獣などを表す。[新華社]
▼陝西省楡林市神木市
中国: チベット自治区（西藏；Tibet）ガリ地区（阿里；Ali）ゲギェ県（革吉県）・梅龍達普洞穴遺跡（Melong Tagphug）で先史時代・4000年以上前の洞窟遺跡。海抜4600m。細石器などが出土。[新華社]
ヨルダン: セラの砦（Sela）で鉄器時代IIC期からナバテア時代、ローマからビザンティン時代の土器片などと、高さ90mにそびえる遺構。[The Jordan Times]
中東: 米国のスパイ衛星コロナ（Corona）が過去に撮影した映像を利用して、失われた中東の遺跡を発見。都市化や農地拡張、産業発展などにより消滅。アーカンソー大学（University of Arkansas）の研究[LiveScience]
ブルガリア: プロヴディフ（Пловдив；Plovdiv）の古代都市フィリッポポリス（Philippopolis）の東門周辺で、ヘレニズム時代の文化層。紀元前4世紀のフィリッポポリスでは、3つの丘だけではなくネベット・テペ（Небет тепе；Nebet Tepe）の低地にも人が居住していたことが判明。[The Sofia Globe]
スイス: アルプスのコッレ・ニフェッティ（Colle Gnifetti）の氷から鉛による汚染を分析し、新たな銀鉱山が開発され、660年ごろに銀貨が作られたことを証明。銀の出どころはフランスのメル（Melle）と推定。
Alpine ice-core evidence for the transformation of the European monetary system, AD 640-670[Cambridge University Press]
ドイツ: ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺について、ユダヤ人やその遺体を運んだ列車の運行ペースを利用して復元。オペレーション・ラインハルトの際、100日間で147万人以上（第2次大戦の6年間で虐殺されたユダヤ人の25％）にわたると判明。[ScienceAdvances]
UK（ウェールズ）: モンマスシャー（Monmouthshire）のセヴァーン川の河口（Severn Estuary）で、シルトや粘土の下から14世紀の漁業用のかご4個。[BBC]
UK: 英国で金属探知機によって遺物探しをする人の中には、見つかった英国の遺物を外国人に売り払ってしまう。米国から来た金属探知ツアーが大金を払って英国の宝探しチームに参加。[Portable Antiquity Collecting and Heritage Issues]
エジプト: 紅海沿岸の都市ベレニケ（Βερενίκη；Berenike）の港を防衛したプトレマイオス朝・2300年前の砦が見つかる。西側を二重の城壁で守っており、内陸からの攻撃に配慮。岩を切って井戸を作り、一連の水路と貯水池で地下水や雨水を集め、貯蔵し、分配した。[LiveScience]
▼ベレニケ関連記事→2017年10月5日
メキシコ: プエブラ州（Estado de Puebla）で、ポポロカ人（Popoloca）による1000～1200年の神殿。豊穣の神シペ・トテック（Xipe Tótec；Flayed Lord）を、皮を剥がされた人として表現した最初の例を発見。メキシコ国立人類学歴史学研究所（Instituto Nacional de Antropología e Historia）の調査。[The Associated Press]
▼ンダチヒアン・テワカン遺跡（Ndachjian-Tehuacan）
ニカラグア: モンキー・ポイント（Monkey Point）のAngi遺跡で5900年前の女性人骨。中央アメリカの低地では人骨が遺存しにくいが、貝塚に埋葬したために奇跡的に残った。中央アメリカ低地で確認された最古の墳墓。[LiveScience]

2019年1月2日（水）

韓国: 小規模発掘調査の国費支援の対象を拡大し、戸建住宅・農漁業施設・工場の延床面積による規制を撤廃。敷地面積による規制のみ残り、個人事業者の場合は敷地面積・延床面積双方の規制が残る。文化財庁1/2発表。[聯合ニュース]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
中国: 陝西省澄城県王庄鎮劉家窪村・劉家窪遺跡は春秋時代の「芮」国後期の都城と確定。[西安新聞網]
▼劉家窪遺跡関連記事→2017年12月18日
インド: グントゥール県（Guntur）ダギーララ（Duggirala）のビアラパレム村（Veerlapalem）で16世紀の砂岩製彫刻。[The Times of India]
▼アーンドラ・プラデーシュ州（Andhra Pradesh）
インド: マハーラーシュトラ州（Maharashtra）コンカン（Konkan）で12000年前～5000年前の岩絵1000以上。大半が丘の上で発見。ゾウ、サル、クジャク、サメ、ワニ、ヒトや幾何学文を表す。関連する集落遺跡などは発見されていないが、家畜や農耕を描いていないことから狩猟採集民の作品と推定。[Archaeology Magazine]
▼コンカンの岩絵関連記事→2018年10月2日
イエメン: 米国で行われているイエメンの盗難文化財の取引市場はやめるべきとの主張がワシントン・ポストに掲載。
The U.S. art market for stolen antiquities from Yemen must be shut down[The Washington Post]
UK（イングランド）: コーンウォール州（the county of Cornwall）ガンウォロー（Gunwalloe）のDollar Coveで、1684年に沈んだ船「スヒーダム」（Schiedam）の遺物を発見。中空の鉄に火薬の込められた手榴弾2個や大砲など。オランダの船だったが海賊に拿捕され、さらに英国海軍に拿捕された。沈没当時、モロッコのタンジール（Tangiers）から帰還する英国駐留軍の物資を輸送していた。[LiveScience]
カナダ: ノバスコシア州（Nova Scotia；Nouvelle-Écosse）アナポリスロイヤル（Annapolis Royal）のフォート・アン砦（Fort Anne）で、電磁探査により、墳墓らしきものの存在を確認。アカディア人（Acadian）の墓地がこの地に営まれている可能性が強まる。[CBC]
▽フォート・アンのあるアカディア地方は英仏両国の植民地争奪の場となった。アカディア人とは北米東海岸へのフランス系移民の子孫。フレンチ＝インディアン戦争以降、英国が覇権を握ったことによって追放されるなどした。
グアテマラ: ナクム遺跡（Nakum）でマヤ文明・紀元前700年～前300年の浴場跡。岩に彫り込み、蒸し風呂とする。ポーランドのヤギェウォ大学（Uniwersytet Jagielloński；Jagiellonian University）の調査。[The First News]
▼ペテン県（Departamento de Petén）
ネアンデルタール人の食生活: ネアンデルタール人は腐敗が進んだ肉を食べた。肉が腐敗することにより窒素14の崩壊が進み窒素15の同位体比が増加することが判明。窒素15は植物には少なく、肉食の証拠となるが、ネアンデルタール人化石の窒素15含有レベルは肉食動物すら上回っている。単に肉を多く摂取したから、ではなく、肉の入手法や調理法に起因している可能性。
This scientist watches meat rot to decipher the Neandertal diet[ScienceNews]

2019年1月1日（火）

ブルガリア: ソフィア（София；Sofia）のクレミコフツィ地区（Кремиковци；Kremikotvsi）のクレミコフスキ修道院（Кремиковски манастир；Kremikovtsi Monastery）で15～16世紀の鉱夫の墓。体格は頑丈で、骨折している例が多い。棺は用いず、頭のみをレンガで覆う。ベネチア産の万能薬を納めた容器を副葬。[Archaeology in Bulgaria]

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