考古学のおやつ/NEWSLINK

2019年3月10日（日）

秋田県: 秋田市・旧久保田城内の渋江屋敷跡で、土塁の造成法や地下水を排水する仕組みが判明。秋田県埋蔵文化財センターの調査。[秋田魁新報]
神奈川県: 横須賀市・猿島砲台跡で、弾薬庫などの構造物に使われている明治期のレンガが劣化し、表面が剥がれ落ちる現象が頻発。[読売新聞]
神奈川県: 三浦市・白石洞穴遺跡で、室町時代・15世紀後半～16世紀の相模トラフの巨大地震によるとみられる津波堆積物。明応の地震（1945年）に対応か。[神奈川新聞]
韓国: 慶尚北道亀尾市海平面金山里の安東高氏墓で、木槨内に納めた木棺から、朝鮮時代中期・400年前の学者・高応陟のミイラ。[聯合ニュース]
イラン: ハマダーン（Hamedan）で先史時代の土器棺墓や土坑墓。人骨や土器など出土。1基を除き、アケメネス朝からパルティア初期。[Tehran Times]
アルジェリア: アルジェにある国立考古学博物館・イスラム芸術館（National Museum of Antiquities and Islamic Arts）が、大統領への抗議デモのさなかに略奪と破壊行為の被害。1897年に開設されたアルジェリア最古の博物館。[Agence France-Presse]
人口推計: 後期旧石器時代初め・オーリニャック文化（die Kultur des Aurignacien；culture aurignacienne；Aurignacian culture）・42000年前～33000年前のヨーロッパには狩猟採集民1500人程度（800～3300人）が住んでいた。遺跡の分布と石材流通から、人口が集中する核地域とその活動範囲を復元し、人口を集計。ケルン大学（Universität zu Köln）の研究。[Archaeologie Online]
授賞: 第44回藤森栄一賞に池谷初恵氏。中世（鎌倉、室町時代）の伊豆地域の研究に尽力。長野県考古学会3/9発表。[長野日報]

2019年3月9日（土）

愛媛県: 鬼北町・興野々寺山遺跡で、弥生時代の復元住居などの復元作業に地元住民らが参加。県内最大級の弥生集落跡であるが、西日本豪雨で被災。[愛媛新聞]
長崎県: 南島原市・原城跡（はらじょうあと）の二ノ丸跡から、島原・天草一揆当時のものとみられる鉄製の砲弾や鉛製の銃弾。南島原市3/8発表。3/16現地説明会。[長崎新聞]
トルコ: ヤッスホユック遺跡（Yassıhöyük）で、4千年前の儀礼用とみられる土器。中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所の調査。[共同通信]
▼ヤッスホユック遺跡関連記事→2013年12月15日
ドイツ: ヘッセン州（Land Hessen）ギーセン郡（Gießen）インハイデン（Inheiden）で、ローマ時代の砦。ユストゥス・リービッヒ大学ギーセン（Justus-Liebig-Universität Gießen）の調査。[Gießener Anzeiger]
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）ゾースト郡（Kreis Soest）エンゼ（Ense）で早期新石器時代・7000年前の集落跡。[Archaeologie Online]
UK（イングランド）: エセックス州（the county of Essex）コルチェスター（Colchester）で中期青銅器時代（Middle Bronze Age）の墓地。少なくとも3基以上の火葬墓。火葬骨を納める壺や人骨出土。土器は指先や爪の圧痕で装飾。人骨の放射性炭素年代は紀元前1274年～前1125年。Colchester Archaeological Trustの調査。[Halstead Gazette]
UK（ウェールズ）: ヴェール・オブ・グラモーガン（Vale of Glamorgan County Borough）ランビット・メジャー（Llantwit Major）でヴィクトリア朝のプール。[BBC]
カナダ: スカチュワン州（Saskatchewan）で、寄宿学校ムスコウェクワン・レジデンシャルスクール（Muskowekwan Residential School）の学生の墓地が地中レーダー探査によって見つかる。10～15の埋葬の可能性のある遺構を確認。攪乱され、地表には目印がなかった。カトリック教会が運営し、1969年に連邦政府に移管し、1997年に閉鎖された先住民寄宿学校。[CBC]
気候変動: 貝殻により先史時代の気候変動データを得る技術を開発。レーザーイメージング技術を用い、貝が生息していた当時の気候を知る。[Archaeologie Online]

