2021年1月20日(水)
- 愛知県
- 豊橋市・馬越長火塚古墳群の大塚南古墳(おおつかみなみこふん)で、横穴式石室の側壁の石材が徹底的に抜き取られ、大きく破壊されていた。吉田城石垣の石材採取伝説に関連か。7世紀初頭の円墳。豊橋市文化財センターの調査。1/23現地説明会。[東愛知新聞]
▼大塚南古墳関連記事→2008年5月2日 - 京都府
- 舞鶴市・松尾寺遺跡で、仁王門の地下から平安時代にさかのぼる遺構・遺物。中世から近世にかけて参道跡と考えられる整地が繰り返されている。舞鶴市の調査。
松尾寺遺跡 発掘調査成果について[舞鶴市] - 奈良県
- 高取町・佐田タカヤマ遺跡で、7世紀後半の「のろし台」跡、大壁建物、掘立柱建物跡が1列に並んで見つかる。白村江の戦い(663年)の後に整備された「烽(とぶひ)」(のろし)の遺構か。高取町教育委員会1/20発表。[毎日新聞]
- 広島県
- 福山市・福山城筋鉄御門などで、3か所計9本のひっかき傷。福山市1/20発表。[時事通信]
- 北朝鮮
- 咸鏡南道 利原郡 旧邑里で、朝鮮時代の学校「利原郷校」の跡。英祖33年(1757年)設立。両班の子弟を教育。[聯合ニュース]
- インド
- アーグラ(Agra)のファテープル・シークリー(Fatehpur Sikri)で、ムガル朝(Mughal)・16世紀の装飾的な貯水池。インド考古調査局(Archaeological Survey of India:ASI)の調査。[The Times of India]
▼ウッタル・プラデーシュ州(Uttar Pradesh) - イスラエル
- レヴァディム(Revadim)で出土した後期アシュール文化(late Acheulian)・50万年前〜30万年前チョッピング・トゥール53点を分析。大半は固いものか中くらいのものを割るために用いられており、骨を割って骨髄を得るために使用か。
The Toolkit of Prehistoric Humans[Tel Aviv University]
少数の例は、切ったり削る用途に用いられ、別の少数は石器づくりに備えた石核。骨の遺存物が良好に保存されていることも、骨髄を得るために骨を割ったことを示唆。
cf. Flavia Venditti, Aviad Agam, Jacopo Tirillò, Stella Nunziante-Cesaro, Ran Barkai "An integrated study discloses chopping tools use from Late Acheulean Revadim (Israel)" PLOS ONE. 16(1): e0245595. [PLOS ONE]
▼レヴァディム関連記事→2019年9月12日 - イスラエル
- イズレル谷(Jezreel Valley)のアット・タイイェバー(et-Taiyiba)で、ビザンティン時代または初期イスラーム時代の建物に、ギリシャ語の銘文「マリアの子、キリスト」。ビザンティン時代・5世紀後半の建材を再利用した部分。
Ancient inscription dedicated to Jesus son of Mary discovered in the Jezreel Valley[Israel Ministry of Foreign Affairs] - ギリシャ
- カソス島(Κάσος;Kassos)沖でローマ時代・2〜3世紀の沈没船。スペインからギリシャに運ぶ途上のアンフォラなど。[Tornos News]
▼カソス島関連記事→2019年11月5日 - ブルガリア
- ヴァルナ州(Област Варна;Oblast Varna)ベロスラフ自治体(Белослав;Beloslav)ラズデルナ村(Разделна;Razdelna)・ペトリッチ・カレ砦(Петрич кале;Petrich Kale)の南側塔跡で、後期ローマ帝国〜ビザンティン帝国・5世紀の白大理石製の丸テーブル、土器、硬貨。塔に砦の高位の管理者が居住していた証拠。ペトリッチ・カレ砦はビザンティン帝国・5世紀に築かれ、6世紀に異民族の侵入で破壊。11世紀に再建され第二ブルガリア帝国の主要な砦となったが、オスマン帝国により1444年破壊。
Rare 5th century AD Late Roman marble table discovered in Petrich Kale Fortress near Bulgaria’s Varna[Archaeology in Bulgaria] - アルバニア
- ソヴィヤン遺跡(Sovjan)で出土した初期青銅器時代(Early Bronze Age)の木材について、年輪年代法(dendrochronology)により、269年分の年輪年代を構築。その終了年代は、紀元前2158年〜前2142年の間と推定。紀元前24世紀〜前22世紀の年輪年代をバルカン半島南西部では初めて測定。
