医 学 生 日 記  

'00年度 二年生/二学期

左利きと道具  手近なところでリサーチ!
神経伝達  でんきでうごく。
物理学実験  "Excel"はえらい
紙と水  幼児の質問から
英語プレゼン  期末試験がわりのスピーチ
フランス語  あやしい暗誦特訓 
肉まん  大学生協で 
ソフトバレー  痛くない
生物系後半  感覚・免疫・発生
英語ヒアリングと読解  スタートレックとホームズ
人間科学基礎  グループワーク
化学  生化学の基礎
教養最後の期末試験  これにかかってます

左利きと道具 
家や保育園でたどたどしい手つきで、ハサミを使い出した息子を前にやや思案。彼の左利きに不必要な 干渉はしない主義なんだけど、左利き用のハサミがあると聞く。対称形じゃない刃物は、やっぱり使い にくいものなんだろうか?右でも使えるように仕込んだほうがいいのかなぁ?まずは立派に育った 左利きの人たちに聞いてみましょう。大学の授業で周りをジーっと見回す。左にペンを持ってる人はっと・・ いたいた。

唐突に「ねえねえ、左利きだよねー」と言われて怪訝な顔をする人も、みな一様に、子供が左利きなんだけど ハサミってどう?と聞くと、ああその話ね。という納得顔に。それぞれ世間とのやり取りの歴史を持って いるようだ。聞いた範囲では「特に気にしてない」「子供のころからそうだから別に」「切り口が見えなくて 使いにくいでしょって言われれば、そういうような気もしないこともないけど・・・意識してない」「包丁は 改めて意識してみるといくらか切りにくいかなぁ」「ボールペンの磨り減り具合が違うらしくて友達に貸すと 書きづらいって言われる」「自動改札がやりにくい。」「公衆電話も右用だ」などと、私が考えた事もなかった ことが色々。でもみんな普通にあるものを使い、特に左利き用のものをそろえたりはしていないらしい。 そしてまたみんな口を揃えて言った。直してもいいが、無理に強制しないほうがいい!!

左利きホームページの大家、左利きの小ネタ にも詳しい。ハサミも、右用ハサミを左手で使う力の入れ具合に慣れていると、左利き用ハサミがとても 使いにくいこともあるらしい。確かに刃をうまくすり合わせる微妙な力の入れ具合って、右利きの子供でも 結構習得に時間かかる技術だもんなぁ。私には利き手ではない左にハサミを持って切ってみたが、慣れれば どおって事はなかった。ってことは左が利き手なら更にどおって事ないのでは?でも製品があるってことは 気になる人はかなりなるのかな?

左利きも、箸と筆だけは右にされたという人は結構いて、そういう人はなかなか見つけにくい。でも絵や スポーツ、道具は左になっていることが多く、なかなか興味深い。なんて立ち話を生物の先生としたら 「僕もそうだよ。」へー。坂書が右手だから気づかなかった・・。カッターはかなり裏表あるけど、やり にくいですか?「え〜?あんまり考えたことないなぁ〜?フツーに使ってるけど。」との事。

自動車の運転を習い始めたころ、マニュアル車のギアチェンジなんてややこしいことを左手でやらされる のが初めての試練って感じですごく抵抗があった。何でこんな構造なんだぁっ。左ハンドルのほうが自然 じゃないよ〜。そもそも狭いロンドンの辻馬車の都合なんてのが不自然だったんだぁ。などと思ったものだが、 左利きの人は日々そういう感じでもまれているのですね。と言うかずっとそうなので、常に自分に合った 設計物に囲まれた軟弱な右利き連より、試練馴れしてるんだろうなぁ。やはり左利きの、友人の女性も、 小学校のお道具の頃から自分なりのやり方を考え出したりする癖がついたと言っていた。

