2019年10月20日(日)
- イラン
- ガズヴィーン(Qazvīn)で、サファヴィー朝・1501〜1736年の庭園「Dowlatkhaneh Safavi」内から公衆浴場跡を発見。土器・陶磁器出土。カズヴィーンは1548年から1598年までサファヴィー朝の首都。[Tehran Times]
- UK(イングランド)
- ロンドン塔(Tower of London)で、中世後期〜テューダー朝初期に埋葬された母子の完全な骨格。処刑や暴力的な死の痕跡なし。女性は35〜45歳、子供は7歳程度。[The Telegraph]
2019年10月19日(土)
- インド
- サナウリ(Sanauli)での昨年発見された戦争用馬車チャリオットなどは、インドの叙事詩マハーバーラタ (Mahabharata)の描写に近いことから、マハーバーラタは埋蔵銅器文化(copper hoard culture)・紀元前2000年〜前1500年にさかのぼる可能性。インド考古調査局(Archaeological Survey of India:ASI)のサンジャイ・ムンジュル氏(Sanjay Manjul)の見解。従来は考古学者B. B. ラールの見解により、彩色灰色土器文化(period painted grey ware culture)・紀元前1000年〜前900年ごろと考えられていた。[The Economic Times]
▼ウッタル・プラデーシュ州(Uttar Pradesh) バーグパト県(Bagpat District) - ギリシャ
- アンティキティラ島(Αντικύθηρα;Antikythera) の沈没船から遺物を引き揚げ。円形の先端を持つ鉄の棒や、各地由来のアンフォラ。水中考古学監督局(Εφορεία Εναλίων Αρχαιοτήτων;Ephorate of Underwater Antiquities)の調査。
New findings from the underwater archaeological research at the Antikythera Shipwreck[Return to AntiKythera] - UK(スコットランド)
- ハイランド地方(Highlands)のブラックアイル半島(Black Isle)にあるローズマーキー洞窟(Rosemarkie Caves)で2016年に見つかった1400年前のピクト人の惨殺遺体「ローズマーキー・マン」(Rosemarkie Man)の核ゲノムを調査。遺伝子的には、オークニー諸島(Orkney)ウェストレー島(island of Westray)のノウ・オヴ・スケア(Knowe of Skea)で出土した鉄器時代人と最も近い。[BBC]
- エジプト
- ルクソール(Luxor)のアサシーフ地区(El-Assasif)で、3000年前のミイラを入れた木棺30基を発見。上層18基、下層12基が重なって出土。成人男性23人、成人女性5人、子供2人を納める。棺は彩色され、例外的に良い保存状態。[LiveScience]
2019年10月18日(金)
- 青森県
- 青森市・内真部城館群(うちまんぺじょうかんぐん)のうち、瀬戸子八幡宮裏の山間部に複数の曲輪を持つ山城跡。[東奥日報]
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、ウサギを模した銅製の目貫金具。南部町教育委員会の調査。[東奥日報]
- 川崎市
- 中原区・川崎市市民ミュージアムの地下にある収蔵庫すべてが、台風19号による浸水被害を受ける。[朝日新聞]
- 長野県
- 茅野市・与助尾根遺跡(よすけおねいせき)で、縄文時代とみられる落とし穴4か所。穴底に動物を捕まえるため「逆茂木」を立てた痕跡、長辺の内壁に土を盛り凸状にする「貼壁」。茅野市教育委員会10/17発表。10/20現地説明会。[長野日報]
- 京都府
- 宇治市・平等院鳳凰堂(1053年創建)の屋根に用いられた木材は、1046年伐採のヒノキ材。現在の滋賀県高島市で伐採された可能性。奈良文化財研究所の光谷拓実客員研究員による年輪年代測定。[共同通信]
- 大阪府
- 高槻市・大阪府立槻の木高校の構内にバラバラに置かれていた7個の石は、江戸時代の高槻城本丸の石垣に使われたもの。体育館建て替え工事で50年前に出土。[産経新聞]
- 岡山県
- 津山市・桑山古墳群(くわやまこふんぐん)で、1500年前の古墳4基。土器・武器・装身具などの副葬品出土。岡山県古代吉備文化財センターの調査。11/6-7現地説明会。[岡山県]
- 山口県
- 熊毛郡田布施町・見用遺跡(みよういせき)で弥生時代や中世のムラの跡。公益財団法人山口県ひとづくり財団山口県埋蔵文化財センターの調査。11/2現地説明会。[公益財団法人山口県ひとづくり財団山口県埋蔵文化財センター]
- 中国
- 湖南省 常徳市 津市市 毛里湖鎮 樟樹村の灃水右岸にある苗児崗遺跡で、彭頭山文化の遺跡。[中国社会科学院考古研究所]
- メラネシア
- メラネシア人(Melanesian)のDNAのコピー数多型(CNV:Copy number variants)を調査。ネアンデルタール人(Neanderthals)やデニソワ人(Denisovans)から引き継いだ遺伝子の重複(duplication)や欠失(deletion)を確認。16番染色体(chromosome 16)にデニソワ人から引き継いだ重複が2か所。8番染色体(chromosome 8)にネアンデルタール人から引き継いだ重複と欠失が1か所ずつ。メラネシア人はネアンデルタール人やデニソワ人から受け継いだDNAの割合最も高いとして調査に選ばれた。
