'00年度 二年生/一学期医 学 生 日 記
息子(4)が夕食時に「おひざが痛い〜なでなでしてぇ〜」とぐずった。見てみたが特に変わりはない。 遊んでいてしょっちゅう転んだりぶつけたりしてるので、まあ、そういうこともあるでしょう。とさすったら、 じき忘れた。次の日もやはり夜に食卓で同じ事を言った。なでてあげると落ち着く。ごっつんした?と聞いても、 してないと言う。まぁ忘れてるのかな、それに最近は小学校に入学した姉をみんながちやほやするから、 かこつけて甘えたい気分なのかな?と、なでなで、すりすり。が、その夜中から、痛い痛いと大泣きして、家人と交替でさすったが朝まで泣き続けた。朝見ても、外見は 変わりなく、熱もない。が、ひざの上のある箇所を押すと、さっとひざを引く。動かさなくても痛くて、 はっきり痛い場所もあるなら、普通のケガやまして気のせいじゃないな?かかりつけの小児科に行くと、 関節にばい菌が入った関節炎とのこと。(よ〜く見ると、ひざの上が左右でちょっと違うという位、腫れて いた)ひどいと入院だから。と言われ近所の総合病院に紹介状を書いてもらう。ひどくなるから歩かせないで、 というので、そこからずっと17キロの小僧を抱えて移動。
ちなみに私は2日前に夜中の2時まで小学校の防災ずきんを縫い、翌日は、山のような洗濯物を畳んで 大量の花粉を浴びたら、寝不足のせいか数年ぶりの手ひどい花粉症発作に。目鼻の他、ノドも焼けつくよう に痛くて眠ることもできない。セレスタミンを追加飲みして、早く効け〜と耐えて、やっと落ち着き、 眠りかけたとこで「おひざが痛いよ〜」に巻き込まれた。
二日寝不足の上、車の運転禁忌の薬を昨晩今朝と飲んでしまったが、でもこの際仕方ないですな。と 目一っっ杯気合いを入れて車を運転して総合病院の整形外科に。(←タクシーを使いなさい。) 「子供は膝が痛いって言っても大半は股関節なんですよ」へぇ〜。「でもこの人は膝だけみたいですね。」 ふむふむ、そうやって動かして判断するのか〜。レントゲンを撮る。「骨は大丈夫ですね」おぉ、小さい ながらも、いっちょまえに骨が揃ってる〜おもしろ〜い。私の腹の中でこんな物が形成されてたんだねぇ・・。 この前、骨の発生の論文読んだけどあれは面白かった・・
熱もないし、びっこも引かないから、薬も無しで様子を見ればいいとのこと。ホッ!(ひどければ入院、 手術もある)「ただ、関節の腫れや痛みを繰り返してどうしてもおかしい、というとき、ごく希に白血病の 場合があります。私も25年やってきて2人しか見てませんけど、整形外科としては頭の隅にそれはあるので、 経過を見てひどくなるなら血液検査します。」ドキドキ!(結局あっと言う間に治ってしまって必要なかった)
痛ければ動かさないし、平気なら歩くので好きなように歩かせてもいいです、とのことで、行きはぜいぜいと 17キロを抱えてきた道を、帰りはすたすた歩いて帰った。それにしても小児科、整形外科、家庭の医学の記述、 どれも微妙に食い違うんだけど・・まあ大筋同じだからいっか。風邪と紛らわしい乳児の股関節などの場合、 手遅れになって関節が溶けてしまい、重大な障害を残すこともあるそうで、怖いんだなぁと勉強になった。
息子は結局その後一度ちょっと痛いと言っただけで治ってしまった。風邪もひいたので、ちょうど弱っていた のかな?私も翌日から無事授業に出られた。
新学期スタート。2年では語学を固めて取って休日を作ったりと色々工夫している人が多い。私はずっと 必修以外は極力1限、5限を取らないようにやっている上、再履を抱え(^_^;)相変わらずタイトな時間割。 (自業自得!)今年の再受験生の人数などはまだ分からないが、先生からちらほらと、東大からは 相変わらず多くて10人位いるようだとか、私よりかなり年上の家庭持ち女性が入ったと言った話を聞いた。 (医歯あわせて)また、体育の先生が覚えている限りの一番年上の入学者は10年ぐらい前の58才の男性で、 MIT卒の元社会人で奥さんは医者、優雅な学究生活だったらしい。また、健康診断のあった日、検尿コップを持ってトイレに並んでいると、前に並んでいる女性が「ひょっと して、HPを持っている医学科の方ですか?」「え〜?!そうです。」コップを握りしめつつ話し込む。 歯学部の再受験者で20代後半で既婚。文系卒で元出版社勤務とのこと。医科歯科では文系からの入学者は 非常に珍しい。(去年も理系卒ばかり)また今年も色んな人がいそうで楽しい。
