考古学のおやつ/NEWSLINK

2019年7月31日（水）

インド: シヴァガンガイ県（Sivaganga district）キーラディー（Keeladi；Keezhadi）で円筒形の井戸。高さ1フットの円筒を積み重ねる。[The Times of India]
▼タミル・ナードゥ州（Tamil Nadu）シヴァガンガイ県（Sivaganga district）
ブルガリア: ブルガス州（Област Бургас；Oblast Burgas）カメノ（Камено；Kameno）のルソカストロ砦（Русокастро；Rusokastro）で、ローマ時代・3世紀の青銅製のウマの像。長さ5cm、高さ4.8cm。神殿への奉納物。ローマ帝政期に神殿があった証拠。[Archaeology in Bulgaria]
ドイツ: バイエルン自由州（Freistaat Bayern）ドナウ＝リース郡（Landkreis Donau-Ries）ヴァラーシュタイン（Wallerstein）で、銅器時代・5000年前～4000年前の小児墓から土製の小さい輪1対。直径5cmc程度。象徴的または信仰上のものか。出土した歯から被葬者は7歳程度。Bayerisches Landesamt für Denkmalpflegeの調査。[Donaukurier]
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）パーダーボルン（Paderborn）のアム・アルバーダンツ（Am Kalberdanz）で中世・10～14世紀の集落。石灰岩の壁と粘土の床を持つ建物や、焼失した竪穴建物、溝、土器片、獣骨など出土。1036年から1342年までの資料に登場する「Enenhues」の初期荘園（Villikation）に当たるか。ヴェストファーレン＝リッペ地方連合（Landschaftsverband Westfalen-Lippe (LWL)）の調査。
Siedlungsreste an der Pader[Landschaftsverband Westfalen-Lippe (LWL)]
ドイツ: メクレンブルク＝フォアポンメルン州（Mecklenburg-Vorpommern）ピノ（Pinnow）で後期青銅器時代・紀元前1000年の壺棺墓6基。[Deutsche Presse-Agentur]
▼ルートヴィヒスルスト＝パルヒム郡（Landkreis Ludwigslust-Parchim）
UK（ウェールズ）: アングルシー島（Anglesey）スランゲヴニ（Llangefni）にあるメナイ大学（Coleg Menai）のペンクレイグ・キャンパス（Pencraig Campus）で、4世紀～8世紀の石棺墓群。人骨86体以上出土。同位体分析により、被葬者のうち一部はイングランドとウェールズの境界地域、数人はスカンディナヴィア、数人は地中海地域では数百マイル離れた場所で成長。Archaeology Walesの調査。[North Wales Live]
エジプト: シナイ半島北部のテル・アル・ファルマ遺跡（Tel al-Farma）で、グレコ＝ローマン時代の都市ペルシウム（Pelusium）の元老員の建物跡。2500平米。[Egypt Independent]
USA: アリューシャン列島（Aleutian Islands）の海底で、第二次世界大戦時のアメリカ海軍の潜水艦グラニオン（USS Grunion）の船首部分。1942年8月16日に沈没。すでに見つかっていたほかの部分の残骸から1/4マイルの場所。[CNN]
▼アラスカ州（State of Alaska）

2019年7月30日（火）

熊本市: 遺跡の発掘現場で土砂が崩れ1人が死亡したことを受け、熊本労働局が県内の自治体などに、発掘作業中の安全確保を文書で要請。[KKTくまもと県民テレビ]
中国: 湖南省懐化市溆浦市で、戦国時代～前漢の墓20基。[中国社会科学院考古研究所]
中国: 浙江省湖州市南潯区菱湖鎮で良渚文化晩期・4600年前～4300年前の巨大な玉璧。直径25cmで湖州では最大。[新華社]
キプロス: ニコシア（Nicosia）で、ヴェネツィア（Venezia）統治時代・16世紀のゲリーニ砦（Guerini bastion）の城壁が一部崩壊。[Cyprus Mail]
ブルガリア: ソフィア（София；Sofia）のマルコ・タルノヴォ通り（Улица Малко Търново；Malko Tarnovo street）でローマ時代の城壁。[Novinite]
スイス: チューリヒ（Zürich）のアウスサーシル（Aussersihl）で2017年3月に出土した、割竹形木棺に納められた後期鉄器時代・紀元前200年のケルト人の女性は鮮やかな衣装をまとって葬られていた。羊毛のドレスとショール、ヒツジの革の上着、ガラス玉や琥珀玉の頸飾、青銅のブレスレットなど。女性は40代で、生前はほとんど肉体労働に従事しなかった。歯の分析から見て、澱粉が豊富な甘い食べ物を好んだ。骨の同位体分析から、地元出身の女性。木棺は木をくりぬき、表面に樹皮も残っていた。
Iron Age Celtic Woman Wearing Fancy Clothes Buried in This 'Tree Coffin' in Switzerland[LiveScience]
Kelte trifft Keltin: Ergebnisse zu einem aussergewöhnlichen Grabfund[Stadt Zürich]
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Nordrhein-Westfalen）クレーフェルト（Krefeld）のゲレプ（Gellep）にあるローマ時代のゲルドゥバ砦（Kastells Gelduba）で、地母神像や、土器に描かれたエロティックな線刻。[RP Online]
パナマ: コクレ県（Provincia de Coclé）・シティオ・シエラ遺跡（Sitio Sierra）で出土した獣骨を分析。ヨーロッパ人到来以前、ヒトが摂取した哺乳類のうち、オジロジカがもっとも豊富。社会的関係を強化する定期的な饗宴で供された。スミソニアン熱帯研究所（Smithsonian Tropical Research Institute）の研究。
Party bones: White-tailed deer were predominant in pre-Columbian Panama feasts[Smithsonian Tropical Research Institute]
論文 María Fernanda Martínez-Polanco, Richard G. Cooke. "Zooarchaeological and taphonomical study of the white-tailed deer (Cervidae: Odocoileus virginianus Zimmerman 1780) at Sitio Sierra, a pre-Columbian village in Pacific Coclé province, Panama, with an evaluation of its role in feasts." Archaeological and Anthropological Sciences [SpringerLink]

