2021年3月10日(水)
- 愛媛県
- 松山市・松山城三之丸跡(まつやまじょうさんのまるあと:第23次調査)で、北御門の東袖とみられる石垣。櫓門で、横19.7m、奥行き8.2m。江戸時代の古文書や絵図に合致。松山市3/9発表。[愛媛新聞]
▼松山城三之丸跡関連記事→2019年12月19日 - 中国
- 河北省 石家庄市 欒城区 西営郷 周家庄村・周家庄墓地で、商(殷)代晩期の貴族墓群。[中国社会科学院考古研究所]
▼周家庄墓地関連記事→2020年12月11日 - イスラエル
- 北部の海岸沖で、新石器時代・9000年前〜6500年前の集落跡16か所以上を確認。テル・ヘライツ遺跡(Tel Hreiz)では、海面上昇に対処するための100mにおよぶ石造りの堤防。当時、地中海沿岸では約30年ごとに12・20cm海面上昇。
The earliest coastal wall shows humans were battling sea level rise in the Neolithic era[ZME Science]
▼テル・ヘライツ遺跡関連記事→2019年12月19日 - ギリシャ
- ラリッサ(Λάρισα;Larissa)で、16〜17世紀の教会が地震により被害に。[Orthodox Times]
- フランス
- ノルマンディー地域圏(Normandie)カルヴァドス県(Calvados)ブランヴィル=シュル=オルヌ(Blainville-sur-Orne)で、青銅器時代の楕円形環濠。55m×45m。保存の良い獣骨(ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ)のほか、土器や石器が出土。また、中期新石器時代・紀元前4200年〜4000年の貯蔵穴。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Un habitat et des cercles funéraires de l’âge du Bronze à Blainville-sur-Orne (Calvados)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スウェーデン
- エステルイェータランド県(Östergötlands län)アスカ(Aska)で、1300年前のプラットフォーム・マウンドの上のホールから、多数の金板。抱き合う2人の人物を表す。
When unfolded, these ancient gold foil figures reveal embracing couples[LiveScience] - UK(イングランド)
- グロスター(Gloucester)のキングズスクエア(Kings Square)で、ローマ時代の石灰岩製の城壁。隅櫓(corner tower)の可能性。[BBC]
- UK(イングランド)
- デヴォン州(county of Devon)で新石器時代のフリント製の石斧。[DevonLive]
2021年3月9日(火)
- 鳥取県
- 三朝町・三徳山(みとくさん)の神倉湯・イケガナル地点で、中世・12世紀ごろの氷室跡とみられる石組み遺構4基。[朝日新聞]
- 熊本県
- 天草市・河浦町河浦地区で、複数の場所から中世の土師器皿など。輸入陶磁器「華南三彩 トラディスカント壺」の破片も出土。天草市の試掘調査。3/20現地説明会。[天草市]
- 沖縄県
- 石垣市(Ishigaki)・白保竿根田原洞穴遺跡(しらほさおねたばるどうけついせき)で出土した後期更新世(Late Pleistocene)の人骨のフッ素含有量を測定し堆積環境を推定。
cf. K. Yoshimura, N. Doi, C. Katagiri, M. Yoneda "FLUORINE CONTENT OF FOSSIL HUMAN BONES EXCAVATED FROM THE SHIRAHO‐SAONETABARU CAVE SITE, ISHIGAKI IS., OKINAWA, JAPAN, AS A CHRONOLOGICAL AND SEDIMENTARY ENVIRONMENTAL INDEX" Archaeometry [Wiley Online Library] - 中国
- 安徽省(Anhui)寿県(Shouxian)西圏墓地(Xijuan)の蔡(Cai)の貴族墓、M25号墓で出土した戦国時代・紀元前5世紀の金属遺物のうち2/3は錫・鉛合金。鉛同位体分析により、鉛青銅と錫・鉛合金の鉛は産地が異なる。錫鉛合金の鉛は、楚(Chu)や曾(Zeng)の遺物と共通するが、M25号墓から出土した錫鉛合金製に金箔張りの馬具は楚の高位エリートにのみみられ、楚の宮廷による贈与システムで材料または製品が供給された可能性。
