2021年1月31日(日)
- 兵庫県
- 明石市・旧魚住清掃工場跡地の地中から、産業廃棄物が見つかっていた。同地は文化財収蔵庫の建設予定地。[神戸新聞]
- 鳥取県
- 琴浦町・河本家住宅で、「天保十年」(1839年)の年代が釉薬で書かれた石州瓦。[日本海新聞]
- 岡山市
- 北区・吉備津神社で、国宝の拝殿などに硬い物で削ったような傷、9カ所以上。[共同通信]
- ウクライナ
- セバストーポリ(Севастополь;Sevastopol)のキーリ・デレ1遺跡(Киль-Дере 1;Kil-Dere 1)で、後期スキタイ・2〜4世紀の墓232基。
Исследования грунтового могильника Киль-Дере 1 в Севастополе в 2020 г. [Институт археологии РАН]
▼セバストーポリを含むクリミアは、ロシアが実効支配し領有権を主張。
2021年1月30日(土)
- 佐賀県
- 佐賀県内の高校生を対象に1月上旬に実施した県下一斉模擬試験で、英語の設問に、貧困やイスラーム教とテロリストを結びつけるような表現。[佐賀新聞]
- インド
- オリッサ州(Odisha)ブヴァネーシュヴァル(Bhubaneswar)で、10世紀の寺院の床とみられる石造りの遺構。11世紀のリンガラージャ寺院(Lingaraj temple)の近く。インド考古調査局(Archaeological Survey of India:ASI)の調査。[Hindustan Times]
- トルコ
- アマスィヤ県(Amasya ili)のオルズ・ヒュユク遺跡(Oluz Höyük)でフリュギア時代(Φρυγία;Phrygia)・2600年前の女神クババ(Kubaba)の祭壇。[TRT]
▼オルズ・ヒュユク遺跡関連記事→2019年8月25日 - ロシア
- ザバイカル地域(Забайкалье;Transbaikal)のクラスナヤ・ゴルカ遺跡(Красная Горка;Krasnaya Gorka)で、後期更新世(Late Pleistocene)〜前期完新世(early Holocene)の環境変化を復元。初期土器文化層2の新たなAMS年代は1390年前〜10500年前(cal BP)で、土器の出現は後期更新世の最終段階から初期完新世に当たる。
cf. Natalia Tsydenova, Dai Kunikita, Hiroyuki Sato, Shizuo Onuki, Daigo Natsuki, Valentina Bazarova, Marina Lyaschevskaya "Environmental conditions and the emergence of ceramics in the Late Pleistocene-Early Holocene at the Krasnaya Gorka site in the Transbaikal region, Southern Siberia" Quaternary International [ScienceDirect] - ブルガリア
- ロム(Лом;Lom)のローマ時代のアルムス(Almus)で、ビザンティン帝国ミカエル7世ドゥーカス(Michael VII Ducas)の金貨3枚。マラズギルトの戦い(Battle of Manzikert;Malazgirt Savaşı;1071年)でセルジューク朝(Seljuk)に敗れた直後に当たる。
3 gold coins from Byzantine Empire after 1071 Battle of Manzikert found in Bulgaria’s Lom in Almus, Lomgrad ruins[Archaeology in Bulgaria]
▼モンタナ州(Област Монтана;Oblast Montana) - イタリア
- ローマのサンティ・アポストリ教会 (Basilica dei Santi XII Apostoli)に保管された、使徒ヤコブ(apostle St James)、使徒フィリポ(apostle St Philip)に関連する遺物を分析。使徒ヤコブのものとされていた大腿骨は214〜340年で、ヤコブのものではない。また、教皇ペラギウス1世(Pope Pelagius I)が556〜561年に教会を建立した時に関連する遺物も確認。
cf. Kaare Lund Rasmussen, Johannes van der Plicht, Jacopo La Nasa, Erika Ribercini, Maria Perla Colombini, Thomas Delbey, Lilian Skytte, Simone Schiavone, Ulla Kjær, Poul Grinder-Hansen & Lautaro Roig Lanzillotta "Investigations of the relics and altar materials relating to the apostles St James and St Philip at the Basilica dei Santi XII Apostoli in Rome" Heritage Science. volume 9, Article number: 14 (2021) [SpringerOpen] - フランス
- シェール県(Cher)サン=ドゥシャール(Saint-Doulchard)で後期新石器時代・紀元前3100年〜前2900年の集団墓。長さ4m、幅1.75mで、被葬者は老若男女40体。天井から出入りしていたと推定。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Une sépulture collective à Saint-Doulchard (Cher)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
▼サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire) - UK(スコットランド)