Long strand of DNA from Neanderthals found in people from Melanesia[New Scientist]
論文 Ping Hsun Hsieh, Mitchell R. Vollger, Vy Dang, David Porubsky, Carl Baker, Stuart Cantsilieris, Kendra Hoekzema, Alexandra P. Lewis, Katherine M. Munson, Melanie Sorensen, Zev N. Kronenberg, Shwetha Murali, Bradley J. Nelson, Giorgia Chiatante, Flavia Angela Maria Maggiolini, Hélène Blanché, Jason G. Underwood, Francesca Antonacci, Jean-François Deleuze, Evan E. Eichler "Adaptive archaic introgression of copy number variants and the discovery of previously unknown human genes" Science: Vol. 366, Issue 6463 [Science] - ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
- スルプスカ共和国(Република Српска;Republika Srpska)バニャ・ルカ(Бања Лука;Banja Luka)市内のヴルバス川(Vrbas;Врбас)の川底で、岩に突き刺さった中世・13世紀末〜15世紀前半の剣。保存状態は良く、この地域では稀な剣。スルプスカ共和国博物館(ЈУ Музеј Републике Српске;Museum of Republika Srpska)の調査。[Balkan Insight]
- ポーランド
- ワルシャワ市(Warsaw)ジョリボシュ(Żoliborz)で、17世紀の教会の地下に秘密のトンネル。この教会はもともと、ポーランド王ヤン3世ソビェスキ(Jan III Sobieski;在位1674-1696年)の妃マリア・カジミェラ(Maria Kazimiera;Marie Casimire)の夏の居所として建立。[The First News]
- フランス
- ピエ=ロンバール岩陰遺跡(L'abri Pié Lombard)の、ムスティエ文化(la culture moustérienne;Mousterian culture)・7万年前の石器を出土した地層から出土したウサギ科225匹以上の骨16000点を分析。ウサギの骨には焼いた跡があり、長い骨には内部の骨髄を得るためか2つに折られていた。ムスティエ文化の石器によるカットマークも。ネアンデルタール人(Neanderthals)が恒常的にウサギを狩っていたことを証明。また、ウサギの皮をはいで毛皮を利用したことも示す。ネアンデルタール人の食生活の多様性を証明。赤ん坊のウサギの骨が極めて乏しいことから、後世のウサギが穴を掘って混入した可能性を排除。肉食動物や猛禽類の痕跡がないことから、ヒト以外の動物の仕業である可能性も排除。
Bunny bone bonanza shows Neanderthals skinned rabbits[Cosmos]
論文 Maxime Pelletier, Emmanuel Desclaux, Jean-Philip Brugal, Pierre-Jean Texier "The exploitation of rabbits for food and pelts by last interglacial Neandertals" Quaternary Science Reviews. Volume 224, 15 November 2019, 105972 [ScienceDirect]
▼プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏(Provence-Alpes-Côte d'Azur)アルプ=マリティーム県(Alpes-Maritimes)トゥレット=シュル=ルー(Tourrettes-sur-Loup) - UK(ウェールズ)
- アベルゲレ (Abergele)のペンサーン海岸(Pensarn Beach)で、7月の嵐により、19世紀の沈没船が露出。難破の場所、船の大きさや構造からみて、1854年10月4日に沈んだ沿岸貿易船エンデバー号(Endeavour)の可能性。Clwyd-Powys Archaeological Trustの調査。
Shipwreck found at Pensarn Beach[Current Archaeology]
▼コンウィ・カウンティ・バラ (Conwy County Borough) - USA
- 北西ハワイ諸島の水深約5400メートルの海底で、旧日本海軍の航空母艦「加賀」の船体を発見。1942年6月5日にミッドウェー海戦で沈没した。故ポール・アレン氏の調査チームの調査。[BIGLOBE]
2019年10月17日(木)
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、堀を渡るための大規模な土橋跡が出土。戦国大名・三戸南部氏の城館跡。南部町教育委員会10/17発表。[東奥日報]
- 浜松市
- 中区・浜松城三の丸の北側と西側から堀跡。西側の堀は江戸時代の絵図にも書かれず。出土遺物から、いずれも浜松城の前身・引間城の堀跡と推定。浜松市10/15発表。10/19現地説明会。[読売新聞]