2019年7月29日（月）

岩手県: 岩手県立博物館の文化財切り取り問題に関して、日本考古学協会が会長声明「遺物の分析試料の不正採取に関わる声明」を発表。
遺物の分析試料の不正採取に関わる声明[日本考古学協会]
北朝鮮: 黄海北道新渓郡沙井里の自然洞窟で、後期旧石器時代のエンドスクレイパーなどの石器、骨器、獣骨など出土。金日成綜合大学歴史学部の調査。礼成江流域で旧石器時代の遺跡が発掘されたのは初めて。[朝鮮新報]
カザフスタン: カラガンダ州（Karaganda region）キジルタウ（Kyzyltau）で、アラクル文化（Alakul culture）・4000年前の墓地から、16～17歳程度の若い男女の遺体。お互いに顔を向けあって埋葬。金属製装身具をまとい、高貴な家族の墓か。[Daily Mail]
トルコ: ヴァン県（Van il）ギュルプナル（Gürpınar）のチャヴシュテペ城（Çavuştepe Kalesi）で、紀元前9世紀のウラルトゥ（Urartu）の貴人の墓。男女の人骨と銀の頸飾、39個の耳飾、護符、ライオンのブローチなど。[Anadolu Ajansı]
▼チャヴシュテペ城関連記事→2018年11月24日
スロバキア: タトラ山地の洞窟でマドレーヌ文化（Magdalenian；Magdalénien）・紀元前13000年～前12000年の槍先など。炉跡などの遺構も。上層では15～16世紀の土器や第二次世界大戦中の硬貨。ヤギェウォ大学（Uniwersytet Jagielloński；Jagiellonian University）の調査。
Amazing discovery of JU archaeologists in Tatra Mountains[Uniwersytet Jagielloński w Krakowie]
スペイン: ムルシア州（Comunidad Autónoma de la Región de Murcia）ムラ（Mula）にあるビジャリコス（Los Villaricos）のローマ時代の邸宅に、6世紀のキリスト教墓地。[Ayuntamiento de Mula]
UK（イングランド）: シュロップシャー（Shropshire）シュルーズベリー（Shrewsbury）にあるシュルーズベリー城（Shrewsbury Castle）で、塔の壁と思われていたものは城の内郭（inner bailey）を横切って中心に向かう道路。土器片、土管、ガラス瓶が出土。[Shropshire Star]

2019年7月28日（日）

青森県: 風間浦村・古野（2）遺跡から縄文時代中期後葉の土偶。道南～秋田・岩手県北地域で同時期の土偶が出土した例は少ない。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。7/27現地説明会。[東奥日報]
愛知県: 清須市・あいち朝日遺跡ミュージアム2020年11月オープン。[朝日新聞]
ヨルダン: シュカイラ・アル・ガイルビーヤ（Shuqayra Al Gharbiyya）で初期イスラーム時代・ウマイヤ朝～アッバース朝・7～9世紀の建築やモザイク床。[The Jordan Times]
フランス: ノルマンディー地域圏（Normandie）ルーアン（Rouen）のルーアン大聖堂（Cathédrale Notre-Dame de Rouen）の広場の南側で、第二次世界大戦中に破壊された中世・14世紀の教会跡。従来はジャック・ル・リユール（Jacques Le Lieur）が500年前に書いた『泉の書』（le Livre des Fontaines）によって知られていた。また、教会の地下を通る運河を発見。戦争の民間への被害を示す遺物も。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。[Le Figaro]

