2019年10月31日(木)
- 埼玉県
- 羽生市・北尾崎北遺跡(きたおさききたいせき)で、平安時代中期・10世紀の竪穴住居跡から、鉄製槍先と青銅製の八稜鏡。同一の竪穴住居跡から槍先と鏡がともに出土するのは全国初。公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団10/30発表。11/4現地説明会。[埼玉新聞]
- 京都府
- 舞鶴市・満願寺跡(まんがんじあと)で、創建期の鎌倉時代から、室町時代までの3時期の礎石建物や石組溝などの遺構。創建時の遺構の発見は初。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター10/30発表。[毎日新聞]
- 佐賀県
- 唐津市・飯洞甕下窯跡(はんどうかめしもかまあと)で、焚口から窯尻まで窯跡全体の構造が明らかに。唐津市教育委員会の調査。11/24現地説明会。[唐津市]
- 沖縄県
- 那覇市・首里城で10/31火災。正殿、北殿、南殿など6棟と奉神門を焼失。[時事通信]
- 文化庁
- トリエンナーレ補助金不交付 文化庁の歴史 踏みにじる行為[東京新聞]
- 韓国
- 大邱市 中区 太平路の大邱邑城・新川辺遺跡で、花崗岩の石材を大量に発見。三韓文化財研究院の試掘調査。[大邱新聞]
- 中国
- 河南省 鄭州市・二里頭遺跡で出土した人骨34体について、炭素と窒素の安定同位体を分析して食生活を復元。二里頭文化・3800年前のヒトはアワやキビを主食とした。二里頭夏都遺址博物館の研究の研究。[新華社]
- カンボジア
- コ・ケー遺跡(Koh Ker)の地中レーダー(Ground penetrating radar)調査により、Stung Rongea川から水を得るための7kmにおよぶ堤防を築いたが、なお水が不足していたことが判明。首都がほどなくアンコール(Angkor)に移った理由と推定。コ・ケーはジャヤーヴァルマン4世(Jayavarman IV:在位928〜941年)が築き、10世紀中ごろだけの都となった。
Ground penetrating radar reveals why ancient Cambodian capital was moved to Angkor[EurekAlert]
論文 Ian Moffat, Sarah Klassen, Tiago Attorre, Damian Evans, Terry Lustig, Leaksmy Kong "Using ground penetrating radar to understand the failure of the Koh Ker Reservoir, Northern Cambodia" Geoarchaeology [Wiley Online Library] - フィリピン海
- フィリピン海(Philippine Sea)の海底20406フィートで、第二次世界大戦の時に沈没した米軍の駆逐艦ジョンストン(USS Johnston)の船体。サマール沖の海戦(Battle off Samar)で1944年10月25日に沈む。ヴァルカン社(Vulcan Inc.)の調査船ペトレル(Research Vessel Petrel)が、海底ドローンを利用し調査。[FOX News]
- インド
- Selakarichalで発見されたヒーローストーンの銘文が30年ぶりに解読される。コング地域(Kongu)を11世紀に支配した王の名がわかる。ヒーローストーンは構造からみて16世紀と推定されていたが、実際は1099年のもの。王Veerakeralan Adhirajarajanは1093〜1116年に統治。王はVeerakeralan氏族出身で、王国はチェーラ朝(Chera)の一部。[The Hindu]
- インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)カルール(Karur)ムヌール村(Munnur)で、10世紀のグランタ文字(Grantha)の銘文が入った石。6行の銘文と、三又矛、ウシ、巻貝、ダイヤモンドの図像。グランタ文字は、パッラヴァ朝(Pallava)の王が4世紀に導入したとされる文字。[The Hindu]
- イラン
- ケルマーンシャー州(Ostān-e Kermānshāh)ターク・イ・ブスタン遺跡(Taq-e Bostan)で新たに発見された岩絵(petroglyph)は、ミトラ教(Mithraism)に関連か。[Tehran Times]
- イラン
- ホルモズガーン州(Ostān-e Hormozgān)ミーナーブ(Minab)で、紀元前3千年紀の遺跡。[Tehran Times]
- トルコ
- マルディン県(Mardin il)ダルゲチト郡(Dargeçit)ウルス(Ilısu)のボンジュクル・タルラ遺跡(Boncuklu Tarla)で、新石器時代・11300年前の神殿 。石碑3枚出土。[Daily Sabah]
- イタリア
- アルプスで発見された5300年前のアイスマン「エッツィ(Ötzi;Oetzi)」とともに凍っていたコケ植物(bryophytes)75種を同定。現在近隣では23種のコケ植物が生息。残りはエッツィの腸や衣服、あるいはアイベックス(Alpine Ibex)のような草食動物によりほかの地域から運び込まれた。他地域のコケ植物は、エッツィの行動復元に役立つ。いくつかはシュナールス渓谷(Schnalstal)のもので、エッツィがシュナールス渓谷を上ってきたことを示す。従来の花粉による研究とも合致。グラスゴー大学(University of Glasgow)とインスブルック大学(Universität Innsbruck)の調査。
Frozen mosses reveal clues to Iceman Ötzi’s final journey[University of Glasgow]
論文 James H. Dickson, Klaus D. Oeggl, Werner Kofler, Wolfgang K. Hofbauer, Ronald Porley, Gordon P. Rothero, Alexandra Schmidl, Andreas G. Heiss "Seventy-five mosses and liverworts found frozen with the late Neolithic Tyrolean Iceman: Origins, taphonomy and the Iceman’s last journey" PLOS One Published: October 30, 2019 [PLOS One] - USA
- サウスカロライナ州(State of South Carolina)沖で発見された、南北戦争(Civi lWar)中の南軍(Confederate)の潜水艇ハンリー(Hunley)の沈没の理由を研究。1864年、チャールストン湾(Charleston Harbor)の封鎖に奇襲をかけ、北軍(Union)のフーサトニック号(USS Housatonic)を沈めた後に沈没した。ハンリーは敵艦を避けて潜行を続けたが、空気循環システムが作動しておらず、乗組員は酸欠で死亡。システムは意図的に解除されていた。初めて敵艦の攻撃に成功した潜水艇。クレムソン大学(Clemson University)の研究。[The State]
