考古学のおやつ/NEWSLINK

2019年11月30日（土）

高知県: 南国市・若宮ノ東遺跡で、古代の官人が装着していた腰帯の石製飾り「巡方」の完成品が出土。南国市教育委員会の調査。[毎日新聞]
▼若宮ノ東遺跡関連記事→2019年6月12日
トルコ: ビンギョル県（Bingöl ili）ソルハン郡（Solhan）ムラト村（Murat）で発掘された集落跡から出土した土器の中に、炭化した穀物の種子。放射性炭素年代で4500年前。コムギとみられるが、さらに調査中。遺跡はビンギョル最古の農耕集落で、青銅器時代、初期鉄器時代、中期鉄器時代、ビザンティン時代の4つの文化層がある。[Daily Sabah]
チェコ: クトナー・ホラ（Kutná Hora）近郊のセドレツ（Sedlec）にある14世紀の教会で、中世のセドレツ納骨堂（Kostnice Sedlec；Sedlec Ossuary）近くから、大型墓34基と1200体の人骨。大半は1318年の飢饉と1348年の黒死病の犠牲者。[Radio Praha]
ポーランド: コストシン（Kostrzyn）で、紀元前1世紀の蔵骨器と、墓壙12基。在地のゲルマン人戦士の遺体。コストシン砦博物館（Kostrzyn Fortress Museum）の調査。[Express]
▼ヴィエルコポルスカ県（Województwo wielkopolskie）ポズナン（Poznań）
フランス: ブルターニュ地域圏（Région Bretagne）カンペール（Quimper）で、ガロ＝ローマ時代・1～2世紀の墓地。火葬と土葬があり、方形の溝に囲まれた3つの区画からなる。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
Une nécropole gallo-romaine à Quimper[国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）]
▼ブルターニュ地域圏（Région Bretagne）フィニステール県（Finistère）
UK（イングランド）: ロンドン（London）で出土したローマ時代・1～3世紀のヒトの大腿骨30本を分析。鉛中毒の証拠。ローマ帝国の都市発達のピークで、都市ロンディニウム（Londinium）が建設された。[Forbes]
論文　S. R. Scott, M. M. Shafer, K. E. Smith, J. T. Overdier, B. Cunliffe, T. W. Stafford Jr, P. M. Farrell "Elevated lead exposure in Roman occupants of Londinium: New evidence from the archaeological record" Archaeometry [Wiley Online Library]
UK（イングランド）: エブスフリート・ガーデン・シティ（Ebbsfleet Garden City）で、ローマ時代・2000年前のピンセットと耳栓。[FOX News]
UK（スコットランド）: パース・アンド・キンロス州（Perth and Kinross）パースシャー（Perthshire）Glensheeでピクト人（Picts）の集落。紡錘車（spindle whorl）など出土。Perth and Kinross Heritage Trustの調査。[The Courier]

2019年11月29日（金）

仙台市: 若林区・陸奥国分寺跡（むつこくぶんじあと）で、鐘楼の基礎構造は仁王門とは異なることが判明。仙台市教育委員会11/28発表。11/30現地説明会。[河北新報]
▼陸奥国分寺跡関連記事→2007年7月26日
岡山市: 北区・造山古墳（つくりやまこふん）で、墳丘裾部に列状に並ぶ葺石を確認。前方後円墳、350m。岡山市教育委員会の調査。12/8現地説明会。[岡山市]
島根県: 益田市・スクモ塚古墳は、全長96mの前方後円墳の可能性。益田市教育委員会の調査。[毎日新聞]
▼スクモ塚古墳関連記事→2019年11月22日
鹿児島県: 曽於市・平松城跡で、新たに空堀か所確認。曽於市教育委員会の調査。[南日本新聞]
韓国: 京畿道烏山市・禿山城で、復元された城壁の下に、朝鮮時代の城壁。さらにその下層から、三国時代・6～7世紀に築造された城郭を初めて確認。[聯合ニュース]
トルコ: チョルム県（Çorum）サピヌワ（Sapinuwa）の古代ヒッタイトの都市から、3500年前の頭蓋骨と大腿骨。サピヌワはヒッタイト帝国の都だったこともある。[Daily Sabah]
▼チョルム県（Çorum）オルタキョイ（Ortaköy）
ポーランド: クヤヴィ＝ポモージェ県（Województwo kujawsko-pomorskie）ウィソミツェ（Łysomice）で7000年前の巨大な同心円状の祭祀遺構「ラウンデル（Roundel）」。
Giant 7,000-Year-Old `Religious` Structures Found near Łysomice[Nauka w Polsce]
ポーランド: ドルノシロンスク県（Województwo dolnośląskie；Lower Silesia）ストシェリン（Strzelin）ヴァルコチ村（Warkocz）で、ケルト人（Celts）による紀元前4世紀の鉄溶解炉12基。ポーランド最古の鉄溶解炉。ヴロツワフ大学考古学研究所（Instytut Archeologii Uniwersytetu Wrocławskiego；Institute of Archaeology of the University of Wrocław）の調査。
Ancient Iron Smelting Furnaces Used by Celts Found in Village[Nauka w Polsce]
▼ドルノシロンスク県（Województwo dolnośląskie；Lower Silesia）ストシェリン郡（Powiat Strzeliński）