2019年7月27日（土）

秋田県: 大仙市・払田柵跡（第153次調査）で、外郭南門の南西側に広がる沖積地から平安時代の整地層や大溝跡。秋田県教育庁払田柵跡調査事務所の調査。7/20遺跡見学会。[秋田県教育庁払田柵跡調査事務所]
秋田県: 横手市・柴崎遺跡（しばざきいせき）で平安時代の集落跡。区画溝を伴う掘立柱建物10棟以上。7/27現地説明会。[秋田魁新報]
京都府: 長岡京市・長岡京跡（右京1180次調査）で7/27予定されていた現地説明会は台風の影響のため中止。[公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センター]
トルコ: スィノプ県（Sinop il）で6世紀後半～11世紀の教会跡や墓地。[Anadolu Ajansı]
ギリシャ: クトルル・マグラ遺跡（Κουτρουλού Μαγούλα；Koutroulou Magoula）で中期新石器時代の大型建物。9.5m×8.5mの石造り。長期にわたり建て替えや改築して使用。土器窯なども発見。集落の周囲は濠で囲む。[Αθηναϊκό-Μακεδονικό Πρακτορείο Ειδήσεων；Athens-Macedonian News Agency]
ルーマニア: プラホヴァ県（Jude&țul Prahova）ボルデシュティ＝グラディシュテア（Boldești Grădiștea）で青銅器時代初め・ヤムナ文化（Yamnaya culture、黄土墓文化）・5000年前の墓5基。うち2基を調査し、人骨のほか、植物遺体や黄土の堆積を確認。プラホヴァ県歴史考古博物館（Muzeului Județean de Istorie și Arheologie Prahova）の調査。[Mediafax]
イタリア: ウンブリア州（Regione Umbria）トレヴィ（Trevi）のピエトラロッサ（Pietrarossa）で、ローマ時代・2世紀の海洋モチーフの大規模な多色モザイク。[Umbria24]
フランス: オクシタニー地域圏（Occitanie）エロー県（Hérault）ラット（Lattes）で、2600年前の港ラッタラ（Lattara）を発掘。運河や埠頭、商店などを発見。[France 3 Occitanie]
▼ラッタラ遺跡関連記事→2016年2月18日
スペイン: サラマンカ県（Provincia de Salamanca）ラ・フレヘネーダ（La Fregeneda）のアロヨ・デ・ラス・アルマス（Arroyo de las Almas）で、さまざまな時代の線刻画600か所。うち21個は後期旧石器時代・マドレーヌ文化（Magdalenian；Magdalénien）・17500年前～9500年前にさかのぼる。鉄器時代・紀元前1千年紀のシカの線刻画や、17、18、19世紀のものも。
Descubren un nuevo enclave de arte paleolítico al aire libre en la provincia de Salamanca[DiCYT]
論文　Carlos Vázquez Marcos, Mário Reis. "Arroyo de las Almas (La Fregeneda, Salamanca): un nuevo sitio con arte paleolítico al aire libre" Trabajos de Prehistoria, Vol 76, No 1 (2019) [Trabajos de Prehistoria]
▼カスティーリャ・レオン自治州（Comunidad Autónoma de Castilla y León）
UK（イングランド）: ロンドン（London）のキャノン・ストリート駅（Cannon Street station）近くの建設現場で、ローマ時代・70年ごろの鉄製の尖筆（stylus）。ささやかなお土産であることを示す銘文入り。Museum of London Archaeology (Mola)の調査。[The Observer]
アシュモレアン博物館（Ashmolean Museum）の展覧会「Last Supper in Pompeii」で公開。[Museum of London Archaeology (Mola)]
カナダ: ブリティッシュコロンビア州（British Columbia；Colombie-Britannique）キース島（Keith Island）で、1000年前～500年前の巨大ハマグリの一種アメリカナミガイ（geoduck）を含む貝殻が出土。先住民ヌーチャーヌルス人（Nuu-chah-nulth）のチェシャート族（Tseshaht）が、ヨーロッパ人到来前にこれらを食べていた。ヴィクトリア大学（University of Victoria）の調査。2009年に州の最高裁判所がヌーチャーヌルス人に、この地域の魚介類に対する憲法上の権利を認めたとき、アメリカナミガイは、近代的な装備がないと採れないこと、当時はヌーチャーヌルス人がアメリカナミガイをとっていた証拠がないことを理由に除外していた。[The Tyee]
メキシコ: 英国ロンドンの大英博物館（The British Museum）が所蔵する黒曜石製の鏡を蛍光X線分析。メキシコのパチューカ（Pachuca；Пачука）の黒曜石に合致。メキシコ由来と言われ、16世紀の占星術師ジョン・ディー（Dr Jhon Dee）が用いた。ディーは英国外交官としてカール5世の宮廷にいたウィリアム・ピカリング（William Pickering）と親しく、ピカリングから入手した可能性もある。ディー自身もハプスブルク帝国に滞在経験あり。が、英国の海賊がスペイン船から奪った可能性も排除できず。
Из Мексики в Англию - путь обсидианового зеркала[Наука в Сибири]
黒曜石の鏡はアステカ文明のテスカトリポカ神（Tezcatlipoca）に関連。パリの国立自然史博物館の件とあわせ、フォーブズ誌に寄稿したデイヴィッド S. アンダーソン氏（David S. Anderson）は、遺物の科学的な分析が文字資料の不足を埋めるという事実とともに、遺物がヒトにとって持つ意味を知るには、文字資料が重要であるとしている。[Forbes]
エクアドル: フランス、パリ（Paris）の国立自然史博物館（Muséum National d'Histoire Naturelle）が所蔵する黒曜石の鏡を調査。かつて、征服者エルナン・コルテス（Hernán Cortés）がカール5世（Karl V）に贈ろうとしてフランスの私掠船に奪われたものと推測されてきたが、文書調査の結果、フランス隊が18世紀半ばにエクアドルで入手したものだった。粒子線励起X線分析（particle induced X-ray emission：PIXE）で微量元素を調査。マンガン、ルビジウム、ジルコニウムの存在から、メキシコの産地はすべて除外。エクアドルにある2か所の産地に近似。インカ帝国に関連づけられるかどうかは解明が困難。[Forbes]
対象は国立自然史博物館の作品番号「22.U」。黒曜石の微量元素はエクアドルのMullumicaに一致。
論文　Thomas Calligaro, Pierre-Jacques Chiappero, François Gendron and Gérard Poupeau. 'New Clues on the Origin of the “Inca Mirror” at the Museum National d'Histoire Naturelle in Paris' Latin American Antiquity. Volume 30, Issue 2 June 2019 , pp. 422-428 [Cambridge Core]
アルゼンチン: コルドバ山脈（Sierras of Córdoba）のBoyo Paso 2遺跡で出土した先史時代後期の動物遺体を分析し、多様な狩猟が行われていたことを示す。従来、先史時代後期（1500年前～360年前）の食糧生産はダイナミックな社会文化的プロセスで、柔軟な土地利用戦略により、採集と栽培を組み合わせていたとみられていた。
論文　Matías E. MEDINA, Mailín CAMPOS, Nancy ÁVILA, Esteban SOIBELZON & Fernando J. FERNÁNDEZ "Animal food during the Late Prehispanic Period at Sierras of Córdoba, Argentina. A zooarchaeological view from Boyo Paso 2" ANTHROPOZOOLOGICA 54 (10) - PAGES 83-95
[Publications Scientifiques du Museum]