cf. D. Chen, Y. Han, Z. Wang, K. Chen, B. Cai, S. Liu "The prestigious tin‐lead horse fittings in the Warring States period: evidence from funerary artefacts of a Warring States tomb at Shouxian, Anhui" Archaeometry [Wiley Online Library] - イスラエル
- ネゲブ砂漠(Negev desert)で、鉄器時代末〜ペルシャ時代・紀元前6〜前5世紀のスカーフをまとった女性像。[ANSAmed]
- イスラエル
- イズレル谷(Jezreel Valley)のホルヴァト・テヴェト遺跡(Ḥorvat Tevet)で鉄器時代1期(Iron I)・紀元前1050年〜前900年の墳墓に供献された土器7点の残留物を分析。葬送儀礼で温めた蜜蝋(beeswax)を動物性脂肪と混ぜて燃料として使用し、さまざまな器に入れる。
cf. Ayala Amir, Yuval Gadot, Jordan Weitzel, Israel Finkelstein, Ronny Neumann, Hannes Bezzel, Karen Covello-Paran, Omer Sergi "Heated beeswax usage in mortuary practices: The case of Ḥorvat Tevet (Jezreel Valley, Israel) ca. 1000 BCE" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - ロシア
- オモロン川(Омолон;Omolon)流域の30遺跡から出土した先史時代の黒曜石112点を分析し、原産地を推定。おもにチュクチ自治管区(Чукотка;Chukotka)のクラスノエ湖(озера Красное;Lake Krasnoye)と、カムチャツカ半島(Камчатский полуостров;Kamchatka Peninsula)のItkavayam、パヤルパン(Паялпан;Payalpan)、KAM‐8の黒曜石で、遺跡から直線距離で300km〜900km。カムチャツカの黒曜石が半島の外で発見されるのは初。
cf. Y. V. Kuzmin, I. E. Vorobei, M. D. Glascock, A. V. Grebennikov "SOURCING OF OBSIDIAN ARTEFACTS FROM THE OMOLON RIVER BASIN AND NEIGHBOURING REGION (NORTHEASTERN SIBERIA): PREHISTORIC PROCUREMENT FROM KAMCHATKAN AND CHUKOTKAN SOURCES" Archaeometry [Wiley Online Library] - ベルギー
- スピー洞窟(Grotte de Spy;Cave of Spy)とアンジ(Engis)、フォン・ド・フォレ(Fonds-de-Forêt)のネアンデルタール人(Neanderthal)の放射性炭素年代を直接測定し、44200年前〜40600年前(cal B.P.)の年代を得る。従来の年代より古い。従来、スピー洞窟で得られた年代23,880±240B.P.についてはコンタミネーションが疑われていた。北西ヨーロッパからネアンデルタール人が姿を消した年代を再考。
cf. Thibaut Devièse, Grégory Abrams, Mateja Hajdinjak, Stéphane Pirson, Isabelle De Groote, Kévin Di Modica, Michel Toussaint, Valentin Fischer, Dan Comeskey, Luke Spindler, Matthias Meyer, Patrick Semal, and Tom Higham "Reevaluating the timing of Neanderthal disappearance in Northwest Europe" Proceedings of the National Academy of Sciences. 118 (12) e2022466118 [PNAS]
▼スピー洞窟はナミュール州。アンジ、フォン・ド・フォレはともにリエージュ州(Province de Liège) - UK(イングランド)
- グロスター(Gloucester)のローマ時代の墓地で、合葬された成人男性2人の遺体をDNA分析し、父と息子と判明。
A rare Roman double burial from Roman Gloucester: revealing relationships through aDNA[Cotswold Archaeology] - UK(スコットランド)