cf. Andrej Maczkowski, Matthias Bolliger, Ariane Ballmer, Maja Gori, Petrika Lera, Cécile Oberweiler, Sönke Szidat, Gilles Touchais, Albert Hafner "The Early Bronze Age dendrochronology of Sovjan (Albania): a first tree-ring sequence of the 24th – 22nd c. BC for the Southwestern Balkans" Dendrochronologia [ScienceDirect] - オーストリア
- シュタイアーマルク州(Steiermark)グラーツ市(Graz)リーベナウ(Liebenau)の強制収容所跡で人骨。1943年から終戦まで最大5000人が収容されていた場所。[ORF]
- ポルトガル
- サンタ・マリア・ダ・フェイラ(Santa Maria da Feira)のトラヴァンカ(Travanca)にあるキリスト教会の墓地で出土した17〜19世紀の成人男性の人骨に、ハンセン病の証拠。
cf. Linda Melo, Vitor M. J. Matos, Ana Luísa Santos, Carlos Ferreira, Ana Maria Silva "The first probable evidence of leprosy in a male individual (17th-19th century AD) unearthed in Northern Portugal (Travanca, Santa Maria da Feira)" International Journal of Paleopathology. Volume 32, March 2021, Pages 80-86 [ScienceDirect] - ノルウェー
- ヌールラン県(Nordland fylke)ボードー(Bodø)で、メロヴィング朝(Merovingian)〜ヴァイキング時代(Viking Age)・650年〜950年の墓15基をレーダー探査で発見。船葬墓を含む。[Phys.Org]
- ペルー
- カラル遺跡(Caral)で、新型コロナウイルス感染症の蔓延で考古学者が離れていた間に村人が不法占拠し、小屋を建てたり果樹を植える。5000年前の遺跡が危機に。[Franceinfo]
▼リマ県(Lima)バランカ郡(Barranca)スペ(Supe)
2021年1月19日(火)
- 岡山市
- 北区・岡山城の天守閣や月見櫓などで、鋭利なものでひっかいたようなひっかき傷30か所。岡山市1/19発表。[朝日新聞]
- 中国
- 青海省 海南チベット族自治州(海南藏族自治州)共和県 石乃亥郷・鉄卜加古城で、外城の北壁と城門、住居跡や灰坑を発見。外城外側でも、城跡4基、版築基壇5基などを確認。南北朝〜隋唐時代・6〜7世紀の吐谷渾の伏俟城。宋代に再建。青海省文物考古研究所の調査。[中国新聞網]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)で、墓壙内から長さ13フィートの「死者の書」(Book of the Dead)。パピルスに記された所有者の名はPwkhaef。
13-foot-long 'Book of the Dead' scroll found in burial shaft in Egypt[LiveScience]
2021年1月18日(月)
- 静岡県
- 松崎町・山口遺跡で縄文時代〜鎌倉時代前期までの遺跡。静岡県埋蔵文化財センターの調査[NHK]
- 中国
- 新疆ウイグル自治区 バインゴリン・モンゴル自治州(巴音郭楞蒙古自治州)ブグル県(輪台県)・奎玉克協海爾古城は、紀元前5世紀に築造が始まり、紀元元年までには廃絶したと判明。春秋早期・紀元前770年〜前550年にはすでにヒトが活動。新疆では初めて確認された、春秋戦国時代にさかのぼる城跡。新疆文物考古研究所の調査。[中国社会科学院考古研究所]
- オーストラリア
- マジェドベベ遺跡(Madjedbebe)の690年前と8320年前の磨石3点を分析。いずれも植物の調理に用いられた。大量のでんぷんを検出。スイレン(Nymphaea violacea)などを調理したほか、動物質の食糧にも同じ道具が用いられた。
cf. E. H. Hayes, J. H. Field, A. C. F Coster, R. Fullagar, C. Matheson, S. A. Florin, M. Nango, D. Djandjomerr, B. Marwick, L. A. Wallis, M. A. Smith, C. Clarkson (2021) Holocene grinding stones at Madjedbebe reveal the processing of starchy plant taxa and animal tissue. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 35. [ScienceDirect]
