考古学のおやつ/NEWSLINK

2018年12月20日（木）

茨城県: 石岡市・中津川遺跡（なかつがわいせき）で縄文時代中期の集落跡や遺物包含層。平安時代や室町時代の遺構や遺物。公益財団法人茨城県教育財団の調査。1/20現地説明会。[発掘情報いばらき]
大阪府: 藤井寺市・北岡遺跡で、室町時代の南北と東西に走る溝の跡。屋敷地を区画する溝のような性格のものであった可能性。藤井寺市教育委員会の調査。12/23現地説明会。[藤井寺市]
兵庫県: 南あわじ市・木辺遺跡（きべいせき）で、奈良時代前半の掘立柱建物。畿内産土師器や畿内系土師器が出土。三原郡衙の官舎群などの可能性。南あわじ市教育委員会12/19発表。12/22現地説明会。[神戸新聞]
韓国: 益山市･益山双陵の大王陵で長さ21m、幅6mの羨道。石室の築造後、時間が経過してから羨道が作られている（石室築造時の作業道路は別に検出された）ことから、寿陵と推定。百済武王の可能性が強まっている墳墓。[聯合ニュース]
インド: アーンドラ・プラデーシュ州（Andhra Pradesh）グントゥール県（Guntur）でナーガー朝のAgesthyeswara寺院から3世紀の石灰岩製ナーガ・ムチャリンダ像（Naga Muchalinda）。[The Hindu]
イスラエル: ベト・シェメシュ遺跡（Tell Beit Shemesh；Bet Schemesch）が、道路拡張により破壊の危機。第一神殿時代のユダ王国ヒゼキヤ王（King Hezekiah）の都市。[Haaretz]
トルコ: シュルナク（Şırnak）の土壌に7000年前～8000年前の大洪水の痕跡。ノアの洪水を指すか。[Anadolu Ajansı]
トルコ: ズィンジルリ（Zincirli）の古代都市サム・アル遺跡（Sam'al）の神殿で2017年8月に発見された2800年前の石製化粧箱にアラム語の呪文。魔術を操る男「シャダダンの息子ラヒム」によって書かれる。「炎」を生ずる生物を捕獲したことを記す。サソリかムカデを指すか。[LiveScience]
アルゼンチン: メンドーサ（Mendoza）で5700年前の嬰児。[Daily Sabah]

2018年12月19日（水）

岐阜県: 各務原市・坊の塚古墳（ぼうのつかこふん：第4次調査）で、前方部は3段構造で全体に葺石。4世紀末～5世紀初めの前方後円墳。120m。各務原市埋蔵文化財調査センター12/18発表。12/22現地説明会。[中日新聞]
▼坊の塚古墳関連記事→2017年9月29日
韓国: 蔚山広域市蔚州郡大谷里・盤亀台岩刻画の周辺で統一新羅時代の楼閣とみられる建物跡。新羅の蓮華文軒丸瓦や土器出土。国立文化財研究所12/19発表。[聯合ニュース]
中国: 内蒙古自治区赤峰市元宝山区・高家台子遺跡で夏家店下層文化早期・紀元前2070年～前1600年の住居跡、灰坑、灰溝、墳墓など。土器の鉢の破片の内面に細筆による墨書文字。[科技日報]
中国: 山西省垣曲県皋落郷嶺回村で新石器時代の石器類。[新華社]
▼山西省運城市垣曲県
中国: 陝西省礼泉県烟霞鎮袁坡村で、唐の太宗・李世民の陪葬墓の碑の基部。[新聞中心]
▼陝西省咸陽市礼泉県
中国: 新疆ウイグル自治区のクリヤ川（克里雅河；Keriya River）で4000年前～2000年前の遺跡47か所を確認。[中国日報]
中国: 新疆ウイグル自治区の古代墳墓がどの程度盗掘されているかを、衛星画像により判別。ベルン大学（Universität Bern）の研究。[Universität Bern]
ヨルダン: アズラク（Azraq）の湿地跡の近くで出土した旧石器時代の石器群に、アヒル、ラクダ、サイ、ウマなどの血液のたんぱく質。絶滅した種も含む。[The Jordan Times]
▼ザルカ県（Zarqa Governorate）
トルコ: イズミル県（İzmir）の古代都市スミュルナ（Smyrna）で、ヘレニズム時代・紀元前3世紀に建てられ4世紀にキリスト教が広まり劇場での宗教行事が禁じられて以後埋没した劇場跡。[Hürriyet Daily News]
スイス: バーゼル（Basel；Bâle）でローマ時代後期・1500年前のラクダの下顎の骨。すでに1937～1939年に、今回と同じラクダのあごの骨の破片と橈骨が出土していた。[Bote der Urschweiz]
▼バーゼル＝ラント準州（Basel-Landschaft）
アイスランド: アイスランドのヴァイキングの有力者は種馬とともに埋葬。ヴァイキング時代の墳墓350基を調査した結果、150基でウマの歯や骨を検出。うち19体のウマをDNA分析した結果、1体を除いてすべてオス。ウマは壮年期で、病死や老衰ではない。オスロ大学（Universitetet i Oslo；University of Oslo）の調査。[Universitetet i Oslo]