- バルバドス
- ニュートン(Newton)にあったニュートン・プランテーション奴隷墓地(Newton Plantation Slave Cemetery)で出土した17〜18世紀のアフリカ系の奴隷25体の歯を分析。鉛同位体分析で、鉛中毒(lead poisoning)のもととなる鉛を英国由来と推定。ラム酒製造に用いた配管や器具のためか。以前の研究で、現地生まれのアフリカ系奴隷に高い集中度の鉛中毒が知られていた。
Isotope analysis finds source lead poisoning among slaves on Barbados[Universiteit Leiden]
論文 Jason E. Laffoon, Kristrina A. Shuler, Andrew R. Millard, James N. Connelly, Hannes Schroeder "Isotopic evidence for anthropogenic lead exposure on a 17th/18th century Barbadian plantation" American Journal of Physical Anthropology [Wiley Online Library] - 授賞
- 令和元年度岩宿文化賞に川道寛氏。[みどり市]
2019年10月30日(水)
- 石川県
- 金沢市・千田北遺跡で2018年に出土した国内唯一の金箔押し木製笠塔婆は平安時代末期・12世紀中ごろ。金箔の貼り付けに使われた漆を放射性炭素年代測定。従来は出土品の年代などから鎌倉時代・13世紀の建立と考えられていた。金沢市埋蔵文化財センターの調査。[北國新聞]
- 韓国
- 大邱市 北区・鳩岩洞古墳群で、56号墳を再発掘し、護石の構造と規模を確認。陪葬墳4基から土器・金属器が出土。[毎日新聞]
- 韓国
- 慶尚南道 咸安 伽倻里遺跡の、5世紀末〜6世紀初めの土城壁から、一定の間隔で配置された木材「横長木」8本。阿羅加耶の王宮推定地。国立加耶文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
- 中国
- 湖北省 襄陽市 高新区・酒店墓地で東周時代の墳墓群。墳墓136基のうち、調査された100基の多くは土坑竪穴墓。[中国新聞網]
- 中国
- 湖南省 郴州市 資興市 東江街道で西晋の紀年が入った磚室墓ZSLM1。磚に「永興三年七月酉五日己丑石氏作」の銘文。306年に当たる。[騰訊網]
- イスラエル
- キリャト・アッタ(Kiryat Ata)のウシャ(Usha)で、ビザンティン時代・1400年前のハンマーと釘。イスラエル古代遺跡管理局(Israel Antiquities Authority)の調査。[News1]
- ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)イェリヒョウアー・ラント郡(Landkreis Jerichower Land)ビーデリッツ(Biederitz)で中世・カロリング朝(Karolingerzeit)の砦。ザクセン戦争(Sachsenkriege:772〜805年)の終結直後の終結直後に築造。Landesamt für Denkmalpflege und Archäologie Sachsen-Anhaltの調査。
Karolingerzeitliches Grenzkastell bei Magdeburg lokalisiert[Landesamt für Denkmalpflege und Archäologie Sachsen-Anhalt] - ノルウェー
- ソグネ(Sogne)沖で、1760年3月21日に沈没したオランダ船「Juffrau Elisabeth」を、40年間の調査の末に発見。[FOX News]
- バーチタール
- バーチタール(birch tar)が接着剤として松脂より優れていることを実験により証明。また、ネアンデルタール人の高度な知能を証明。
論文 Paul R. B. Kozowyk, Johannes A. Poulis ”A new experimental methodology for assessing adhesive properties shows that Neandertals used the most suitable material available” Journal of Human Evolution. Volume 137 [ScienceDirect] - タンザニア
- オルドバイ渓谷(Olduvai Gorge)で実験的研究。地元の石材Naibor Soit珪岩で作った石器をさまざまな植物や骨などに対して用い、痕跡を調査。Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humanaの研究。
First experimental study for traceological interpretation at Olduvai sites[Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humana, CENIEH]
論文 Patricia Bello-Alonso, Joseba Rios-Garaizar, Joaquín Panera, Alfredo Pérez-González, Susana Rubio-Jara, Raquel Rojas-Mendoza, Manuel Domínguez-Rodrigo, Enrique Baquedano, Manuel Santonja "A use-wear interpretation of the most common raw materials from the Olduvai Gorge: Naibor Soit quartzite" Quaternary International [ScienceDirect] - メキシコ
- メヒコ州(Estado de México)エカテペック(Ecatepec)で、アステカ(Aztec Empire)のモンテスマ1世(Montezuma I)が15世紀に建造したトンネル。彫刻や絵画、銘文で飾る。水と豊穣の神トラロック(Tlaloc)に関わる。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[Express">]
- 人類の活動による土壌の浸食
- 世界の湖632か所の堆積物について放射性炭素年代と花粉分析により研究。4000年前に世界規模で堆積が増加。花粉の量から見て、同時期に樹木が減少。4000年前、人類の活動が世界的な土壌の浸食を促した。
フランス語リリースL’érosion des sols due aux activités humaines a commencé il y a 4000 ans!