2019年11月28日（木）

千葉市: 若葉区・加曽利貝塚は縄文時代の中期、後期、晩期にわたる集落。千葉市の調査。11/30現地説明会。[読売新聞]
奈良県: 奈良市・富雄丸山古墳（とみおまるやまこふん）の墳頂部から、中国製の斜縁神獣鏡の破片。奈良市教育委員会11/28発表。[共同通信]
▼富雄丸山古墳関連記事→2019年1月23日
韓国: 慶尚南道昌寧郡昌寧邑の校洞・松峴洞古墳群（キョドン・ソンヒョンドンこふんぐん）で、1.5mの石で墓室を構築した非火加耶の支配層の大型古墳。国立加耶文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
▼校洞・松峴洞古墳群関連記事→2019年3月26日
中国: 天津市薊州区穿芳峪鎮果香峪村・朝陽洞旧石器洞穴遺跡から旧石器時代の石器。[中国社会科学院考古研究所]
UK（イングランド）: ノーサンバーランド州（the county of Northumberland）バンバラ城（Bamburgh Castle）近くのホウル・ホウル墓地（Bowl Hole Cemetery）で、1998～2007年に調査されたアングロ・サクソンの人骨110体を調査。ノーサンブリアの黄金時代（Golden age of Northumbria）にブリテン諸島の各地、特にスコットランド西部からやってきた、高い地位の人々と判明。バンバラ（Bamburgh）出身はわずか10%。うち1人は9歳の少年で、北アフリカで生まれ、幼少時をフランスで過ごす。また、25歳のアイルランド人女性は織物職人か針仕事をしていた可能性。ダラム大学（Durham University）の研究。[Daily Mail]
アフリカ: アフリカの30遺跡で出土した、過去1万年のダチョウの卵の殻のビーズ1200個の直径を調査。南アフリカで、2000年前にビーズが大きくなるのは牧畜民の到来と同時期という仮説を検証。南アフリカでは、牧畜民の登場で新たなビーズのスタイルが現れるが、採集民の伝統も残る。一方、東アフリカでは、もともとビーズが大きいまま変化せず。南アフリカの大型化したビーズは、東アフリカのビーズの大きさの範囲内。南アフリカへの牧畜の導入は東アフリカとの接触によりもたらされた。
英語リリースOstrich eggshell beads reveal 10,000 years of cultural interaction across Africa
ドイツ語リリースPerlen aus Straußeneierschalen belegen 10.000 Jahre interkulturellen Austausch in ganz Afrika[マックス・プランク人類史学研究所（Max-Planck-Institut für Menschheitsgeschichte）]
論文　Jennifer M. Miller, Elizabeth A. Sawchuk "Ostrich eggshell bead diameter in the Holocene: Regional variation with the spread of herding in eastern and southern Africa" PLOS November 27, 2019[PLOS One]
プエルトリコ: カボ・ロホ（Cabo Rojo）で出土した紀元前700年ごろハマグリ20kgを化学分析。加熱の温度が大半は100°以上で200℃以下と推定。スープにするために煮るだけではなく、バーベキューのように焼いていたことを示す。煮るために必要な土器の製作技術は発達していなかった。先アラワク（pre-Arawak）は紀元前3000年以上にプエルトリコに到達した最初の人類。
Barbequed clams on the menu for ancient Puerto Ricans[Cardiff University]
論文　Philip T. Staudigel, Peter K. Swart, Ali Pourmand, Carmen A. Laguer-Díaz and William J. Pestle "Boiled or roasted? Bivalve cooking methods of early Puerto Ricans elucidated using clumped isotopes" Science Advances. Vol. 5, no. 11 [Science Advances]