▼2024年1月1日から浜松市中央区 - 兵庫県
- 姫路市・前田遺跡で竪穴住居跡新たに10棟以上。古墳時代中期の須恵器出土。兵庫県教育委員会10/16発表。10/20現地説明会。[神戸新聞]
- 岡山県
- 津山市・桑山古墳群(くわやまこふんぐん)で、古墳4基を調査。土器・武器・装身具などの副葬品出土。岡山県古代吉備文化財センターの調査。11/6-7現地説明会。[岡山県]
- 韓国
- 扶余・陵山里古墳群の東下塚古墳に納められた木棺の蓋をコンピュター断層撮影。樹齢251年以上のコウヤマキで製作。木材の伐採年は430〜480年。百済泗沘時代(538〜660年)の王陵級の古墳。威徳王(在位554〜598年)の陵墓である可能性も。[聯合ニュース]
- 中国
- 河北省 邯鄲市 峰峰鉱区で、漢時代の土製の食器「豆」。[新華社]
- トルコ
- チャナッカレ県(Çanakkale il)アイヴァジュク郡(Ayvacık)ベフラムカレ村(Behramkale)の古代都市アッソス(Assoss)で、ヘレニズム時代・2300年前の魚文皿(fish plate)3枚と釣り針。漁撈や魚の消費が盛んだった証拠。[Hürriyet Daily news]
- ギリシャ
- ナクソス島(Νάξος;Naxos)ステリダ(Στελίδα;Stelida)で、ネアンデルタール人やそれ以前の人類が、少なくとも20万年前に居住していた証拠。初期人類は、従来の想定より早くに地中海を渡って移動。これまでは、高度な外洋船を作る能力を備えたホモサピエンス(Homo sapiens)が、9000年前に農耕とともに居住したとされ、それ以前のアナトリアからヨーロッパへの移動はトラキア経由とみられていた。マクマスター大学(McMaster University)の研究。[マクマスター大学(McMaster University)]
論文 Tristan Carter, Daniel A. Contreras, Justin Holcomb, Danica D. Mihailović, Panagiotis Karkanas, Guillaume Guérin, Ninon Taffin, Dimitris Athanasoulis, Christelle Lahaye. "Earliest occupation of the Central Aegean (Naxos), Greece: Implications for hominin and Homo sapiens’ behavior and dispersals". Science Advances, Vol. 5, no. 10, [Science Advances]
▼寒冷化で海面が低くなった時に陸橋を渡ったという見立てのようですが、どうしても旧石器時代に船で渡ったとは考えられないのでしょうか。台湾から先島諸島にわたる実験航海が行われている東アジアとは、意識が違うようです。 - ポーランド
- ゴジュフ・ヴィエルコポルスキ(Gorzów Wielkopolski)で、戦士や一般人の墓。土器に入った火葬骨や、槍先、装身具など出土。同地は4500年前から集落。その後墓地に。[The First News]
▼ルブシュ県(Województwo lubuskie;Lubusz) - ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen) ゾースト郡(Kreis Soest) エンゼ(Ense)のヘーインゲン(Höingen)で、鉄器時代・紀元前8世紀以降の農地跡。柱穴跡などを調査。[Soester-anzeiger]
- UK(スコットランド)
- ブローラ(Brora)のウィルクハウス・イン(Wilkhouse Inn)で、硬貨や獣骨、ショットグラスの破片や、魔女除けの線刻。GUARD Archaeologyの調査。[Smithsonian Magazine]
- UK(北アイルランド)
- デリー(Derry)のバリーナガリアー(Ballynagalliagh)で、青銅器時代・4000年前の柱穴90基からなる塀跡(enclosure)、住居跡、さらに新石器時代の土器など。[Derry Now]
- カナダ
- ブリティッシュコロンビア州(British Columbia;Colombie-Britannique)のセイリッシュ海(Salish Sea)でアラスカバタハマグリ(バタークラム、Saxidomus gigantea、butter clam)を調査。5か所の貝塚で出土した貝殻の大きさと成長線の幅を計測。後氷期には大きさが限定されているが、その後、後期完新世の初めまでの数千年は繁栄。人類は9000年前ごろにハマグリを採り始め、5500年前には「ハマグリ庭園」(clam garden)で養殖を開始。養殖場の構造は人口増加や社会構造の複雑化により、ハマグリを食用や交易のため保存する必要が生じたことを反映。サイモンフレーザー大学(Simon Fraser University)の調査。
Insights from historical human-clam coexistence[Cosmos]
論文 Ginevra Toniello, Dana Lepofsky, Gavia Lertzman-Lepofsky, Anne K. Salomon, and Kirsten Rowell "11,500 y of human-clam relationships provide long-term context for intertidal management in the Salish Sea, British Columbia" Proceedings of the National Academy of Sciences. October 14, 2019 [PNAS]