- エディンバラ(Edinburgh)のリース(Leith)にあるコンスティテューション・ストリート(Constitution Street)で、後期中世(late Medieval)・14世紀〜1650年の墳墓、都合750基以上。人骨350体以上出土。墓地の地下に、溝の中でしゃがんだ姿勢で葬られた年代不明の女性の遺体。GUARD Archaeologyの調査。
Unusual burial discovered in Leith[Current Archaeology] - バハマ諸島
- バハマ諸島(Bahamian archipelago)で出土した人骨66体をAMS年代測定し、1000年〜1600年の年代を得る。コロンブスの到来後もルカヤン人(Lucayan)が居住。最初の居住は中世の温暖期(Medieval Warm Period;MWP)と同時期。炭素(δ13C)と窒素(δ15N)の安定同位体比分析からみて、海岸近くの資源が急速に乱獲され、根菜類など陸の資源によって代替。小氷期(Little Ice Age)の影響ははっきりせず、ストロンチウム同位体からみてすべて列島内のヒトであり、列島外からの渡来は少ない。
cf. Rick J. Schulting, Christophe Snoeck, John Pouncett, Fiona Brock, Christopher Bronk Ramsey, Thomas Higham, Thibaut Devièse, Kelly Delancy, Michael Pateman, William Keegan, Joanna Ostapkowicz "Six centuries of adaptation to a challenging island environment: AMS 14C dating and stable isotopic analysis of pre-Columbian human remains from the Bahamian archipelago reveal dietary trends" Quaternary Science Reviews. Volume 254 [ScienceDirect]
2021年1月29日(金)
- 岐阜県
- 岐阜市・金華山で、織田信長が築いたとされていた「一ノ門」が、構造などから信長の前に居城した戦国武将・斎藤道三が築いた可能性。16世紀前半に土岐氏が築いた「大桑城」の門に似る。岐阜市1/29発表。[共同通信]
岐阜城跡(ぎふじょうあと)の一ノ門の構造と平面形は、16世紀前半に美濃国守護の土岐氏によって築かれた山県市大桑城岩門と非常に類似。斎藤道三によって築かれたと判明。岩盤上面には火を受けた痕跡。織田信長入場後に瓦葺の門に改修され、1600年、関ヶ原の戦いの前哨戦による火災で焼け崩れた可能性。天守台石垣は2段で構築されており、2段目は信長入場後の石垣の特徴。信長期の可能性がある瓦が出土。岐阜市の調査。一ノ門を2/8-13公開。
令和2年度岐阜城跡発掘調査成果を発表しました![岐阜市] - 大阪府
- 松原市・立部遺跡で出土した蔵骨器に納められている火葬骨について、年代測定と同位体分析。黒色骨片は600・700℃の被熱。白色骨片は750℃以上の高温の被熱。白色骨片4試料の14C較正暦年代は770・900 cal ADとなり、奈良時代後半という考古学知見と一致。被葬者は比較的栄養段階の高い食性。
cf. 南雅代、若木重行、佐藤 亜聖、樫木規秀「大阪府松原市立部遺跡出土蔵骨器に納められた火葬骨の化学分析」2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集(2020) [J-STAGE] - 岡山市
- 岡山城で、天守閣月見櫓などに硬いものでひっかいたような傷が計30カ所見つかった事件で、愛知県に住む40代の無職男を岡山県警が再逮捕する方針。事件から数日後に岡山市内の駐車場で車に傷をつけたとして、県警が器物損壊の疑いで男を逮捕していた。防犯カメラの映像などで、傷が見つかった時期に岡山城を訪れている可能性が高いことが分かった。[共同通信]
▼岡山城での文化財損壊関連記事→2021年1月19日 - 山口県
- 防府市・防府市役所敷地内で、平安時代末期〜鎌倉時代初期の建物遺構。県内最大級。防府市教育委員会の調査。1/30現地説明会。[山口新聞]
▼防府市役所中庭駐車場関連記事→2021年1月22日 - マレーシア
- パハン州(Pahang)クアラ・リピス(Kuala Lipis)のリピス川(Sungai Lipis)で見つかった沈没船は、19世紀の金鉱採掘者が用いた蒸気船の一部の可能性。[Coconuts KL]
- イスラエル
- ティムナ渓谷(Timna)の鉄器時代・紀元前11世紀後半〜前10世紀前半の銅溶解遺跡「奴隷の丘(Slaves’ Hill、Site 34)」で、ホネガイ(murex)により紫に染められた繊維の南レヴァント最古の証拠。地中海地域で紫の染料は中期青銅器時代・紀元前2千年紀にさかのぼるが、これによって染められた繊維の発見は稀。
cf. Naama Sukenik, David Iluz, Zohar Amar, Alexander Varvak, Orit Shamir, Erez Ben-Yosef "Early evidence of royal purple dyed textile from Timna Valley (Israel)" PLoS ONE 16(1): e0245897. [PLOS ONE] - シリア
- タルトゥース県(Tartous;Tartus)沖にローマ時代・1世紀の港または砦とみられる遺構。灯台や大理石の柱も発見。ギリシャ、フェニキア、エジプトの土器や、ローマの石製の生活用品も出土し、地中海の主要地域をつなぐ海上交易路の手がかり。[Middle East Monitor]
- ロシア
- シベリア(Siberia)にあるマリタ遺跡(Мальта;Mal'ta)の後期旧石器時代の住居跡15基から、グラヴェット文化類似の石器とともに出土したマリタ・ブレチ文化(Мальта-буретская культура;Mal'ta–
Buret' culture)・23000年前〜19000年前(BP)の、ヒトの幼少期を表した人物像などを研究。また、小児墓も分析し、当時の社会での子供の成長過程を研究。