2019年11月27日（水）

長野県: 考古学もしくはこれに関する分野の専攻生の就業体験希望について相談に応じます。[長野県埋蔵文化財センター]
京都市: 中京区・平安京右京二条三坊九町で、平安時代前期の貴族邸宅にあった池状の遺構。9世紀後半までには池などが廃絶。右京の衰退が平安中期以前から進んでいたことを示す。花園大学11/27発表。11/30現地説明会。[京都新聞]
島根県: 出雲市・神門横穴墓群で、6世紀後半～7世紀半ばの横穴墓15基を新たに確認。うち1基の天井や奥壁に線刻。出雲市11/26発表。[毎日新聞]
アルメニア: Bover I墓地で、鉄器時代・初期アルメニア時代（Early Armenian period）・紀元前8～前6世紀のウラルトゥ（Urartu）の20代女性の遺体。たくましく、骨に重傷の痕跡。ギリシャ神話のアマゾーン族（Amazons）の可能性。[International Business Times]
論文　A.Yu. Khudaverdyan, A.A. Yengibaryan, S.G. Hobosyan, A.A. Hovhanesyan, A.A. Saratikyan "An Early Armenian Female Warrior of the 8‐6 c. BC from Bover I site (Armenia)" International Journal of Osteoarchaeology [Wiley Online Library]
イタリア: シチリア州（Regione Sicilia）カルタニッセッタ県（Caltanissetta）ジェーラ（Gela）で、紀元前7世紀～前6世紀のギリシャ墓地。小児の骨を納めた土器ヒュドリア（ὑδρία；hydria）など出土。[Regione Siciliana]
イタリア: リグーリア州（Regione Liguria）西部の洞窟16か所から出土した人骨を分析。AMSにより130試料の年代測定。紀元前6千年紀第4四半期以降に洞窟が葬送に用いられている。大多数は新石器時代・方形口縁土器文化（Square Mouthed Pottery culture）・紀元前5千年紀前半。
文献　V. S. Sparacello, A. Varalli, S. Rossi, C. Panelli, G. Goude, S. W. L. Palstra, M. Conventi, A. Del Lucchese, D. Arobba, A. De Pascale, M. Zavattaro, P. Garibaldi, G. Rossi, I. Molinari, R. Maggi, J. Moggi-Cecchi, E. Starnini, P. Biagi, I. Dori "Dating the funerary use of caves in Liguria (northwestern Italy) from the Neolithic to historic times: Results from a large-scale AMS campaign on human skeletal series" Quaternary International, Volume 536, Pages 30-44 [ScienceDirect]
ポーランド: グニェズノ（Gniezno）のグジボヴォ（Grzybowo）にある920年代～11世紀半ばの砦から、中世・9世紀後半～10世紀中ごろの真鍮製の指輪。神の子羊（Agnus Dei；the Lamb of God）と、それを囲むクジャクの図像。カロリング朝の文化圏、特に、8世紀にはキリスト教が支配的になっていた東アルプスから、ピャスト朝（Dynastia Piastów）のころのポーランドにもたらされた可能性。
’Viking’ Ring Found In Piast Stronghold Turns Out To Be Unique Christian Artefact[Nauka w Polsce]
▼ヴィエルコポルスカ県（Województwo wielkopolskie）
▼グニェズノはピャスト朝の中心地。
ドイツ: テューリンゲン州（Freistaat Thüringen）ゴータ郡（Landkreis Gotha）で、1567年に解体されたヤコブ礼拝堂（Jakobskapelle）を調査。[Mitteldeutscher Rundfunk]
フランス: ノルマンディー地域圏（Normandie）カルヴァドス県（Calvados）イフ（Ifs）で、鉄器時代から中世の遺跡。鉄器時代1期末・紀元前5世紀の墳墓には二輪馬車、男性人骨とウマを埋葬。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
Une tombe à char, des sépultures d’hommes et de chevaux et un souterrain à Ifs (Calvados)
英王室属領ガーンジー: L’Ancresse Commonで、青銅器時代の墳墓と思われていたものは、ナポレオン時代のフィールドキッチン（field kitchen）。出土した土製パイプは1803～1815年の製品。[Guernsey Press]
UK（イングランド）: オックスフォード（Oxford）カウリー（Cowley）でローマ時代の土器や骨片。[Oxford Mail]
▼オックスフォードシャー州（the county of Oxfordshire）
エジプト: ペディアメノペ（Padiaménopé；Pediamenopet）の墓（TT33）で第18王朝の木棺3基。うち2基は女性ティ・アボ（Ti Abo）、女性ラウ（Rau）のもの。フランス東方考古学研究所（Institut Français d’Archéologie Orientale）とストラスブール大学（Université de Strasbourg；University of Strasbourg）の調査。[Luxor Times]
北米: 北極圏のイヌ391頭の形態と921頭のDNAを分析。2000年前以降のイヌイット（Inuit）の遺跡で出土したイヌは現在の北極圏のそり犬の直接の先祖であるが、それ以前の犬とは異なる。イヌイットは現地のイヌを利用するのではなく、特別な犬を連れて北極圏を征服。
Unique sledge dogs helped the Inuit thrive in the North American Arctic[University of Exeter]
論文　Carly Ameen et al. "Specialized sledge dogs accompanied Inuit dispersal across the North American Arctic" Proceedings of the Royal Society B. Volume 286 Issue 1916 [The Royal Society]