▼アーネムランド(Arnhem Land)
▼マジェドベベ遺跡関連記事→2020年2月18日 - フランス
- ランス(Reims)で1世紀後半〜4世紀初頭の大きなワイン用の樽3個。井戸枠に転用。ローマ時代の都市ドゥロコルトルム(Durocortorum)。
cf. Pierre Mille et Philippe Rollet "Étude de trois grands tonneaux mis au jour à Reims/Durocortorum (Marne) : le savoir-faire des tonneliers antiques" Gallia 77-2, p. 123-155 [Gallia] - エジプト
- アスワン(Aswan)のシハ砦跡(Shiha Fort)で、ローマ時代の砦、プトレマイオス朝の神殿、コプト時代の教会跡。[Egypt Today]
2021年1月17日(日)
- 中国
- 陝西省・咸陽城跡で、秦の始皇帝が築いた「蘭池宮」の跡を発見。陝西省考古研究院の調査。[中国新聞網]
▼咸陽城関連記事→2019年12月4日 - メキシコ
- モトゥル(Motul)のUcanha遺跡で、後期先古典期(late pre-classic)のストゥッコ製の仮面。[The Yucatan Times]
2021年1月16日(土)
- 高知県
- 安芸市・瓜尻遺跡(うりじりいせき)で、古代律令制下の官衙とみられる建物跡。[高知新聞]
▼瓜尻遺跡関連記事→2020年7月11日 - UK(イングランド)
- リンカーンシャー州(Lincolnshire)ネイヴェンビー(Navenby)で、鉄器時代(Iron Age)・紀元前800年〜紀元後43年の人骨2体、建物跡、土器。[Lincolnshire Live]
- UK(スコットランド)
- オークニー諸島(Orkney) ラウジー島(island of Rousay)のKnowe of Swandroで、遺跡が存続の危機。満ち潮や暴風雨で浸食の危機に直面していたが、新型コロナウィルス感染症の流行のため保存措置がままならず。新石器時代・5500年前の墳墓や鉄器時代の円形建物、ピクト人の住居や鍛冶遺構など。[The Scotsman]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)で、第6王朝のファラオ・テティ(Teti)の妻Nearitの葬祭殿。新王国時代(New Kingdom)・第18〜第19王朝でも第6王朝のテティを祀っていた。[Egypt Today]
- メキシコ
- ユカタン半島(Península de Yucatán;Yucatán peninsula)で1000年以上前に埋められた古代マヤの薬物容器14点で、タバコ(Nicotiana tabacum)やマルバタバコ(Nicotiana rustica)以外に、ニオイマンジュギク(Tagetes lucida;Mexican marigold)を検出。タバコを楽しむためニオイマンジュギクも加えていたと推定。ワシントン州立大学(Washington State University)の研究。
WSU scientists identify contents of ancient Maya drug containers[Washington State University]
cf. Mario Zimmermann, Korey J. Brownstein, Luis Pantoja Díaz, Iliana Ancona Aragón, Scott Hutson, Barry Kidder, Shannon Tushingham & David R. Gang "Metabolomics-based analysis of miniature flask contents identifies tobacco mixture use among the ancient Maya" Scientific Reports volume 11, Article number: 1590 (2021) [Scientific Reports]
2021年1月15日(金)
- 三重県
- 多気郡明和町・斎宮跡(さいくうあと:第199次調査)で、飛鳥時代末ごろの斎宮の中枢域から、区画の北西角や正殿と推定される中心建物、西脇殿とみられる掘立柱建物を確認。斎宮歴史博物館の調査。1/16現地公開。
史跡斎宮跡第199次調査の現地公開を開催します![三重県]
▼斎宮跡関連記事→2020年1月21日 - ロシア