cf. Liudmila Lbova (2021) The Siberian Paleolithic site of Mal'ta: a unique source for the study of childhood archaeology. Evolutionary Human Sciences, Volume 3, 2021 , e9. [Cambridge Core] - ポーランド
- ポーランド沖に沈む第二次世界大戦当時のドイツの沈没船が、環境に脅威をもたらす可能性。移動や引き上げ作業で、燃料が漏れ出す危険。[The First News]
- UK(イングランド)
- キングストン・アポン・ハル(Kingston upon Hull)のハル大聖堂(Hull Minster)の三位一体墓地(Trinity Burial Ground)で、1783年〜1861年の墓地遺跡。Oxford ArchaeologyとHumber Field Archaeologyの調査。
Archaeological excavations underway at burial site next to the A63 in Hull[Oxford Archaeology] - エジプト
- アレクサンドリア(Alexandria)のタップ・オシリス・マグナ神殿(Taposiris Magna)で、岩に刻んだギリシャ・ローマ時代の墳墓16基。ミイラ出土。[Egypt Today]
- USA
- カリフォルニア州(State of California)サンタバーバラ郡(Santa Barbara County)の狩猟採集民チュマシュ人(Chumash)は2000年前に精巧な貝殻のビーズを貨幣として用いた。南北アメリカ大陸でもっとも古い貨幣の使用。ビーズが貨幣かどうかの4基準。貨幣用ビーズは装飾用ビーズより手間がかかっている。貨幣用ビーズは高度に規格化されている。大きくて人目を引くものは装飾用ビーズの可能性が高い;貨幣用ビーズは広く分布する。
Archaeologist argues the Chumash Indians were using highly worked shell beads as currency 2,000 years ago[University of California, Santa Barbara]
cf. Lynn H. Gamble "The origin and use of shell bead money in California" Journal of Anthropological Archaeology. Volume 60 [ScienceDirect] - 石器
- 剥片尖頭器の法量と衝撃への耐性の関係を実験的に研究。尖頭器の長さが違っても、衝撃によって失われる長さは変わらない。
cf. Leanna Maguire, Briggs Buchanan, Michael Wilson & Metin I. Eren "The Effect of Isometric Scaling on Flaked Stone Projectile Point Impact Durability: An Experimental Assessment" Lithic Technology [Taylor & Francis Online] - イベント
- ▽公益財団法人和歌山県文化財センターのウェブサイト、「イベント情報」は「シンポジウム等」、「現地説明会」、「その他」に分類されてるんですが、1月29日掲載されたシンポジウム「方形周溝墓から古墳へ〜和歌山県内の発掘事例から考える〜」は、「シンポジウム等」ではなく「その他」に入っています。「シンポジウム等」どころかシンポジウムそのものなんですが。なぜ?[公益財団法人和歌山県文化財センター]
2021年1月28日(木)
- 滋賀県
- 栗東市・高野遺跡(たかのいせき)で、古代東海道の側溝とみられる溝跡2条。溝跡の間に同時期の遺構が見つからなかったことから道路と断定。これまでの推定を発掘調査で実証し、ルートを確定。公益財団法人滋賀県文化財保護協会1/28発表。[京都新聞]
- 香川県
- 坂出市・開法寺跡(かいほうじあと)で、大型礎石建物の東南隅に回廊状遺構の取り付き部がある可能性。大型礎石建物は四面庇建物であった可能性が極めて高い。坂出市教育委員会の調査。2/7現地説明会。
令和2年度開法寺跡発掘調査現地説明会[坂出市]
▼開法寺跡関連記事→2020年2月7日 - 愛媛県
- 伊方町・三机防空監視哨(みつくえぼうくうかんししょう)から、戦時中の経済統制下の「統制陶器」の表示がある砥部焼の茶碗4点出土。[読売新聞]
- 日本学術会議
- 日本学術会議は1/28幹事会で、菅義偉首相が任命を拒否した会員候補6人について、4月の総会までに任命することを菅首相に求める声明を全会一致で決定。[毎日新聞]
日本学術会議では欠員により会議の運営や職務遂行に支障をきたし、特に6人が所属予定だった第一部(人文・社会科学)では1割近く欠員で、部会・委員会・分科会などの会務の遂行が困難。
日本学術会議会員任命問題の解決を求めます[日本学術会議] - 中国
- 新疆ウイグル自治区 ブグル県(輪台県)・チェルクート古城遺跡(卓爾庫特古城遺跡)は、漢晋時代にタリム盆地北端の上級都市の一つ。[AFPBB]
▼バインゴリン・モンゴル自治州(巴音郭楞蒙古自治州) - トルコ
- 古代都市サルディス(Sardis)で、1500年前の壁画で飾った家。床のテラコッタ製タイルには、子イヌの足跡や、ヤギの蹄の跡。また、タイルの焼成前に、指で描いた鳥の絵。屋内で長剣スパタ(spatha)5振が出土し、住民は戦争に関与した可能性。ほかにベルトのバックルや鉛製印章も出土。サルディスで過去に同様のスパタは3振しか発見されておらず、住民の地位は高い。家は200年程度使用され、7世紀初頭の地震で破壊。
Puppy prints and wall illusions found in 1,500-year-old house in Turkey[LiveScience]
▼マニサ県(Manisa ili)サリフリ郡(Salihli)
▼サルディス関連記事→2018年7月13日 - インド
- オリッサ州(Odisha)ブヴァネーシュヴァル(Bhubaneswar)のスカ・サリ寺院複合(Suka-Sari)で、10〜11世紀古代寺院の床。本殿の周りを4棟の附属建物が囲むパンチャヤタナ構造(Panchayatana)と判明。インド考古調査局(Archaeological Survey of India:ASI)の調査。[The New Indian Express]