2018年12月18日（火）

群馬県: 伊勢崎市・三軒屋遺跡（さんげんやいせき）で、正倉院の区画大溝や防火施設と考えられる池状遺構。伊勢崎市の調査。12/22現地説明会。[伊勢崎市]
▼三軒屋遺跡関連記事→2016年8月15日
石川県: 加賀市・庄・西島遺跡、津波倉廃寺（しょうにしじまいせき、つばくらはいじ）で弥生時代の竪穴建物や、奈良・平安時代の護岸施設を設けた河跡、中世以降と推測される掘立柱建物など。河跡からは6,000点を超える多量の木製品。公益財団法人石川県埋蔵文化財センターの調査。[公益財団法人石川県埋蔵文化財センター]
韓国: 慶尚南道咸安郡・末伊山古墳13号墳で石棺墓の蓋石に、星穴125個。星座としてはさそり座といて座を確認。4つの壁面には赤色顔料を塗る。石室ではなく石棺での星座の確認は初。[文化日報]
中国: 河北省保定市徐水区大辛庄村で宋～元の古墓6基。[新聞中心]
ブルガリア: プロヴディフ（Пловдив；Plovdiv）の古代都市フィリッポポリス（Philippopolis）でローマ時代・3世紀中ごろの閃長岩を敷いた道路。[The Sofia Globe]
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）オルペ郡（Kreis Olpe）グレーヴェンブリュック（Grevenbrück）で鉄器時代・紀元前800年～前1年の火葬墓。[Siegener Zeitung]
▼ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）オルペ郡（Kreis Olpe）レンネシュタット（Lennestadt）
フランス: ノルマンディー地域圏（Normandie）カンブ＝アン＝プレンヌ（Cambes-en-Plaine）で2200年前のガリア人の遺跡。[Ouest-France]
▼ノルマンディー地域圏（Normandie）カルヴァドス県（Calvados）カンブ＝アン＝プレンヌ（Cambes-en-Plaine）
デンマーク: シェラン島（Sjælland；Zealand）で青銅器時代・紀元前1100年～前900年の保存の良い剣。[The Epoch Times]
USA: アリゾナ州（State of Arizona）のネイティブアメリカンのホホカム族（Hohokam）は、周期的な旱魃と洪水に対処するため、運河を掘り、450～1400年の期間維持。[Forbes]
メキシコ: アステカ皇帝モクテスマ2世（Moctezuma II）が作らせた日時計の中心にある像について、周囲の文字の解読などを根拠に、太陽神として表現されたモクテスマ2世自身とする新説。[Archaeology Magazine]