2019年7月26日（金）

青森県: 風間浦村・古野遺跡で縄文時代中期の土偶。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。7/27現地説明会。[NHK]
岩手県: 盛岡市・盛岡城跡（第39次調査）の台所地区で、漆職人の作業場である「塗師小屋」を確認。「濾殻」（こしがら）出土。盛岡市遺跡の学び館の調査。8/10現地説明会。[盛岡市]
埼玉県: 白岡市・神山遺跡（かみやまいせき：第8地点）で、中世の濠跡。中世佐々木氏と関わりの深い興善寺の寺域を画するために巡らせた濠の可能性。
中世の濠跡（ほりあと）の調査概要をお知らせします（神山遺跡第8地点）[白岡市]
中国: 山西省陽泉市盂県南楼鎮下曹村で明時代の紀年壁画墓。銘文に「大明永楽九年二月十一日葬」。また、近代の穴3か所に大量の明時代の塑像。[中国社会科学院考古研究所]
イタリア: ポンペイ遺跡（Pompeii）の三角フォロ（Foro Triangolare ；Triangular Forum）にあるドーリア式の神殿に、紀元前4世紀末の、アテナ女神を表したアンテフィクサ（軒瓦、antefix）。また供物として捧げられた紀元前3世紀の土偶。[Archaeology News Network]
スペイン: マドリード州エル・ボアロ（El Boalo）にあるエル・レボリャール遺跡（el cerrillo de El Rebollar）で西ゴート王国・7世紀後半～8世紀前半の教会の遺構。身廊の墳墓は異例的に荒らされておらず、良好な保存状態。マドリード自治大学（Universidad Autónoma de Madrid）の調査。
Descubren una iglesia de época visigoda en la Sierra de Madrid[Universidad Autónoma de Madrid]
コロンビア: バジェ・デル・カウカ県（Valle del Cauca）で、2000年前の一次埋葬の跡。マラガナ文化（cultura Málagana）とヨトコ文化（la cultura Yotoco）の境界地域に立地し、両文化のいずれかに属す。遺体は仰向けで、赤彩された土器と炭化物を伴う。INCIVAの調査。
Aparece nueva tumba en excavaciones arqueológicas en la vía Cali - Yumbo - crucero Dapa[INCIVA ]
授賞: 第32回濱田青陵賞に米田穣・東京大学総合研究博物館教授。同位体分析をもちいた考古科学を開拓し、その確立と発展に寄与した。
第32回　濱田青陵賞受賞者の決定[岸和田市]
訃報: 李殷昌・元大田保険大学教授7/26死去。97歳。韓国考古学の重鎮。[聯合ニュース]