- カレリア共和国(Республика Карелия;Republic of Karelia)オネガ湖(Онежское озеро;Lake Onega)のユジュニ・オレニ島(Южный Олений остров;Yuzhniy Oleniy Ostrov)の石器時代・8200年前の墓地で、ヘラジカ(Alces alces;elk)の切歯を用いたペンダントが多数出土。大半は歯に溝を掘って加工し、製作技法が一致。若い成人男女の墓に多く、子供や老人の墓には少ないので、年齢との何らかの関係がある。
Teeth pendants speak of the elk’s prominent status in the Stone Age[Helsingin Yliopisto ]
cf. Kristiina Mannermaa, Riitta Rainio, Evgeny Yu. Girya & Dmitry V. Gerasimov (2021) Let’s groove: attachment techniques of Eurasian elk (Alces alces) tooth pendants at the Late Mesolithic cemetery Yuzhniy Oleniy Ostrov (Lake Onega, Russia). Archaeological and Anthropological Sciences, volume 13, Article number: 3. [SpringerLink] - フランス
- オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes)オルナ(Aulnat)で、クレルモン=フェラン/オーヴェルニュ空港(aéroport de Clermont-Ferrand/Auvergne)の地下から、ローマ帝国・1世紀のアウグストゥス帝・ティベリウス帝のころの古代の小児墓。長さ80cm程度の木棺に納め、食べ物を納めた土器20点や、イヌとともに埋葬。また、1〜3世紀の建物跡も。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Une sépulture antique d’enfant sous l’aéroport de Clermont-Ferrand/Auvergne[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
▼オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes)ピュイ=ド=ドーム県(Puy-de-Dôme) - デンマーク
- Gjerrild遺跡で出土した、新石器時代・単葬墓文化(Single Grave culture)・紀元前2600/2500年〜前2200年の人骨5体のゲノムを分析。ヤムナ文化(Yamnaya culture)や縄文土器文化(Corded Ware culture)との関連を示す。単葬墓文化は先行するフンネルビーカー文化(Funnel Beaker Culture)から発展したのではなく、新石器時代・紀元前3千年紀のヨーロッパのヒトの移動の結果として登場した。
cf. Anne Friis-Holm Egfjord, Ashot Margaryan, Anders Fischer, Karl-Göran Sjögren, T. Douglas Price, Niels N. Johannsen, Poul Otto Nielsen, Lasse Sørensen, Eske Willerslev, Rune Iversen, Martin Sikora, Kristian Kristiansen, Morten E. Allentoft "Genomic Steppe ancestry in skeletons from the Neolithic Single Grave Culture in Denmark" PLoS ONE 16(1): e0244872. [PLOS ONE]
2021年1月14日(木)
- 青森県
- 「南部地方の紡織用具及び麻布」520点について、青森市内の所有者から県外の民俗学研究者に譲渡されたため、青森県の有形民俗文化財の指定解除。青森県教育委員会1/13決定。[東奥日報]
- 愛知県
- 岩倉市・下田南遺跡(しもだみなみいせき)で、掘立柱建物跡や竪穴建物跡が各40棟以上。飛鳥〜奈良時代のすずりや瓦など。岩倉市教育委員会の調査。1/16現地説明会。[朝日新聞]
▼下田南遺跡関連記事→2020年10月5日 - 大阪市
- 浪速区・大阪人権博物館内のホールに描かれた壁画「きずな」の取り壊し作業始まる。大阪人権博物館は2020年6月休館。[毎日新聞]
- 島根県
- 松江市で、6件の文化財を神社や個人などが所有しているが、防火対策が進んでいない。[山陰中央新報]
- 韓国
- 全羅北道 全州市・牛牙洞陶窯跡で、後百済の時代と推定される土器・瓦の窯。全州文化遺産研究院の調査。[聯合ニュース]
- 中国
- 河北省 黄驊市・郛堤城遺跡で出土した戦国時代の甕棺の修復中に、文字が刻まれた土器が見つかる。「韓公」「東城匠盆十斤」と記す。[AFPBB]