2018年12月17日（月）

名古屋市: 名古屋城の天守閣について、文化庁の許可を得ずに基本設計費用を支払ったのは違法だとして市民が市を相手取り住民訴訟。[時事通信]
韓国: ソウル市松坡区・風納土城の西側城壁復元地区で、外壁区間を初めて確認。百済漢城時代の都。国立江華文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
韓国: 江原道旌善郡浄岩寺跡で、高麗時代の建物跡5棟と付属施設、蓮華文軒丸瓦など。新羅の善徳女王の時に建立された寺。[Newspim]
インドネシア: 西ジャワ州（Jawa Barat；West Java）のパダン山（Mount Padang）で古代の神殿とみられるピラミッド形の遺構。[LiveScience]
マレーシア: クランタン州（Kelantan）・グア・チャワン洞穴（Gua Chawan）で7000年前の35～45歳の女性人骨と副葬品。[星洲網]
▼中石器時代
シリア: スワイダー県（Sweida）のSi’a Hillで神殿の石碑。ギリシャ語で、競技場の建設かスポーツの試合に参加した高位の人物の名前を示す。[Syrian Arab News Agency]
トルコ: イズミルのスミルナ遺跡で、ヘレニズム時代に建造され4世紀に廃絶した劇場跡。[TRT]
イタリア: マルケ州（Regione Marche） コリナルド（Corinaldo）で紀元前7世紀のピケニ人（Piceni；Picene）の大型墓。交易の拠点に立地し、エトルリアの土器が出土。青銅製の兜や武器、戦闘用馬車なども副葬。[Archaeology Magazine]
▼マルケ州（Regione Marche）アンコーナ県（Provincia di Ancona）
ドイツ: マンスフェルト・南ハルツ郡（Landkreis Mansfeld-Südharz）ヘルムスドルフ（Helmsdorf）の青銅器時代・3846年前の墳丘墓に葬られた首長の骨には短剣による3か所の傷。世界最古の領主殺しの犠牲者。[Deutsche Presse-Agentur]
▼ザクセン＝アンハルト州（Land Sachsen-Anhalt）マンスフェルト・南ハルツ郡（Landkreis Mansfeld-Südharz）
UK（スコットランド）: アバディーンシャー（Aberdeenshire）レオチェル＝カシュニー（Leochel-Cushnie）で4500年前のリカンベスト・ストーンサークル（Recumbent Stone Circle）。リカンベスト・ストーンサークルはスコットランド東北部に特徴的で、横置きの石材（Recumbent）を縦置きの石材2個で挟んだものをサークルの東南と西南に置く。[The Scotsman]

2018年12月16日（日）

中国: 山西省運城市絳県西呉壁村・西呉壁遺跡二里頭期（夏）～二里崗期（商）の銅精錬遺跡。[新華社]

2018年12月15日（土）

神奈川県: 鎌倉市・大町釈迦堂口遺跡そばの斜面が崩落。大規模な崩落は4回目とみられる。中世鎌倉の谷戸の開発を示す遺跡。鎌倉市12/14発表。[東京新聞]
高知県: 香南市・高田遺跡で奈良時代の道路状遺構。並行する2条の溝の中心間の距離は道路幅10m以上で、古代南海道の可能性。公益財団法人高知県文化財団埋蔵文化財センターの調査。12/16現地説明会。[読売新聞]
長崎県: 佐世保市・宮の本遺跡で出土した弥生時代・2000年前の人骨は上腕骨が一般の弥生人よりも一回り太い。海を利用した貝の交易に関連した可能性。[西日本新聞]
▼宮の本遺跡関連記事→2017年12月2日
中国: 河北省張家口市崇礼区四台嘴郷太子城村・崇礼太子城遺跡は平面形が長方形の城跡。金の章宗の行宮跡と推定。[河北新聞網]
イタリア: ポンペイ（Pompeii）で見つかったモザイク画に、体が半分人間、半分サソリ、チョウの羽、炎のような頭髪をもつキャラクター。[The Times]
オーストリア: ザンクト・ペルテン＝ラント郡（Bezirk Sankt Pölten-Land）で、ローマ時代のエリウム・ケティウム（Aelium Cetium）の総督の本拠地だった可能性のある大型建物。[derStandard.at]
▼ニーダーエスターライヒ州（Niederösterreich）ザンクト・ペルテン＝ラント郡（Bezirk Sankt Pölten-Land）
マン島: マン島で、中世・1400～1600年の、幾何学文様が入った銀製金張りの指輪。[BBC]
エジプト: サッカラ（Saqqara）で第5王朝・4400年前の高官の墓。壁に絵画や銘文。[Luxor Times]