ちなみに保母さんに聞くと、左利きの子供たちも、左で切る子もいれば、ハサミは右に持ち替える子もいて、 特にこうしろとは指導しないらしい。そんなある日、娘が小学校で購入したピカピカの絵の具セットを ニコニコと持ち帰った。見ると、パレットの形が私の頃と違う。親指を入れる穴が昔は左端だったのが、 真中になっている。穴の横の指を乗せる滑り止めも両側についていて、明らかに左右両用デザインだ。 へー。知らないところで色々進行しているんですなぁ。結論。とりあえず、多少ゆっくりでもよかろう。 せかさず見守りましょう。やりやすいようにやってくれ。って感じでしょうか。

神経伝達 

2学期の生物系は、神経がどうやって情報伝達をしているかに関する基礎。これってたいてい子供の頃から、 「体中に神経という線があって、それが、熱い、とか痛い、と脳に伝えたり、また脳からの動け、といった命令 を伝えたりするのです。」などと教えられて、みんななんとなく知っていることだけど、具体的に、それは どうやって?(電気を通す線と言ってもどんな?銅線が入っているわけじゃないし?)電気はどこから 来るわけ?(電池も積んでないのに!)信号の程度や種類の調整は誰が?(電信技士が詰めてんのか?)と、 子供心にずーっとずーっと?????の嵐だったので、おぉ〜!!!そういうことだったのかぁぁぁ・・・・! と心中いちいち嬉しいのだった。

基礎として教えている事だが、実はこの辺ごく最近になって分かってきたかなり新しいトピックも多い。 10月11日の新聞のノーベル医学生理学賞の記事を見たら、おぉ、今まさに習っている、シナプスと 神経伝達物質の信号伝達の仕組みがまるっきりそのまんま絵付きで載ってる〜! 思わず切り抜いてノートに 貼ってしまった。

それにしても、ロボットは金属で出来てて、電池を積んで、電気で動くけど、人間(動物)は冷たい金属なんか とは違う骨と肉で出来てて、ご飯のエネルギーでうごく。と両者の違いを認識していたのに、人間も金属で 出来てて(全部じゃないけど骨組みが=カルシウムが金属元素だなんて子供の頃は思いもしなかった・・)、 電池を積んでて(細胞という細胞が電池だ)、電気で動いてたんだ〜〜などと思ってしまったのだった。

物理学実験

教養課程の中でも最も恐れられているものの一つ、物理学実験。実験自体も(慣れない人=ほとんどには) 手間取る上、データー処理してレポートを作成するのがとて〜も手間。もっとも、先祖伝来のレポートの コピーやファイル、1学期実習組の情報もあり(製本までしたすばらしいマニュアルを作ってくれた人も いた。)、地道にやればなんとかなる。

手書き&手計算でも出来るが、Excelを使うと、とても楽だし面白い。ここではじめてエクセルを使えるように なったのが収穫という人も結構いる。私はなんと言っても去年の冬休みにやった、 先生の化学実験データー処理のお手伝いの日々が、も〜役に立つ立つ。

あ〜Excelは便利だな〜(ウキウキ)。と長年ノートに付けていた、どんぶり勘定な家計簿用にちょっと組んで みたら、うわー便利(・・・って言うか、なぜ今までやらなかったんだろう(^_^;)プログラマーしてたのに) 更に日々の体重変化の折れ線グラフ作成シートも作って(ちゃんと好きな時間に好きなだけ計ってもX軸の 座標に反映されるようにして)おお、面白い。などと悦に入っていた。

まあ実験、研究している学生のみならず、世間の多くの会社員やOLはこんなの日々のルーチンなんだ ろうけど、機会がなかったもので・・・。OLの妹に「今更って言われるだろうとは思うんだけど〜  く(^。^;)、Excelって便利〜(^o^)」と電話すると、「・・・っなにを・・今更・・・それにあんた 元SEでしょうが・・」と呆れられた。 「家計簿や体重変化のグラフ作ると楽しい〜」「う〜ん、いかにも初心者がはまりがちなことを・・(-.-;)」