- ダンフリーズ・アンド・ガロウェイ(Dumfries and Galloway)キャッスル・ダグラス(Castle Douglas)のスリーヴ・エステート(Threave Estate)で、中石器時代(Mesolithic)・10500年前の焼けたハシバミ(hazelnut)の殻。The National Trust for Scotlandの調査。[The Scotsman]
▼スリーヴ・エステート関連記事→2014年11月22日 - スーダン
- ガザーリ修道院(Ghazali monastery)に埋葬された680年〜1275年の修道士30人の大腿骨について炭素と窒素の安定同位体分析により、中世ヌビアのマクリア王国(Makuria)の食生活を分析。C3/C4植物とさまざまな動物性たんぱく質を摂取。
cf. R. J. Stark, J. A. Ciesielska, A. Obłuski "An isotopic assessment of Makurian monastic diet at the medieval Nubian monastery of Ghazali, Sudan (ca. 680‐1275 CE)" Archaeometry [Wiley Online Library] - カナダ
- カナダの考古学界で、ジェンダーギャップが根強い。カナダの考古学界で過去5年間の博士号取得者の2/3は女性であるが、常勤雇用されている教員のうち女性は1/3のみ。女性の割合が男性にとって脅威となるレベル(20・35%)に達すると障害が顕著になり、女性を排除する「漏れたパイプ」傾向(leaky pipeline)が生ずる。准教授になるときにこの傾向が起きるため、博士号取得直後に女性考古学者が離職する割合が高い。また、黒人やアジア系にも不利な傾向。[The McGill Tribune]
2021年3月8日(月)
- 広島県
- 東広島市・三ツ城古墳にある埴輪のレプリカが、何者かに破壊される。[FNN]
- 福岡県
- 飯塚市・ホーケントウ古墳で、2段築成の墳丘に横穴式石室を持つことが判明。墓道が2条あり、埋葬が少なくとも2回行われた。古墳時代後期・6世紀前半の前方後円墳。飯塚市 ()教育委員会の調査。[NHK]
- ブラジル
- ピアウイ州(Estado do Piauí)コロネウ・ジョゼー・ジアス(Coronel José Dias)で、魚尾形の槍先(Fishtail Point)。南緯22度以北では初の例。更新世(Pleistocene)―完新世(Holocene)移行期のヒトの居住範囲の手がかり。
cf. Eric Boëda, Nora Flegenheimer, Sibeli Viana, María Gluchy, Antonio Pérez, Marcos Paulo Ramos & Niède Guidon "The First Fishtail Point Find in Piauí State, Northeastern Brazil: Significance and Hypothesis" PaleoAmerica. Published online: 07 Mar 2021 [Taylor & Francis Online]
2021年3月7日(日)
- 長野県
- 諏訪郡下諏訪町・ふじ塚古墳で、室町時代の和鏡出土。鈕近世の経塚。長野県埋蔵文化財センターの調査。[信濃毎日新聞]
- トルコ
- マニサ県(Manisa ili)サリフリ郡(Salihli)で、1960年に発見されたヒトの足跡は、5000年前〜4700年前。[Daily Sabah]
- クロアチア
- ザグレブ(Zagreb)で、3000年間の歴史を示す遺構・遺物。初期青銅器時代・紀元前1200年にさかのぼる「長靴」形の遺物。初期鉄器時代・紀元前700年〜前600年の遺物や、後期鉄器時代・紀元前2〜前1世紀の留針、バックル。中世・1280年の「banovac」硬貨。14世紀の食糧倉庫に納められた種子を満たされた壺など。[Croatia Week]
- ドイツ
- ニーダーザクセン州(Land Niedersachsen)フェヒタ空港(Vechta Airport)の再開発工事で発見された、第二次世界大戦中の1942年に撃墜された英国軍爆撃機の残骸から、ニュージーランドのサウスランド地方(Southland)オタウタウ(Otautau)出身の砲手ヘンリー・プラー軍曹(Henry Pullar)の遺体を79年ぶりに確認。DNA検査による。[Stuff]
2021年3月6日(土)
- 北海道
- 礼文島(Rebun)・浜中2遺跡(はまなか2いせき;Hamanaka 2)について、放射性炭素年代により、13段階のうち8段階で年代を絞り込む。文化の変化と人為的な景観変化が同時に起こっていることが判明。