2019年7月25日（木）

茨城県: 高萩市・大高台遺跡（おおたかだいいせき）で、弥生時代、古墳時代、奈良時代から平安時代にかけての集落跡。また、中近世の道路跡。公益財団法人茨城県教育財団の調査。8/25現地説明会。[発掘情報いばらき]
兵庫県: 加古川市・宗佐遺跡（そうさいせき）で、弥生時代後期～古墳時代初頭の竪穴住居跡2棟、平安時代後期～鎌倉時代の木棺墓1基、火葬墓1基、鍛冶遺構1基。戦国時代の洪水跡。兵庫県教育委員会の調査。7/27現地説明会。
宗佐遺跡（加古川市八幡町宗佐）の発掘調査成果と現地説明会について[兵庫県教育委員会]
▼宗佐遺跡関連記事→2018年7月19日
鳥取県: 鳥取市・青谷上寺地遺跡（第18次調査）で中心域北側で、古墳時代前期前半期の溝状遺構や、木造構造物で補強された土手状遺構。一連の造成工事の痕跡と推定。鳥取県の調査。8/4現地説明会。[鳥取県]
韓国: 慶尚南道陜川郡・三嘉古墳群の24号墳を、加耶・5世紀後半～6世紀初めの支配者級の墓と推定。直径30m、高さ5.5～6m。分割盛土。主体部は石槨4基。うち24-1号石槨は長さ830cmで細長い。慶南発展研究院の調査。[聯合ニュース]
韓国: 全羅南道羅州松堤里古墳で、百済・聖王の時代の銀製冠飾、帯金具、青銅盞、馬具、琥珀玉。銀製冠飾は、百済の官等で奈卒（6品）以上が着用したため、百済支配層の古墳。国立羅州文化財研究所の調査。[NEWSIS]
中国: 山西省運城市夏県裴介鎮轅村・轅村遺跡で、仰韶文化の集落と、金・元時代の墳墓。[中国社会科学院考古研究所]
イスラエル: ガリラヤ近くのヒッポス・スシタ遺跡（Hippos-Sussita）でビザンティン時代・6世紀の教会で、銘文のギリシャ語の綴りや文法に誤り。[The Times of Israel]
レバノン: シドン（Sidon）のテル・エル・ブラク遺跡（Tell el-Burak）で紀元前1900年のフレスコ画。オリエント最古の可能性。ベイルート・アメリカン大学（American University of Beirut）とテュービンゲン大学（Universität Tübingen）の調査。
Archäologen dokumentieren älteste bekannte Vorstufe der Fresko-Malerei im Mittelmeerraum[Universität Tübingen]
トルコ: エラズー県（Elazığ）バスキル郡（Baskil）で18世紀の食糧倉庫。高さ1.4mで内部はモルタル、外部は粘土で作り、湿度を保って食料を保管。[Anadolu Ajansı]
イタリア: シチリア島（Sicilia；Sicily）沖の、ポエニ戦争中のアエガテス諸島沖の海戦（Battaglia delle Isole Egadi：Battle of the Egadi Islands）の故地の海底80mで、ローマとカルタゴの船の衝角（rostrums）やモンテフォルティーノ型（Montefortino）の兜、剣、アンフォラなど。[TP24]
スイス: ヴァレー州（Canton du Valais；Kanton Wallis）シオン（Sion；Sitten）のプティ・シャスール遺跡（Petit-Chasseur）で、新石器時代末・紀元前2500年の立ち並ぶ6基の立石。うち3基には線刻があり、最大のものは重さ2tで、男性像や幾何学文を描く。[swissinfo]
ドイツ: ベルデ郡（Landkreis Börde）ヴェードリンゲン（Wedringen）で石器時代・レッセン文化（Rössener Kultur；Rössen culture）・6500年前の火葬墓25基。刺突文土器文化（Stichbandkeramik；Stroke-ornamented ware culture）から火葬の風習を学ぶ。[Süddeutsche Zeitung]
▼ザクセン＝アンハルト州（Land Sachsen-Anhalt）ベルデ郡（Landkreis Börde）ハルデンスレーベン（Haldensleben）
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）ボルケン郡（Kreis Borken）フェーレン（Velen）で、初期中世・10～13世紀の農園。[Borkener Zeitung]
ポルトガル: アルガルヴェ地方（Algarve）のシルヴェス（Silves）で、ムワッヒド朝（Almóada）・13世紀末の岩に彫り込んだ穴に、1歳程度の子供の遺体と、ロバ、ヒツジまたはヤギ、ネコ、鳥の骨が積み重なった状態。さらに岩、建築資材、ごみなどで満たす。子供の遺体の近くには鏃。ウマには蹄鉄や馬具を伴う。ウシは食用に供される。イスラームによる支配の末期に当たる。キリスト教徒による再征服の時に暴力的に殺され、埋められたか。[Portugal Resident]
デンマーク: 北欧青銅器時代（Nordic Bronze Age）初期・紀元前2000年～前1700年の金属遺物210例の成分を分析し、混入されている金属の由来を同定。素材や製品を得るための2つの主要な開窯交易ルートの存在を発見。バルト海を経由してウーニェティツェ文化（Únětice culture；Aunjetitzer Kultur）につながるルートと、ブリテン諸島につながるルート。
The road to Scandinavia's bronze age: Trade routes, metal provenance, and mixing[EurekAlert]
論文　Heide W. Nørgaard, Ernst Pernicka, Helle Vandkilde "On the trail of Scandinavia’s early metallurgy: Provenance, transfer and mixing" PLOS One. July 24, 2019 [PLOS One]
エジプト: アレクサンドリア（Alexandria）のアブキール湾（Abu Qir Bay）で、地中海の海底にヘラクレイオン（Heracleion）とカノープス（Canopus）を調査。巨大集落と神殿、沈没船、硬貨などを発見。カノープスはこれまでの想定より大規模な都市で、紀元前8世紀からイスラーム時代まで居住。[Ahram Online]
ケニア: トゥルカナ東部（East Turkana）の200万年前～140万年前の人類の祖先を研究。この期間に植生や大型哺乳類の食生活に変化はないが、人類にのみ変化。165万年前にC4植物やそれを食べる動物を摂取するようになる。ジョージ・ワシントン大学（The George Washington University）の研究。[Archaeology News Network]
論文　David B. Patterson, David R. Braun, Kayla Allen, W. Andrew Barr, Anna K. Behrensmeyer, Maryse Biernat, Sophie B. Lehmann, Tom Maddox, Fredrick K. Manthi, Stephen R. Merritt, Sarah E. Morris, Kaedan O’Brien, Jonathan S. Reeves, Bernard A. Wood & René Bobe. "Comparative isotopic evidence from East Turkana supports a dietary shift within the genus Homo" Nature Ecology & Evolution volume 3, pages1048-1056 (2019) [Nature Ecology & Evolution]
カナダ: ニューファンドランド・ラブラドール州（Newfoundland and Labrador；Terre-Neuve-et-Labrador）コンセプションベイ・ノース（Conception Bay North）で、先住民の岩絵（petroglyphs）。人物や動物を描く。アルファベット風の文字や工具として金属のナイフを用いているらしいことから、ヨーロッパ人到来以後の作と推定。17～19世紀か。ニューファンドランドでは初めての発見。東カナダやニュー・イングランドに見られるアルゴンキン人（Algonquian peoples）の作品と共通のモチーフ。[CBC]