2019年10月16日(水)
- 茨城県
- つくば市・上河原崎前山遺跡(かみかわらざきまえやまいせき)で古墳時代の集落。公益財団法人茨城県教育財団の調査。11/4現地説明会。[発掘情報いばらき]
- 浜松市
- 中区・浜松城三の丸跡で、2条の堀跡。戦国時代の引間城のものと推定。浜松市10/15発表。10/19現地説明会。[静岡新聞]
▼2024年1月1日から浜松市中央区 - 京都市
- 南区・西寺跡(さいじあと)で講堂の基壇や、推定塔跡付近で建物跡。京都市の調査。10/26現地説明会。[京都市]
▼西寺跡関連記事→2018年10月26日 - 兵庫県
- 姫路市・前田遺跡(まえだいせき)で、古墳時代前期〜後期の竪穴住居跡が新たに10棟以上。都合30棟近く。建て替えながら居住。初期須恵器や山陰型甑形土器など出土。奈良時代や中世の集落も。公益財団法人兵庫県まちづくり技術センターの調査。10/20現地説明会。
前田遺跡(姫路市網干区高田)の発掘調査成果と現地説明会について[兵庫県教育委員会] - 兵庫県
- 姫路市・才村遺跡(さいむらいせき)で、中世の掘立柱建物多数。石組井戸2基、石敷火葬跡1基。風字硯出土。公益財団法人兵庫県まちづくり技術センターの調査。10/20現地説明会。
才村遺跡(姫路市広畑区才)の発掘調査成果と現地説明会について[兵庫県教育委員会] - 韓国
- 慶州市 皇吾洞・チョクセム44号墳(積石木槨墳)で、護石の北側から5世紀の大型の壺など110点出土。長頸壺の肩に線刻の行列図。騎馬人物、シカやイノシシを狩る人物、踊る人、イヌなどを描く。高句麗との交流を示す可能性も。チョクセム44号墳は新羅の積石木槨墳で、長径30.8m、短径23.1mの楕円形。国立慶州文化財研究所10/16公開。[聯合ニュース]
- 韓国
- 慶尚北道 慶州市 チョクセム地区C10号墳の主槨から2009年に出土した新羅・5世紀の馬甲が、10年ぶりに保存処理終了。[聯合ニュース]
- ギリシャ
- キティラ島(Κύθηρα;Kythira)沖に1802年に沈んだ、エルギン卿(Lord Elgin)の沈没船メンター号(Mentor)から、金の宝飾品など。[Tornos News]
- クロアチア
- ヴコヴァル=スリイェム郡(Vukovarsko-srijemska upanija)スタリ・ヤンコフチ(Stari Jankovci)でローマ時代・3世紀の墳墓。1号墳は直径40m、高さ1mの墳丘に大規模墓室。内部にローマ時代の2輪馬車と、馬具をつけたウマの骨。ローマ帝国の最重要交通路に沿って造営。[Total Croatia News ]
- ドイツ
- トレンセ川(Tollense)の川底から、青銅器時代・3300年前に戦死した人物の装備一揃いと思われる遺物31点。箱などに入れて埋納されていたと推定。[Human Evolution News]
論文 Tobias Uhlig, Joachim Krüger, Gundula Lidke, Detlef Jantzen, Sebastian Lorenz, Nicola Ialongo and Thomas Terberger "Lost in combat? A scrap metal find from the Bronze Age battlefield site at Tollense" Antiquity. Volume 93, Issue 371 October 2019 , pp. 1211-1230 [Cambridge Core] - フランス
- オクシタニー地域圏(Occitanie)エロー県(Hérault)でコア・サンプル(Carottage;Core sample)34個を分析。8000年間の沿岸の景観を復元。
8 000 ans d’évolution des paysages littoraux révélé par 34 carottages sur les rivages de l’Hérault ![ASM]
論文 B. Devillers, G. Bony, J. -P. Degeai, J. Gascò, T. Lachenal, H. Bruneton, F. Yung, H. Oueslati, A. Thierry "Holocene coastal environmental changes and human occupation of the lower Hérault River, southern France" Quaternary Science Reviews. Volume 222, 15 October 2019, 105912 [ScienceDirect] - フランス
- ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(Pays de la Loire)メーヌ=エ=ロワール県(Maine-et-Loire)エクーフラン(Écouflant)でカロ=ローマ時代・1世紀後半の地下からの導水施設と水道橋、農場。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Une ferme et un ouvrage hydraulique d’époque gallo-romaine à Écouflant[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- バスク自治州(Euskadi;País Vasco)アラバ県(Arabako Probintzia;Provincia de Álava) ロス・カスカホス(Los Cascajos)で磁気探査(magnetic survey)。新石器時代〜銅石器時代の集落の存在を確認。フリントや土器などが表面採集され、集落の存在が示唆されていた場所。Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humana, CENIEHの調査。