2019年3月8日（金）

北九州市: 小倉南区・城野遺跡（じょうのいせき）の方形周溝墓のうち少なくとも2か所が、隣接地の造成工事に伴い破壊。北九州市3/7発表。[毎日新聞]
▼城野遺跡関連記事→2019年3月7日
中国: 内蒙古自治区通遼市ホルチン区莫力廟・福巨遺跡が遼時代の龍化州と認定。[中国新聞網]
中国: 河南省殷墟大司空東地で商（殷）時代晩期の文字のない甲骨を納めた土坑といくつかの道路、墓道のある大型墓、車馬坑3か所。[新華社]
中国: 四川省達州市渠県土渓鎮・城壩村・城壩遺跡で漢時代の竹や木でできた簡牘15枚。年代もはっきり記載。[新華社]
インドネシア: 東ジャワ州（Jawa Timur；East Java）マラン県（Malang）でマジャパヒト王国（Majapahit Empire）・16世紀のレンガ。[TEMPO.CO]
ヨルダン: Qantara-Hremeyyeh遺跡で、古代ナバテア人（Nabataeans）はダムやテラスを築いてペトラ（Petra）の洪水被害を防いでいた。[The Jordan Times]
キプロス: パフォスのアゴラは従来の想定よりはるかに大規模と判明。[Tornos News]
英王室属領ガーンジー: コーネット城（Castle Cornet）で櫓（Gunner's Tower）近くの城壁からイングランド内戦（1642～1651）当時の砲弾。チャールズ1世の側の拠点だった。[BBC]
UK（イングランド）: リンカーンシャー州（Lincolnshire）リンカーン（Lincoln）のリンカン大聖堂（Lincoln Cathedral）の地下で、第二次世界大戦当時の貯水タンク。20m×10mで深さ3m。ドイツ軍の焼夷弾による火災に備えたもの。水は1km以上離れた湖ブレイフォード・プール（Brayford Pool）からポンプで運ぶ。[BBC]
UK（スコットランド）: スコティッシュ・ボーダーズ（The Scottish Borders）コールディンガム（Coldingham）で7世紀のÆbbe王女の家。9世紀にヴァイキングによって破壊され、その後、建物跡を探す試みもうまくいかなかった。[BBC]
アイルランド: ダブリン（Dublin）のスミスフィールド（Smithfield）にある聖ミッチャン教会（St Michan's Church）の地下室から盗まれた800年前の「十字軍兵士」とされる遺体の頭部が回収される。アイルランド警察（Gardaí）が20代の男を盗難容疑逮捕。[The Irish Times]
▼聖ミッチャン教会での文化財毀損関連記事→2019年2月27日