2019年7月24日（水）

京都府: 長岡京市・長岡京跡の右京八条三坊十六町推定地で、最大級の大型建物の遺構。藤原種継の屋敷跡の可能性。公益財団法人長岡京市埋蔵文化財センター7/23発表。[毎日新聞]
長崎県: 長崎市・端島（軍艦島）の桟橋などが台風5号による高波で破損。7/22から上陸を禁止。長崎市7/23発表。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つ。[西日本新聞]
熊本市: 中央区のマンション建設予定地で遺跡発掘調査中に起こった死亡事故について、熊本市は第三者による検討委員会を設置へ。[テレビ熊本]
中国: 遼寧省瀋陽市渾南区東湖街道水家村で清時代の長方形竪穴土坑墓38基。木棺を用いるが、火葬して壺に納めた場合もある。金属製品など出土。裕福な家族のもの。[瀋陽網]
中国: 新疆ウイグル自治区哈密市バルクル・カザフ自治県（巴里坤自治県）キョルヤカ郷（海子沿郷）で青銅器時代・3300年前の大型集落遺跡。[中国新聞網]
イスラエル: レホブ（Rehob）で3500年前の女性の裸身像。豊穣の女神を表すか。エジプトのスカラベや粘土板も出土。[LiveScience]
イスラエル: ガト（Gath）で3000年前の大規模な砦・ゴリアテ（Goliath）の本拠地としたペリシテ人の都市。[Haaretz]
イスラエル: テルハツォール遺跡（Tel Hazor）で、紀元前8世紀の玄武岩づくりの階段と、舗装された入り口。カナーンの王の偉大さを表す。テルハツォール遺跡は推定人口20000人。旧約聖書『ヨシュア紀』第11章10で、ヨシュア（Joshua）の率いるユダヤ人によって征服されたとされるカナーンの都市ハゾル（Hazor）に当たるとされる。[The Times of Israel]
▼テルハツォール遺跡関連記事→2016年7月25日
パレスチナ: サマリア（Samaria）のテル・シロ遺跡（Tel Shiloh）で3000年前のエジプトのスカラベ印章。エジプトの高官のものか。鉄器時代の石の祭壇の一部も。[The Jewish Press]
キプロス: ゲロスキプ（Γεροσκήπου；Geroskipou；Yeroskipou）のパヒアモス（Παχύαμμος；Pachyammos）でヘレニズム時代の大規模な聖域を調査。
Excavations in Geroskipou, at Pachyammos location[Γραφείο Τύπου και Πληροφοριών；Department of Antiquities, Republic of Cyprus]
ロシア: アストラハン州（Astrakhan）で、脳外科手術の失敗により死亡した1800年前のサルマタイ人戦士の人骨。頭蓋骨の孔は戦いのものではなく、傷口に治癒の痕跡もないことから、脳外科手術の失敗により死亡と推定。革の鞘に入った剣と、矢入れを副葬。近くに2歳程度の子供の埋葬があり、ギリシャ神話の場面（ペルセウスとメドゥーサ）を表す宝飾品を伴う。[Daily Mail]
イタリア: コッリ・アルバーニ（Colli Albani；Alban Hills）のヴェッレトリ（Velletri）で2007年に出土した後期旧石器時代・10000年前の小石に刻まれた刻みは、最古の月齢カレンダー。ローマ・ラ・サピエンツァ大学（Sapienza Università di Roma）の研究。
The oldest lunar calendar is a pebble engraved 10,000 years ago, found in the Alban Hills near Rome, Italy
Il più antico calendario lunare in un ciottolo di 10.000 anni fa dei Castelli Romani[Sapienza Università di Roma]
スペイン: コルドバ（Córdoba）のザフラー宮殿（Madinat al-Zahra）で東端を区切る列柱のポーチ。1010年11月4日のベルベル人の破壊を示す火災跡を確認。
Monumentale Pfeilerhalle in Madinat al-Zahra entdeckt[ドイツ考古学研究所（Deutsches Archäologisches Institut）]
エクアドル: レアル・アルト遺跡（Real Alto）で、サン・ペドロ複合（San Pedro complex）・紀元前4640年～前4460年の土器。同遺跡の古い段階に当たり、バルディビア文化（Valdivia culture）初期と隣接または同時期であるが、装飾やその技法は異なる。極東連邦大学（Дальневосточный федеральный университет；Far Eastern Federal University）などの調査。
Pottery related to unknown culture was found in Ecuador[EurekAlert]
論文 Yoshitaka Kanomata, Jorge Marcos, Alexander Popov, Boris Lazin and Andrey Tabarev "New data on early pottery traditions in South America: the San Pedro complex, Ecuador” Antiquity Volume 93, Issue 369 [Cambridge Core]
学会: 日本考古学協会が、岡山で開催する2019年度岡山大会でも、2日目の10/27に託児サービスを実施。事前申し込み必要。申込者は日本考古学協会会員に限定。
2019年度岡山大会　託児サービスのご案内[日本考古学協会]