2018年12月14日（金）

北海道: 木古内町・幸連5遺跡（こうれんごいせき）の竪穴住居跡などから、長野県・和田峠産の黒曜石で作られた縄文時代中期の石鏃。産地から出土地まで650km。長野県産の黒曜石製の石器として最も遠方での出土。公益財団法人北海道埋蔵文化財センター12/14発表。[北海道新聞]
▼幸連5遺跡関連記事→2017年11月29日
岐阜県: 関市・古町遺跡で、道路に直交する細長い短冊形の町割。町割内部で室町時代の鉄製品を鍛造した工房。炉跡、金床、フイゴの羽口、砥石、鉄くず、鍛造剥片、粒状滓など。関市文化財保護センターの調査。12/16現地説明会。[関市]
奈良県: 奈良市・平城宮跡の東区朝堂院地区で、東門の基壇や築地塀を確認し、東門の規模が東西10m、南北20m判明。奈良文化財研究所12/13発表。12/15現地説明会。[奈良新聞]
高知県: 香南市・高田遺跡で古代官道とみられる県内最大の道路遺構。南海道の一部の可能性。公益財団法人高知県文化財団埋蔵文化財センター12/13発表。[高知新聞]
▼高田遺跡関連記事→2016年7月24日
アラブ首長国連邦: ウンム・アル＝カイワイン首長国（Umm al-Quwain；Umm Al Qaiwain）で、新石器時代以来の多数の遺跡。メソポタミアのウバイド文化の土器・石器も含む。[Emirates News Agency]
トルコ: コンヤ県（Konya ili） Doğanhisarでビザンティン時代・5世紀の石碑。[Daily Sabah]
ノルウェー: ノルウェーの200遺跡で出土した、放射性炭素年代測定された資料643点（炉跡、調理用ピット、建物跡、ナッツの殻あど）から、後期新石器時代の人口変化を分析。北欧最初の農耕文化は紀元前3900年ごろ確立。当時、ノルウェー東部には農耕の存在を示唆する斧が出土。しかしノルウェーでは比較的短期間で農耕を放棄し、狩猟・採集・漁撈の社会に回帰。次の活動は1500年後。5300年前には集落パターンが変化し、海岸の遺跡が廃絶し、ロングハウスや倉庫が登場。さらにベル・ビーカー文化が到来し、新技術・文化・習慣が伝わる。オスロ大学文化史博物館（UiO Kulturhistorisk museum；UiO Museum of Cultural History）の調査。
First Stone Age farmers in Norway "gave up" after short period of time[Science Norway]
論文　Svein Vatsvåg Nielsen, Per Persson, Steinar Solheim "De-Neolithisation in southern Norway inferred from statistical modelling of radiocarbon dates" Journal of Anthropological Archaeology Volume 53, March 2019, Pages 82-91 [ScienceDirect]
UK（スコットランド）: ピーターヘッド（Peterhead）Wester ClerkhillのGreenacresで2015年に新石器時代のバカンリッジ（Buchan Ridge）産のフリント697点が出土。遠方から母岩を氷河によって運んだ可能性。[The Press and Journal]
▼アバディーンシャー（Aberdeenshire）
エジプト: アスワン（Aswan）のジェベルエルシルシラ（Gebel el-Silsila；Gabal Al-Selsela）で古代エジプト第18王朝の墓。[Ahram Online]
マラウイ: 240万年前の人類「ホモ・ルドルフェンシス」（Homo rudolfensis）と「パラントロプス・ボイセイ」（Paranthropus boisei）の歯のエナメル質を調査した結果、彼らは適応が早く、地域の資源に合わせて食生活を変化させ生存。[Heritage Daily]
ペルー: マチュピチュ（Machu Picchu）は1450年ごろにマグニチュード6.5以上の大地震の被害に遭い、この被害が地震に強い巨石建築の完成を促した。[Peruvian Times]
ペルー: 南部海岸のパラカス文化の彩色土器14点を分析したところ、植物性の固着剤がすべてに用いられていた。また、カワチ遺跡で出土した土器片の顔料には高濃度の尿酸が含まれ、爬虫類の尿を利用していた可能性。[The National Geographic Society]
ニュージーランド: オークランド（Auckland）の砂浜で見つかった1865年の難破船Daringから靴やパイプなど。[New Zealand Herald]