- インドネシア
- スラウェシ島(Sulawesi)リアン・テドング洞窟(Leang Tedongnge)のイノシシの絵は45500年前。世界最古の洞窟壁画。この地域でヒトが居住した最古の証拠。[The Guardian]
cf. Adam Brumm, Adhi Agus Oktaviana, Basran Burhan, Budianto Hakim, Rustan Lebe, Jian-xin Zhao, Priyatno Hadi Sulistyarto, Marlon Ririmasse, Shinatria Adhityatama, Iwan Sumantri and Maxime Aubert "Oldest cave art found in Sulawesi" Science Advances. Vol. 7, no. 3, eabd4648 [Science Advances] - ロシア
- 西シベリアにあるタルタス1遺跡(Tartas-1)で、青銅器時代(Bronze Age)から初期鉄器時代(Early Iron Age)への移行期・紀元前14世紀〜前8世紀の建物跡や冶金用の炉、青銅製の奉納品、土器、骨など。西シベリア最古の祭祀遺跡。
cf. Vyacheslav I. Molodin, Dmitry V. Selin, Lyudmila N. Mylnikova, Igor A. Durakov and Nataliya S. Efremova "A unique cultic complex of the transitional period from the Bronze Age to Early Iron Age in Western Siberia" Antiquity, Volume 95, Issue 379, e3 [Cambridge Core] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) ヴァル=ド=マルヌ県(Val-de-Marne) イブリー=シュル=セーヌ(Ivry-sur-Seine)で、青銅器時代(âge du Bronze)・2200年前の大型家屋1棟。
Une maison de l’âge du Bronze à Ivry-sur-Seine (Val-de-Marne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- リンカーンシャー州(Lincolnshire)スリーフォード(Sleaford)のネイヴェンビー(Navenby)で、鉄器時代の人骨2体。建物跡や土器片も。[LincolnshireWorld]
- エクアドル
- コトパクシ県(Provincia de Cotopaxi)ラタクンガ郡(Latacunga)ムラロ(Mulaló)のサラティリン遺跡(Salatilín)で、1450〜1540年の土器、ラピスラズリの頸飾、棺。[El Comercio]
▼サラティリン遺跡関連記事→2021年1月9日
2021年1月13日(水)
- 兵庫県
- 姫路市・登リ田遺跡(のぼりたいせき)で、飛鳥時代の土坑(墓)から土馬2体。公益財団法人兵庫県まちづくり技術センターの調査。
登リ田遺跡(姫路市継)の発掘調査成果及び出土品の公開について [兵庫県教育委員会]
▼登リ田遺跡関連記事→2020年10月2日 - 長崎県
- 平戸市・伝・三浦按針墓に埋葬された人骨は、DNA分析、放射性炭素年代測定、炭素ならびに窒素の安定同位体比などにより、三浦按針(ウィリアム・アダムス)のものである蓋然性が高い。
伝・三浦按針墓に埋葬された人骨の出自を探る〜多様な科学分析を横断的に駆使した個人同定〜[東邦大学]
cf. Fuzuki Mizuno, Koji Ishiya, Masami Matsushita, Takayuki Matsushita, Katherine Hampson, Michiko Hayashi, Fuyuki Tokanai, Kunihiko Kurosaki, and Shintaroh Ueda "A biomolecular anthropological investigation of William Adams, the first SAMURAI from England" Scientific Reports(2020) 10:21651. [Scientific Reports] - 中国
- 北京市 豊台区 麗沢北路にある金の中都遺跡で、外城の城壁システム。金の海陵王・完顔亮が1153年に燕京(北京)に遷都し中都と改称。[中国新聞網]
- 中国
- 湖北省 武漢市 黄陂区 魯台山の郭元咀遺跡で、商(殷)時代晩期の鋳銅遺跡。商の鋳銅遺跡として長江流域最大規模。湖北省文物考古研究所の調査。[湖北日報]
- 中国