紙と水

最近イベントで使うダンボールをもらいによく保育園から商店街に出入りしている4歳児の疑問。 「どうしてダンボールは水に濡れるとフニャフニャになるの?」う〜ん、それは水が染み込むからでしょう。 「何で染み込むとフニャフニャになるの?」え〜っと、染み込むってのは、隙間に入り込むだけじゃなくて、 そのものに「なじむ」って要素があるよなぁ・・・布もそうだし。紙はセルロース繊維の絡まったもの・・ セルロースは炭化水素の鎖・・・繊維同士はたぶん分子間力のほかに水素結合でも結びついてるでしょう・・ って事は、水がそれに関われるってとこがミソか・・・「難しいからちょっと宿題にして(^o^;)調べて 勉強してくる・・」

大体上のような仮説でいいかな、子供に分かりやすく言うにはどういおうかと、数日はこれで頭がいっぱい。 化学教官室を尋ねてそこにいた先生にカクカクシカジカ・・・。すると先生曰く、ふんふん、そうだね、 セルロースのOH残基(ある種のものにくっつきやすい枝のようなの)がいっぱいあるから、それ同士の結合と 水との結合が入れ替わって、だんだん”ほぐして”いくってとこだろうなぁ〜それで機械的強度が落ちるんだ ろうねぇ〜。また子供の質問?大変だね〜。でも好きそうだね〜(^_^;)。

そこに入って来たもう一人の元気な女先生が、「なに?またあれ?え?ダンボールがふにゃふにゃになるのは? やだ〜もぉ難しいことばかり聞くのねぇ(^_^;)この間のダイヤも あれよねぇ。そのうち、「えにちの子供の質問」って本が出来るんじゃない?」・・・う〜ん、そんなの出来た ら楽しいですねぇ・・・・でも楽しく読みやすく言葉を選ぶのってすっごく難しいなぁ。 それに折れ目がどうしてつくかとか、いろいろ突き詰めるときりがないのだった・・

帰って4歳6歳に説明を試みてみた。「紙って細〜い糸みたいのが、いっぱいお隣同士で手をつないで絡まって 紙になってるんだー。それでこの手は普通は仲間の手とつないでるんだけど、水とも手をつなぎやすいの。 だからお水が入ってきたらそっちとも手をつないじゃうから、だんだんばらばらになって、フニャフニャ しちゃうんだってさ。」4歳♂「ふーん。わぁーはなれるーってしちゃうの?」そうそう。6歳♀ 「こっちの人とも手をつなぎたいやって、前の人をえいってしちゃうのに、お水さんと手をつないだら バラバラになっちゃって、わぁ〜だまされたぁ〜って感じ?」う、うん、なんか、生々しい例えですねぇ。 女の子って・・・(^_^;;)

英語プレゼン

今期3つ取っている英語のうちの一つの20人ほどのクラスで、期末テスト代わりに、一人もしくは一グループ 2分以上で、好きなテーマでプレゼン、ということになった。えぇ〜資料も作るのぉ。原稿読んじゃだめ なのぉ。2分より短いとだめっすかぁ〜?などと男の子たちはブヒブヒ言ってた割に、まあ当日に準備して 来ること来ること、しかもどれも笑いを取るような芸にあふれていてびっくり。はっきり言って感動しました。

裁判官、検事、弁護人役の3人グループは、先生を被告に、某日先生が遅刻してきたことに対する裁判シーン。 映画から取ってきたような英語の裁判が実に愉快に進行する。objection!(異議あり!)のタイミングの応酬も お見事。最後どうやら陪審員らしいその他私達が評決に参加。
その他、広島と鳥取のお国自慢対決。関西人のケチライフ。テレビ番組トゥナイトの解説。東スポについて。 パラパラdancingについてスピーチした人は、華やかなスーツで登場、テープをかけて踊りまくる。etc.etc.・・・ 女の子はファッション、ネコ、風邪に効くレシピといったかわいらしいテーマを上手に話すのに対して、 男の子たちの芸達者なのには圧倒された。