2018年12月13日（木）

石川県: 七尾市・七尾高校グラウンドに、守護畠山氏が、七尾城を築くまでの間に守護所を構えていた場所があった可能性。千田嘉博・奈良大学教授の研究。[北國新聞]
京都府: 宮津市・安国寺遺跡で、奈良時代末期の長岡京造営期ごろと推定される銅銭が、穴にひもを通して束ねた緡銭の状態で出土。平安前期と考えられていた安国寺遺跡の始まりが奈良末期までさかのぼる可能性。宮津市教育委員会12/12発表。12/15現地説明会。[読売新聞]
奈良県: 橿原市・四条遺跡（藤原京右京四条六坊東南坪・五条六坊東北坪）で、藤原京期の漆が付着した土器。奈良県立橿原考古学研究所12/12発表。12/16現地説明会。[奈良新聞]
熊本県: 嘉島町・井寺古墳が見つかった経緯などを記したとみられる江戸時代の古文書4点発見。熊本地震で被災した男性が所蔵しており、江戸時代の庄屋・有馬家の文書と判明した中に含まれる。古墳自体も地震で被災。熊本被災史料レスキューネットワーク12/12発表。[西日本新聞]
韓国: 慶尚南道咸安郡法守面于巨里で阿羅加耶の大型階段式登窯。長さ11m、最大幅2.5m。古式陶質土器を焼成。国立加耶文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
韓国: 嶺東地方と漢江水系の鍛造鉄器はユーラシア草原地帯から東海岸を通じて流入したという説。[聯合ニュース]
中国: 山西省臨汾市曲沃県・晋国博物館内で、商周時代で最大の車馬坑。始皇帝の車馬坑より600年早い。[中国新聞網]
ロシア: アルタイ山脈のデニソワ洞窟（Денисова пещера；Denisova Cave）で5万年前～4万5000年前の赤鉄鉱（hematite）。洞窟壁画を描くために使用。[The Siberian Times]
ウクライナ: Терпіння（Terpinnya）のКам'яна Могила（Kamyana Mohyla I）遺跡で中石器時代・8300年前の石製のヘビの頭。骨やフリントとともに出土。儀式で使用と推定。[LiveScience]
▼ザポリージャ州（Запорізька область；Zaporizhia Oblast）
バルカン半島: バルカン半島の中部と西部の11か所の新石器遺跡で出土した遺物を調査した結果、紀元前6千年紀～前5千年紀に、重いものを運ぶためにウシを利用したと判明。畜力を利用した最古の証拠。従来説より2000年古い。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン（University College London）の研究。[University College London]
ドイツ: バイエルン州（Freistaat Bayern）シュタルンベルク郡（Landkreis Starnberg）ガウティング（Gauting）のKrapfbergで、6世紀のフランク族の墓地。[Süddeutsche Zeitung]
ドイツ: テューリンゲン州（Freistaat Thüringen）ウンシュトルット＝ハイニヒ郡（Unstrut-Hainich-Kreis）ミュールハウゼン／テューリンゲン（Mühlhausen/Thüringen）で、ローマ時代の硬貨やサンダル用の鉄釘、豪華な食器など。[Mitteldeutscher Rundfunk]
ドイツ: クレーフェルト（Krefeld）で中世・15世紀末～16世紀初めのもみの木のモチーフをもつタイル床。クリスマスツリーの習慣が始まるころに当たる。[Deutsche Presse-Agentur]
▼ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）
フランス: アリエージュ県（Ariège）ル・マス＝ダジル（le Mas d'Azil）の洞窟で後期旧石器時代・マドレーヌ文化（Magdalenian；Magdalénien）・紀元前17000年～前12000年の狩猟採集民の文化層。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
▼ミディ＝ピレネー地域圏（Midi-Pyrénées）アリエージュ県（Ariège）
南アフリカ: サン族（San）、いわゆるブッシュマン（Bushman）は全裸ではなく、衣服や装身具、入れ墨、香水を身にまとうことで社会的な関係を維持していた。ほぼ全裸と考えられていたのは単なる伝説。初期の研究者らは科学者というよりも人種差別主義者で、衣服のような文化的要素の意味には目を向けなかった。オスロ大学（Universitetet i Oslo；University of Oslo）の調査。[Universitetet i Oslo]
ペルー: パラカス文化（Paracas）の土器に顔料として爬虫類の尿が加えられていた。[The National Geographic Society]