cf. Ari Junno, Jack P. R. Dury, Christian Leipe, Mayke Wagner, Pavel E. Tarasov, Yu Hirasawa, Peter D. Jordan, Hirofumi Kato "Building a high-resolution chronology for northern Hokkaido – A case study of the Late Holocene Hamanaka 2 site on Rebun Island, Hokkaido (Japan)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect]
▼北海道礼文郡礼文町
▼浜中2遺跡関連記事→2020年5月13日 - 岩手県
- 遠野市の後方支援資料館が3/7リニューアルオープン。東日本大震災の後方支援活動を記録する。[岩手日報]
- 宮城県
- 気仙沼市・リアス・アーク美術館の学芸員らが、2011年の震災発生直後から津波に襲われた街を写真に記録し、壊された品々を集めた。2013年以降常設展「東日本大震災の記録と津波の災害史」で公開。[毎日新聞]
- 広島県
- 三原市・米山寺・小早川家墓所にある米山寺宝篋印塔の地下から備前焼の甕と火葬骨。小早川家一族を供養する象徴的な石塔だった可能性。[毎日新聞]
- スペイン
- ブルゴス県(Provincia de Burgos)メリンダー・デ・ソトスクエバ(Merindad de Sotoscueva)のオホ・グアレニャ(Ojo Guareña)にあるサラ・イ・ガレリアス・デ・ラス・ウエリャス遺跡(Sala y Galerías de las Huellas)のヒトの足跡の4600年前〜4200年前で、約10人の小グループによる。
スペイン語Las huellas humanas de Ojo Guareña
英語The human footprints of Ojo Guareña[Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humana, CENIEH]
cf. Ana I. Ortega, Francisco Ruiz, Miguel A. Martín, Alfonso Benito-Calvo, Marco Vidal, Lucía Bermejo, Theodoros Karampaglidis "Prehistoric Human Tracks in Ojo Guareña Cave System (Burgos, Spain): The Sala and Galerías de las Huellas" Reading Prehistoric Human Tracks pp 317-342 [SpringerLink]
2021年3月5日(金)
- 岩手県、宮城県、福島県
- 岩手県、宮城県、福島県の市町村が指定し、東日本大震災で被災した有形文化財251点のうち、45点が修復されていない。うち16点は焼失や津波で流失。修復のめどが立っているのは8点。復旧に着手できていない21点は、修復のめどが立っているのは8点修復費用の不足の他、津波による破損や塩害を受け、技術的にも作業が困難。未着手のうち8点は原発事故の帰還困難区域に取り残されたままの文化財。[共同通信]
- 埼玉県
- 日高市・王神遺跡(第5次調査)で、奈良、平安時代の竪穴住居跡や掘立柱建物跡など。須恵器や鉄製品出土。日高市教育委員会の調査。3/14現地説明会。
王神遺跡発掘調査現地説明会【3月14日開催】[日高市] - 大阪府
- 太子町・二子塚古墳(ふたごづかこふん)で、石室に通じる墓道や横穴式石室をふさぐ閉塞石。墳丘の築造過程がわかる成果。全国で唯一の双方墳。7世紀中ごろ。太子町3/5発表。[毎日新聞]
▼大阪府南河内郡太子町
▼二子塚古墳関連記事→2017年2月6日 - 愛媛県
- 松山市・湯築城跡(ゆづきじょうあと)にある武家屋敷の展示台などに1/3傷を付けたとして、器物損壊の疑いで無職加藤丈晴容疑者を3/5逮捕。加藤容疑者は岡山城の月見櫓を傷つけた疑いなどで逮捕されていた。[時事通信]
- タイ
- アーントーン県(Ang Thong)サーワンハ(Sawang Ha)で、3000年前の人骨3体。[The Thaiger]
- トルコ
- アンティオキア・アド・クラグム(Antiochia ad Cragum;Αντιόχεια του Κράγου)でワイン圧搾所跡。[Mirage News]
- ウズベキスタン
- サマルカンドにあるシルクロード都市カフィル・カラ城(Kafir-Kala)で、8世紀初頭の王の食糧庫跡。大甕の内部に付着していた炭素の状態から、中には酒や油が入っていたと推定。カフィル・カラ城はソグド王の離宮だったとみられ、710年にアラブ勢力に攻められて焼け落ちた。帝塚山大学3/5発表。[毎日新聞]