埼玉県和光市にある理化学研究所の一般公開日に行ってみた。 が、この日はどしゃ降り(それでもかなり賑わっていた)。幼児連れで傘さして構内を移動するのが大変 だったので、じっくりみることは出来なかったが、いつも広大な敷地の外を通りながら、この中って一体 何があるのかしらと思っていたので面白かった。とにかく広い。そしてその歴史の長さにも関わらず、 どの施設もピカピカで立派で噂に違わずリッチな感じ。だんな曰く「広くてきれいな理科大って感じ。」知り合いのいる脳研究所に行って、研究室をのぞいてみたが、まだ来てなかったので、壁の掲示などを眺める。 感染の危険のある験体の処理の仕方や、液体窒素での凍傷の防止の注意書きなどどれも珍しくて面白かった。 下の一般展示室で脳のCGを眺めたり、顕微鏡を覗いたりした。自分が見るより、ぼくも!ぼくも!あたしも〜 とさわぐ子供達を抱えて見せてやるので結構大変だった(^_^;)
水棲生物飼育棟でイカの水槽を見る。おっきいヤリイカを見て大人「おいしそう・・」ぶどうのような卵 と、5mm位の赤ちゃんイカを喜ぶ子供達。ただ、それを成体にまで育てることはまだ出来ないらしい。 プラスチックのチューブにイカの赤ちゃんを入れてくれた。かわいい〜(^^)イカちゃん、イカちゃんと 覗き込んでは喜ぶ子供達だが、飼育は研究所でも出来ないぐらいだし、放せるような場所もないし、第一 その容器じゃ酸素がすぐ切れるだろうし・・・と数時間後の事態を予測してちょっと複雑。
フロンティア中央研究所では、ドライアイスを入れた水槽にシャボン玉を吹き出すと下にたまった重い 二酸化炭素のせいでシャボン玉が空中に止まって漂ったり、下に落ちたシャボン玉が丸いまま凍ったり という実験や、大きな輪を使って大きなシャボン玉(正確には円筒だけど)に入れてくれるコーナー、 色んな針金の輪にシャボン液を浸して多角形のシャボン玉を作ったりというコーナーで遊んだ。 もちろん、いつもシャボン玉で遊んでいる研究所ではなくて、生体超分子システム、時空間機能材料、 フォトダイナミクス、バイオ、地震といった研究をしているセクションらしい。
その後、天文学者の戎崎俊一氏の、宇宙何でも質問コーナーをのぞく。ちょうど数日前、週刊文春で氏の 記事(惑星間の重力計算のために作ったコンピューターが、有機化学の分子間の力の計算にも応用できた という話でとても刺激的だった。)を見て、とっても面白かったので、タイムリー。あ〜あの写真の人が 目の前にいる〜と喜ぶだんな。でも幼児には今一つなので早々に退散。
実際はもっともっと色んな分野の催しが沢山あり、内容も一般の人が楽しめるように、かつ高度で面白い ものがいっぱいなので、科学を楽しみたい人にはお勧め。プロ志望の人は、壁に貼ってある募集要項など 眺めるのもまた面白いかも。
二年生の生物の授業は高校に毛の生えた去年より一歩医学の基礎に踏み込んだ内容となるらしい。始めに、 生物の体が色々な変化を起こしたり、行動を起こすのにいかにホルモンが働いていて、それがいかにすごい ものかという話をしていて、赤ん坊が乳首を吸う刺激で脳からプロラクチンが出ると、乳が分泌され、同時に オキシトシンというのも出て作用し・・というのが出てきた(この辺は高校でもやる)あ〜懐かし〜!と喜ぶ私。だって実践したも〜ん。赤ん坊が飲み始めるや否や、が〜っと胸が張ってきて ぶわ〜っと乳が出るのって、すっごくよく分かるのだ。おっプロラクチン出たな!等と毎回感心していた。 ちなみにそれと連動して出るオキシトシンは子宮を収縮させる。つまり、出産直後は伸びきって出血しやすい 子宮を復旧するのに非常に重要な働きをするのだが、その時期って、おっぱいをあげ始めると同時に その連動した作用でぎゅぎゅぎゅーっと子宮も収縮させられてイタタタタ・・・!(生理痛も同様) くっそ〜うまく出来てるなぁ〜と思ったものだった。