2018年12月12日（水）

石川県: 金沢市・観法寺ジンヤマ窯跡（かんぽうじじんやまかまあと）で、古代の窯の天井壁を検出。公益財団法人石川県埋蔵文化財センターの調査。[公益財団法人石川県埋蔵文化財センター]
長野県: 長野原町が「町営水没文化財保存センター（仮称）」を2020年春に開設へ。天明泥流の被災遺跡で出土した生活道具をはじめ、八ツ場ダムの建設事業に伴う発掘調査の出土品などを展示。[上毛新聞]
滋賀県: 草津市・榊差遺跡（さかきざしいせき）で、奈良時代前半の小型の金銅仏のものとみられる光背の鋳型の破片。排滓土坑からは銅くずも発見。近隣の古代寺院「笠寺廃寺」との関連性が強まる。草津市教育委員会12/12発表。[京都新聞]
京都府: 宮津市・安国寺遺跡で、奈良時代の銅銭・萬年通寶、神功開寶などが、束の状態で出土。古代の丹後国府に関連する可能性。宮津市教育委員会の調査。12/15現地説明会。[宮津市]
奈良県: 橿原市・四条遺跡（第37次調査）・藤原京右京四・五条六坊で、藤原京の条坊側溝と条坊内の掘立柱建物・井戸など。奈良県立橿原考古学研究所の調査。12/16現地説明会。[奈良県立橿原考古学研究所]
中国: 山西省で東魏の冠軍将軍・豫州長史・孟鴻の墓。墓室は北が狭く南が広い台形。槨の中に棺を一つ置き、内部に夫婦を合葬。墓室内に墓誌。549年に死去し、562年に埋葬。[新華社]
スリランカ: マンタイ（Mantai）で土中の植物遺体を調査し、地元の作物のほか、多くの外来の作物を発見。600～700年の黒コショウ。900～1000年のチョウジ。このうちチョウジは7000km離れたインドネシア産。100～200年の加工されたコムギ、650～800年のブドウの種など、アラビアかローマ世界の産物も。東西を結ぶ古代の貿易拠点であることを証明。[Science]
イスラエル: ツィポリ（Zippori）で、ローマ時代・3世紀のプール。基礎から青銅製のウシ出土。[The Times of Israel]
ロシア: ヴォルゴグラート（Волгоград；Volgograd、旧スターリングラート）で、第2次大戦中のスターリングラートの戦いで戦死したドイツ兵1837人の大規模墓地。長さ430フィート、幅23フィート、深さ7ftの巨大な穴に乱暴に埋める。[Daily Mail]
ポーランド: ビエリシェフ（Wieliszew）で1950年代後半に発見された、中石器時代・8000年前の頭蓋骨は食人の被害者とみられていたが、治癒の跡があり、傷の後も1週間以上は生存していたと判明。焼かれた人骨もともに出土していたが、殺されて儀式のために焼かれた可能性。[LiveScience]
ドイツ: ザクセン＝アンハルト州（Land Sachsen-Anhalt）ザーレ郡（Saalekreis）ヴェッティン城（Burg Wettin）で、11～12世紀の城壁の遺構と土器。[Deutsche Presse-Agentur]
オランダ: デルフゼイル（Delfzijl）で18世紀のナポレオン軍の兵舎の跡。フランスの占領下で、イギリス軍の侵攻を防ぐために建造。フランス人が用いた、雨水を集める水槽も。[Dutch News]