- フランス
- シャンパーニュ地方(Champagne)のトロワ(Troyes)とランス(Reims)で出土した1世紀〜15世紀のブドウの種子を分析。野生種が一貫して利用され一方、ガリア南部の栽培種も1世紀にすでに登場し、2〜3世紀には主要な品種になる。1000年ごろ野生種と南方の品種が再登場し、社会経済的な変化や温暖化の時期に対応。300年後に寒冷化すると北方の品種が登場。
History of the Champagne vineyards revealed[Centre National de la Recherche Scientifique]
cf. Vincent Bonhomme, Jean-Frédéric Terral, Véronique Zech-Matterne, Sarah Ivorra, Thierry Lacombe, Gilles Deborde, Philippe Kuchler, Bertrand Limier, Thierry Pastor, Philippe Rollet & Laurent Bouby "Seed morphology uncovers 1500 years of vine agrobiodiversity before the advent of the Champagne wine" Scientific Reports. volume 11, Article number: 2305 (2021) [Scientific Reports] - アイルランド
- アイルランドの放射性炭素年代のデータベースを利用し、初期中世・400〜1000年の埋葬習俗のパターンを検討。5世紀にキリスト教の影響によって土葬に移行した後も、火葬(cremation)の風習は継続。
cf. Patrick Gleeson and Rowan McLaughlin (2021) Ways of death: cremation and belief in first-millennium AD Ireland. Antiquity, Volume 95, Issue 380, April 2021, pp. 382 - 399/ [Cambridge Core]
2021年1月27日(水)
- 栃木県
- 佐野市・唐沢山城跡(からさわやまじょうせき)で、安土桃山時代に築かれた本丸石垣の構造が明らかに。[朝日新聞]
▼唐沢山城跡関連記事→2012年2月18日 - 山梨県
- 甲州市・千手院前遺跡で、縄文時代の大規模な集落跡。[山梨日日新聞]
- 大阪市
- 中央区・大坂城で、豊臣秀吉による築城当時の石垣の南面部分を初めて発掘。大阪夏の陣で焼けたとみられる痕跡や、豊臣期の金箔瓦。大阪市教育委員会などの調査。2/19-21一般公開。事前予約必要。[毎日新聞]
地下に眠っていた秀吉の大坂城石垣を発掘しました 〜 発掘調査の現場を一般公開します 〜[大阪市] - 大阪府
- 高槻市・芥川山城跡(あくたがわさんじょうあと)で、戦国時代の武将三好長慶が建てたやぐらとみられる建物。天目茶碗やすずりなど出土。長慶は1553〜1560年に芥川山城跡を居城とした。高槻市1/27発表。[共同通信]
- 遣唐使
- 遣唐使船の模型作りに静岡県内の水中考古学者・木村淳氏と造船所が取り組む。水中考古学の知見を反映した復元は国内で初めて。完成後は九州国立博物館で展示。[東京新聞]
- 中国
- 貴州省 銅仁市 碧江区 壩黄鎮 坪茶村・方田壩遺跡で、牙璋が初めて出土。古代の礼器。貴州省文物考古研究所の調査。[AFPBB]
- モンゴル
- 17世紀の樹皮製の経典について、モンゴル科学アカデミー(Монгол улсын Шинжлэх ухааны Академи;Mongolian Academy of Sciences)歴史考古学研究所が韓国の国立文化財研究所に依頼した保存処理を完了。[韓国歴史文化新聞]
- トルコ
- キュタヒヤ県(Kütahya il)の古代都市アイザノイ遺跡(Αιζανοι;Aizanoi)で、ローマ皇帝アウグストゥス(Augustus)のころの銀貨651枚が、土器に入った状態で出土。439枚は標準的なローマの銀貨。212枚はペルガモン(Πέργαμον;Pergamon)のキストフォルス銀貨(κιστοφόρος;Cistophorus)。[Anadolu Ajansı]
- フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)セーヌ=エ=マルヌ県(Seine-et-Marne) クリズノワ(Crisenoy)で、中石器時代(Mésolithique;Mesolithic)の円形ピット内からシカの頭蓋骨。後期旧石器時代からハルシュタット文化(Hallstatt)末〜ラテーヌ文化(La Tène)初めまでの遺構・遺物。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Un crâne de cerf dans une fosse circulaire du Mésolithique à Crisenoy (Seine-et-Marne)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- バレアレス諸島(Islas Baleares;Balearic Islands)のマヨルカ島(Mallorca;Majorca)のソン・ペレト(Son Peretó)の初期キリスト教遺跡で地球物理学的調査。
cf. Catalina Mas Florit, Miguel Ángel Cau Ontiveros, Cornelius Meyer, Roger Sala, Helena Ortiz, Pedro Rodr Íguez Simón "Geophysical survey at the early Christian complex of Son Peretó (Mallorca, Balearic Islands, Spain)" Archaeological Prospection [Wiley Online Library] - 北欧