英語リリースHuman activities boosted global soil erosion already 4,000 years ago[INRS: Institut national de la recherche scientifique]
論文 Jean-Philippe Jenny, Sujan Koirala, Irene Gregory-Eaves, Pierre Francus, Christoph Niemann, Bernhard Ahrens, Victor Brovkin, Alexandre Baud, Antti E. K. Ojala, Alexandre Normandeau, Bernd Zolitschka, and Nuno Carvalhais "Human and climate global-scale imprint on sediment transfer during the Holocene" Proceedings of the National Academy of Sciences. October 28, 2019 [PNAS]
2019年10月29日(火)
- 神奈川県
- 横須賀市・浦賀奉行所跡で、西堀の痕跡や、奉行役宅の礎石など。明治時代以降の浦賀船渠(株)のレンガ造の工員宿舎基礎など。横須賀市教育委員会の調査。11/9現地説明会。[横須賀市]
- 中国
- 陝西省 西安市 秦始皇帝陵の兵馬俑で青銅製武器の保存状態が良好だったのは、土壌が天然の防腐剤としての役割を果たしてきたため。[Agence France-Presse]
- ドイツ
- ブレーメン(Bremen)で、13世紀の市壁の一部を発見。[Buten un Binnen]
- ボツワナ
- マカディカディ低地の周辺が、現生人類の生まれた地と推定。当時は大きな湖と緑豊かな自然。20万年前に生まれ、13万年前〜11万年前ごろまで生活。植物の分布拡大に合わせて拡散した。[共同通信]
現代の1271人のミトコンドリアDNAを調査。ホモサピエンスはボツワナで20万年前に登場。降雨により緑化が進んだことにより、13万年前に北東、11万年前に南西に拡散。[The Guardian]
論文 Eva K. F. Chan, Axel Timmermann, Benedetta F. Baldi, Andy E. Moore, Ruth J. Lyons, Sun-Seon Lee, Anton M. F. Kalsbeek, Desiree C. Petersen, Hannes Rautenbach, Hagen E. A. Förtsch, M. S. Riana Bornman & Vanessa M. Hayes "Human origins in a southern African palaeo-wetland and first migrations" Nature [Nature] - USA
- カリフォルニア州の山火事で、美術館ゲッティセンター近くまで火が迫る。[時事通信]
2019年10月28日(月)
- 韓国
- 忠清南道 公州市・班竹洞遺跡で、「大通」の名を押捺した瓦。また高麗時代の「大通寺」銘瓦も出土。大通寺は百済最古の仏教寺院の名。『三国遺事』によると527年建立。[ハンギョレ]
- 韓国
- 慶尚北道 尚州市 仁鳳洞・尚州邑城で堀を初めて発見。溝を掘って両岸に石積み。城壁は未確認。尚州博物館の調査。高麗時代・1381年に築造。[聯合ニュース]
- トルコ
- チャナッカレ県(Çanakkale il)ビガ郡(Biga)の古代ギリシャ都市パリオン(Πάριον;Parion)で、ローマ時代・1900年前の墓廟から、亡くなったギリシャ人母子に捧げた墓標を発見。ローマ統治下でもギリシャ人社会が存続し、ローマ人植民者と通婚したことを示す。[Daily Sabah]
- エストニア
- タリン(Tallinn)で、中世末〜近代初めの木造の沈没船。マスケット銃による銃撃の跡があり、火器がヨーロッパで普及した15世紀以降。しかし、船首には金属ケーブルが取り付けられ、船内から消費期限1972年の缶も出土。20世紀に木造船が沈没位置から移動させられたと推定。[Eesti Rahvusringhääling]
- スペイン
- スペインの3か所の洞窟壁画は、これまでウラン・トリウム法(uranium-thorium dating)により65000年以上前とされてきたが、数万年新しい可能性。岩の表面を流れる水が、壁画の表面を覆うウラニウムの量に影響し、年代が古く出る。放射性炭素年代(radiocarbon dating)と熱ルミネセンス年代測定(thermoluminescence dating)で検証。その場合、洞窟芸術を描いたのはネアンデルタール人(Neanderthals)ではなくホモサピエンス(Homo sapiens)。
Dating questions challenge whether Neandertals drew Spanish cave art[ScienceNews]
論文 Randall White et al. "Still no archaeological evidence that Neanderthals created Iberian cave art" Journal of Human Evolution [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- エセックス州(Essex)パグルシャム(Paglesham)のローチ川(Paglesham)で、造船所跡。チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)が乗ったビーグル号(HMS Beagle)が解体された場所。ビーグル号自体は未発見。Wessex Archaeologyの調査。[Daily Mail]
2019年10月27日(日)
- 秋田県
- 湯沢市・赤塚遺跡で縄文時代中期の集落跡。竪穴住居跡50棟。大木式土器や複式炉など東北南部の文化に属す。秋田県埋蔵文化財センターの調査。10/26現地説明会。[秋田魁新報]
- UAE
- 2つの島で出た魚骨が新石器時代の食生活や漁撈法、生活様式の手がかりに。マラワ島(Marawah Island)の海岸近くで大量の魚骨。浅い海で網や罠を用いた漁撈。シルバニヤス島(Sir Bani Yas)のデルマ遺跡(Delma)では、54846点の魚骨。魚種のわからないものも多いが、海域は深目で、船や網、罠を用いた可能性。両遺跡とも錘が出土し、網や罠の使用を示唆。ペルシャ湾では農耕・牧畜による新石器革命よりも、水産資源への依存が高く、定住を実現。[The National]
- トルコ
- ヤロヴァ県(Yalova)アルトゥノヴァ郡(Altınova)の水中でビザンティン時代の城キバトス(Kibatos)。セルジューク朝と第1回十字軍が1096年に戦い、敗れた十字軍が築いた城。地震により水中に沈んでいた。[Hürriyet Daily News]
- ロシア
- サハ共和国(Республика Саха;Yakutia)にあるロシアによる砦レンスキー・オストログ(Ленский острог;Lensky Ostrog)で、ミイラ化した女性の遺体。ヤクート族の伝統衣装をまとい、キリスト教の銅製十字架を伴う。放射性炭素年代で1440〜1670年であるが、19世紀半ばの疑い。レンスキー・オストログは1632年にコサックのピョートル・ベケトフ(Пётр Иванович Бекетов;Petr Beketov)によって築かれた。[The Siberian Times]