私は日本人と欧米人では虫の声を聞くとき使う脳の部位が違うので、きれいな虫の音が、欧米人には雑音に しか聞こえない・・といった割とスタンダードな話をしたが、英語下手だし、芸もないし 配布資料の手書きの絵に殆どを語ってもらってさっさと終えたのだった。

フランス語

一学期に引き続きヌーベルバーグの映画を教材とした授業。文法は頭に入ってないし、発音も怪しい私だが 鑑賞する時間が結構あるのでそれが好きだった。使った映画は「冬物語」「男と女」「トリュフォーの思春期」 「さよなら子供たち」。中間と期末試験は暗誦。覚えるのが大変で、いつも、課題を減らすようにとブーブー 言っていた私達だが、実は書き取りなんかより暗誦のほうがずっと好き。言葉はやっぱり音と一緒じゃないと! しかし記憶力が人よりあるわけでもなく、時間もあるほうではないし、発音も下手なので、課題を少なく する交渉には、いつも大変熱心に臨んでいたのだった。

一回だけ課題の一つがシャンソンの歌詞だったことがあった。歌いながら覚えれば楽かと思ったら、会話の ような意味の流れがなく、呪文のようなのでかえって大変。しかも授業中にそのシーンを見たのは数回で、 読み方がよく分からないところが多かったので、レンタルビデオを借りてきた。「男と女」の挿入歌 「A L'OMBRE DE NOUS(私たちの影)」のところを何度も流しつつ「イルソンシ フォー、イルソンシ ファー ・・・」とカタカナで振り仮名をつける(^。^;・・かなり情けない)

ただ、その歌のシーンって延々ベッド・シーン(^_^;)。まあ割とマイルドでロマンティックな映像では あるのだけど、夜中にひっそりテレビに向かい、ストーリーのところをシャカシャカ早送りしては、繰り 返しそのシーンだけを再生している私って・・(^_^;;)

床に寝そべってせっせとカタカナ表記に励んでいると、やって来た家人が「なんだ〜夜中に何見てるの かと思ったら〜、エロビデオ〜?(^_^) (←と知ってて聞く)」

肉まん

教養学部は小さいので売店の学生生協も小さい。小型コンビニよりまだ小さい。前の大学では生協は大型 スーパーぐらいはあったので、うわーちっこい!と驚いたが、それでもいつもきれいにこまごまと並べて いて、要望もわりと反映してくれるので眺めるのは結構面白い。前の大学の生協ではメスとか手袋 なんてかったし・・。(生物系はあったので、どこかにあったのかも知れないが)

なかでも、かなり品数のあるお菓子。新製品や定番のお菓子も並ぶが、駄菓子ラインアップも妙に多い。 このチョイスは誰が??と気になる。酢昆布とかラムネとか、チロルチョコとか、砂糖衣をつけたラスクの 2枚パックとか、マシュマロの小袋とか、私はとっても嬉しいんだけど、ちょっと不思議・・。

生協委員が活発に色々活動していて、よくアンケートを取る。寒い時期は肉まんが食べたい私は、アンケート もらうごとにいつも「肉まん食べたい」と書きつづけ、学食にある要望・意見箱にも、ことあるごとに「肉まん 食べたい」と放り込みつづけた。そうしたらなんと!この冬から売店にケースが入り中華まんシリーズが登場。 「組合員の皆様のご要望により、中華まんをはじめました」と窓ガラスにでかでかと宣伝が貼ってある。

やったー!結構そういう人いたんだねぇ(^o^)と思ったが、要望した組合員の「皆様」に、延べ人数にして 私がかなり入っているはず・・(^_^;) とひそかに責任を感じつつ、肉まんを買いつつ様子を見守った。 でも寒くなってからがんがん売れていたので「よしよし・・・」と、宅急便のCMに出てくる電柱の陰から 見守るおじいさんのように、安堵したのだった。