2019年7月23日（火）

大阪府: 百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産に登録されたことを受けて、考古学などの学術団体が、古墳群を地域や社会に公開していくことなどを求める声明を7/23発表。[NHK]
長崎県: 弥生時代に現在の長崎県周辺にいた「西北九州弥生人」は、縄文人直系と考えられていたが、実は渡来系弥生人との間でかなり混血が進んでいた。人骨などの遺伝情報を解析。国立科学博物館などの調査。[朝日新聞]
韓国: 慶尚南道統営市・三道水軍統制営跡で、井戸跡。古地図に表示された「三池九井」のうち1つである可能性。建物跡や、朝鮮時代の貨幣「常平通宝」も。三道水軍統制営は朝鮮時代の慶尚道・全羅道・忠清道の水軍司令部。財団法人慶南文化財研究院の調査。[釜山日報]
中国: 江蘇省無錫梅村街道・梅里遺跡で、商周・春秋戦国時代の遺跡。灰坑、灰溝、井戸、建物跡など。印文硬陶、軟陶、夾砂陶、原始磁器など出土。[新華社]
中国: 四川省成都市東華門遺跡で、戦国時代から明時代に至る都市を大規模に発掘。戦国秦漢六朝時代の都市生活区域、隋唐宋時代の摩訶池の庭園、明時代の蜀王府の宮城建築。[新華社]
ヨルダン: フメイマ遺跡（Humayma）で、ナバテア時代の床下暖房（hypocausts）システムのための陶製のパイプ。イタリアでは1世紀ごろから一般化したが、フメイマでは2世紀初めに始まる。ナバテアでの最も古い例はワーディー・ラム（Wadi Rum）やワーディー・ムーサ（Wadi Musa）の1世紀前半。ナバテア人はローマに征服される以前からローマ時代の技術を取り入れていた。[The Jordan Times]
ギリシャ: クレタ島（Κρήτη；Crete）の古代都市アプテラ（Ἄπτερα；Aptera）で、1世紀後半～2世紀初めのアルテミス女神（Artemis）の銅製小像とアポロン神（Apollon）の大理石小像。ローマ時代の邸宅を装飾するために島外から輸入。[Greek Reporter]
イタリア: ヴィテルボ県（Provincia di Viterbo）ヴルチ（Vulci）にあるオステリア墓地（Necropoli dell'Osteria；Osteria necropolis）から、エトルリア・紀元前6世紀の翼のあるライオンの像。地元の灰色凝灰岩製。ヴルチの工房では当時、スフィンクスやヒョウなどの鎮墓獣製作が盛んだったが、紀元前520年ごろ、墳墓での贅沢を排するためか、それらの生産が終了。[ANSA]
▼ラツィオ州（Regione Lazio）
イタリア: シチリア州（Regione Sicilia）ラグーザ県（Provincia di Ragusa）チファリ・ガンツェリア（Cifali Ganzeria）でムスリム墓地。ピサ大学（Università di Pisa）の調査。
Sepolture di rito musulmano dagli scavi dell’Università di Pisa nel ragusano[Università di Pisa]
オーストリア: チロル州（Tirol）ビルギッツ（Birgitz）で初期鉄器時代・2000年前の建物2棟。インスブルック大学（Universität Innsbruck）の調査。[derStandard.at]
▼チロル州（Tirol）インスブルック＝ラント郡（Bezirk Innsbruck Land）
ポーランド: マズールィ地方（Mazury；Masuria）のブルカ・プルシノフスカ（Wólka Prusinowska）で6世紀後半～7世紀の墓地から焼かれた埋葬人骨。焼いたのち、墓壙の中にそのまま入れる。土器を副葬した墓もあるが、土器にも焼けた跡。装身具や融けた青銅を伴う墓も。[The First News]
▼ヴァルミア＝マズールィ県（Województwo warmińsko-mazurskie）ムロンゴヴォ郡（powiat mrągowski）グミナ・ピエツキ（Gmina Piecki）
オランダ: 南ホラント州（Provincie Zuid-Holland）ファルケンブルフ（Valkenburg）で、ローマ時代・125年ごろの銘文「COH II CR」が刻まれた木柱。ローマ時代の道路跡で見つかった470基の木柱のうち1本。[Dutch News]
UK（イングランド）: ウェスト・サセックス州（the county of West Sussex）ノース・バーズティド（North Bersted）で2008年に発掘された、鉄器時代の戦士の墓では、青銅兜などを副葬。ユリウス・カエサル（Julius Caesar）の軍と紀元前50年ごろ戦い、フランスからブリテン島に逃れてきたガリア人戦士か。[The Telegraph]
UK（イングランド）: ケンブリッジシャー州（Cambridgeshire）ウォーボーイズ（Warboys）で、後期鉄器時代・2000年前の円形住居跡群と、同時期と見られる屈葬人骨3体。ローマ時代の土器や窯。サクソン時代の土器、角製品、金工。Oxford Archaeologyの調査。[Peterborough Today]
UK（スコットランド）: ブラックアイル半島（Black Isle）のローズマーキー洞窟（Rosemarkie Caves）で見つかった、430～630年（放射性炭素年代）のピクト人の惨殺死体は、王族や氏族の長のような高位の可能性。人生を通じて高蛋白な食生活。上半身はラグビー選手のようにがっちり。頭蓋骨が砕かれていたが、それ以前の傷は見られず、戦士ではない安全な身分。埋葬にも敬意がうかがわれる。王族や氏族の長のような高位の可能性。[The Sun]
マン島: マン島で青銅器時代・4000年前の円形墳丘。7人分の火葬骨出土。ノース・ヨークシャー州（North Yorkshire）ウィットビー（Whitby）に由来する首飾り出土。マン島では初。[BBC]