2019年3月7日（木）

北九州市: 小倉南区・城野遺跡（じょうのいせき）で、隣接地の造成工事に伴い、九州最大級の弥生時代の方形周溝墓があるエリアの一部が掘削される。[毎日新聞]
▼城野遺跡関連記事→2016年1月14日
中国: 湖南省永州市零陵区大慶坪郷夫江仔村で明時代・400年前の石造りのアーチ橋（石拱橋）や、古い官道、さらに道路や橋を修築した功徳碑3基。[中国新聞網]
中国: 貴州省遵義市桐梓県で先史時代の洞窟遺跡1か所。漢時代の崖墓15基、南宋から元・明の石室墓37か所・南宋の山城1か所など。[華夏収蔵網]
ルーマニア: バナト地域（Banat）のマシュロク（Mașloc）にある中世の要塞「Șanțul Turcilor」について、地球物理学的調査。城壁や堀の位置、城の内部構造を確認。砦の周辺に第2の堀。建物は通りに沿って配置され、ティミショアラ（Timișoara）とリポヴァ（Lipova）の間の重要都市であることに関連。中世の文献に登場する失われた集落Machalakaか。
文献 Alexandru Hegyi, Petru Urdea, Cristian Floca, Adrian Ardelean, Alexandru Onaca "Mapping the subsurface structures of a lost medieval village in South‐Western Romania by combining conventional geophysical methods" Archaeological Prospection. Volume26, Issue1, Pages 21-32 [Wiley Online Library]
ドイツ: バイエルン州（Freistaat Bayern）キッツィンゲン郡（Landkreis Kitzingen）で中期新石器時代・6500年前の20歳～30歳の男性人骨。土中のカルシウムのため保存状態良好。使いべりした石斧や穀物の種子を副葬。4500年前の12歳程度の少年の骨も。[Die Welt]
フランス・スペイン: 地中海北西部の前期・中期旧石器時代のネアンデルタール人は、ウサギ科などの動きの速い小動物の主領に多くを依存しており、隣接する地域とは異なる特徴を示す。
New evidence of broader diets for archaic Homo populations in the northwestern Mediterranean[ScienceAdvance]
ノルウェー: オップラン県（Oppland）で、2006年夏以降の猛暑で氷河が融け、鉄器時代のチュニック、1500年前の閂、3400年前の靴などが見つかり、保存が課題に。[ALLDESIGNIDEAS]
サハラ以南のアフリカ: 遺跡の廃絶などの考古学的証拠、文献の記述、遺伝子などの証拠から、14世紀ヨーロッパで猛威を振るったペストがサハラ以南にまで流行してアフリカ社会に変貌をもたらした可能性。これまで、文献の記述や大型の集団墓地などがないため、サハラ以南にはペストは及んでいないとみられていた。
ガーナのアクロクロワ遺跡（Akrokrowa）や、それ以外の防御性集落が14世紀以降にすべて廃絶。ヨルバ人（Yoruba）の本拠地であるナイジェリアでも同様の現象。
ブルキナファソのキリコンゴ遺跡（Kirikongo）では、100年ごろから農耕・牧畜・鍛冶が行われ、1000年以上も発達していたが、14世紀後半に、食糧問題や紛争や遺民の兆候もないままいきなり半分の規模に。
エチオピアの13～15世紀の文献に、大量の人が死に、死者を埋葬すべき人もいないほどだったとする記述が発見される。
さらに遺伝子学的な証拠も。現在の東アフリカや中央アフリカのペストの遺伝子は14世紀のペストの遺伝子の一つに近縁。
The Black Death may have transformed medieval societies in sub-Saharan Africa[Science]
ベリーズ: シュナントゥニッチ遺跡（Xunantunich）で、マヤ文明の新たな象形文字パネルや王墓。[The Foothills Forum]
ペルー: Huanchaquito-Las Llamasでチムー文化（Chimú culture）・1450年の子供140体とリャマ200体から心臓が除去されていた。[LiveScience]
アルゼンチン: カンポ・ラボルデ（Campo Laborde）遺跡で、12600年前にオオナマケモノ（Megatherium americanum）を殺し、解体した遺構を確認。従来オオナマケモノは完新世まで生き延びたと考えられてきたが、人類によって更新世のうちに絶滅した可能性。
Campo Laborde: A Late Pleistocene giant ground sloth kill and butchering site in the Pampas[Science Advances]