- ロシア
- アルタイ山脈(Алтайские горы;Altai Mountains)の鉄器時代(Iron Age)・パジリク文化(Пазырыкская культура;Pazyryk culture)・紀元前4〜前3世紀のカーペットについて、染色技術を分析。検出された金属はアナトリアの羊毛の染色と一致し、技術の淵源が従来の知見よりも2000年さかのぼる。
cf. Andreas Späth, Markus Meyer, Thomas Huthwelker, Camelia N. Borca, Karl Meßlinger, Manfred Bieber, Ludmilla L. Barkova & Rainer H. Fink "X-ray microscopy reveals the outstanding craftsmanship of Siberian Iron Age textile dyers" Scientific Reports. volume 11, Article number: 5141 (2021) [Scientific Reports] - ルーマニア
- オルト県(Județul Olt)レシュカ村(Reșca)のローマ時代のダキア・インフェリオル属州(Dacia Inferior)の都市ロムラ(Romula)で出土した、ローマ時代・2〜3世紀のカオリン土(kaolin)による土器を分析し、下モエシア(Moesia Inferior)、上モエシア(Moesia Superior)、トラキア(Thracia)のカオリン土や土器と比較。ロムラの土器は地元産で、ドナウ川下流北岸の素材で作られており、南岸からの輸入品ではなかった。
cf. P. Badica, A. Alexandru-Dinu, M. Grigoroscuta, C. Locovei, A. Kuncser, C. Bartha, G. Aldica, M. Negru, D. Batalu, N. Cruceru, I. Savulescu "Kaolin clay pottery discovered in the Roman city of Romula (Olt County, Romania)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - イタリア
- コッリ・ベリーチ(Colli Berici;Berici Hills)のナダレ洞窟(Grotta de Nadale;Nadale Cave)のラ・クイナ遺跡(La Quina)で、中期旧石器時代(Middle Palaeolithic)・ムスティエ文化(Mousterian)の石器加工用の骨器(bone retouchers)300点以上出土。
cf. Eva Francesca Martellotta, Alessandra Livraghi, Davide Delpiano, Marco Peresani "Bone retouchers from the Mousterian Quina site of De Nadale Cave (Berici Hills, north-eastern Italy)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - チェコ
- フラデツ・クラーロヴェー州(Hradec Kralové)センドラジツェ村(Sendraice)で、民族移動時代・5世紀末の墓地。16〜55歳の男女の人骨6体。大半は盗掘されていたが35〜50歳の女性のみ未盗掘で、金銀の装身具、ガラス玉、骨製櫛、皮革、染織などの多量の副葬品。東ボヘミア博物館(Muzeum východních Čech;Museum of Eastern Bohemia)の調査。
チェコ語 Analýza pohřebiště z doby stěhování národů v Sendraicích má první výsledky[Muzeum východních Čech]
未盗掘だった女性被葬者はランゴバルド人(Langobard)の可能性。[Radio Praha] - ポーランド
- オルメタ(Orneta)で、第二次世界大戦中にソヴィエト軍により殺害されたカトリックの聖カタリナ修道会(order of St. Catherine of Alexandria)の修道女3人の遺体を発見。すでにグダニスク (Gdańsk)やオルシュティン(Olsztyn)で4名が発見されていた。
Skeletons of WWII-era nuns murdered by Soviets unearthed in Poland[LiveScience]