2019年7月22日（月）

群馬県: 富岡市・一ノ宮長坂遺跡で古代の集落跡。富岡市教育委員会の調査。8/24現地説明会。[富岡市]
群馬県: 長野原町・居家以岩陰遺跡で、縄文時代早期の埋葬人骨。遺体を切断したと思われる独特な埋葬法。[読売新聞]
韓国: ソウル市江北区水踰洞・九川渓谷で朝鮮王朝の採石場。「思陵浮石監役畢記」の銘文が刻まれた岩。第6代端宗の陵墓「思陵」を造営する際に石材を採取。朝鮮時代王陵の採石場所在地が確認された最初の例。思陵は京畿道南楊州市に所在。[聯合ニュース]
北朝鮮: 開城市の松岳山南麓で、高麗太祖・王建の祖母・元昌王后の墓「温鞋陵」を発掘。金日成綜合大学歴史学部と朝鮮民族遺産保存社、松都師範大学の調査。[朝鮮通信]
ロシア: タタールスタン共和国（Татарстан Республикасы；Республика Татарстан）アクスバエヴォ（Аксубаево；Aksubayevo）で発見された墓地から、10～14世紀の人骨150体。釘や土器を除いて副葬品はほとんどなし。[Realnoe Vremya]
マルタ: 神殿文化（Temple culture）の消失過程を堆積と花粉により分析。紀元前2350年ごろに火山爆発の噴出物による破滅的な気候変動。このほか、食料の欠乏、子供の死亡の多さ、土壌の悪さが原因。頭蓋骨の多様性からみて、移民によるプレッシャーも。[The Sun]
スロバキア: トルナヴァ県（Trnavský kraj；Trnava region）フロホヴェツ郡（Hlohovec）ドヴォルニク（Dvorníky）のヴァーフ川（Váh）で発見された遺物は、鉄器時代～中世のいずれかの時期の鉄製の槍や刀子など7点の未製品。フロホヴェツ博物館（Vlastivedné múzeum v Hlohovci）の調査。[The Slovak Spectator]
スウェーデン: バルト海の海底で、ルネサンス時代・15世紀後半～16世紀初めの沈没船を調査。商業船と推定。スウェーデン語で「Okänt Skepp」（未知の船）。保存状態良好。[The New York Times]
UK（イングランド）: グロスタシャー州（the county of Gloucestershire）コッツウォルド区（Cotswold）チェッドワース（Chedworth）にあるローマ時代の邸宅チェッドワース・ローマン・ヴィラ（Chedworth Roman Villa）で発見された1800年前のローマングラスは、黒海沿岸の現在のウクライナで作られたフィッシュグラス。英国内に類例なし。[The Guardian]

2019年7月21日（日）

茨城県: 那珂市内の遺跡で「倭文田長」と墨書された土器の破片。古代に織物「倭文織」の産地だったとされる地域。[茨城新聞]
カザフスタン: 東カザフスタン州（East Kazakhstan Region）タルバガタイ地区（Tarbagatai）のエレケ・サジ遺跡（Елеке Сазы；Yeleke Sazy）のPatsha墳丘墓で、壁龕から紀元前8世紀のサカ族（Saka）の金、青銅、鉄などの金属製品500点。革袋にまとめて入れられた状態。かつて盗掘者がまとめて入れていたものか。[Archaeology News Network]
ヨルダン: ヨルダンに所在するローマ時代・1~3世紀とビザンティン時代・ビザンティン時代・5～7世紀の壁画を比べると、ビザンティン時代のものは保存が悪い。漆喰の添加剤に原因があり、添加剤が少ないか、使わない場合もある。漆喰にローマ時代同様石灰を用いるが、石灰と石膏を混ぜる場合や石膏のみの場合も。乾燥地域では石膏の使用が多く、これは石灰生産に高温を得るための燃料が必要だったため。ローマ時代とビザンティン時代では、壁に下塗りする漆喰の層の数も減少。ローマ時代に比べビザンティン時代が技術的に劣る。ワルシャワ美術アカデミー（Akademia Sztuk Pięknych w Warszawie；Academy of Fine Arts in Warsaw）のユリア・ブルダイェヴィチ氏（Julia Burdajewicz）の研究。[The Jordan Times]
ロシア: プスコフ州プスコフ（Псков；Pskov）のゴロジャーネ（Gorozhane）で、10世紀のヴァイキングの交易拠点。ビザンティン帝国の硬貨やアラブのディルハム硬貨をはじめ、キエフ・ルーシ（Киевская Русь；Kievan Rus）の貴人の紋章をあしらったペンダント、玉、鏃、分銅、馬具、宝飾品など出土。[Sputnik]
イタリア: ヴィテルボ県（Provincia di Viterbo）バルバラーノ・ロマーノ（Barbarano Romano）のサン・ジュリアーノ遺跡（San Giuliano）で、エトルリアの墳墓群と、と中世・1200年ごろの建物群。[Archaeology News Network]
▼ラツィオ州（Regione Lazio）ヴィテルボ県（Provincia di Viterbo）
ポーランド: ルブシュ県（Województwo lubuskie；Lubusz）スウビツェ郡（Powiat słubicki；Słubice County）クノヴィツェ（Kunowice）で、教皇ニコラウス3世（Nicholas III；在位1277～1280年）の鉛製の円形印章（bulla）。一方の面にペテロとパウロの図像。もう一方の面に教皇の名。[The First News]

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