2019年3月6日（水）

青森県: 三内丸山遺跡で、盛土の範囲は遺跡北側斜面まで。一部に人為的に削られた溝などの痕。[日本テレビ]
三重県: 明和町・斎宮跡（さいくうあと）で、飛鳥時代の初期斎宮の中心施設を囲む堀跡など。斎宮歴史博物館3/6発表。[朝日新聞]
▼斎宮跡関連記事→2019年1月5日
鳥取県: 米子市・妻木晩田遺跡の松尾頭地区で、新たに弥生時代終末期前半・2世紀末～3世紀初めの方形周溝墓2基（松尾頭4号墓、松尾頭5号墓）。[日本海新聞]
ラオス: クメール朝・12世紀に建設されたヒンドゥー教寺院ホンナンシダ寺院（Hongnangsida）の復元事業で主神殿を解体作業中、金銅製のヨニ（Yoni；女性を象徴する祭壇）を始めて発掘。韓国の調査。韓国の文化財庁・韓国文化財財団の調査。[聯合ニュース]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
カタール: ヨグビ（Yoghbi）で、サーサーン朝後期・538～670年にさかのぼる、初期イスラーム遺跡。ウマイヤ朝・661～750年の建物も。7～8世紀の土器やガラス片、金属、石製容器、漁撈用具も出土。カタール博物館（Qatar Museum）とユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン・カタール（UCL Qatar）の調査。[Gulf Times]
ウクライナ: クリミアのウスト・アルミンスキ遺跡（Ust-Alminsky）で1世紀のスキタイ人女性の墓。金製品を多く含む。[Mirror]
ポーランド: シロンスク県（Województwo śląskie）ピエトラシン村（Pietraszyn）で、60000年前のネアンデルタール人の工房と、フリント遺物17000点。[The First News]
▼シロンスク県（Województwo śląskie）ラチブシュ郡（powiat raciborski；Racibórz County）
UK（イングランド）: コーンウォール州（the county of Cornwall）ランズ・エンド岬（Land's End）の沖で碇を引き揚げ。17世紀の英国船マーチャント・ロイヤル（Merchant Royal）のものと推定。1641年に金銀を積んだまま沈没。[FOX News]
エジプト: 古代エジプトのツタンカーメン王（Tutankhamun）に副葬された船の模型の部品の一部が、ハワード・カーター（Howard Carter）が梱包した箱ごと、ルクソール博物館（Luxor Museum）の収蔵庫で再発見される。[LiveScience]
コートジボワール: タイ国立公園（Taï National Park）でチンパンジーの糞を調べたところ、歯の損耗や、咀嚼の効率はほこりの存在により影響することが判明。古代人の研究にも有効。[EurekAlert]

2019年3月5日（火）

宮城県: 加美町・宗左近記念縄文芸術館が5月末で閉館へ。故・宗左近氏から寄贈された縄文時代の鉢や土偶約200点を展示していたが、施設の老朽化のため。収蔵品の一部を中新田図書館に移して展示する計画。[河北新報]
中国: 河南省鄭州市・官庄遺跡で西周末・東周初め～春秋時代早期・中期時代・紀元前770年～前650年の銅の鋳造工房。[中国新聞網]
▼官庄遺跡関連記事→2013年1月31日
ベトナム: タインホア省（Thanh Hoa）ビンロック県（Vinh Loc）ノスアンダイ山で、10世紀の石造りの仏塔基礎を発見。[Viet Nam News]
トンガ王国: トンガタプ島（Tongatapu）で1963年に見つかった入れ墨道具セットを分析した結果、世界最古・2700年前にさかのぼる。同一工人に属したと思われる一連の道具には、本来、墨壺も含まれていたが、2003年のキャンベラ（Canberra）森林火災で焼失。オーストラリア国立大学（the Australian National University）の調査。[The Sydney Morning Herald]
Ancient Tattooing in Polynesia[The Journal of Island and Coastal Archaeology]
オーストラリア: ヴィクトリア州（The Crown State of Victoria）モイジル遺跡（Moyjil）の貝塚は、発掘の結果、最終間氷期、12万5000年前以降。炭化物や焼けた石など、火の使用の証拠や、炉のような遺構。しかし、ヒトが作った遺構か、鳥によるものか、決め手を欠く。
The Moyjil site, south-west Victoria, Australia: prologue - of people, birds, shell and fire[CSIRO Publishing]
インド: タミル・ナードゥ州（Tamil Nadu）シュリーランガム島（Srirangam Island）で、14世紀のムスリムの将軍ウルグ・カーン（Ulugh Khan）によって破壊された神殿や、神殿を再建した宗教指導者スリ・マナヴァラ・マムニガル（Sri Manavala Mamunigal）の墓。マムニガルの墓は宗教上の理由で発掘せず。[Archaeology Magazine]
ロシア: デニソワ人の頭蓋骨を初めて確認。デニソワ人としては5体目の発見例。[ScienceAlert]
メキシコ: チチェン・イッツァ遺跡（Chichén Itzá）のバラムク洞窟（Balamkú）でマヤ文明の祭祀跡。1000年以上にわたって手付かずだった祭祀遺物150点出土。メキシコ国立人類学歴史学研究所（Instituto Nacional de Antropología e Historia）の調査。[The National Geographic Society]
▼チチェン・イッツァ遺跡関連記事→2017年11月7日
松方コレクション: 実業家の松方幸次郎が収集した「松方コレクション」の美術品348点を撮影したガラス乾板がフランス国内に保管されていた。[読売新聞]