Existence of a prehistoric settlement in the south of Álava is confirmed[Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humana, CENIEH] - UK(イングランド)
- リンカーンシャー州(Lincolnshire) スクレンビー(Scremby)でアングロサクソンの墳墓50基。人骨や宝飾品、武器出土。男性の墓の多くには矛や盾などの武器、女性の墓にはブローチ、ビーズ、バックルなどの装身具を副葬。シェフィールド大学(The University of Sheffield)の調査。[Skegness Standard]
▼スクレンビーのアングロサクソン墓地関連記事→2018年11月26日 - UK(イングランド)
- ダービーシャー州(the county of Derbyshire)ブラフ(Brough)でローマ時代の軍事的な前哨基地。[Agg.net]
- UK(イングランド)
- オックスフォード大学(University of Oxford)のダーク・オビンク(Dirk Obbink)教授が、古代の聖書の一部を米国の企業ホビ・ロビー社(Hobby Lobby)に許可なく売ったとして告発される。[The Guardian]
- UK(ウェールズ)
- スランディドノ(Llandudno)のグレート・オーム銅鉱山(Great Orme)は、青銅器時代・紀元前1700年〜前900年に操業し、紀元前1600年〜前1400年に最盛期。金属の質も高い。露天掘りに用いた骨器、石器、青銅器が出土。産出した銅はフランス、オランダ、スウェーデンに流通。従来の想定よりも早い時期。
Copper Mining Boom Across Britain 3,600 Years Ago Found in New Study[Ancient Origins]
論文 R. Alan Williams and Cécile Le Carlier de Veslud "Boom and bust in Bronze Age Britain: major copper production from the Great Orme mine and European trade, c. 1600-1400 BC" Antiquity. Volume 93, Issue 371. October 2019, pp. 1178-1196 [Cambridge Core]
▼×コンウィ・カウンティ・バラ(Conwy County Borough)スランディドノ(Llandudno) - オランダ領サバ島
- サバ島(Saba)の独特の石棺墓(cist grave)は、17世紀の英国植民者の葬送儀礼から始まったもので、現在まで存続。19〜20世紀には同じ島に住み、奴隷身分から解放されたアフリカ出身者にも取り入れられる。サバ島はカリブ海の小アンティル諸島(Lesser Antilles)にあり、南北アメリカ大陸で石棺墓(cist grave)が用いられる唯一の地。
Tiny Caribbean Island is the Only Place with Cist Graves in the Americas [Ancient Origins]
cf. Ryan Espersen and Jay Haviser (2019) Cist graves on Saba: funerary traditions in the colonial Caribbean. Antiquity, Volume 93, Issue 371. October 2019, pp. 1322-1338. [Cambridge Core]
2019年10月15日(火)
- カンボジア
- アンコールワット(Angkor Wat)の北東、プノン・クーレン(Phnom Kulen)で、クメール帝国(9〜15世紀)の最初の砦の一つ、マヘンドラパヴァタ(Mahendraparvata)の場所を、空中発射レーザー(Airborne Laser)と地表調査により確認。[Ancient Origins]
論文 Jean-Baptiste Chevance, Damian Evans, Nina Hofer, Sakada Sakhoeun and Ratha Chhean "Mahendraparvata: an early Angkor-period capital defined through airborne laser scanning at Phnom Kulen" Antiquity Volume 93, Issue 371, pp. 1303-1321 [Cambridge Core]
▼シェムリアップ州(Siem Reap Province) - イラン
- テヘラン州(Ostān-e Tehrān)ラヴァーサーン(Lavasan)の海抜3100mにある洞窟で、歴史時代の人骨が積み重なって出土。イラン高原(Iranian plateau)中央部とタバリスターン地方(Tabarestan)を結ぶ経路上。[Iran Front Page ]
▼(Ostān-e Tehrān)シェミーラーナート郡(Shemiranat County) - UK(北アイルランド)