ちなみにその反応は、直接の刺激が無くても、赤ん坊の泣き声を聞いたり、思い出したり、匂いをかいだりと いうのでも始まることがある。等と話すと、すっごーい。母性の神秘だね〜!!と言われることが多かったが、 男性が美女の姿を見たり、想像したり、香水の匂い嗅いだりすると、むらむらっと反応するのも、似たような 機構だと思うんだけど。仕組みとしては・・。でもそう言うと大抵いやがられるのだった(^_^;)。
音楽評論家、田家秀樹氏の「芸術」の授業は二年生は他の物と 重なっていて、のぞきに行けないので残念。ちょうどその時間、少し早く終わった私たちが芸術の授業を やっている教室の横を通ると、中からは何かのビデオ映像を流しているらしき音が。去年の今頃は確かビートルズ だったっけ。「今年はナニからやってんのかな?」と数人の男の子がドアによって耳をそばだてる。 「・・・”尾崎”だよ〜。先生、初っぱなから飛ばすなぁ。」ほほー。
ようやく統計学に合格した。何で今頃といえば、それは追試受けたり、それでも足りなくてレポート 書いたりしてたから。(-_-;)それも採点上の微妙な解釈の違いについて長々と攻防して、ようやく再再試験 からレポートに昇格した危ない綱渡りで、やれやれと肩の荷がおりた。その時、教官室にて、若く(たぶん私と2つ以上違わないはず)スマートな数学のT永先生、「そういえば、 大学出てるんだよね。何やってたの?」(うわ〜〜〜っっ!!それだけは聞いて欲しくなかった〜〜(T.T)) 「す、すーがくです」「えっ数学なの?へぇ〜数学〜」「えっと、でも統計はやってませんけど」(数学科で は統計はあまり扱わない)「俺だって統計なんかやってないよぉ〜」「そ、そ〜ですよね」(-.-;) 穴があったら入りたいとは、こういう事ですな・・
「何やってたの?」「グラフ(理論)です・・」「えっ?どこで?」「ワセダの教育です」「えっ鈴木晋一先生?」 えっ(@.@)(その先生のゼミだった。そしてゼミ長だった私がゼミをさぼってデートに行ってしまい、あげくに その日の夕方、先生と鉢合わせたという話を、私の結婚式のスピーチでしてくれたお茶目な先生である) 「ご存じでしたか?」「よぉく知ってるよぉ〜!じゃあ共通の知り合い結構いるんじゃない?(^^)」がーん!! 全然嬉しくないぞぉ。いつかどこかで、あの生徒、教養の数学落としてたよ〜なんて言われてるかもと思ったら・・(T.T)。
卒業してからもちょっとその先生の数学の本の翻訳の仕事を手伝ったという話をしたら、「えっ?"Pearls in Graph Theory "?」「え?いえそんな難しそうなんじゃなくってフツーの一般向けの・・」「え?でもそう じゃない?それ、たぶんその辺にあるよ」(実はそうだった。翻訳を請け負ってて英題を覚えていなかった 私・・)
サイエンス社の数理科学ライブラリーの「グラフ理論入門」N.ハーツフィールド/G.リンゲル=共著 鈴木晋一=訳。興味のある人にはとってもいい本だと思いますのでぜひどうぞ。しょっぱなの一章の1.1で リンゴとバナナと柿とみかんの入った籠と4人の子供の話が出てくるが、訳者である先生はこの子どもの 名前に協力した学生の名前を付けてくれている。が!私だけは「恵日」と言う名前があまりに一般性が ないので、「恵子」と言う名前に変えてある(^^;)。 「恵子」は柿とみかんが好きらしい・・