2019年11月26日（火）

三重県: 南牟婁郡紀宝町・鵜殿西遺跡（うどのにしいせき）で、鎌倉時代から室町時代の居館と考えられる建物や溝跡。三重県埋蔵文化財センターの調査。11/30現地説明会。[三重県]
▼鵜殿西遺跡関連記事→2018年11月10日
島根県: 出雲市・京田遺跡（きょうでんいせき）から出土した超微量の赤色顔料の産地を同定。北海道で採掘された辰砂鉱石が使用された可能性。縄文時代後期中葉の大規模集落跡。硫黄を含まない粘着テープを用いて超微量の朱を出土品の彩色部から転写する試料採取法を考案。高感度な硫黄同位体比分析法を組み合わせる。
超微量硫黄同位体比分析を考古学に応用する－京田遺跡の出土品から赤色顔料を精密分析－[理化学研究所]
論文　Takeshi Minami, Kosuke Hatanaka, Yuko Motizuki, Yoichi Nakai, and Kazuya Takahashi, "A method of collecting trace amounts of vermilion from artifacts for source estimation by sulfur isotope (δ34S) analysis: use of sulfur-free adhesive tape to minimize damage to the artifact body during sampling", Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 28 [ScienceDirect]
韓国: 忠清南道扶余郡扶余邑双北里で、扶蘇山城と青山城の間をつなぐ百済の石垣を確認。北羅城の一部をなす城壁と推定。[聯合ニュース]
ウズベキスタン: Xo'Janqo村のLungi Tepa遺跡で、中世・800～1220年の骨。[University of Otago]
イラク: テル・アッサドゥム（Tell as-Sadoum）の古代都市マラダ（Marad）で、イシン・ラルサ時代（Isin-Larsa）～古バビロニア（Old Babylonian）・紀元前2千年紀初めの楔形文字文書数百件と、文書を入れる、粘土でできた「封筒」。ピサ大学（Università di Pisa）、シエナ大学（Università degli Studi di Siena；Universities of Siena）、カーディシーヤ大学（University of Al-Qādisiyyah）の調査。
英語リリース ‘Envelopes’ made of clay have been unearthed in the ancient Mesopotamian city of Marad during the University of Pisa’s archaeological mission in Iraq
イタリア語リリース“Buste” di argilla dall’antica Mesopotamia[Università di Pisa]
オマーン: 北シャルキーヤ行政区（North Al Sharqiyah）アル・ムダイビー（Al Mudhaibi）のAl Saleeli山で、鉄器時代はじめの集落や墳墓45基。集落は、東700mにある銅鉱山で働いた人々のものか。[Times of Oman]
イスラエル: ソレク洞窟（Soreq Cave）の洞窟生成物（speleothem）を分析。アフリカからのホモサピエンスの移動は、中東の季節風（monsoon）を追っていた可能性。12万5千年前に、地球の軌道の変化により北半球が太陽に近くなり、アジア・アフリカから中東への夏の季節風が、ホモサピエンスの移動に適した回廊をもたらした。
Human migration out of Africa may have followed monsoons in the Middle East[University of Wisconsin-Madison]
論文　Ian J. Orland, Feng He, Miryam Bar-Matthews, Guangshan Chen, Avner Ayalon, and John E. Kutzbach "Resolving seasonal rainfall changes in the Middle East during the last interglacial period" Proceedings of the National Academy of Sciences. November 25, 2019 [PNAS]