- 過去4年間に北アイルランドで石器時代から19世紀まで遺跡数百か所を確認。[BBC]
- エジプト
- ルクソール(Luxor)西岸のアサシーフ地区(Assasif)、棺の隠し場所。無傷で未開封の、彩色された木棺20基以上が、2層に重ねて置かれ、内部には遺体。[Luxor Times]
- エジプト
- ナイル・デルタ(Nile Delta,)にあるファラオ・ウアフイブラー(Apries;在位紀元前589年〜前568年ごろ)の宮殿で、従来は中世以降しか知られていなかった2種の顔料、ナポリ黄(Lead-Antimonate Yellow;Naples Yellow)と鉛錫黄(lead-tin yellow)を確認。破片は現在、コペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(Ny Carlsberg Glyptotek)が所蔵。ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館(Ny Carlsberg Glyptotek)、大英博物館(The British Museum)、ピサ大学(Università di Pisa;University of Pisa)、南デンマーク大学(Syddansk Universitet;University of Southern Denmark)の共同研究。
Discovered: Unknown yellow colors from Antiquity[Syddansk Universitet]
論文1 Cecilie Brøns, Kaare Lund Rasmussen, Marta Melchiorre Di Crescenzo, Rebecca Stacey & Anna Lluveras-Tenorio "Painting the Palace of Apries I: ancient binding media and coatings of the reliefs from the Palace of Apries, Lower Egypt" Heritage Science volume 6, Article number: 6 (2018) [SpringerOpen]
論文2 Signe Buccarella Hedegaard, Thomas Delbey, Cecilie Brøns & Kaare Lund Rasmussen "Painting the Palace of Apries II: ancient pigments of the reliefs from the Palace of Apries, Lower Egypt" Heritage Science volume 7, Article number: 54 (2019) [SpringerOpen]
2019年10月14日(月)
- 仙台市
- 青葉区・仙台城跡で巽門跡付近で埋没していた石垣を新たに発見。築城当初の登城路を推測する手掛かり。仙台市教育委員会の調査。[毎日新聞]
- 大阪府
- 百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録決定に対し、関係14学協会が7/23連名で発表した「百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録決定に関する見解」を考古学研究会が10/14ウェブサイトに掲載。[考古学研究会]
- トルコ
- ブルドゥル県(Burdur il)ハジュラル(Hacılar)で第2の門を発見。小部屋(Casemate)を連ねて防御力を高める構造。この地域に王国があったことを示す。[Hürriyet Daily news]
▽時代が書いてない。 - ポーランド
- グダニスク (Gdańsk)のヴェステルプラッテ岬(Westerplatte)の戦場跡で、第二次世界大戦緒戦で戦死したポーランド兵士の人骨。最近の調査では3体目。[The First News]
▼ヴェステルプラッテ岬関連記事→2019年9月27日 - ドイツ
- バーデン=ヴュルテンベルク州(Land Baden-Württemberg)テュービンゲン郡(Landkreis Tübingen)アンマーブーフ(Ammerbuch)で、新石器時代・紀元前53世紀の集落の溝や、紀元前52世紀の女性の墓。被葬者の首には石灰岩製のビーズ。初期新石器時代の同様の装身具はカルパティア盆地(Karpatenbecken;Carpathian Basin)やバルカン半島(Balkanraum;Balkans)に見られる。テュービンゲン大学(Universität Tübingen)とLandesamt für Denkmalpflege Baden-Württembergの調査。[Süddeutsche Zeitung]
2019年10月13日(日)
- 中国
- 河北省 張家口市 康保県 照陽河鎮 興隆村・興隆遺跡で旧石器時代末期〜新石器時代中期の遺物。[搜狐]
- ウクライナ
- ザポリージャ州(Запорізька область;Zaporizhzhia Oblast)ママイ・ホラ遺跡(Мамай-Гора;Mamai-Hora)で、スキタイ戦士の墓。スキタイの金張りの剣「アキナケス」(ἀκινάκης;akinakes)出土。[EuromaidanPress]
2019年10月12日(土)
- 岐阜県
- 飛騨市・小鷹利城跡(こたかりじょうあと)で、姉小路氏の御殿とみられる礎石。戦国時代前半までの山城が生活拠点として使われた例は全国的に珍しい。飛騨市の調査。[中日新聞]
- 奈良県
- 奈良市・法華寺境内で奈良時代の掘立柱建物。僧房の建物の一部の可能性。奈良文化財研究所の調査。[奈良新聞]