- スカンディナヴィアへの中石器時代(Mesolithic)の人の移動について、遺伝子研究では紀元前7500年以前の2度の移動を認識しているが、考古学的な証拠によよればそれ以前に少なくとも6回の移動があり、最初のそれは紀元前9000年をさかのぼる。遺伝子研究による人の移動の研究は、往々にして物質文化による証拠を簡化していると指摘。
▶ Mikael A. Manninen, Hege Damlien, Jan Ingolf Kleppe, Kjel Knutsson, Anton Murashkin, Anja R. Niemi, Carine S. Rosenvinge and Per Persson (2021) First encounters in the north: cultural diversity and gene flow in Early Mesolithic Scandinavia. Antiquity, Volume 95, Issue 380, April 2021, pp. 310 - 328. [Cambridge Core] - UK(イングランド)
- ウォリックシャー州(Warwickshire)コージル(Coleshill)で、16世紀のコージル・マナー(Coleshill Manor)の遺構。[Daily Mail]
- UK(スコットランド)
- アラン島(Isle of Arran)で、新石器時代の祭祀遺跡を発見。長方形の土塁で囲まれた広場。同様のものは大半がスコットランドの東岸にあるが、アラン島では初。
Ritual monument discovered in Scotland dates to the time of Stonehenge[LiveScience] - エチオピア
- ハルラー(Harlaa)で出土した、11世紀〜15世紀前半の紅海産の多量の貝殻。タカラガイ(cowries)はインド洋産とみられていたが、すべて紅海やアデン湾のものと判明。
cf. Timothy Insoll (2021) Marine Shell Working at Harlaa, Ethiopia, and the Implications for Red Sea Trade. Journal of African Archaeology, 19(1), 1-24. [BRILL] - アフリカ北東部
- アフリカ北東部のヒトの歯石(dental calculus)に含まれる乳製品の蛋白質を同定し、少なくとも6千年前にミルクを摂取していたことを直接証明。
ドイツ語 Alte Proteine helfen, frühen Milchkonsum in Afrika nachzuvollziehen
英語 Ancient Proteins Help Track Early Milk Drinking in Africa[Max-Planck-Institut für Menschheitsgeschichte]
cf. Madeleine Bleasdale, Kristine K. Richter, Anneke Janzen, Samantha Brown, Ashley Scott, Jana Zech, Shevan Wilkin, Ke Wang, Stephan Schiffels, Jocelyne Desideri, Marie Besse, Jacques Reinold, Mohamed Saad, Hiba Babiker, Robert C. Power, Emmanuel Ndiema, Christine Ogola, Fredrick K. Manthi, Muhammad Zahir, Michael Petraglia, Christian Trachsel, Paolo Nanni, Jonas Grossmann, Jessica Hendy, Alison Crowther, Patrick Roberts, Steven T. Goldstein & Nicole Boivin "Ancient proteins provide evidence of dairy consumption in eastern Africa" Nature Communications. volume 12, Article number: 632 (2021) [Nature Communications]
2021年1月26日(火)
- 韓国
- 全羅北道 全州市 完山区 慶園洞で、朝鮮時代の全州府城の城壁の北東部分を確認。全州文化遺産研究院の調査。[全北日報]
- 中国
- 湖北省 荊門市 沙洋県 ・新村墓地で楚の貴族墓。異穴合葬墓2基と陪葬車馬坑など。虎座鳥架鼓などの副葬品出土。M1号墓の被葬者は「下大夫」と推定。M2号墓の年代は紀元前300年以降、秦の将軍・白起が郢を攻略(紀元前278年)する以前。湖北省文物考古研究所の調査。[中国社会科学院考古研究所]
- ヨルダン
- ジャラシュ遺跡(Jerash)=古代のゲラサ(Gerasa)の北西区域で出土した、ローマ時代から初期イスラーム時代の土器を分析。政治的な変化にもかかわらず。在地産の土器が強く普及。
cf. Iza Romanowska, Achim Lichtenberger, Rubina Raja "Trends in ceramic assemblages from the Northwest Quarter of Gerasa/Jerash, Jordan" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect]
▼ジャラシュ遺跡関連記事→2020年8月19日 - イスラエル
- ネゲヴ砂漠(Negev Desert)で、ビザンティン時代・4〜7世紀と初期イスラーム時代・7〜9世紀に、輸入された大量の魚。魚は紅海、地中海、淡水、ナイル川に由来するが、調査された3遺跡でいずれも紅海のブダイ(Scaridae;parrotfish)が出土。ブダイの量や大きさから見て、23cm以上のものが選ばれ乾燥して輸送された。生産や貿易のネットワークを示す手がかり。