2019年3月4日（月）

韓国: 慶州市月城の森を、日本の鳥取県の青谷上寺地遺跡や妻木晩田遺跡を参考に復元へ。国立文化財研究所と鳥取県埋蔵文化財センターが業務協約。[聯合ニュース]
カンボジア: プノンペン（Phnom Penh）のワット・プノン（Wat Phnom）付近で仏像やタイルなど。出土位置から見て13～14世紀のものか。[The Phnom Penh Post]
▼プノンペン（Phnom Penh）ドンペン区（Daun Penh）
インド: マハーラーシュトラ州（Maharashtra）ソーラープル（Solapur）モホル（Mohol）ナークヘッド村（Narkhed）で、サータヴァーハナ朝（Sātavāhanas；アーンドラ朝）のものとみられる人骨。[Daily News & Analysis]
トルコ: マルディン県（Mardin il）アルトゥクル郡（Artuklu）で、豪雨のために壊れた城壁の中からオスマン朝・17～18世紀のムハンマド・エル・ガジ・モスク（Muhammed El Gazi Mosque）とみられる建物を発見。ガジ・ムハンマド（Ghazi Muhammad）はイスラーム学者でダゲスタンのコーカサス・イマーム国の初代イマーム。ロシア帝国と戦った。[Daily Sabah]
エジプト: アレクサンドリア（Alexandria）コムエルシュカファ（Kom al-Shoqafa）の1～4世紀のカタコンベを海面上昇から保護する工事が完了。[Agence France-Presse]
チュニジア: ベンナラス（Ben Arous）のウドナ遺跡（Oudna）でローマ時代の神殿、貯水池遺跡、家屋、墓地、道路。チュニジア国立文化遺産機構（Institut national du patrimoine）の調査。[Kapitalis]

2019年3月3日（日）

鳥取県: 鳥取市・青谷上寺地遺跡で出土した弥生時代後期後半の人骨について、府警の遺伝情報を調べた結果、縄文系が多いという分析結果。遺跡はさまざまな人が常に行き交う交流拠点だったことが遺伝的に裏付けられる。[日本海新聞]
中国: 吉林省通化市の山岳地帯でトンネル状の遺構。旧満州国と旧日本軍が敗戦直前にひそかに進めていた「光建設」計画の一部か。[朝日新聞]
USA: オハイオ州（State of Ohio）コショクトン郡（Coshocton County）オールドストーン砦（Old Stone Fort）は、オハイオの入植者を守るため、1806年に最初の入植者の一人アイザック・エヴァンズ（Isaac Evans）の指導によって作られた可能性。従来、フランス人探検家ピエール・ル・モワン・ディベルヴィル（Pierre LeMoyne d’Iberville）によって1679～1689年の間に築造された、オハイオ最古の建築物と考えられてきた。しかし、ディベルヴィルがオハイオやその付近にいた証拠はなく。1800年以前の記録に砦への言及はない。1918年に近隣で見つかった青銅製コンパスはフランス製とみられていたが、フランス製ではない。郷土史家スコット・バトラー（Scott Butler）の研究。[The Columbus Dispatch]