英語の教材で「日本人のロボット好き」(Japanese Robophilia:Mark Gilson)という文章をやった。 技術先進国だというだけの理由では説明しきれない、日本とロボットの独特の親しい関わり方と、生活への 入り込み方について論じていて、とても面白い文だった。「鉄腕アトム」によって、ロボットいう物に対する 日本人の感覚(油断ならない敵とか、道具とか、無機質な物ではなく、心のある、性能はいいが、細やかに 守ってやらなければならない息子のような存在。←ちょっと説明不足。気になる人は自分で読んで下さい) のかなりの所が形作られたという話は、子供の頃父によく聞いた話なので懐かしかった。漫画を読まない父が 繰り返し話していたところを見ると、戦後の発展ぶりの中で育ち、高度経済成長を支えた一員として ぴんとくる物があったんだろうか。その文章はアトムに始まり、鉄人28号、マジンガーZ、ドラえもん、ガンダム、エヴァンゲリオン・・ と続いていって、私には全てテレビでお馴染みだったのだが(昔は幼児番組は何回も何回も再放送したので、 アトムも新旧見た)ふと、現役入学の女の子に「ねえ、マジンガーZって知ってる?」と聞くと、「聞いたこと なーい。」あ、やっぱり(^_^;)。私は歌も歌えるよ。ビデオなんて無い頃だから、みんなそりゃもう必死に 時計見て、テレビの前に座ったんだから・・。見損ねるという事は永遠に取り返しがつかないということを 意味していたわけで、そんな時は、今思い出しても胸が痛くなるほど悲しかったっけ。ほんの四半世紀前の お話でした。
メラトニンというホルモンの研究をしている生物の先生の、ニワトリの手術を見学。脳の真ん中辺の (←すごい大ざっぱな表現^_^;)松果体という場所から出ているホルモンが「メラトニン」。働きは体内 リズムを作ったり、抗酸化物質として働いたりというのは分かっているが謎の部分も多い。アメリカでは 副作用のない睡眠薬、時差ボケ防止役、不老長寿の妙薬とブームがまき起こったりしたらしい。そしてこれを無くしちゃうとナゼか背骨がねじれてくるそうで、今回はそれに関する研究のための手術。 その変化は生まれて間もないニワトリ(ブロイラー)が分かりやすいのでそれを使う。事前に話を聞いたり 資料を見せてもらったりしていたので何するかは分かってたけど、当日箱を開けると、黄色いふわふわの ヒヨコがラブリーな瞳で「ピヨピヨ♪」とひしめいていて、ひるんでしまう。(かわいいよぉ〜(T_T)・・) レントゲン写真や図にはふわふわの羽毛や、つぶらな瞳は写ってないもんなぁ。
体を固定し、頭頂の皮膚切開、薄い軟らかい頭蓋骨を1.5×1cmぐらい開けて、血を拭った瞬間に見える 米粒ほどの松果体(小さい粒に細い柄がついてちびキノコのよう)を取り、止血の薬を突っ込んで 皮膚を縫い合わせ(骨はそのまま)電球で温めた部屋で回復してもらう。ウズラ同様、麻酔無し。直後の ヒヨコは大変不快そうにうずくまっているが(痛いと思う・・)、数分でうろうろし始めるのもいる。 数十羽やるので、1羽数分でどんどん進む。執刀は先生、助手はこの研究をしている他大の4年生の女性、 見物人は1年生の海洋生物をやっていた大卒の人と、2年生の同じく再受験者の私。実体顕微鏡で除去した 松果体を詳しく観察させてもらったりもした。
脳下垂体とかなんとかその辺からホルモンが出るというのは知っていたけど、その上側にある松果体 (=上生体)って何なのか良く知らなかったので、見学前、調べてみた。そうしたら、なんとこれって「目」 だったのだ。うわ〜私もう一個目があったんだ!!!へぇぇぇ〜!!!とびっくりびっくり。ずーっと昔の 生物は、二つの目の他に、第三の目と言われる頭の上の方の目があって、海底で這いずっている時、上から 来る敵を見つけたりするには便利だったらしいが(その頃は上にも一対あったという話もある)、徐々に 使わなくなり、退化して(といっても他の仕事も色々やってる)残っているらしい。トカゲなどでは ちゃんとレンズ付きの目として使っているものも結構いる。(ろ頂眼←漢字が出ない)
レンズなんか無くて、目としては使っていないニワトリも(全く直接光を受け取っていないのかどうかは 知らないが→new後日教わった。松果体その2) 頭蓋骨のすぐ下に控えている。でも人の脳を見ると、人類の英知(他etc.?!)の詰まった 大脳皮質がその上にずっしりのっかって、すっかり中で丸まって閉じこめられている。それでも、今も 光の刺激を神経経由で受け取っては色々働いている(らしい)。「見る」ことを完全にやめてしまった わけではないのだ。二つの目では見えない真実を見、光で照らす第三の目を額に持ったシバ神像や、 その変形の仏像の眉間の白豪や、手塚治虫の「三つ目が通る」なんかがいっぱい頭に浮かんだ。ちょうど 居合わせた、知り合いの生物の院生さんに「私、もう一個目があったの、初めて知ったんですよぉ〜! (*^o^*)」と言うと「あれ、チャクラだよね〜」。