- 島根県
- 浜田市・浜田城外堀の方向は、真北から10°傾く。江戸時代からの道路である付近の市道もほぼ同方向で、当時の城下町設計のの基準。浜田市教育委員会の調査。[毎日新聞]
- 山口県
- 萩市・恵美須ヶ鼻造船所跡で丙辰丸(へいしんまる)と庚申丸(こうしんまる)の造船場や綱製作木屋などを調査。萩市の調査。10/12現地説明会。[萩市]
- 中国
- 内モンゴル自治区 バイリン左旗(巴林左旗) 林東鎮にある遼の上京遺跡で、最大の宮殿遺構。[中国新聞網]
▼遼上京遺跡関連記事→2018年12月24日 - 中国
- チベット自治区 ナクチュ市(那曲市)パングン県(班戈県)・欧聶墓地は隋末〜唐前期・7世紀初め〜8世紀初め。[新華社]
- インド
- カルナータカ州(Karnataka)バガルコート県(Bagalkot)パタダカル(Pattadakal)のHuligemmanakollaで、チャールキヤ朝(Chalukyan)の王墓を含むとみられる6〜8世紀の小神殿群。[The Hindu]
- ポーランド
- グルデク村(Gródek nad Bugiem)で2017年に発見された11世紀の墳墓で、赤ん坊の遺体6体。直径3mの穴からは焼かれたヒト、イヌや土器。ボレスワフ1世(Bolesław I)の治世やキエフ大公ヤロスラフ1世(Ярослав Владимирович;Yaroslav the Wise)との闘いの時期に当たる。[The First News]
- ポーランド
- シフィェンティクシシュ県(Województwo Świętokrzyskie) オパトゥフ郡(Powiat opatowski;Opatów County)サドビエ(Sadowie)で、後期新石器時代・球状アンフォラ文化(Kultura amfor kulistych;Globular Amphora culture)・紀元前3000年〜前2500年の墓地。人骨、獣骨、土器、フリント製石器、イノシシのキバなど出土。墳墓23基を調査。石の箱のようなものに遺体を納める。1基の中に複数人を埋葬。前に埋葬した人骨の一部をどかして次の埋葬を行う。同じ墓壙の被葬者同士は近親者と推定。ウシやブタは長方形の穴に埋葬し、石を載せる。ポーランドで見つかった球状アンフォラ文化の墓地として最大。ジェシュフ大学(Uniwersytet Rzeszowski;University of Rzeszów)の調査。
Świętokrzyskie/Over 20 Graves Discovered in Neolithic Cemetery[Nauka w Polsce] - ベルギー
- ウェイツスカーテ(Wijtschate;Wytschaete)で第一次世界大戦の兵士110人の遺体や遺物。クラウドファンディングによる事業「Dig Hill 80」による調査。[War History Online]
2019年10月11日(金)
- 兵庫県
- 洲本市・宇山遺跡(うやまいせき)で、平安時代中期〜鎌倉時代の集落跡。平安時代の掘立柱建物跡の柱穴から出土した八稜鏡。土壙墓や鍛冶炉も。兵庫県教育委員会10/10発表。10/14現地説明会。[神戸新聞]
- 島根県
- 浜田市・浜田城資料館10/12開館。[山陰中央新報]
- カンボジア
- タ・ネイ寺院(Ta Nei temple)の東門で、砂岩製の聖観音菩薩頭部が出土。バイヨン様式(Bayon style)・12〜13世紀。ジャヤーヴァルマン7世(Jayavarman VII;在位1181〜1218年)の治世に当たる。アプサラ機構(Apsara National Authority)の調査。[The Phnom Penh Post]
- トルコ
- ゾングルダク県(Zonguldak il)チャイジュマ郡(Çaycuma)フィリオス(Filyos)にある古代都市ティエイオン(Τιεῖον;Tieion)で、ローマ時代・紀元前2世紀初めの神殿。[Hürriyet Daily news]
- トルコ
- チャナッカレ県(Çanakkale il)ラープセキ郡(Lapseki) ギュレジ村(Güreci)の古代ギリシャ都市パリオン(Πάριον;Parion)で、ビザンティン時代・6世紀の幾何学文モザイク。パリオンはギリシャのエレトリア(Ερέτρια;Eretria)やパロス島(Πάρος;;Paros)からの植民者によって3000年前に建設。[Archaeology News Network]
- イタリア
- ポンペイ遺跡(Pompeii)5区(Regio V)で、剣闘士行きつけの酒場とみられる建物の階段の吹き抜けの壁に、剣闘士を描いたフレスコ画。魚兜闘士ムルミッロー(murmillo)とトラキア人(Thracian)の戦いの直後で、敗北した剣闘士の負傷をリアルに表現。出土地は、剣闘士のバラックから遠くない。[The Guardian]
- ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)アウクスブルク郡(Landkreis Augsburg)のレヒ川(Lech)流域で、青銅器時代・紀元前2800年〜前1700年のそれぞれに墓地を伴う小集落13か所から104人のDNAを調査し、6つの家系図を復元。遺伝子を25%以上共有する親族は大抵の場合同じ集落に埋葬。より遠い血縁者が少数例、別々の集落に埋葬。近い親族同士は、いずれも豊富な副葬品を持ち、高い地位が相続されていることを示す。一つの家の中に、地位の高いものと、血縁はなく地位が低い者(召使や奴隷のようなものか?)がおり、身分の差を示す。さらに、高い地位にあるが血縁がなく、ウーニェティツェ文化(Únětice culture)の副葬品やストロンチウム同位体からみて遠方(東ドイツかチェコ)出身とみられる女性がいた。