イスラエル: ガリラヤ地方（Galilee）の十字軍時代のドイツ騎士団の城モンフォート城（Montfort Castle）で，マムルーク朝（Mamluk Sultanate）のスルタン、バイバルス（Baybars）による1266年の破壊の痕跡。[Haaretz]
エストニア: イダ＝ヴィル県（Ida-Viru maakond）のVarja村から、8世紀末～9世紀のヴァイキング（Viking）の青銅製の箱形ブローチ。エストニアで2例目。ゴトランド島（Gotland）で生まれ、その後エストニアにわたった女性のもの。[Eesti Rahvusringhääling]
フランス: サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏（Centre-Val de Loire）トゥール（Tours）で、18～19世紀の墳墓約50基。一つの墓壙に2人～5人を葬る場合があり、頭蓋骨が欠けていたり、傷のついた遺体がある。1866年から1913年までのトゥール総合救済院（hospice général de Tours）に関連した可能性。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
Des corps sans tête rue du plat d'étain à Tours[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
▼サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏（Centre-Val de Loire）アンドル＝エ＝ロワール県（Indre-et-Loire）
アイルランド: ダブリン（Dublin）市内で、18世紀初めの大規模なカトリック教会跡。カトリックが禁止されていた1709年に設立。[The Irish Times]

2019年11月25日（月）

大阪府: 豊中市・の竹林斜面に、太平洋戦争中に使われた防空壕。「豊中に平和と人権に関する資料館を求める会」が確認。[毎日新聞]
韓国: 忠清南道泰安堂岩浦の海域から出土した高麗青磁の大部分は14～15世紀の製品。国立海洋文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
韓国: 全羅北道南原市・広寒楼閣の烏鵲橋で、上石板に星座を表す星穴。[聯合ニュース]
韓国: 慶尚南道咸安郡末伊山45号墳から今年出土した阿羅加耶・5～6世紀のシカ形角杯は、角杯、胴部上半、胴部下半、脚部の4部分を接合して作っていた。CTで製作技法を調査。国立文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
中国: 山東省青島市・琅琊台遺跡で秦漢時代の排水システム。[人民網]
中国: 殷周時代に青銅器に鋳込まれた文字「金文」は、泥水を付けた筆で鋳型に字を盛り上げた「筆文字」の可能性が高い。泉屋博古館と芦屋釜の里の研究。[毎日新聞]
ドイツ: ドレスデンの博物館レジデンツ宮殿（Residenzschloss Dresden）で盗難。第二次世界大戦以降で最大の美術盗難。[The Local Germany]
スペイン: メノルカ島（Menorca）のラ・モラ遺跡（La Mola）でタライオット文化（Talaiotic Culture）の終末・紀元前3～前2世紀の土器50個と獣骨。地下墓での葬送にかかわる共食儀礼を表すか。[Archaeology News Network]
ボリビア: ティティカカ湖（Lago Titicaca；Lake Titicaca）の太陽の島（Isla del Sol；Island of the Sun）近くの湖底で、ティワナク文化（Tiwanaku）・500～1100年に意図的に沈められた供物。生贄のリャマや、金や石の装飾品、香炉など。[International Business Times]
差別: 東大情報学環大澤昇平氏の差別発言について[明戸隆浩]
▽重要な指摘が多いですが、他の方も触れられている通り、最後の方に出てくる「統計的差別」に関する記述がよいです。