- 雲南省 大理市 太和街道 陽南村・五指山遺跡で、南詔の時代を中心とした建物跡群。1号建物で「官家舍利」銘の文字瓦。「官家」は南詔王または南詔の王室を指し、王室の寺院であることを示す。雲南省文物考古研究所の調査。[中国新聞網]
- トンガ
- トンガタプ島(Tongatapu)のタラシウ遺跡(Talasiu)で出土した石斧と黒曜石と分析。多様な石斧を出土しているが、石材の由来を考慮すると、石斧形態の標準化が始まっていることが読み取れる。また、サモア(Samoa)など、北方の島との強い相互作用がみられることから、これらの島々はすでに恒久的に居住されていた。
cf. CHRISTIAN REEPMEYER, REDBIRD FERGUSON, FRÉDÉRIQUE VALENTIN, GEOFFREY R. CLARK "The stone adze and obsidian assemblage from the Talasiu site, Kingdom of Tonga" Archaeology in Oceania. [Wiley Online Library]
▼タラシウ遺跡関連記事→2020年7月3日 - カタール
- アサイラ(Asaila)で、紀元前300年〜紀元後300年の墓地。カタール最古級の遺跡。金製耳飾など出土。カタール博物館(Qatar Museums)の調査。[Gulf Times]
- トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır)シルヴァン郡(Silvan)で、ルーム・セルジューク朝(Anatolian Seljuk;Sultanate of Rum)の第2代スルタン、クルチ・アルスラーン1世(I. Kılıç Arslan;Kilij Arslan I:在位1092〜1107年)と娘Saide Hatunの墓。[Anadolu Ajansı]
- ジョージア
- アルフロ1遺跡(Aruchlo I)で大量に出土した新石器時代・紀元前6千年紀の魚類の遺体を分析。集落近くで漁を行った。饗宴などの社会的なイベントに使用か。
cf. Kenneth Ritchie, Wim Wouters, Guram Mirtskhulava, Saba Jokhadze, Dimitri Zhvania, Joni Abuladze, Svend Hansen "Neolithic fishing in the South Caucasus as seen from Aruchlo I, Georgia" Archaeological Research in Asia [ScienceDirect] - ギリシャ
- クレタ島(Κρήτη;Crete)レティムノ県(Ρέθυμνο;Rethymno)アリギルポリ(ΑργυρούποληArgyroupoli)の古代都市ラッパ(Λάππα;Lappa)のガラス工房から出土した初期ビザンティン時代・4〜7世紀のガラスを分析。4つに分類。ガラスを溶解して再利用していたことも判明。
cf. Artemios Oikonomou, Thilo Rehren, Anastasia Fiolitaki "An early Byzantine glass workshop at Argyroupolis, Crete: Insights into complex glass supply networks" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 35 [ScienceDirect] - ブルガリア
- ブルガス州(Бургас;Burgas)のイズグレブ(Изгрев;Izgrev)で、トラキア・紀元前6世紀〜前4世紀の大規模な聖域。祭祀土壙60基が見つかり、内部から土器片や獣骨。最も多いのはウマの骨。1基からは女性の全身骨格も。
Находките от тракийското светилище в кв. Изгрев и проучванията при н. Чироза са експонирани в Археологическия музей
The finds from the Thracian sanctuary in Izgrev district and the excavations near Chiroza are exhibited in the Archaeological Museum[Регионален исторически музей Бургас] - イタリア
- アリッチャ(Ariccia)のヴァッレリッチャ(Vallericcia)で、古代のアッピア街道(Via Appia)沿いに建物跡。[Castelli Notizie]
- ラトビア
- ラトビアの石器時代の墳墓の編年を検討。大半は狩猟採集民の墓。一部は縄文土器文化(Corded Ware culture)。