▼ヴァルミア=マズールィ県(Województwo warmińsko-mazurskie) - ドイツ
- グニルスヘーレ(Gnirshöhle)で出土したマドレーヌ文化(Magdalenian)・16000年前〜14000年前のイヌ科の遺体を分析。マドレーヌ文化のヒトがオオカミを飼いならそうとしていた可能性。
cf. Chris Baumann, Saskia Pfrengle, Susanne C. Münzel, Martyna Molak, Tatiana R. Feuerborn, Abagail Breidenstein, Ella Reiter, Gerd Albrecht, Claus-Joachim Kind, Christian Verjux, Charlotte Leduc, Nicholas J. Conard, Dorothée G. Drucker, Liane Giemsch, Olaf Thalmann, Hervé Bocherens & Verena J. Schuenemann "A refined proposal for the origin of dogs: the case study of Gnirshöhle, a Magdalenian cave site" Scientific Reports. volume 11, Article number: 5137 (2021) [Scientific Reports] - エジプト
- ギザ(Giza)で、古王国時代(Old Kingdoms)第4王朝・クフ王(Khufu)とカフラー王(Khafra)の時代・紀元前2500年〜前2450年の工人たちが用いた金属遺物を分析。ノミ1本と斧2個を当時の砒素銅(arsenical copper)と確認。針1点は先王朝時代の素材を再利用と推定。
cf. Martin Odler, Jiří Kmošek, Marek Fikrle, Yulia V. Erban Kochergina "Arsenical copper tools of Old Kingdom Giza craftsmen: First data" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36. [ScienceDirect] - リビア
- シャッハート(Shahat)のBab al-Tayerで、大理石製の4頭立て馬車の彫刻などを発見。[Asharq Al-Awsat]
▽Shahatはカナでは「シャッハート」というらしいのでその通り書きましたが、アラビア文字の通りなら「シャハート」じゃないんでしょうかね。 - カナダ
- ブリティッシュコロンビア州(British Columbia;Colombie-Britannique)ハイバロー遺跡(High Burrow;DhSh-2)で出土したヴァンクーヴァーマーモット(Vancouver Island marmot;Marmota vancouverensis)の遺体を分析。捕獲場所近くで処理。海岸地域の貝塚ではほとんど出土せず。ヴァンクーヴァー島内の定住パターンの変化とマーモット猟の衰退が関連。
cf. Martina L. Steffen "Coast-proximal inland archaeology and the Vancouver Island marmot (Marmota vancouverensis)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect]
2021年3月4日(木)
- 富山県
- 高岡市・勝興寺の一角に文化財資料展示室がオープン。大修理で取り外された江戸時代中期〜明治時代の和くぎ140本や、工事に向けて試作されたこけらぶき屋根や土壁の施工模型を展示。[北陸・信越観光ナビ]
- 堺市
- 美原区・黒姫山古墳(くろひめやまこふん)で、3/4樹木を伐採作業中のクレーン車が古墳の上に倒れた。操縦席や周囲にいた作業員らにけがはなく、古墳の損傷は確認されていない。5世紀中ごろの前方後円墳、114m。国指定史跡。[産経新聞]
- 島根県
- 松江市で、石器や土器といった出土品が増え続けるのに対し、収蔵用施設のほとんどに空きスペースがない状態。[山陰中央新報]
- 福岡県
- 小郡市・上岩田天神木遺跡(かみいわたてんじんぎいせき)で、679年の筑紫地震の際の震災がれきと推定される割れた瓦や土器、硯など。上岩田遺跡に近く、飛鳥時代〜奈良時代の役所に関連する集落と推定。[西日本新聞]
- バングラデシュ
- ムンシガンジュ県(Munshiganj District)ナテシュワール(Nateshwar)で、僧アティーシャ(Atiśa;Atish Dipankar)のころ、10〜11世紀の仏塔ストゥーパ(stupa)。[Dhaka Tribune]
▼ナテシュワール関連記事→2016年1月31日 - アラブ首長国連合
