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天気予報や,最近では地震速報などにも使用される地域区分は,1997年3月1日に大幅に改正された気象庁予報警報規程(昭和28年運輸省告示第63号)によって定められたものです。
この規程により,全国は全国予報区(1区),地方予報区(11区),府県予報区(56区:各府県1区,ただし北海道および沖縄県は地域ごとにさらに細分)に区分され,それぞれの予報区で天気予報が行われることになっています。
天気予報や気象注意報・気象警報は府県予報区の単位で発表されるのを基本としますが,場合に応じて(こちらの方が普通)それを細分した一次細分区域の単位で,さらに気象注意報・気象警報については二次細分区域の単位まで限定して発表されることがあります。
一次細分区域・二次細分区域という区画は,1997年の改正で従来の地区予報区・特区予報区という区画に代えて導入されたものです。また,この改正により各気象予報区の呼称が表の中に位置付けられました。
この改正後,気象庁はより細かな地域単位での防災に対応するために,気象注意報・気象警報発表の最小単位としての二次細分区域の新設・再編を各府県予報区ごとに進めてきました。一方で,この間に平成の大合併が進行し,市町村の区画は逆に大きくなってゆきました。その結果,いくつかの県では二次細分区域と市町村の範囲が同じという例が多くみられるようになりました。
そこで気象庁は2010年5月27日に区分表の全面改正を行い,市町村(および東京都の区)を二次細分区域として,両者の区域を一致させました(ただし,地域的な気象の違いからいくつかの市町村は従来通り分割されて2つの一次細分区域または二次細分区域にまたがっているものがあります)。これによって,気象注意報・気象警報は市町村単位で発表することができるようになりました。ただ,これでは場合によっては逆に細かすぎることもあるので,おおむね従来の二次細分区域をそのまま継承して市町村等を市町村等を
まとめた地域を設定しています。これは「気象庁予報警報規程」に定められたものではないのですが,気象庁のサイトに掲載されており,テレビやラジオなどの報道機関でも使用されています。
つまり,今回(2010年)の改正では表が全面書き換えになるなど,表現は大幅に変わっているのですが,区分そのものに変更はほとんどありません。ただ,この改正に先だって,平成の大合併の結果,2つの細分区域にまたがってしまうことになってしまった市町村について,どちらか一方の細分区域にまとめて分割状態を解消するような調整が行われているようです。また,一部では新しく成立した市町村に合わせて細分区域の呼称変更も行われています。それらの中には気象庁告示(「官報」に掲載される)による表の書き換えという手続きをとらずに行われているものもあるようですが,それらも含めて今回の改正直前の区分(2010年4月1日現在)を こちら に掲載しておきます。
なお,改正前の気象庁予報警報規程での区分は こちら をご覧ください。
1953年版:中央気象台予報警報規程による予報区分 | ||
1957年版:気象庁予報警報規程による予報区分:「気象庁」設置(1956年4月),各府県測候所の地方気象台昇格(1957年9月)にともなう全面改正 | ||
1997年版:気象庁予報警報規程による予報区分 (1997年3月1日現在) |
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1997年6月〜2010年4月の改訂 | ||
2010年4月1日現在の区分 |
全国予報区 | 地方予報区 | 都道府県 |
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本邦全域 気象庁本庁 |
北海道地方 札幌管区気象台 |
北海道 |
東北地方 仙台管区気象台 |
青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県 | |
関東甲信地方 気象庁本庁 |
茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県 | |
東海地方 名古屋地方気象台 |
岐阜県・静岡県・愛知県・三重県 | |
北陸地方 新潟地方気象台 |
新潟県・富山県・石川県・福井県 | |
近畿地方 大阪管区気象台 |
滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県 | |
中国地方 広島地方気象台 |
鳥取県・島根県・岡山県・広島県 | |
四国地方 高松地方気象台 |
徳島県・香川県・愛媛県・高知県 | |
九州北部地方 福岡管区気象台 |
山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県 | |
九州南部地方 鹿児島地方気象台 |
宮崎県・鹿児島県 | |
沖縄地方 沖縄気象台 |
沖縄県 |
2000. 9.11
2002. 9. 8 全面改訂
2005. 5.17 第2次全面改訂
2010. 8.18 第3次全面改訂
2010.10.11 地図全面改訂
2017. 4.22 改訂
ISIDA Satosi