2019年3月2日（土）

中国: 福建省福州市閩侯県荊渓鎮港頭村・白頭山遺跡で、曇石山文化・5000年前の層から炭化した栽培種のイネ、アワ、キビなど。アワについては閩江流域での最古の乾地農業の証拠。[新浪網]
バングラデシュ: モハスタン遺跡（Mahasthangarh）で穀物の種1万粒。北方黒色磨研土器（Northern Black Polished Ware）も出土し、2500年前と判明。ジャハンギルナガル大学（Jahangirnagar University）の調査。[The Daily Star]
▼ボグラ県（Bogra）
トルコ: カイセリ県（Kayseri il）サルオーラン（Sarıoğlan）で、盗掘のため真っ二つに割られた丘に、ローマ時代の廟が発見される。[Daily Sabah]
フランス: オワーズ県（Oise）シュポワ（Chepoix）で教会の祭壇の下から15世紀のマリア像。[24Matain]
デンマーク: ティステズ市（Thisted）カレロプ（Kallerup）で、紀元前1000年ごろの、顔が両側にあり角の生えた彫像や、儀式用の斧。1943年に枢軸国によって撃墜されたショート・スターリング機（Short Stirling）の残骸も。[Museum Thy]
UK（スコットランド）: エディンバラ（Edinburgh）リース（Leith）で、ナポレオン戦争時に港を防御するための施設。[The Scotsman]
USA: カリフォルニア州（State of California）サウス・レイク・タホ（South Lake Tahoe）で、ネイティヴアメリカンの遺物数万点を盗掘したティモシー・ブライアン・ハリソン（Timothy Brian Harrison）が禁固1年1日、損害賠償113000ドルを課される。[CBS]
グアテマラ: ラ・クエルナビラ（La Cuernavilla）で、マヤ文明の砦をレーザーで発見。高さ20フィートの城壁や堀、物見櫓、丸石など、多年にわたる戦争を遂行した証拠など。[The National Geographic Society]