- ブルガリア
- ヴァルナ州(Област Варна;Oblast Varna)デヴニャ(Девня;Devnya)の古代都市マルキアノポリス(Μαρκιανούπολις;Marcianopolis)で、ビザンティン時代・5世紀の金貨16枚の埋納。皇帝テオドシウス2世(Theodosius II;在位408〜450)の図像を持つ金貨14枚と、その妻アエリア・エウドキア(Aelia Eudocia)を表した1枚。いとこの西ローマ皇帝ウァレンティニアヌス3世(Valentinianus III;在位425〜455年)を表した1枚。フン族の侵入の時に埋納か。ヴァルナ考古学博物館(Археологически музей Варна;Varna Museum of Archaeology)の調査。アッティラ(Attila)の率いるフン族(Hun)は、447年にビザンティン帝国とウトゥス川の戦い(Battle of the Utus River)で衝突。その後バルカン半島の帝国属州を蹂躙。マルキアノポリス は略奪され、6世紀にユスティニアヌス1世(Justinianus I;Justinian I;在位527〜565年)が再建するまで荒廃していた。
Hoard of Byzantine gold coins hidden during Hun invasion discovered in ancient Marcianopolis in Bulgaria’s Devnya[Archaeology in Bulgaria]
▼マルキアノポリス関連記事→2019年9月30日 - ブルガリア
- プロヴディフ(Пловдив;Plovdiv)の古代都市フィリッポポリス(Philippopolis)のフォーラム(Forum)で、ローマ時代・2世紀の大理石製のキュベレー女神像(Κυβέλη;Cybele)。小アジアとトラキアの多くの場所でまつられている女神。[The Sofia Globe]
2019年10月26日(土)
- 台風19号
- 台風19号により22都府県の163件の重要文化財(建造物)などが損傷。[時事通信]
- ニュージーランド
- ダニーデン(Dunedin)のキャッスル・ストリート(Castle St)とボウ・レーン(Bow Lane)の角で19世紀のブーツや陶磁器、ガラス、ブルーストーンを敷いた道路。[Otago Daily Times]
- アルメニア
- ルサケルト1号洞窟(Lusakert Cave 1)で、堆積層に含まれる多環芳香族炭化水素 (polycyclic aromatic hydrocarbons (PAH))を分析。有機物の燃焼により生ずる物質。軽いPAHは野火に由来し広く分散、重いPHAは狭く分散し、火元に近い。獣骨や道具づくりなど、ヒトの居住の証拠が増加すると、火の痕跡も増加し、重いPAHも増加する。不安定な気候だった可能性にも着目し、植物組織の水素と炭素の同位体比を分析。洞窟内で重いPAHが多い時期は、野火の起こりにくい気候ネアンデルタール人(Neanderthals)も点火の能力。従来はホモサピエンス(Homo sapiens)以降が点火できるとみられていた。
New Study on Early Human Fire Acquisition Squelches Debate[University of Connecticut]
論文 Alex Brittingham, Michael T. Hren, Gideon Hartman, Keith N. Wilkinson, Carolina Mallol, Boris Gasparyan & Daniel S. Adler "Geochemical Evidence for the Control of Fire by Middle Palaeolithic Hominins" Scientific Reports volume 9, Article number: 15368[Scientific Reports]
▼中期旧石器時代 - イタリア
- ローマ(Roma;Rome)のフォロ・ロマーノ(Foro Romano)のうち、巫女たちの家(Atrium Vestae;House of the Vestal Virgins)について、各段階で使用したレンガとモルタルを分析。建築技術の改善の過程を跡付け。イタリア学術会議(Consiglio Nazionale delle Ricerche (CNR);Italian National Research Council)の調査。
Science reveals improvements in Roman building techniques[Heritage Daily]
論文 Elisa Boccalon, Francesca Rosi, Manuela Vagnini,Aldo Romani "Multitechnique approach for unveiling the technological evolution in building materials during the Roman Imperial age: the Atrium Vestae in Rome", The European Physical Journal Plus 134:528 [SpringerLink] - UK(イングランド)
- ノースヨークシャー州(North Yorkshire)ノースアラートン(Northallerton)のキラービー採石場(Killerby quarry)で、中石器時代〜新石器時代・12000年前〜6000年前の住居跡。英国で、使用された材木が遺存した最古の例。木材の加工法などがわかる。Archaeological Research Servicesの調査。[The Yorkshire Post]
2019年10月25日(金)
- 千葉県
- 柏市・花戸原遺跡で、古墳時代から奈良・平安時代の集落跡。柏市教育委員会の調査。11/2現地説明会。[柏市]
- 岐阜県
- 大垣市・城ケ平城跡で土塁、堀、虎口などの遺構。[中日新聞]
- 島根県
- 松江市・神後田遺跡(じごでいせき)で弥生時代の環濠跡と竪穴建物跡。松江市埋蔵文化財調査室10/24発表。[毎日新聞]
- 中国
- 浙江省 寧波市 北侖区 小港街道 王家溪口村・平風嶺窯跡で、漢時代の竜窯。陶器と原始磁器、窯道具が出土。[中国社会科学院考古研究所]
- 中国
- 浙江省 紹興の宋六陵のうち2号陵園で大型の宮殿建築遺構。[中国社会科学院考古研究所]
- インド
- アーンドラ・プラデーシュ州(Andhra Pradesh) ゴッティプロル(Gottiprolu)で、紀元前2世紀〜前1世紀のレンガ積みの塀で囲まれた巨大集落。2000年前の繁栄した港。インド考古調査局(Archaeological Survey of India:ASI)の調査。[The Hindu]
- トルコ
- メルスィン県(Mersin il) ユムクテペ・ホユク遺跡(Yumuktepe Höyük)で、銅石器時代(Chalcolithic Age)・7000年前の城壁。サレント大学(Università del Salento;University of Lecce)の調査。[Daily Sabah]
- ギリシャ
- エラッソナ(Ελασσόνα;Elassona)のドリキ(Δολίχη;Dolichi)で頭部のない女性像。[Tornos News]
- ポーランド