ソフトバレー

2年生になって、体育のバレーボールに、ソフトバレーも加わった。でっかい柔らかなゴムボールの4人制で、 打ってもぶつけてもぜんぜん痛くない!普通のバレーボールをばしばしやりたい人と、痛くないほうで のんびりやりたい人に分かれて、好きにやっていた。運動神経のない私はもちろん痛くない方。毎週、 ふわふわボールでウオーミングアップのあと総当りゲームしておしまいという、年寄りのサークルのような ペースで楽しかった。私のチーム名は「キョロちゃんず」(たまたま私がでっかいキョロちゃんプリントの Tシャツを着ていたため)。その他「さぼりぼードラえもんスペシャル」といった妙なチーム名も・・

はじめのうち様子を見ていた先生がタイムをかけて私たちのチームにやってくると、「あのね、作戦を二つ 授けるからその通りやんなさい。1、サーブをいれる。2、来たら返す。ねっっ(−。−;)」・・・・・ それでも作戦1と2によって、ゲームらしきものに成長していったのだった。

2学期の終わりに近づくと、よく女の子たちは、これが生涯最後のバレーボールかもしれないし・・等と言って いて、そうかー、この人たちはこれから大人になるんだなぁとあらためて実感。

生物系後半

神経の次に、視覚や聴覚がどんな風に伝わるかの基礎。高校とかなり重なるところもあるし、好きで読んで いた本の予備知識もあったが、神経の伝達のイメージがよりはっきりしたあとなので、よりしっくり来る ところが嬉しい。中でも研究している人は多い「目」「視覚」、進化や発生の謎とも合わさって、特に惹かれた。

そして、「個体」のアイデンティティーの大本を握るともいえる免疫。異物を発見して、捕まえて、それを 仲間に知らせて、兵隊を増員して、といった連携はいつ見てもすごい。高校までで、常に「それで、それは どんな仕組みで??」というところが分子レベルだとずいぶん分かってくるのがワクワク。生命の進化の過程 で、何が起こってきたのかということに関する謎が、まだまだいっぱい残っているのが、もどかしいような 楽しいような。

卵から個体への発生。分子化学、遺伝子科学の発達と共にすっかり華やかになった感じだが、一昔前まで、 わりと地道で泥臭い分野という面があった。それでもたくさんの人が膨大な研究をしているのはすっごく よく分かる。だって面白いんだもん。生き物って、一体どうして・・・!?が詰まっている、それが卵。

英語ヒアリングと読解

ヒアリングの授業はコンピューターの端末を使った授業。教材の映画を見て、聞き取りの問題をヘッド ホンで聞き(自分で操作して何度でも繰り返せる)、それをワープロで書き取ったファイルを先生のところに 転送する。苦手なヒアリングだが、しつこくしつこく聞きなおせるのでとても私にはありがたいシステム。

教材の「新スタートレック」が楽しくて、いつもそれを見るのがすごく楽しみだった。この人たちの考える いろいろな人種って、アメリカ人のバリエーションだなぁとか、キリスト教的もしくは西洋的なベースでの 色々なんだなぁとか、人の想像力のなかでの制限を考えることもあったし、アンドロイドの「子供」に何もか も一から教えている親代わりの"データ少佐"のセリフ「・・こうしていろいろな事を教えていると、まるで 自分も世界のことを一から学び直しているかのような不思議な気持ちになる・・・・」に、まさに毎日が そういう状態の私はあ〜〜・・・・すっごく分かる・・・・としみじみと見たり。またそれらについて、 アメリカで心理学の勉強をしている友人と色々メール交換するのも楽しみだった。