(チャクラ インドの神秘身体論でいう、生命エネルギーの集積場所で体の 中心線に沿って6つ(位)ある。眉間や頭頂にもある)
5月26日、日暮里からかなり空いた京成線に乗ると、まだ駅に止まっているとき業務放送が入った。 (電車の業務放送って、わけわかんない呪文のようで、結構好き)「××マルニ、座席の下〜」すると 後ろの方から車内をすごい勢いで整備員が二人走ってきて目の前を通り過ぎた。同時に駅のホームでは 駅員が一人その二人と平行して前方にダッシュ。私のいる前の車両に飛び込んできた。そして三人は 一カ所に集まったかと思うといきなりガバッ!と座席をはずし、その下を覗き込んだ。なになになに?サリン?爆弾?あの時はなんか変だと車両を移った乗客と、残った乗客で明暗を分けたっけ。 ここは速やかに遠くに行った方がいいのかな?でも気になる。数人の乗客は不安げにこちらに移ってくる。 「なんかすごい音だったよね・・」と話す女の子達。ん?故障?でも覗き込んだ3人には特に異常はなさ そうで、駅員だけが降りて普通に走り出した。整備員達は相変わらず床に転がした座席の横で覗き込んでいる。
大丈夫そうなのでその3人の正面に移動。特に変な音もせず、爆弾でも無さそうなので、うろうろしながら 座席の下ってあんな風に機械がいっぱいなんだぁと覗き込んだりしていた。どうしたんですかと聞きたかった けど彼らは運転室にいって何か計器をにらんだり、現場にまた走ってきたりと忙しそうで聞けなかった。 結局その二人も私と同じ国府台で降りたので、今度こそ聞いてみるぞーとついていったら階段を駆け下り 駅長室に入って電話してたので聞けずじまいだった。う〜何だったんだろう。軽いマシントラブルの異音 かな?気になる・・。
松果体除去手術で、ニワトリの松果体は頭蓋骨のすぐ下にあるが、直接光 を受けて、なんかやっているのかは知らないと書いたが、ちゃんと働いているらしい。頭蓋骨越しの光の変動を 受けて、リズムを刻み、ホルモンを出している。頭のてっぺんをふさいで光を通さなくすると、いろいろな リズムなどが変わるという研究がある。ただ、体内時計などは目からの刺激やほかにもいくつかの要因が 関わるので、それだけで全部が狂うわけではないらしい。体ってつくづく複雑な精密機械ですね〜それと、松果体の別名「上生体」という言い方は古くて、今はあまり使わないらしい(^_^;)。
生物の授業でメラトニンというホルモンを持つ植物としてマリーゴールドの名が挙がった。初夏に咲く 元気な葉っぱに黄色い花の菊の仲間。子供の頃庭にあり、その葉や花をなぜかトカゲ(orカナヘビ)が ぱくりと食べているのを見て、トカゲは肉食なのになんでこれ食べてんだろーととても不思議に思ったので 印象が深い。花や葉がちぎられていたし、違うときに母も目撃しているので確かだと思うが、あれは葉の上の 虫を食べていたんだろうか?今もって謎。等と、ずっとマリーゴールドのことを考えながら帰りに本を買うと、そこにもマリーゴールドが出てきた。 ガーデニング関係の本だったので当然といえば当然だが、「おっ!偶然」と喜んだ。次の朝保育園に行くと、 門の前にはマリーゴールドが今を盛りと咲いていたので、おやおや、縁がありますねー。と花に挨拶しつつ 電車に乗った。網棚で拾った週刊スピリッツを久し振りに眺め、この連載まだ続いてるんだぁーなどと ページを繰ると、「ギャラリー・フェイク」という美術商の出てくるお気に入りのシリーズの今週のお話は、 花卉・バイオ業者の熾烈な世界で、そこにも「新種のマリーゴールド」が出てきたのだった。
午後休講だったので、その勢いで帰りに久し振りに池袋の東武デパートに入っている、イギリスの王立植物園 KEW(キュー)のショップを覗いた。オリジナルグッズも、庭や植物関係の美しい道具の数々や飾り物も、 イギリスそのままの雰囲気のすごく充実した店で、最近のガーデニングばやりでさらに拡張していた。 隅々まで眺めて意味無くTシャツなど買って、にこにこ・・、が!。