- クラクフ郡(Powiat krakowski;Kraków County)クラクフ旧市街カジミェシュ(Kazimierz)のクラコフスカ通り(Ulica Krakowska;Krakowska Street)で、カジミェシュ大王(Kazimierz III Wielki;Kazimierz the Great)の治世・14世紀とみられる王家の門の壁。壁の幅2.5m。厳密な建造時期は不明だが、他の壁よりは新しい。16〜17世紀の陶磁器出土。ハプスブルク帝国治下の19世紀に破壊。[The First News]
- UK(イングランド)
- ノッティンガムシャー州(Nottinghamshire)ノッティンガム(Nottingham)で、中世・800年前の皮なめしの穴20か所や獣骨。[NottinghamshireLive]
- UK(イングランド)
- ダービーシャー州(the county of Derbyshire)アシュボーン(Ashbourne)のパーウィック(Parwich)で、ローマ時代・2〜4世紀の硬貨260枚の埋納を発見。最も古いものは皇帝セプティミウス・セウェルス(Lucius Septimius Severus;在位193〜211年)の治世・194年、大半の硬貨は330年〜340年の間。[DerbyshireLive]
- チリ
- イースター島(Rapa Nui;Isla de Pascua;Easter Island)で土壌分析。石像モアイ(Moai)製作のための採石により火山性堆積物の風化を促し、リン(phosphorus)などによって土壌が肥沃になった。半分埋まった2基のモアイは、掘りこまれた穴に砂利や岩で固定。背中に彫られた図像などから見て、モアイは農産物の成長を促す儀式で用いられた。半分埋まったモアイは移動前に放棄されたものではない。部分的に埋まったモアイ2体の堆積層について、焼けた木材や植物の放射性炭素年代を測定。ラパ・ヌイ島がヤシの林から農地に変わった過程や、その後の土地利用を示す。採石場で農耕を行った2時期を認識。最初の農耕は1495〜1585年に始まり、1675〜1710年に終了。ヨーロッパ人の到来は1722年。この期間にモアイ1体を樹立。2回目は1800年代から、1900年代の初めまで。
Quarrying stone for Easter Island statues made soil more fertile for farming[ScienceNews]
論文 Sarah C. Sherwood, Jo Anne Van Tilburg, Casey R. Barrier, Mark Horrocks, Richard K. Dunn, José Miguel Ramírez-Aliaga, "New excavations in Easter Island's statue quarry: Soil fertility, site formation and chronology" Journal of Archaeological Science. Volume 111, November 2019, 104994 [ScienceDirect]
▼ラノ・ララク採石場(Rano Raraku)
2019年10月24日(木)
- 新潟県
- 村上市・上野遺跡(かみのいせき)で、縄文時代後期前葉の集落跡。公益財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団の調査。11/2現地説明会。[公益財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団]
- 京都市
- 南区・西寺跡(さいじあと)で、平安時代前期の講堂の基壇。五重塔とみられる建物跡も。東寺と西寺の伽藍が左右対称に配置されていた可能性。京都市10/24発表。10/26現地説明会。[京都新聞]
▼西寺跡関連記事→2019年10月16日 - 京都府
- 城陽市・水主神社東遺跡(みぬしじんじゃひがしいせき)で、縄文時代晩期の水辺に設けられた木組み遺構や木道など。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター10/23発表。10/26現地説明会。[朝日新聞]
- 中国
- 北京市・東城区の天壇南門外で、明清時代の墳墓70基。[中工網]
- イスラエル
- アッコン(Acre)のテンプル騎士団(Knights Templar)の砦で、失われたトンネルを発見。[Express]
- クロアチア
- アドリア海沿岸のヴェレビト山脈(Velebit mountains)の丘の上で、イヌが嗅覚で鉄器時代・3000年前の墓を発見。[The Guardian]
論文 Vedrana Glavaš and Andrea Pintar "Human Remains Detection Dogs as a New Prospecting Method in Archaeology" Journal of Archaeological Method and Theory, Volume 26, Issue 3, pp 1106-1124 [SpringerLink] - イタリア
- ローマのゴヴェルノ・ヴェッキオ通り(Via del Governo Vecchio)で、中世の巡礼の墓2基。1基には男女を葬り、11〜12世紀の銅貨を副葬。[Wanted in Rome]
- ドイツ
- ホイネブルク(Heuneburg)の鉄器時代・紀元前7〜前5世紀のケルト集落で出土した、地元の土器126点と、輸入されたアッティカの土器7点に残る残留物をガスクロマトグラフィー(gas chromatography)と質量分析法(mass spectrometry)で分析。地中海産のワインが、従来の予想よりも早期に存在。アッティカ土器の輸入や集落の要塞化に先立ち、地元の土器でワインを飲んだ痕跡も。輸入ワインはエリートのものという仮定は成り立たず、初期ケルトは、社会的な階層にかからわず地中海産のワインを地元の土器で飲んだ。蜂蜜や植物が発行した時の副産物も、多くの土器で検出。アッティカの土器が輸入され、在地のろくろ成形土器も作られるようになると、輸入ワインはこれらの新たな土器でのみ飲まれるようになった。台地が城壁で囲まれるようになると、台地で発酵飲料の証拠がより多くなり、低地の土器には食物の証拠が多くなり、社会階層間で土器の使用法が異なるようになる。
Heuneburg early Celts across classes may have drunk Mediterranean wine in local ceramics[EurekAlert]
論文 Maxime Rageot, Angela Mötsch, Birgit Schorer, Andreas Gutekunst, Giulia Patrizi, Maximilian Zerrer, Sara Cafisso, Janine Fries-Knoblach, Leif Hansen, Roberto Tarpini, Dirk Krausse, Thomas Hoppe, Philipp W. Stockhammer, Cynthianne Spiteri "The dynamics of Early Celtic consumption practices: A case study of the pottery from the Heuneburg" PLOS One 14(10). Published: October 23, 2019 [PLOS One]