cf. Aija Macāne and Kerkko Nordqvist "More Than Just Zvejnieki: An Overview of Latvian Stone Age Burials" European Journal of Archaeology, First View , pp. 1 - 25 [Cambridge Core] - スペイン
- カタルーニャ州(Cataluña)タラゴナ県(Tarragona)ウルデモリンス(Ulldemolins)にあるコベス・デル・フェム(Coves del Fem)で、11,700年前の、動物を線刻した石板。[Zenger]
- メキシコ
- ベラクルス州(Veracruz de Ignacio de la Llave)のマタカネラ遺跡(Matacanela)の3種の土器、橙色粗製土器(Coarse Orange)、橙色精製土器(Fine Orange)、褐色粗製土器(Coarse Brown)を中性子放射化分析(neutron activation analysis;NAA)し、4グループを認識。さまざまな産地の土器を選択的に利用。
cf. Marcie L. Venter, Daniel Pierce, Michael D. Glascock "Ceramic exchange networks in the south‐central Tuxtla Mountains, southern Veracruz, Mexico" Geoarchaeology [Wiley Online Library]
2021年1月12日(火)
- 韓国
- 全羅北道 井邑市 ・古沙夫里城で、百済時代の行政組織を表す「上卩上巷」の文字を刻んだ木製遺物。「上部」「上巷」は、百済の首都・泗沘を編成した行政単位。全羅文化遺産研究院の調査。[聯合ニュース]
- 中国
- 陝西省 宝鶏市 麟游県・隋仁寿宮・唐九成宮4号殿遺跡で、保存状態の良い建物跡。[中国社会科学院考古研究所]
- 中国
- 梅鋪(Meipu)で1970年代に出土した初期更新世(Early Pleistocene)後半のヒトの歯4点を分析。99万年前〜78万年前。東アジアのホモ・エレクトゥス(Homo erectus)とは異なる原始的な特徴。ジョージアのドマニシ洞窟(Dmanisi)で出土したホモ・エルガステル(Homo ergaster)との共通点。一方、スペインのグラン・ドリーナ遺跡(Gran Dolina)で出土したホモ・アンテセソル(Homo antecessor)とも異なっており、ヨーロッバでは別の変化が生じていた。
The Meipu teeth shed light on the human settlement of Asia[Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humana, CENIEH]
cf. Song Xing, María Martinón-Torres, Chenglong Deng, Qingfeng Shao, Yuan Wang, Yunbing Luo, Xingming Zhou, Lei Pan, Junyi Ge, José María Bermúdez de Castro, Wu Liu (2021) Early Pleistocene hominin teeth from Meipu, southern China. Journal of Human Evolution, Volume 151 [ScienceDirect]
▼湖北省 十堰市 鄖陽区 梅鋪鎮
▼グラン・ドリーナ遺跡関連記事→2020年6月22日 - 中国
- 湖南省 寧郷市 流沙河鎮 花林村で、南宋初期に埋納されたとみられる貨幣10000枚以上。多数は北宋のもので、咸平通宝、元豊通宝、熙寧重宝などがある。南宋の淳熙通宝、紹興通宝もあり、少数ながら唐の開元通宝もある。[新華社]
- レバノン
- アッカール県(Akkar)アクルム(Akrum)で、ピラミッド形の巨石墓。白い石灰岩の板材を積み、ピラミッド形の石材を載せる。アッカール県でこれまで見つかった巨石墓の大半は玄武岩を使用。[The961]
- ハンガリー
- ペシュト県(Pest megye)ウーイレンジェル(Újlengyel)で、中世の銀貨7000枚と金貨4枚。最古のものはローマ皇帝ルキウス・ウェルス帝(Lucius Verus;在位161-169年)のデナリウス銀貨。ペシュト県内の後期中世埋納銭として最大規模。攻撃を受けた住民が隠匿したものとみられる。Ferenczy Múzeumi Centrum(Ferenczy Museum Centre)発表。[Hungary Today]
- デンマーク、スウェーデン
- スカンディナヴィア南部で出土した、炭化した穀類の炭素と窒素の同位体分析。新石器時代初め・6000年前に農業が始まって以来、土壌に人類による影響が始まる。人為的な土壌の枯渇は鉄器時代に施肥によって緩和。