帰り着いてすぐ、ベランダの鉢を点検してからザリガニの水槽へ目を移すと・・。が〜ん。やられた!! 脱皮しようとした個体が仲間たちに襲われて無残な死体と化していた。毎朝、脱皮の兆候は無いかと (あったら隔離する)目を光らせていたのに〜。私のいない間に脱皮しないでくれ〜。厳しき哉、自然の摂理。 彼らの間では、たとえエサが足りていても、平和共存は「殺し合いになるような隙を見せない」事で 成立している。
一学期のみの必修科目で、Pascalと言う言語でプログラミングの基礎を学ぶ。学卒とはいえ、だから何かが 秀でているとか、出来るといったことの無かった私には珍しく!!これはちょろい(^o^)!Pascal は初めて だが、プログラムのアルゴリズムは同じ。説明の例題と課題の問題を写して、端末室に座って即、だーっと 作って、コンパイルして、動かして、一時間以上早く帰る、なんてことも出来た。4時限目の授業をとると、帰りが長女より遅くなるのでとらないようにしていたのだが、必修はしようが ないなぁ〜。と思っていたのでラッキー。
慣れてさえいれば一瞬で出来る問題を、常日頃から優秀な人達が侃侃諤諤、頭をひねって悩んでるのを見て、 才能や頭脳が飛びぬけてなくても、経験と繰り返しで、人間けっこうなんとかなるんだなぁ〜。 あきらめずに勉強しよっと。と、つくづく思った事だった(^_^;)
私はプログラムはけっこう好きだし、そこそこは向いているが、そんなのとはまったく比べ物にならない ぐらい、向いてる人、出来る人ってこういう人たちのことを言うのだなぁ〜って人達が、大学時代も、 会社時代も周りにいっぱいいた。だから、私は自分が別に特に出来る部類ではないのをよく知っている。 それだけに、経験の積み重ねってえらいもんだ、と実感(^_^;;)。
金曜日は一日「人文系(?)の医学系授業」が続く。倫理学系、心理学系、行動科学系、そして法学系。 なかでも、学外の様々な現場の人を招いてお話を聞く行動科学系の授業が私は面白くて好きだった。 家の用などが入って出席できなかった事が何度もあったのだが、もらい損ねた書類の事で先生に連絡したとき 「大変だとは思うけど、子供は宝だから。大きくなったら本当にそう思うから、頑張ってね。」と言われて しみじみ嬉しかった。印象に残っているのが、もと看護婦さんで、医療と患者の間の相談役の必要性を痛感した事から、 医療機関とのコーディネート機関アカデミック&アセスメントエイドを作った女性。数々の例を元に、 多岐に渡る活動や苦労などの話は本当に面白く、またこういう機関との連携がますます重要になって 行くんだろうなぁと勉強になった。
精神障害者の作業工房の「かもめ工房」。一口に精神障害といっても 様々なタイプがあること、実際どういう点が大変か、社会の偏見によってどのような問題が生じるか、 といった点で、知らなかった事も多かったし、またあえて顔も名前も出して、人前で話のが苦手なのを 押して来てくださった精神分裂症の入所者の方の話が真に迫って印象的だった。
「三楽病院」から、先輩でもある精神科医の先生。患者と向き合って、長く戦う事のきつさ、重さも交え、 重みのあるお話をさわやかにしていて面白かった。
養護施設(昔で言うところの孤児院のようなもの)「バット博士記念ホーム」。家庭と言う根っこを 奪われた子供達の苦労や、子供たちのことを考えて日々努力している職員の人達の苦楽が伝わってきて 自分はなんて楽しながらだらだらしてるんだろうなどとも思いつつ、神妙な気持ちで聞きいってしまった。 それに子供達の話は自分の子供達の楽しげな顔なんかとどうしてもダブってしまって、ウルウルしてしまって 困った。また畑違いの理系技術者から転身した所長さん自身のお話も面白かった。
4才の息子曰く、「どうして火は水をかけると消えるの?」