cf. Rachel Blevis, Guy Bar-Oz, Yotam Tepper, Irit Zohar "Fish in the desert: Identifying fish trade routes and the role of Red Sea parrotfish (Scaridae) during the Byzantine and Early Islamic periods" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - ギリシャ
- エウボイア島(Εύβοια;Euboea)アマリントス(Αμάρυνθος;Amarynthos)のアルテミス・アルミュシア(Artemis Amarysia)の聖域で、後期アルカイック時代(Late Αrchaic)の神殿。紀元前7世紀〜前6世紀の奉納品が出土。[Archaeology News Network]
- UK(イングランド)
- ケンブリッジ(Cambridge)の3か所の中世墓地から出土した中世・10〜14世紀の314体の人骨をX線で調査。教区の墓地で出土した労働者の人骨のうち44%に骨折。肉体労働による負傷。裕福な人は32%、虚弱な人は27%。ケンブリッジ大学(University of Cambridge)による研究。[BBC]
cf. Jenna M. Dittmar, Piers D. Mitchell, Craig Cessford, Sarah A. Inskip, John E. Robb "Medieval injuries: Skeletal trauma as an indicator of past living conditions and hazard risk in Cambridge, England" American Journalof Physical Anthropology [Wiley Online Library] - イヌの家畜化
- シベリア、ベーリング海、北米のヒトとイヌの遺伝子を調査。23000年前にはシベリアでイヌが家畜として利用されていた。ともにアメリカ大陸に渡り、拡散した。
cf. Angela R. Perri, Tatiana R. Feuerborn, Laurent A. F. Frantz, Greger Larson, Ripan S. Malhi, David J. Meltzer, and Kelsey E. Witt "Dog domestication and the dual dispersal of people and dogs into the Americas" Proceedings of the National Academy of Sciences, February 9, 2021 118 (6) e2010083118 [PNAS] - カナダ
- ケベック州(le Québec;Quebec)ヴァレンヌ(Varennes)で、砦と思われる遺跡。[La Relève]
- メキシコ
- メキシコシティー(Ciudad de México;Mexico City)のテンプロ・マヨール遺跡(Templo Mayor)で、モクテスマ1世(Motecuhzoma Ilhuicamina)の治世・1440〜1469年のイヌワシ(Golden Eagle)の浮彫。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。
Indaga INAH bajorrelieve de un águila real descubierto recientemente por el Proyecto Templo Mayor[Instituto Nacional de Antropología e Historia] - メキシコ
- チアパス州(Estado de Chiapas) ホベル渓谷(Valle de Jovel)で出土した後期古典期(late Classic)・600〜900年と後古典期前期(Early Postclassic)・900〜1250年の黒曜石165点を分析し、いくつかの主要な原産地を推定。大半の遺物はプリズマティック・ブレイド(prismatic blade)の生産に関連。プリズマティック・ブレイドはエイの背骨を表しており、祭祀に関連していると推定。
cf. Elizabeth H. Paris, Roberto López Bravo "Obsidian exchange networks in the Jovel Valley, Chiapas, Mexico: A compositional analysis approach" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 35, February 2021, 102773 [ScienceDirect]
2021年1月25日(月)
- 栃木県
- 宇都宮市で、学校法人「宇都宮学園」が運営する博物館「上野記念館」から。美術品320点盗難。このうち掛け軸4点を盗んだとして、出入り業者の50代の男を逮捕。[NHK]
- 愛知県
- 豊川市・三河国分寺跡(みかわこくぶんじあと)の塔跡北側に広がる空閑地で、並行に延びる南北溝2条。この溝の一部で出入り口が想定される箇所も確認。講堂跡北東の調査区で平安期の大型土坑から奈良三彩の火舎。豊川市教育委員会の調査。1/31現地説明会。[考古学フォーラム]
史跡三河国分寺跡の発掘調査について[豊川市]
▼三河国分寺跡関連記事→2020年1月23日 - 大分県
- 日出町の私有地で2016年に見つかった国内最大級の石丁場跡で、造成工事が進む。日出町教育委員会が文化財としての保存を検討したが指定に至らず。[大分合同新聞]
- 韓国
- 国立古宮博物館が所蔵する皮製文化財の大部分はウシ、ブタ、イヌなどの哺乳類の皮で作られた。[聯合ニュース]
- イスラエル
- テルアビブ(Tel Aviv)郊外で、アッバース朝(Abbasid)・9世紀の金貨を845グラム分発見。[Express]
- ギリシャ
- アテネの東方パイアニア(Παιανία;Paiania)で、墳墓から紀元前4世紀の女性像の彫刻2体。[Greek Reporter]
- イタリア
- ナポリ県(Città metropolitana di Napoli)アチェッラ(Acerra)でローマ時代・3世紀の邸宅。[Il Mattino]
- フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) セーヌ=サン=ドニ県(Seine-Saint-Denis)トランブレ=アン=フランス(Tremblay-en-France)で、新石器時代・紀元前600年〜前2200年の集落や、中世前期・476年〜1000年の墓地や集落。[ÉVEHA]
- USA
- アラスカ(Alaska)で、地球物理学的調査により、先住民トリンギット人(Tlingit)とロシア勢力の間の戦いに関連した砦の位置を確認。
cf. Thomas M. Urban and Brinnen Carter "Geophysical survey locates an elusive Tlingit fort in south-east Alaska" Antiquity [Cambridge Core]
2021年1月24日(日)
- 岐阜県
- 大野町・笹山古墳の後円部で周濠を確認。周濠から高坏など土器約10点。築造年代は2世紀末〜3世紀初め。濃尾平野にある前方後方墳として最古級の可能性。墳丘の全長は50〜60m規模と推測。大野町の調査。[朝日新聞]
▼笹山古墳関連記事→2020年12月8日 - 兵庫県
- 高砂市・南堀川周辺で、江戸時代前期の海面につながる石階段などの遺構を確認。高砂市教育委員会の調査。[神戸新聞]
▼南堀川関連記事→2016年12月1日 - イスラエル
- ガリラヤ湖(Sea of Galilee;Lake Kinneret)に近いティベリア(Tiberias)で、レヴァント征服当時の635年までさかのぼる可能性のあるモスク(mosque)を発見。ムハンマドの仲間によって築かれた可能性。ヘブライ大学(The Hebrew University of Jerusalem)の調査。[Arab News]
2021年1月23日(土)
- 島根県
- 出雲市・大社基地の跡地が法人に売却へ。大社基地は第二次世界大戦末期・1945年3〜6月に海軍航空基地として造られ、国有地となっていた。貴重な戦争遺跡として、遺構の保存を望む声。[朝日新聞]
▼大社基地関連記事→2001年7月5日 - ルーマニア
- サラージュ県(Județul Sălaj)スンタ・マリア(Sântă Măria)で、中世・1551〜1599年のポーランド、リトアニア、ハンガリーの銀貨36枚。[Romania-Insider]
- フランス
- ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏(Nouvelle-Aquitaine)ロット=エ=ガロンヌ県(Lot-et-Garonne)ビルヌーブ=シュル=ロット(Villeneuve-sur-Lot)で、紀元前2世紀前半からアウグストゥス朝までのガリア人の集落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Une occupation gauloise à Villeneuve-sur-Lot (Lot-et-Garonne)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2021年1月22日(金)
- 東京都
- 千代田区の、新たな国立公文書館の建設予定地から埋蔵文化財が見つかり、大規模な調査が必要。建設予定地には、江戸時代に大名屋敷が置かれていた。[NHK]
- 愛知県
- 小牧市・小牧山主郭地区(第13次調査)で、織田信長築城時の遺構。小牧市教育委員会の調査。2/27現地公開。
史跡小牧山主郭地区第13次発掘調査現地公開の延期のお知らせ[小牧市]
▼小牧山主郭地区関連記事→2017年11月13日 - 奈良県
- 奈良市・法華寺庭園は、造成された江戸時代前期からほどんど形を変えないまま保存されていた。奈良文化財研究所の調査。[NHK
▼法華寺庭園関連記事→2020年1月10日 - 山口県
- 防府市・防府市役所中庭駐車場で、平安時代末から鎌倉時代初め頃の掘立柱建物跡と溝。同時期の建物としては県内でも最大級。防府市教育委員会の調査。1/30現地説明会。
市役所発掘調査の現地説明会を開催します[防府市] - 中国
- 河南省 孟州市 谷旦鎮 禹寺村・禹寺遺跡で、竜山文化晩期〜二里頭文化(虞・夏時代)・4000年前の東西に並ぶ環濠集落2か所。秦河中下流域での当時の都市遺跡は初。河南省文物考古研究院の調査。[中国社会科学院考古研究所]
- 中国
- 安徽省 黄山市 屯渓区で、中華民国時代の銅貨、双旗幣。[安徽網]
- 中国
- 福建省 泉州市 安渓県 尚卿郷 清洋村・下草埔遺跡は、南宋中晩期〜元時代の塊錬鉄を用いた製鉄遺跡。下草埔遺跡は青陽冶鉄遺跡の一部。[中国社会科学院考古研究所]
- イスラエル
- カイザリア(Caesarea)で、12世紀の硬貨や金製イヤリング。ファーティマ朝のディナール硬貨18枚や、ビザンティン帝国・ミカエル7世ドゥーカス(Michael VII Doukas)の硬貨6枚。エルサレム王国のボードゥアン1世(Baldwin I)による1101年の虐殺の犠牲者か。イスラエル古代遺跡管理局(Israel Antiquities Authority)の調査。[Express]
- ギリシャ
- カソス島(Κάσος;Kasos Island)沖で、ローマ時代の沈没船。スペインのグアダルキビール地域(Guadalquivir)で作られた1〜3世紀のドレッセル20式(Dressel 20)のアンフォラなどの積み荷。アフリカ属州(Africa Proconsularis)、特に現在のチュニジアで作られたアフリカーナ1式(Africana I)のアンフォラも。さらに、ヘレニズム時代やクラシック時代の沈没船3隻。
Underwater Archaeological Research off Kasos in 2020[archaeology & arts] - ブルガリア
- シュメン州(Област Шумен;Oblast Shumen)グラディシェ(Градище;Gradishte)で、第一次ブルガリア帝国(Първа българска държава;First Bulgarian Empire)・9世紀の丸木舟(dugout)80艘。
80 newly found dugouts offer glimpse into 9th century rural life in First Bulgarian Empire[Archaeology in Bulgaria] - UK(イングランド)