- ムレイハの、アラビア半島最古の綿は北西インド由来。ムレイハは3世紀まで600年間繁栄。乾燥したアラビア半島での綿の登場は、従来はオマーンが由来と考えられていた。[The Times of India]
- ギリシャ
- レスボス島(Λέσβος;Lesvos)ミティリーニ(Μυτιλήνη;Mytilene)モリア(Μόρια;Moria)のローマ時代・2世紀後半の水道橋(aqueduct)の足場が悪天候のために崩れ、遺構全体に崩壊の危険。[archaeology & arts]
- フランス
- エロー県(Hérault)コンバイオー(Combaillaux)で、紀元前5世紀〜前3世紀のガリア人の鉄鉱石溶解工房。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。[20minutes.fr]
- スウェーデン
- ゴットランド島(Gotland)・ヴェーステルブイェルス遺跡(Västerbjers)から出土した新石器時代・刺突文土器文化(Pitted Ware Culture;PWC)のヒトの歯のストロンチウム同位体を分析。ヒトの移動性が乏しく、移動は島内に限定。食生活は陸の食糧に強く依存しており、イノシシを基盤とした混合経済。
cf. Torbjörn Ahlström, T. Douglas Price "Mobile or stationary? An analysis of strontium and carbon isotopes from Västerbjers, Gotland, Sweden" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- ケンブリッジ大学のジーザス・カレッジ(Jesus College)で、中世の女子修道院(nunnery)。大学になって以降は、食堂に関わる遺物が多量に出土。16〜17世紀のベラーマイン・ジャグ(Bellarmine jug)など。また、計算用トークン「ジェットン」(jetton)が出土。[Cotswold Archaeology]
- UK(ウェールズ)
- モンマスシャー(Monmouthshire)のティンタン(Tintern)にあるティンタン修道院(Tintern Abbey)近くで、中世のトンネルを偶然に発見。[BBC]
- タンザニア
- ルクスマンダ(Luxmanda)で、牧畜新石器時代(Pastoral Neolithic)・3000年前のすり皿と磨石。
cf. Mary E. Prendergast, Katherine M. Grillo, Agness O. Gidna and Audax Z.P. Mabulla "Grinding-stone features from the Pastoral Neolithic at Luxmanda, Tanzania" Antiquity, First View , pp. 1 - 9 [Cambridge Core]
2021年3月3日(水)
- 愛知県
- 豊橋市・吉田城の江戸時代前期の鳥観図が作成され、3/3-21豊橋市美術博物館で公開。豊橋市文化財センターが発掘調査や絵図、古文書を参考に調べ、香川元太郎氏が描いた。[東日新聞]
吉田城の復元鳥瞰図を作成しました[豊橋市美術博物館] - 島根県
- 松江市・出雲国府跡(いずもこくふあと)の政庁域で、奈良時代の前殿とみられる遺構。国司らが儀式や儀礼で使用した可能性。島根県埋蔵文化財調査センターの調査。[読売新聞]
184 新発見 史跡出雲国府跡の政庁域で前殿を確認 [島根県] - 長崎県
- 雲仙・普賢岳の噴火災害を記録した資料の収集や活用が進まず、後世への継承が危ぶまれている。地元島原市の保管資料は放置されたまま。民間に眠る資料も散逸しかねない状況。[朝日新聞]
- オーストラリア
- 西オーストラリア州(Western Australia)ジューカン渓谷(Juukan Gorge)にある先住民アボリジニの46000年前の岩陰遺跡をリオ・ティント社(Rio Tinto)が爆破した問題で、サイモン・トンプソン(Simon Thompson)会長らが辞任へ。[The Sydney Morning Herald]
▼ジューカン2号遺跡関連記事→2020年6月17日 - イラン
- ザグロス山脈(Zagros Mountain)中部のガンジ・ダレ(Ganj Dareh)で出土した初期新石器時代(Early Neolithic)・10,100年前(calBP)の人骨・獣骨のコラーゲンについて、炭素、窒素、硫黄の安定同位体分析。いずれもC3陸生食物に依存し、性による違いはないが、男性の方が女性より多様。離乳期の子供には特徴的なδ13C値を持つ食糧が補われていた。ヒトと動物で硫黄同位体の値が大きく異なり、移牧のためとみられる。