▼フローニンゲン州（Groningen）
スペイン: ガリシア州（Galicia）ルーゴ県（Provincia de Lugo）コマルカ・ダ・テーラ・チャ（Comarca da Terra Chá）カストロ・デ・レイ（Castro de Rei）のカストロ・デ・ビラドンガ遺跡（Castro de Viladonga）でカストロ文化（Cultura castreña；Castro culture）の貯水槽。15万リットルの雨水をためることができる。[El País]
デンマーク: デンマークの後期青銅器時代から17世紀までの遺跡で出土したウシ、ネコ、イヌ、ウマの頭蓋骨を分析した結果、ヴァイキング時代のネコの頭蓋骨より現在のものは16%大型化。多くの動物は家畜化されると小型化する（犬の場合25%小型化）のに対しネコのみ例外。ヴァイキング時代はネコがペットから毛皮の供給源になった時代に当たる。[Science]
UK（イングランド）: ポーツマス（Portsmouth）で17世紀の要塞の基礎。[The News]
▼ハンプシャー州（the county of Hampshire）
UK（イングランド）: シュロップシャー（the County of Shropshire）で青銅器時代・紀元前1000年～前700年の金製の首から下げる護符（bulla）。ブリテン島では過去に1例のみ知られる。[BBC]
UK（イングランド）: オックスフォードシャー州（the county of Oxfordshire）ハイレイ（Hailey）の畑で10年前に見つかり、マーガリン桶に保管されていたミネルワ（Minerva）女神像は1～2世紀の作。[The Guardian]
UK（イングランド）: ケンブリッジシャー州（the county of Cambridgeshire）ウィンポール・エステート（Wimpole Estate）でローマ時代の集落から、2世紀のケルトの豊穣の神ケルヌンノス（Cernunnos）を表した、金属製の角のある神像。首飾トルクを身に着ける。ローマ軍がブリテン島を占領していた紀元前100年～紀元後150年の間のブリテン人とローマ人との接触を示す。[Daily Mail]
ペルー: ランバイエケ県（Departamento de Lambayeque；Lambayeque Region）ポモルカ町（Pomalca）のエル・チョッロ遺跡（El Chorro）で、モチェ文化（Moche）とランバイエケ文化（Lambayeque）の墳墓32基。いくつかの遺体は足を切断されて脚の骨を首飾に変えられていた。また、大甕60個に収められたアルパカ、リャマ、モルモットの遺体も発見。[The Sun]
▼ランバイエケ県（Departamento de Lambayeque；Lambayeque Region）チクラヨ市（Chiclayo）ポモルカ町（Pomalca）
訃報: 藤間生大氏12/10死去。105歳。歴史学。[朝日新聞]