▼バーデン=ヴュルテンベルク州(Land Baden-Württemberg)ジグマリンゲン郡(Landkreis Sigmaringen)ヘルバーティンゲン(Herbertingen)
▽興味深い研究ですが、アッティカ土器輸入以前に在地土器で飲んだ地中海産ワイン は、どんな容器で運んだのでしょう?地中海地域にホイネブルクの土器片が出ているなら、地元から持ち込んだ土器でワインを持ち帰ったことにはなりますが。むしろ、「地中海産のワイン」という分析が正しいのかどうか、ついつい疑ってしまいますね。 - ドイツ
- バーデン=ヴュルテンベルク州(Land Baden-Württemberg)オストアルプ郡(Ostalbkreis) ヴァルトシュテッテン(Waldstetten)で、後期旧石器時代・マドレーヌ文化(Magdalenien;Magdalenian)・15000年前の女性像。ゲンネルスドルフ型(Typ Gönnersdorf)。
Neue Kunst aus der Eiszeit[Eberhard Karls Universität Tübingen] - フランス
- ブルターニュ地域圏(Région Bretagne)コート=ダルモール県(Côtes-d’Armor)トレミュゾン(Trémuson)で、鉄器時代・紀元前1世紀半ばのガリア人の胸像4個。髭を生やし、頸にトルクをつけた男性像1体。ほか3体は同じ井戸から出土。青銅のタガを持つ木製容器も出土。オシスミ族(Osismii;Osismes)の都市として紀元前4世紀に築かれ紀元前2世紀に最盛期を迎える。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Rare découverte d’un ensemble de quatre sculptures gauloises à Trémuson[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2019年10月23日(水)
- 石川県
- 野々市市・末松廃寺で、絵のような線が刻まれた丸瓦の破片。野々市市教育委員会の調査。10/22現地説明会。[中日新聞]
- 鹿児島県
- 鹿屋市・久保田牧遺跡で、古墳時代の大型竪穴住居跡や、中世の掘立柱建物跡など。鹿児島県立埋蔵文化財センターの調査。11/9現地説明会。[上野原縄文の森]
- 韓国
- ソウル市 松坡区・石村洞古墳群で火葬人骨出土。16基の積石塚が連なる連接式積石塚も発見。金製耳飾や中国の青磁、土器、瓦なども出土。漢城百済の支配層の墓域。百済古墳で火葬人骨が大量に発見されるのは初。漢城百済博物館の調査。[聯合ニュース]
▼石村洞古墳群関連記事→2016年11月29日 - 韓国
- 江華島にある高麗の江華中城で城壁と登城施設。国立江華文化財研究所の調査。『高麗史』によると、高麗はモンゴルの侵入に備えて1232年に開京から江華に遷都し、1250年に中城を築造。[聯合ニュース]
▼江華中城関連記事→2018年12月6日 - インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu) キーラディー(Keeladi;Keezhadi)で、連結式の土管と、これにつながる、濾過機能のある樽状の構造物。水道を管理するインフラ整備など、進んだ都市計画の存在を示す。[The News Minute]
▼タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu) シヴァガンガイ県(Sivaganga district)
▽記事中に年代の表記はないものの、同遺跡に関する過去の報道からみて、紀元前500年かそれ以降くらいか? - オマーン
- オマーン産造礁性サンゴの化石の酸素安定同位体比やSr/Ca比(ストロンチウム/カルシウム比)を分析し,4,500〜2,900年前の海水温・塩分変動を復元。約4100年前の冬は極めて乾燥・寒冷。アッカド帝国の滅亡原因となった可能性。
アッカド帝国崩壊の原因をサンゴの化石から解明・サンゴの化石から復元した月単位の古気候記録の証拠・[北海道大学]
論文 Takaaki K. Watanabe, Tsuyoshi Watanabe, Atsuko Yamazaki, Miriam Pfeiffer, "Oman corals suggest that a stronger winter shamal season caused the Akkadian Empire (Mesopotamia) collapse." Geology. October 2, 2019. [GeoScienceWorld] - イスラエル
- エルサレム近くのベト・シェメシュ遺跡(Tell Beit Shemesh;Bet Schemesch)で、ビザンティン帝国・542年に建てられたバシリカ。欠名の「ένδοξο μάρτυς(光栄ある殉教者)」に捧げる旨の銘文。主たる後援者で修道院長のマルコス(Μάλχος;Malchos)に言及。モザイク床とガラス窓。ユスティニアヌス1世(Justinianus I;Justinian I;在位527〜565年)の治世。7世紀前半にイスラム勢力に征服されても教会は存続したが、巡礼の減少により9世紀に無傷のまま廃絶。イスラエル古代遺跡管理局(Israel Antiquities Authority)の調査。[Haaretz]
- トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır) ゼルゼヴァン城(Zerzevan Kalesi;Zerzevan Castle)の調査中、アッシリア(Assyria)・3000年前の石製印章と青銅遺物を発見。印章には神らしき図像と、生命の木、鳥、聖水を表す。ゼルゼヴァン城はビザンティン時代・800年前の重要な軍事拠点。印章の発見は、より古い時代からこの地が利用されていたことを示す。[Anadolu Ajansı]
- ギリシャ
- ペロポネソス半島(Πελοπόννησος;Peloponnesos)の古代都市テネア(Τενέα;Tenea)で、ローマ時代・紀元前3世紀末〜前1世紀半ばの浴場跡を発見。ギリシャ文化スポーツ省(Υπουργείο Πολιτισμού και Αθλητισμού)発表。[Tornos News]
▼テネア関連記事→2018年11月14日 - オーストリア
- ニーダーエスターライヒ州(Niederösterreich)クレムス=ラント郡(Krems-Land District)カンマーン(Kammern)で、後期旧石器時代・23000年前の永久凍土の上に石積み。冷蔵庫のように、凍結乾燥したトナカイの肉を保存できる。オーストリア科学アカデミー(Österreichische Akademie der Wissenschaften (ÖAW))の調査。[Österreichische Akademie der Wissenschaften (ÖAW)]
- USA
- ノースカロライナ州(State of North Carolina)ジョアラ(Joara)のサン・フアン砦(Fort San Juan)で、スペイン軍兵士の家の柱の近くから、鎧の小札1枚。黒魔術に対するお守りか。ワレン・ウィルソン大学(Warren Wilson College)の調査。[Blue Ridge Public Radio]
- USA
- ヴァージニア州(Commonwealth of Virginia) ジェームズタウン(Jamestown)で、1639年創立の教会を調査中、教会墓地を発見。高い地位を表す六角形の棺に遺体を納め、頭は東側。1608年設立や1617年設立の教会でも、頭を東に置く例あり、いずれも植民地の指導的な立場の人物。[Daily Press]
