2004.04.08

誤字等No.056

【一度で言いから】(誤変科)

Google検索結果 2004/04/08 一度で言いから:362件

今回は、筆者自身も間違えてしまった誤字等です。
既に修正しましたが、公開の時点では「スティルス戦闘機」の回に誤字がありました。
(読者からのご指摘により気付きました。感謝です。)

一度でいいから」と書いたつもりが、「一度で言いから」になってしまっていたのです。
同じ間違いが、「インストゥール」の回にもありました。
いい」という口語表現を使ったことも反省し、「一度で良いから」に直してあります。

単純な誤変換ではありますが、自戒の意味も込めて、取り上げてみることにしました。
検索してみれば、それなりの数が見つかります。
さらに「〜でも言いから」の形にしたところ、より多くのページがヒットしました。
同じような間違いをしている人は、結構いるようですね。

good」の意味を持つ形容詞「良い」は、「よい」と読みます。
現在ではこれを「いい」と読んでも間違いではありません。
特に「話し言葉」となれば、むしろ「いい」と読む方が普通となります。
同じように、「善い」「好い」を「いい」と読むことも問題ありません。
いい加減」「いい迷惑」などの複合語としても、よく使われています。
従って当然のごとく、「言い加減」「言い迷惑」などの誤字も見つかりました。

確かに、日常の会話で「よい」という発音を使う機会は、あまりないかもしれません。
反対に、改まった文章では「いい」という平仮名書きは歓迎されません。
このあたりの使い分けは、意識さえしていれば、それほど難しいことではないはずです。

少なくとも「文章」を書く際には、迂闊に変換すると「言い」になってしまう「いい」ではなく、「よい」を使っておいた方が安全かもしれません。

ところで、「いい」が「話し言葉」として使われるとき、「いー」という長音に変化することがあります。
一度でいーから」「一度でいぃから」という表記は、それをそのまま文字にしたものでしょう。
ここまでは理解できます。
しかし、「一度でぃぃから」という表記を見つけたときは、不思議でした。
まさか、「でぃ」を「DI」と一音で発音しているのでしょうか?
どうやら、そうではないようです。
見つかったページを良く見ると、「ぁぃぅぇぉ」などの小文字が多用されていました。
「話し言葉」としての何らかの雰囲気を表現しようとしているのでしょうか。
それが、その人の「スタイル」なのでしょうか。
であれば別段、とやかく言うようなことでありません。個人の自由です。
ただ一律に小文字にするのではなく、「別の発音」になってしまうようなケースは避けるといった工夫がされていたら、見事だったんですけどね。

[実例]

日本人とは、かくも「誤変換」に弱いのでしょうか。
このような「誤変換」が原因と思われる誤字等の品種を、「誤変科(ごへんか)」と命名しました。

[亜種]

でも言いから:1,190件
言い感じ:851件
言い加減:139件
言い迷惑:78件
言い気味:16件
言い子だから:5件
言い年した:8件
一度で云いから:2件
一度でいから:58件

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