私の頭の中:そりゃー温度が下がるからよね・・・たくさんかければ酸素の遮断ってのもあるけど。 そんなにかけなくてもジューッとなって消えるのは、気化するときに熱をいっぱい吸うので、火のエネルギー が無くなるからですね。でも液体でも火が消えるどころか、燃えちゃうアルコールや油もあるわけだし、 なんで水か、ってとこがポイントか。ジューッで一気に火が静まるんだから、水は潜熱(状態を変えるために 使うエネルギー。気化熱もそう)が大きいのがミソかな。潜熱が大きいってのは、「水素結合」(分子間力の ほかに、水素と酸素の原子の間に働く引力のようなもの。そのせいで水は分子の大きさの割に"粘っこく"、 その結合を壊すにはエネルギーがいる。)のせいだよね。う〜ん。(この間3秒ぐらい)「あのね〜、水って火の力をいっぱいとっちゃうモノなんだよ。」「なんで水はいっぱいとるの?」 「小さい水の粒さんがねー、しっかり手をつないでるから、強いんだよ。力をいっぱい取るんだよ」「ふーん。」 (ああ、つい最近、ダイアモンドで同じ説明をしたなぁ・・ 共有結合も水素結合もごっちゃだけど・・ま、いっか。^_^;)
後日、他大から有機化学を教えにいらしている先生と、いつもお世話になっている化学の先生がちょうど 一緒にいたところで、この話をしたところ、ほんと、子供の質問って面白いですねぇ、熱心に考察してくれた。 まず温度が下がるからですね。そしてそれは・・(話はどんどん広がる。中略。)・・。だいたい上のような ことだが、それとまあ他にもあるけど、身近にあって安価であると言うのも火消しの代表とされている事に は大きいだろうとのこと。
粘性の高い液体が潜熱が大きいかっていうと、油は燃えちゃうし、くず湯は燃えなくて、熱がこもります よね〜?と問うと、まず油脂と多糖類とは、分子の大きさが、相互作用が、云々かんぬん・・・と二人は大変 楽しそうだった。私もとても楽しかったのだが、ここにちゃんと書けるほどの理解をもって覚えてないの だった(^_^;)。
先生:「ところで油脂といえば、セッケンは燃えると思いますか?」・・・えっ?(?_?)?化学で受験した 学生ならセッケンの構造は知っている。脂肪酸という、炭素に水素なんかがくっついた長い鎖のはじっこに、 ナトリウムがひっついているものだ。グリセリンというのに2つとか3つとか脂肪酸がついたのが油脂だから、 油にはよく似ている。炭素いっぱいだし、酸化しやすそうだし、ゆるゆるしてそうな結合だし、でもでも・・・ 頭に浮かんだびしょびしょの泡だらけのお風呂のセッケン箱のイメージもいけなかったか・・・・
私「う〜、え〜っと、・・・・燃えない!」 先生:「燃えます。大変よく燃えます。だって油みたいな もんでしょ。(^_^)」がっくり。う〜ん、おおはずれ〜。
以来セッケンを燃やして確かめてみたいと思っているが、まだやってない。
2年生になると、1年の時よりはかなり科目が減る、はずだけど忙しいんです。再履があるから(^_^;)。 それでも今回は、直前にも、最中にも、子供達が誰も病気にならなかったのでそれは大変ありがたかった。フランス語は映画のシーンを3つほど暗誦し、当日くじで当たったところを言うという試験だったので、 数日電車の中で、台所で、ぶつぶつと美女と野獣のベルやら、19才の不倫人妻やら、元彼にばったり出会った 子連れ女性やらのセリフをつぶやき続けた。いずれも恋愛ものの愛の言葉のシーンで、しかもなんだか イレギュラーなカップルばかり。さすがフランス映画。というかこれを試験課題にする先生の趣味って・・(^_^;)
ラディケ原作の「肉体の悪魔」夫の不在中に高校生と恋に落ちる19才の人妻の「(子供が出来たという事は) 神様が私達の恋を許してくれたからよ。」などというセリフを(そぉかぁ〜??)と心中で突っ込みつつ覚えた。 当日一番セリフのややこしいその話にあたり、しっかり覚えていたつもりでも、つっかえつっかえで、とても 愛の言葉の風情はなく、しかもペアになった男の子はフランスに住んでいた事があって、だいたい しゃべれるという人。どもりまくりの女、流暢な男、つっかえつっかえの女、流暢な男、と言った具合に 進行していた・・・(-.-;)。