Four-thousand-year-old genomes show deep roots of social inequality[Nature]
論文 Alissa Mittnik, Ken Massy, Corina Knipper, Fabian Wittenborn, Saskia Pfrengle, Nadine Carlichi-Witjes, Heidi Deeg, Anja Furtwängler, Michaela Harbeck, Kristin von Heyking, Catharina Kociumaka, Isil Kucukkalipci, Susanne Lindauer, Stephanie Metz, Anja Staskiewicz, Andreas Thiel, Joachim Wahl, Wolfgang Haak, Ernst Pernicka, Stephan Schiffels, Philipp W. Stockhammer, Johannes Krause "Kinship-based social inequality in Bronze Age Europe" Science 10 Oct 2019: eaax6219 [Science] - フランス
- グラン・テスト地域圏(Grand Est)バ=ラン県(Bas-Rhin)イッテンハイム(Ittenheim)で、旧石器時代・11万5千年前〜2万2千年前のマンモスの乳歯2本。ネアンデルタール人の時代に対応。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
L’environnement de Néandertal et de Homo sapiens à Ittenheim[国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)] - デンマーク
- ヴァイレ(Vejle)で、土器に納めて埋納された中世・15世紀のデンマークとドイツ・ハンザ都市の銀貨1000枚。ヴァイレ博物館(VejleMuseerne)の調査。[The Copenhagen Post]
Huge iron age gold hoard found in Vindelev near Jelling[VejleMuseerne] - ノルウェー
- ホルダラン県(Hordaland fylke;Hordaland county)エイドフィヨルド自治体(Eidfjord)の海抜1400mで、1000年前の鉄鏃。木質部分は失われている。長さ12cm。これまでに同県内で類例なし。[Life in Norway]
- 新石器革命
- 初期の農耕で1日に得られるカロリーは、狩猟採集のそれよりも多くなく、むしろかなり少ない。以前の人骨や獣骨の研究で、農耕開始によって栄養状態が悪化していることも知られている。農耕の開始によって私有財産が生じ生産性が増したという「新石器農業革命(Neolithic Agricultural Revolution)」のシナリオに反する証拠。狩猟採集社会にも私有財産は存在し、私有財産を確立するためのより容易な方法として農耕が取り入れられたと解釈。サンタフェ研究所(Santa Fe Institute)のサミュエル・ボウルズ(Samuel Bowles)氏と慶北大学校の崔晶奎氏による、進化ゲーム理論(evolutionary game theory)と考古学的証拠を用いた研究。
Private property, not productivity, precipitated Neolithic agricultural revolution[Santa Fe Institute]
論文 Samuel Bowles and Jung-Kyoo Choi "The Neolithic Agricultural Revolution and the Origins of Private Property" Journal of Political Economy [The University of Chicago Press] - エジプト
- ルクソール(Luxor)の王家の谷(Wadi Biban el-Muluk;Valley of the Kings)でミイラ2体出土。ミイラづくりの材料や、これを墓に運び入れるために用いたと思われる道具も。付近ではパンや土器の工房群も発見。アメンホテプ3世の名を刻んだ指輪も出土。
2 Mummies Unearthed in Ancient Egyptian Cemetery Where King Tut and Other Royalty Were Buried[LiveScience] - エジプト
- 2500年前のネコのミイラを3Dスキャンで調査。1頭のネコと思われていたが、実際には頭蓋骨、脊椎、肋骨はなく、後脚が5本、尾が3本あった。頭の代わりに繊維で作ったボールがあった。レンヌ美術館(Musée des beaux arts de Rennes)の所蔵。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)などの分析。
Voyage dans une cybermomie de chat au musée des Beaux-Arts de Rennes[国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)]
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