- メキシコ
- メヒコ州(Estado de México)エカテペック(Ecatepec)にある17世紀の堤防「エカテペックの石堤(Albarradón de Ecatepec)」にあるトンネルで、スペイン人到来以前の岩絵11か所を発見。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[Mexico News Daily]
- メキシコ
- テナム・プエンテ(Tenam Puente)の市場跡で、後期古典期・800〜900年のマヤ社会における政府による監視と経済管理を明らかに。カルガリー大学(University of Calgary)の研究。
UCalgary archaeologist uncovers secrets of Tenam Puente marketplace[University of Calgary]
2019年10月22日(火)
- 北海道
- 猿払村で10月から旧浜猿払小学校の校舎で郷土資料館が復活。[北海道新聞]
- 韓国
- 大邱市西区・達城古墳群のうち、飛山洞で三国時代・5世紀中ごろ〜6世紀前半の石槨墓2基、溝状遺構1基、竪穴遺構1基、柱穴1基。土器14点、鉄器4点。溝状遺構は石槨墓1号の周溝とみられる。竪穴遺構では土器が破砕された状態で出土。韓国文化財団の調査。[大邱新聞]
- 北朝鮮
- 開城市で高麗第2代の王・恵宗(在位943〜945年)の王陵を発掘。3段構成で上段は円形墳丘、中段は左右に文官像、下段に祭壇を確認。墓室の規模4×3.4mで、これまで知られた高麗王陵で最大。[聯合ニュース]
- インド
- ケーララ州(Kerala)ワイナード県(Wayanad)のエダカル洞窟(Edakkal caves)に保全の必要。違法な建築や採掘、都市化により危機に。新石器時代の岩絵(petroglyph)が描かれた洞窟。[The Hindu]
- イラン
- 北ホラーサーン州(Ostān-e Khorāsān-e Shomālī;North Khorasan province)のテペ・リヴィ(Tappeh Rivi)で、ハカーマニシュ朝(アケメネス朝;Achaemenid)とパルティア(Parthia)の土製印章出土。[Iran Front Page]
- オーストリア
- チロル州(Tirol)インスブルック=ラント郡(Bezirk Innsbruck Land)テルフス(Telfs)のクファラー・グリッチュ通り(Pfarrer-Gritsch-Straße)で後期青銅器時代・3000年前の集落。石で積んだ壁を持つ住居跡50か所。土器、獣骨、青銅製留針が出土。近隣の後期青銅器時代・骨壺墓地文化(Urnenfelderzeit)の墓地に関連した集落と推定。[Tiroler Tageszeitung]
- オランダ
- ザンドモルタル人工海岸(Zandmotor)で2016年に出土した、厚いタールの付着したフリント製石器を分析。放射性炭素年代で5万年前。ネアンデルタール人(Neanderthals)の時代に当たる。樹皮から作ったタールで石器を柄に取り付けた方法を再現し、ネアンデルタール人が数日かかる複雑なタスクを処理できたことを示す。ザンドモルタル人工海岸は北海(North Sea)の海底の砂で作られた海岸で、最終氷期の遺物を含む。
50,000-year-old, tar-smeared tool shows Neanderthal smarts[Science]
論文 Marcel J. L. Th. Niekus, Paul R. B. Kozowyk, Geeske H. J. Langejans, Dominique Ngan-Tillard, Henk van Keulen, Johannes van der Plicht, Kim M. Cohen, Willy van Wingerden, Bertil van Os, Bjørn I. Smit, Luc W. S. W. Amkreutz, Lykke Johansen, Annemieke Verbaas, and Gerrit L. Dusseldorp "Middle Paleolithic complex technology and a Neandertal tar-backed tool from the Dutch North Sea" Proceedings of the National Academy of Sciences [PNAS] - ノルウェー
- オスロ、ビョルヴィカ(Bjørvika;Bispevika)で、大火以前のオスロの港の地域を調査。後期中世の埠頭の基礎の一部とみられる、保存状態のよい木材を発見。ノルウェー文化遺産研究所(Norsk institutt for kulturminneforskning;Norwegian Institute for Cultural Heritage Research) (NIKU)が年代測定。1420年の夏に設置された可能性が高い。北100mで同様の遺構の発見例あり。中世後期・15世紀のオスロは、従来の想定以上に活動的な貿易都市で、ベルゲン(Bergen)の ブリッゲン(Bryggen)に似ていた。[Life in Norway]
- UK(イングランド)
- ロンドン(London)のヘイヴァリング(Havering)で出土した青銅器時代 ・紀元前900年〜前800年の青銅製武器(斧、矛、剣、短剣、刀子)453点の埋納「ヘイヴァリングの埋納」(Havering Hoard)では、ほぼすべてが壊されている。大規模な環濠の内側の4か所に丁寧に納める。再利用か交易のために貯蔵していたか?あるいは信仰に基づく埋納行為か。ロンドンで最大、英国で3番目に大規模。通常は1か所だけ単独で存在。来年4年にドックランズ博物館(Museum of London Docklands)で公開。
Havering Hoard[Havering Museum]
昨年9月に発見[The Independent] - USA
- イリノイ州(State of Illinois)エイヴリー湖(Avery Lake)の堆積を分析。コロンブス以前に高レベルの鉛量を示す。鉛の集中度のピークは、近隣のキンケイド・マウンズ(Kincaid Mounds)で、居住が顕著だった3回、バウマー文化(Baumer culture)・紀元前300年〜後300年、ミシシッピ文化(Mississippian culture)・1150〜1450年、近代・1800年以降に対応。特に、ミシシッピ文化でネイティヴアメリカンが方鉛鉱(galena)を利用したことにより、1.5トンにおよぶ鉛汚染。鉛同位体分析によると、方鉛鉱の産地は南東部・中部ミズーリとミシシッピ川上流域。IUPUIの研究。
Lead pollution from Native Americans attributed to crushing galena for glitter paint, adornments[Purdue School of Science]
論文 Broxton W. Bird, Jeremy J. Wilson, Jaime Escobar, George D. Kamenov, Harvie J. Pollard, G. William Monaghn "Pre-Columbian lead pollution from Native American galena processing and land use in the midcontinental United States" Geology [GeoScienceWorld] - USA