- ポーツマス(Portsmouth)のSpur Redoubtで、17世紀の防波堤。昨年12月の暴風雨の後に露出。[The News, Portsmouth]
- 西ヨーロッパ
- 西ヨーロッパで、初期中世(early medieval)・6〜8世紀に副葬品を納める風習が放棄された過程を、墳墓遺跡237か所により調査。その傾向は6世紀半ばに初めり、7世紀末に強まり。8世紀には完全に放棄される。広範で急速な変化の要因は、地域間の交易やつながりによる。
▼cf. Emma Brownlee "Connectivity and funerary change in early medieval Europe" Antiquity [Cambridge Core]
2021年1月21日(木)
- トルコ
- 東アナトリアのアルスラーンテペ遺跡(Arslantepe)で出土した後期銅石器時代(Late Chalcolithic)の土器について、土器生産の標準化を研究。器形の多様性よりも、原材料の調達や処理が標準化の指標として適切。より高度な標準化は、轆轤の使用や回転速度よりも、生産の規模に関連。
▶ Pamela Fragnoli (2021) Re-assessing the notion(s) of craft standardization through diversity statistics: A pilot study on Late Chalcolithic pottery from Arslantepe in Eastern Anatolia. PLoS ONE, 16(1): e0245660. [PLOS ONE]
▼アルスラーンテペ遺跡関連記事→2020年2月28日 - 地中海
- 地中海沿岸と島嶼部での新石器時代からビザンティン時代までの、白大理石(white marble)の開発と流通について研究。生産地では、経済と文化の発展に白大理石が寄与。時代ごとに異なる採石地からの白大理石を輸入。
cf. Khaled Al-Bashaireh "Ancient white marble trade and its provenance determination" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 35, February 2021, 102777 [ScienceDirect] - イタリア
- ラツィオ州(Regione Lazio)サンタ・マリネッラ(Santa Marinella)の海岸で、ローマ時代・1世紀のマイルストーン。ティトゥス帝(Titus;Tito;在位79〜81年)に言及していることから年代推定。[Informazioni Mirittime]
▼ラツィオ州(Regione Lazio)ローマ県(Città metropolitana di Roma Capitale) - 中央ヨーロッパ
- アルプス以北の中央ヨーロッパの初期青銅器時代(Early Bonze Age)・紀元前2500年〜前1700年の青銅の環、湾曲した青銅製品、青銅製斧5000点以上を調査。形や重さに規格性があり、通貨の最初の形態。
Leiden archaeologists discover an early form of money from Prehistoric Central Europe[Universiteit Leiden]
cf. Maikel H. G. Kuijpers, Cătălin N. Popa (2021) The origins of money: Calculation of similarity indexes demonstrates the earliest development of commodity money in prehistoric Central Europe. PLoS ONE, 16(1): e0240462. [PLOS ONE] - スロバキア
- ピエシチャニ(Piešťany)近くのフビナ村(Hubina)で、キリスト教の儀式で用いられた銅製の聖杯(chalice)など。装飾の植物文様や材質が中央ヨーロッパでは珍しい。内部の銘文ではアルバニアに言及。バルカン半島起源と推定されるが、フビナに至った経緯は不明。[The Slovak Spectator]
- フランス
- オー=ド=フランス地域圏(Hauts-de-France)オワーズ県(Oise)バジクール(Bazicourt)で、後期青銅器時代とラ・テーヌ文化の墓地と集落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Des Nécropoles et des habitats de l’âge du Bronze final et de La Tène ancienne à Bazicourt (Oise)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- アリカンテ(Alicante)のグアルダマール・デル・セグラ(Guardamar del Segura)のエル・モンカヨ海岸(El Moncayo)でイスラーム時代・10〜11世紀の塔トーレ・デル・デスカルガドール(Torre del Descargador)の地下からローマ時代の邸宅。
A Roman villa appears under an Islamic tower excavated on the beach of Guardamar del Segura within the project of the University of Alicante and the Town Hall of Guardamar[Universidad de Alicante] - UK(イングランド)
- ケンブリッジ(Cambridge)、ニューナム(Newnham)のバートン・ロード(Barton Road)沿いにあるクロフト・ガーデンズ(Croft Gardens)で、初期中世・400〜650年のアングロサクソン墓地。60基以上を検出。[King's College, Cambridge]
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