2019年3月1日（金）

茨城県: つくば市・島名本田遺跡（しまなほんでんいせき）で、室町時代終わりごろの大規模な屋敷跡。[公益財団法人茨城県教育財団]の調査。[茨城新聞]
岐阜県: 多治見市で、12～13世紀に築造された窯。窯はほぼ新品で、焼台が270個並ぶ。多治見市文化財保護センターの調査。[中日新聞]
長野県: 飯田市考古資料館が4/1から観覧停止。[飯田市]
京都市: 伏見区・長岡京左京三条三坊十六町で、南北２面に庇を備えた正殿と脇殿2棟。上中級の貴族邸宅跡と推定。奈良時代末期から長岡京期の瓦や土器が出土。3/2現地説明会。[京都新聞]
▽「寝殿造の原型」とするかによって、メディアごとに表現が違いますが、京都新聞は慎重な書きぶり、かつ比較的詳しい▽平安前期の平安京右京一条三坊九町の出土建物跡という、それ自体見解の分かれる建物の配置と、今回の建物配置が似ているとしたうえで、今夏の遺構について「敷地内には寝殿造に特徴的な池がなく、直接に結びつくものではないだろう」とする山中章・三重大学名誉教授の見解を紹介。
和歌山県: 新宮市・新宮城下町遺跡で室町時代の地下式倉庫跡10棟。新宮市教育委員会の調査。3/2現地公開。[読売新聞]
徳島県: 阿南市・若杉山遺跡で赤色の顔料となる鉱物「辰砂」の坑道跡から弥生時代後期の土器。弥生時代後期に採掘がはじまっていたとみられ、国内最古の鉱山遺跡。阿南市と徳島県教育委員会3/1発表。[朝日新聞]
▼若杉山遺跡関連記事→2018年1月31日
高知県: 高知市・三翠園から江戸時代前期から後期侍屋敷遺構。高知市教育委員会2/28発表。[高知新聞]
高知県: 高知市・旧陸軍歩兵第44連隊兵営跡地の一部を高知県が国から購入する方針。戦争遺跡として保存・活用へ。[読売新聞]
韓国: 旧・朝鮮総督府博物館に所蔵されていた朝鮮時代の兵器類1610点が、大戦末期の1994年に供出され、鋳つぶされて武器に再利用。旧総督府博物館は咸鏡北道北鮮科学博物館と賜物記念科学館にそれぞれ166点と295点のみ無償譲与。[朝鮮日報]
▽記事中に写真が出ている文書を、以前閲覧したことがあります。軍隊への金属供出が迫っている中、わずかでも文化財を残すために2館への譲与の形で、館員たちがが手分けして、終戦間際の朝鮮半島で作品を輸送しました。
オーストラリア: 西オーストラリア州（Western Australia）ピルバラ（Pilbara）海岸にあるアボリジニのロックアートに、アメリカの捕鯨船乗組員が文章を刻み込む。ローズマリー島（Rosemary Island）では1842年8月18日にコネティカット号（Connecticut）のアフリカ系アメリカ人ジェイコブ・アンダーソン（Jacob Anderson）、ウェストルイス島（West Lewis Island）では1849年7月12日にデルタ号（Delta）のJ.リーク（J. Leek）が。19世紀の北西オーストラリアでアメリカ人が捕鯨を行っていた証拠。[The National Geographic Society]
cf. Alistair Paterson, Ross Anderson, Ken Mulvaney, Sarah de Koning, Joe Dortch and Jo McDonald "So ends this day: American whalers in Yaburara country, Dampier Archipelago" Antiquity. Volume 93, Issue 367, pp. 218-235 [Cambridge Core]
アルメニア: アゼルバイジャン政府が過去30年間にアルメニアの文化遺産を破壊。ジュルファ（Djulfa）の数千の記念石柱カチカル（khachkar）など、ユネスコの保護下にある石彫も対象に。アゼルバイジャン政府は国際的な査察を拒否。国際的な関心も低い。ISによるシリアでの文化遺産破壊よりも深刻。21世紀最大の文化破壊。[The Guardian]
YouTube: The New Tears of Araxes
ドイツ: ブランデンブルク州（Land Brandenburg）ウッカーマルク郡（Landkreis Uckermark）シェンケンベルク（Schenkenberg）で後期青銅器時代・3200年前の石室墓。3×4m。[Nordkurier]
スペイン: ボビラ・マドゥレイ遺跡（Bobila Madurell）で、新石器時代の多数のイヌの埋葬。[Agence France-Presse]
USA: ユタ州（State of Utah）で、バスケットメーカー2期（Basketmaker II period）・2000年前のプエブロ人（Pueblo people）による、サボテンの針を用いたイレズミ道具を確認。北米西部では最古のイレズミ道具。ワシントン州立大学（Washington State University）の調査。
Oldest tattoo tool in western North America discovered[Washington State University]
北米・中米東海岸: スペインの研究者らが、1492年以後、キューバ、パナマ、ドミニカ共和国、ハイチ、バミューダ、バハマ諸島、合衆国大西洋岸沖で沈んだスペイン船を文献から探し出し、681隻をリストアップ。沈没船の同定と保護に役立てるため。[The Guardian]

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