- サウスカロライナ州(State of South Carolina) カーショー郡(Kershaw County)の湖ホワイト・ポンド(White Pond)の20000年間の堆積物を調査。放射性炭素年代測定によって亜氷期ヤンガードリアス(Younger Dryas)の境界に当たる12835年前〜12735年前の層を特定。大量のプラチナ(platinum)を検出。パラジウム(palladium)に対する比率も高く、地球外から来たことを示す。同時期に、野火を示す大量の煤。一方で草食動物の糞に由来する真菌胞子は減少。彗星や小惑星の衝突が大火災と寒冷化を招き大型動物や、クローヴィス文化(Clovis Culture)の人口も減少したとの仮説。
New evidence that an extraterrestrial collision 12,800 years ago triggered an abrupt climate change for Earth[The Conversation]
論文 Christopher R. Moore, Mark J. Brooks, Albert C. Goodyear, Terry A. Ferguson, Angelina G. Perrotti, Siddhartha Mitra, Ashlyn M. Listecki, Bailey C. King, David J. Mallinson, Chad S. Lane, Joshua D. Kapp, Allen West, David L. Carlson, Wendy S. Wolbach, Theodore R. Them II, M. Scott Harris & Sean Pyne-O’Donnell "Sediment Cores from White Pond, South Carolina, contain a Platinum Anomaly, Pyrogenic Carbon Peak, and Coprophilous Spore Decline at 12.8 ka" Scientific Reports. volume 9, Article number: 15121 (2019) [Scientific Reports]
2019年10月21日(月)
- 岩手県
- 花巻市・花巻城本丸跡で、本丸御殿の土台跡や、陶磁器、瓦など。花巻市教育委員会の調査。10/27現地説明会。[花巻市]
▼花巻城本丸跡関連記事→2018年10月9日 - イスラエル
- カルメル山(Karmel-Gebirge;Mount Carmel)のラケフェット洞窟(Rakefet-Höhle;Raqefet Cave)で,ナトゥーフ文化(Natufien-Kultur;Natufian culture)・13000年前の墳墓30基と獣骨、フリント製石器など。また石臼や皿100個。石臼にビール醸造の残留物。人類によるアルコール醸造の最古の証拠。ビール醸造が農業の副産物ではなく、農業に先立って行われた可能性。スタンフォード大学(Stanford University)の調査。
Rakefet-Höhle: 13.000 Jahre alte Spuren des Bierbrauens in Israel gefunden[Forschung und Wissen]
論文 Li Liu, Jiajing Wang, Danny Rosenberg, Hao Zhao, György Lengyel, Dani Nadel "Fermented beverage and food storage in 13,000 y-old stone mortars at Raqefet Cave, Israel: Investigating Natufian ritual feasting" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 21, Page: 783-793 [ScienceDirect] - イスラエル
- エルサレム(Jerusalem)のダビデの町(City of David)で、神殿の丘(Temple Mount)に通ずる2000年前の道路、220m分を発見。シロアムの池(Pool of Siloam)から神殿の丘まで通じる。敷石の下から硬貨100枚以上出土。硬貨からみて西暦31年ごろに造成。当時ユダヤ属州(Judea)を統治したポンテオ・ピラト(Pontius Pilate;Pontius Pilatus)によって作られた可能性。敷石を覆う瓦礫の層は、ローマによってエルサレムが制圧・破壊された西暦70年と推定され、鏃や投石、焼けた木や建物の石材を含む。イスラエル古代遺跡管理局(Israel Antiquities Authority)とテルアビブ大学(Tel Aviv University)の調査。
Archaeologists uncover 2,000-year-old street in Jerusalem built by Pontius Pilate[archaeology & arts]
論文 Nahshon Szanton, Moran Hagbi, Joe Uziel & Donald T. Ariel "Pontius Pilate in Jerusalem: The Monumental Street from the Siloam Pool to the Temple Mount" Tel Aviv: Journal of the Institute of Archaeology Volume 46, 2019 - Issue 2 [Taylor & Francis Online] - ドイツ
- ザクセン州(Freistaat Sachsen)ピルナ自治体(Pirna)のプラッツシュヴィッツ(Pratzschwitz)のエルベ川のほとりで、ラ・テーヌ文化(La Tène)の早期・紀元前450年ごろのケルトの留針や頸飾などの装身具。Landesamt für Archäologie Sachsenの調査。[RTL]
▼ザクセン州(Freistaat Sachsen)ゼクシッシェ・シュヴァイツ=オストエールツビルゲ郡(Landkreis Sächsische Schweiz-Osterzgebirge) - ドイツ
- ニーダーザクセン州(Land Niedersachsen)ディープホルツ郡(Landkreis Diepholz)の湿地で2000年前の木道。[Süddeutsche Zeitung]
- UK(スコットランド)
- アバディーン(Aberdeen)旧市街のカナス・ストリート(Canal Street)で昨年11月出土した人骨115片は5〜7人分で、うち2人は2〜7歳。年代測定で1650〜1750年。成人の頭蓋骨1個と子供の頭蓋骨1個には、死亡後に処置された痕跡。1832年ごろに同地には医学生アレクサンダー・クレイク(Alexander Creyk)が居住。1932年に英国では解剖法(Anatomy Act)が施行され、献体された遺体の研究を規制し、遺体の違法取引や墓暴きを禁止した。摘発を恐れたい学生が敷地内に遺体を処分したか。[Evening Express]
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