スタートレックというのは割と手軽・低予算のSFシリーズなんだけど、見ていると結構しょっちゅう一人で ウルウルしてしまって困った。

読解のクラスはシャーロックホームズシリーズの「緋色の研究」の原文読み。ふふふ。実はホームズもの は全部覚えるぐらい読み込み、かつ惚れ込んでいる年季は長いのだ!というわけで原文を読む機会があって ラッキー(*^_^*)。・・・と思ったら!!回りくどく装飾的なビクトリア朝の英文は、まともに予習すると、 めちゃめちゃ時間かかる。しかし4限と言うこともあり、単位あわせのために来ているはなはだ熱意のない 生徒が多かったことと、先生が大変優しくて、訳せなかろうが意識がなかろうが一向に大丈夫という授業 だったので、負担はなかった。

でも、私にしてみればこんな機会は二度とないかも。というわけで日本語版の「緋色の研究」を横に、要 チェックのところだけ辞書を引くという予習時短のコツをつかんで、指されてないところもせっせと読んで いった。毎時間のように不思議な言い回しや、当時の背景から来るところなんかの説明を聞いたり、色々 質問したり出来たので、私的には大変「教養」ならではの嬉しいクラスだった。

人間科学基礎

各自色々な施設に行った夏休みの実習を元に、数人のグループ毎に で色々なグループディスカッションや発表などを行った。また、患者、インタビュアーといった役をふって ロールプレイングをしたり、それについて先生の講評や解説を聞いたり。

その内容自体もとても面白かったのだが、若い同級生達が、色々と試行錯誤して言葉を選び、伝えようと 試行錯誤したり、考え考え意見をやり取りしたり、迷ったり、何かに気付いてびっくりした顔をしたり、 先生や友達の言うことに感心して目を丸くしていたり、苛立ちながら不満を述べたり、反論したり、 そういう様子を見ているのがまたすごく楽しかった。

今は医学部・歯学部生と言ってもまじめ一方という人はむしろ少ないし、誰もが熱意にあふれてこの手の 授業に臨んでいるわけではないのだが、それでもやり取りしているうちに様々なものが現われてくる。 思いがけない人の思いがけない志望や考えも聞くことができる。このカリキュラムを並々ならぬ熱意で組み立てて いる先生方の想いがまだまだピンとこない人も割といただろうけど、これはとってもいい授業だ。 そして、歳喰ってからこの授業を堪能できるっていうのはなかなかラッキーな立場だなぁとも思った。

化学 

生体内での化学、有機化学反応の色々。本当にすごい化学工場だなぁ、私ったら。こうしている今も、 あっちでぐるぐる、こっちでチカチカとこんなことしてんのかぁ。と自分の体にひたすら感心しつつ 脂とか、タンパク質とか、核酸とか、コラーゲンとか、そういったもののぎっしりかかれた紙を眺めた 数ヶ月だった。

教養最後の期末試験 

試験というのは大変なものだが、今回は殊のほか真剣。教養をパスして専門課程に進めるかどうかが、 かかっている。再履を色々抱える人も、週に6個も語学を取っている人も、赤点がたまった人も、 一気に負債を片付けなければならない。今回も割と早めから少しづつ準備をしたが、家族全体健康状態が 良く大変助かる。でも一日、熱を出した娘のために家人が有給をとってくれて、無事試験を受けたりと いう日もあった。

去年勉強不足だった再履習の化学実験学、熱化学分野もさすがに2回目ともなると慣れてよく分かるので、 いろいろと面白く、ユニークな試験問題を眺めているのも楽しかった。去年の自分の演習プリントなどを 見ると、一体なんでこんな器用な間違え方したんだろう(^_^;)というような意味不明なところも多く、 結局、二回やってよかった・・と思った。

試験が終わった開放感ったら、これが学生の醍醐味だよなぁ〜と思うものの、今回は進級者発表(12月21日) までは冬休みといっても今ひとつすっきりしないのだった。


二年夏休み  医学生日記 目次   二年冬休み 

HOME