cf. Kurt J. Gron, Mikael Larsson, Darren R. Gröcke, Niels H. Andersen, Marianne H. Andreasen, Jens-Henrik Bech, Peter Steen Henriksen, Robert G. Hilton, Mads Dengsø Jessen, Niels A. Møller, Finn Ole Nielsen, Poul Otto Nielsen, Anders Pihl, Lasse Sørensen, Jørgen Westphal, Peter Rowley-Conwy, Mike J. Church (2021) Archaeological cereals as an isotope record of long-term soil health and anthropogenic amendment in southern Scandinavia. Quaternary Science Reviews, Volume 253 [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- ノーサンプトンシャー州(the county of Northamptonshire)のオーヴァーストーン(Overstone)で、アングロサクソン・1500年前の墳墓154基。武器、玉、ブローチなど多量の副葬品。ノーサンプトンシャー州では過去最大のアングロサクソン墓地。アングロサクソンの集落と墓地が同時に見つかるのも稀。青銅器時代・4000年前の遺構も。Museum of London Archaeology (MoLA)の調査。[Northampton Chronicle and Echo]
- セネガル
- ラミニア遺跡(Laminia)とサクソムヌンヤ遺跡(Saxomununya)で、アフリカ中期石器時代(Middle Stone Age)の伝統が完新世の11000年前まで存続した証拠。ホモサピエンスが生んだアフリカ中期石器時代は、従来説より2万年遅くまで存続。西アフリカは気候変動の極端な変化の影響を受けにくく、また孤立しがちだったので、生活様式を変える必要が乏しかったとみられる。
Erste menschliche Kultur überdauerte 20.000 Jahre länger als bislang bekannt
First Human Culture Lasted 20,000 Years Longer Than Thought[Max-Planck-Institut für Menschheitsgeschichte]
cf. Eleanor M. L. Scerri, Khady Niang, Ian Candy, James Blinkhorn, William Mills, Jacopo N. Cerasoni, Mark D. Bateman, Alison Crowther & Huw S. Groucutt (2021) Continuity of the Middle Stone Age into the Holocene. Scientific Reports, volume 11, Article number: 70. [Scientific Reports] - メキシコ
- キンタナ・ロー州(Estado de Quintana Roo)のユカタン半島東海岸にあるマヤ文明の貿易港オシュタンカー遺跡(Oxtankah)で出土した人骨18体の歯について、ストロンチウムと酸素の同位体比を分析。後期古典期(late Classic)には、それ以前の時代よりもストロンチウム同位体比が多様。後期古典期に盛んな移住が行われた。
cf. Allan Ortega-Muñoz, T. Douglas Price, Hortensia de Vega, Vera Tiesler, Andrea Cucina (2021) Maya residential mobility in the southeastern Yucatan peninsula during classic times: Strontium (87Sr/86Sr) and oxygen (δ18O) isotopes evidence from the port of Oxtankah. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 35. [ScienceDirect]
2021年1月11日(月)
- 中国
- 河南省 偃師市・二里頭遺跡で、夏代のハイレベルな墳墓。蝉形玉器が出土。[新華社]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)で、新王国時代・第18〜第19王朝の棺やミイラ。[Egypt Today]
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