2019年11月24日（日）

韓国: 慶州・天馬塚で出土したガラス杯の成分を分析。東地中海・黒海沿岸で製作されたという説を支持。国立慶州博物館の調査。天馬塚は、新羅・5世紀末～6世紀初めに築造された積石木槨墳。[聯合ニュース]
エジプト: サッカラ（Saqqara）で、2600年前の墓から、子ライオンのミイラ2体を初めて発見。また、ヒョウやチーターとみられる大型なネコ科のミイラ3体、小型のネコのミイラ20体も。墓の中から、直径30cmの最大のスカラベ。墓の近くでは石や木や金属で作った、ネコを表す像が大量に出土。ネイト女神（Neith）の像も出土。ネイト女神は第26王朝の首都サイス（Sais）の女神であり、墓の年代の根拠。
Two Lion Cub Mummies Discovered in Egypt for the First Time[LiveScience]
USA: フロリダ州（State of Florida）パームビーチ（Palm Beach）で、3000年前～2500年前のネイティヴアメリカンの大人と子供の人骨。[The Palm Beach Post]

2019年11月23日（土）

京都市: 下京区・平安京左京八条二坊九町で、鎌倉時代の刀装具などの工房跡から、平安時代・10世紀の瑞花双鳥八稜鏡。八稜鏡が材料として再利用されたか。[産経新聞]
沖縄県: 那覇市・首里城の火災により、沖縄美ら島財団が所有する琉球王朝時代の工芸品など1510点のうち、26･6%に当たる401点が確認できていない。[沖縄タイムス]
中国: 甘粛省武威市天祝蔵族自治県で、武則天のころの吐谷渾の王族、喜王・慕容智の墓。[中国経済網]
ヨルダン: フマイマ遺跡（Humayma）で1991年に発見された、初期イスラーム時代・680～749年の砂岩を削った遺物は、最古のチェスの駒である可能性。遺物は長方形で頂部に2つの角のようなものが突出。城を表すルーク（rook）に似る。フマイマ遺跡は、初期イスラーム時代の交易拠点。文字資料によればチェスは1400年以上前のインドに起源。[ScienceNews]
ブルガリア: ソゾポル（Созопол；Sozopol）で、4世紀の墓。カルファタ墓地（Калфата ；Kalfata）の一部と推定。また2世紀のディオニュソス神（Διόνυσος；Dionysos）の図像を表した土器や、ガラス製の香水瓶バルサマリウム（balsamarium）。[The Sofia Globe]
ドイツ: ブランデンブルク州（Land Brandenburg）ウッカーマルク郡（Landkreis Uckermark）ビーゼンブロウ（Biesenbrow）で、新石器時代の人骨。装身具や土器を副葬。また、ローマ帝政期後期の集落も。[Der Tagesspiegel]
ペルー: ランバイエケ県（Departamento de Lambayeque；Lambayeque Region）トゥクメ遺跡（Túcume）のワカ・ラス・アベハス（huaca Las Abejas）で、インカ時代の埋葬15体。[Andina]