2018年12月11日（火）

福島県: 双葉郡浪江町・鹿屋敷遺跡（しかやしきいせき）で古墳時代を中心とした家の跡34軒。公益財団法人福島県文化振興財団の調査。1/19現地説明会。[福島県文化財センター白河館「まほろん」]
茨城県: 稲敷郡阿見町・向田遺跡（むかえだいせき）で、1,400年前の竪穴住居跡。公益財団法人茨城県教育財団の調査。1/14現地説明会。[発掘情報いばらき]
滋賀県: 長浜市・小谷城跡（おだにじょうあと）の「御屋敷跡」で、根石など建物の遺構が初めて見つかる。長浜市の調査。12/15現地説明会。[NHK]
和歌山県: 新宮市・新宮城下町遺跡（しんぐうじょうかまちいせき）で平安時代末～室町時代の地下式倉庫跡10棟。新宮市教育委員会12/11発表。[紀伊民報]
韓国: 大邱市西区飛山洞・内洞の住宅街の地下に、達城古墳群が破壊されず残存している可能性。世宗文化財研究院の調査。[大邱日報]
中国: 四川省眉山市青神県南城鎮百花村・果園古墓群で明墓1基と宋墓6基。[四川在線]
イラン: アルダビール州（Ostān-e Ardabīl）ゲルミー郡（Germi）・Alajouq砦付近でセルジューク朝、イル＝ハン朝の遺物多数。郡内では鉄器時代・3000年前～2500年前の小児墓も出土。[Tehran Times]
シリア: マンビジ（Manbij）、アフリーン（Afrin）、イドリブ（Idlib）、ハサカ（al-Hasaka）、ラッカ（Rakka）で文化財を盗掘しているとして、シリア外務省がアメリカ、フランス、トルコを非難。[Fars News Agency]
▼マンビジ、アフリーン、ラッカはアレッポ県、イドリブはイドリブ県、ハサカはハサカ県
トルコ: ブルサ県（Bursa il）イズニク（İznik）でローマ時代・3世紀のモザイク。[Demirören Haber Ajansı（Demirören News Agency）]
ポーランド: ルブシュ県（Województwo lubuskie；Lubusz）ゴジュフ郡（Powiat gorzowski；Gorzów）で1世紀のゲルマン人の墓地。土器棺や土器に収められた火葬人骨や、青銅・鉄製の装身具や副葬品出土。[Nauka w Polsce]
スウェーデン: Huseby Klev遺跡で出土した8000年前のシラカバの樹皮に、ヒトの歯型とDNA。シラカバの樹皮は北欧の狩猟採集民がガムのように噛んで武器や道具のための接着剤を作った。採取されたDNAにより道具を作ったのは北欧狩猟採集民の男女双方で、歯型の大きさや摩耗から見て若い場合は5歳の場合も。
This 8000-year-old ‘gum’ holds surprises about ancient toolmakers[Science]
南アフリカ: 367万年前のアウストラロピテクスの骨格「Little Foot」を分析した結果、腕よりも脚が長くなっており、大きな歩幅で歩けるようになっていたが、いまだ木登りに適した骨格。熱帯雨林や草原などが混在した場所に住み、森林の果実や実を食べて生活していた。[University of Liverpool]
ブラジル: 火災が起きたリオデジャネイロ国立博物館の収蔵品2千万点のうち1500点が焼け跡から回収された。[共同通信]
ペルー: アラパ湖（Laguna de Arapa；Lake Arapa）やオルリリョ湖（Laguna Orurillo；Lake Orurillo）の堆積層から、コレステロールが消化で分解されたときにできるステロール「5b-スチグマスタノール（5b-stigmastanol）」を調査。アルパカなどの糞に含まれる物質で、人塵と成分を比較することで、人類がアルパカを家畜化した時期を推定できる。ワリ帝国の開始期・600年ころからアルパカのステロールは増加。インカ帝国・1400年ころには確立。5b-スチグマスタノールはシカの糞にも含まれるが、シカの生息量が1000年ごろに急増するとは言えないので、シカの糞によるノイズは排除できる。[LiveScience]

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