2019年11月22日（金）

群馬県: 前橋市・前橋城の江戸時代中ごろの堀跡2本を確認。一帯に武家屋敷があったとみられる。前橋市教育委員会の調査。[東京新聞]
岐阜県: 高山市・中切日焼遺跡で、掘立柱建物1棟と竪穴建物6棟。岐阜県文化財保護センターの調査。[岐阜県]
島根県: 益田市・スクモ塚古墳で、墳頂部から円筒埴輪列。造り出し付円墳、53m。益田市の調査。11/30現地説明会。[益田市]
▼スクモ塚古墳関連記事→2018年3月19日
トルコ: チャナッカレ県（Çanakkale il）ギョクチェアダ郡（Gökçeada）のウウルル・ゼイティンリク遺跡（Uğurlu-Zeytinlik Höyök）で、紀元前6000年のオベリスク遺構（obelisk）。石材2個からなり、先細りの四角柱の上にピラミッド形。[Anadolu Ajansı]
トルコ: メルスィン県（Mersin il）のアッカレ遺跡（Akkale）で4～7世紀の浴場跡。[Anadolu Ajansı]
ロシア: スモレンスク州（Смоленская область；Smolensk Oblast）のセルテヤ（Сертея；Serteya）で、新石器時代・紀元前3千年紀の柱上住居（palafite）。籠、繊維、骨、土器、狩猟用の罠、漁網など。ウッチ大学（Uniwersytet Łódzki；University of Lodz）などの調査。
Bones, bowls and animal traps reveal secrets of Russia 5,000 years ago[Nauka w Polsce]
オーストリア: ニーダーエスターライヒ州（Niederösterreich）ザンクト・ペルテン＝ラント郡（Bezirk Sankt Pölten-Land）ザンクト・ペルテン（Sankt Pölten）のドームプラッツ（Domplatz）の発掘が終了。10年間で人骨22000体出土。
AUSgegraben - 10 Jahre Archäologie am Domplatz[Sankt Pölten]
ノルウェー: ムーレ・オ・ロムスダール県（Møre og Romsdal）のエドイ島（Edøy）で、地中レーダーによりメロヴィング朝（Mérovingiens；Merowingerzeit；Merovingian；481～751年）またはヴァイキング時代の長さ16～17mの船棺葬と集落。ノルウェー文化遺産研究所（Norsk institutt for kulturminneforskning；Norwegian Institute for Cultural Heritage Research） (NIKU)の調査。[The Local Norway]
USA: フロリダ州（State of Florida）タンパ（Tampa）のジオン墓地（Zion Cemetery）で新たな墳墓。[Tampa Bay Times]

2019年11月21日（木）

京都市: 右京区・嵯峨遺跡から、南北朝時代・14世紀中ごろに操業したとみられる酒造り遺構。天龍寺などの寺院が手がけた僧房酒の関係遺構とみられる。[産経新聞]
福岡県: 行橋市・長井遺跡から出土した弥生時代の箱式石棺墓群で、3基の内部が板状の石で仕切られていた。行橋市教育委員会11/20発表。11/23現地説明会。[西日本新聞]
トルコ: ディヤルバクル県（Diyarbakır）ゼルゼヴァン城（Zerzevan Kalesi；Zerzevan Castle）で、1700年前のオイルランプ48個。[Anadolu Ajansı]
▽昨日のDaily Sabahでは1500年前になってました。
ロシア: デニソワ洞窟（Денисова пещера；Denisova Cave）の南ギャラリー第11層から、マンモスの牙で作った後期旧石器時代・45,000年前～40,000年前のライオンの像。動物像として世界最古か。マンモスの牙は100km以上を運搬。加工後は腹部を黄土で着色。デニソワ洞窟では南ギャラリーからのみ黄土が出土している。製作者がデニソワ人かホモサピエンスかは確定せず。[The Siberian Times]
USA: ジョージア州（State of Georgia）セント・キャサリンズ島（St. Catherines Island）の貝塚（shell ring）で出土した、4300年前のカキの殻に寄生する巻貝（Boonea impressa）の大きさからカキの採取時期を推定。英語の月名の綴りに「r」のつく月（9月～4月）にのみカキ（oyster）を食べる経験則は4000年前に始まる。フロリダ自然史博物館（Florida Museum of Natural History）などの調査。
Only eat oysters in months with an ‘r’? Rule of thumb is at least 4,000 years old[Florida Museum of Natural History]
論文　Nicole R. Cannarozzi, Michal Kowalewski. "Seasonal oyster harvesting recorded in a Late Archaic period shell ring". PLOS ONE [PLOS One]

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