cf. Deborah C. Merrett, Christina Cheung, Christopher Meiklejohn, Michael P. Richards "Stable isotope analysis of human bone from Ganj Dareh, Iran, ca. 10,100 calBP" PLOS ONE 16(3): e0247569. [PLOS ONE] - ギリシャ
- レスボス島(Λέσβος;Lesvos)ミティリーニ(Μυτιλήνη;Mytilene) の中世の城カト・カストロ(Κάτω Κάστρο;Kato Kastro)で、ビザンティン時代の大理石造りの門と浴室、施釉陶器と硬貨。オスマン朝・16世紀の浴室。[archaeology & arts]
- イタリア
- ボローニャ(Bologna)のMarcel Loubens洞窟で2015年に発見された新石器時代・5600年前の24〜35歳の女性の頭蓋骨に病変があり、うち一つは、外傷後も生存していたことを示す。開頭手術を受けていた可能性も。また、死後に解体されていた。
Decapitated Stone Age woman's head rolled into a cave in Italy[LiveScience]
cf. Maria Giovanna Belcastro, Teresa Nicolosi, Rita Sorrentino, Valentina Mariotti, Annalisa Pietrobelli, Matteo Bettuzzi, Maria Pia Morigi, Stefano Benazzi, Sahra Talamo, Monica Miari, Nevio Preti, Lucia Castagna, Luca Pisani, Luca Grandi, Pietro Baraldi, Paolo Zannini, Daniele Scarponi, Jo De Waele (2022) Unveiling an odd fate after death: The isolated Eneolithic cranium discovered in the Marcel Loubens Cave (Bologna, Northern Italy). PLOS ONE, 16(3): e0247306. [PLOS ONE] - ポーランド
- シュフィドニツァ(Świdnica)で19世紀の地下室から19世紀中ごろの棺と人骨。旧聖ニコラス墓地(St Nicholas Cemetery)に属するもの。1868〜1871年にシュフィドニツァで流行したコレラの犠牲者の可能性。[The First News]
▼ドルノシロンスク県(Województwo dolnośląskie;Lower Silesia) - ジャージー島
- ラ・コット・ドゥ・セント・ブリレード(La Cotte de St Brelade)の旧石器時代・ムスティエ文化(Mousterian)末ごろ・40000年前の層から1910年〜1910年に発掘されたネアンデルタール人の歯12本を分析。ヒト2人のもので、2人とも、ネアンデルタール人とホモサピエンスの双方の特徴を示す。ネアンデルタール人とホモサピエンスの混血の証拠。
Reassessing Neanderthal teeth in Jersey[Current Archaeology]
cf. Tim Compton, Matthew M. Skinner, Louise Humphrey, Matthew Pope, Martin Bates, Thomas W. Davies, Simon A. Parfitt, William P. Plummer, Beccy Scott, Andrew Shaw, Chris Stringer "The morphology of the Late Pleistocene hominin remains from the site of La Cotte de St Brelade, Jersey (Channel Islands)" Journal of Human Evolution. Volume 152 [ScienceDirect] - 南アフリカ
- スタークフォンテイン洞窟(Sterkfontein Caves)から出土した367万年前のアウストラロピテクス(Australopithecus)の骨格StW 573「Little Foot」を分析し、頭蓋骨と歯について成果を報告。幼少期に2度にわたり、食事ストレスまたは病気。
New technology allows scientists first glimpse of intricate details of Little Foot’s life[Diamond Light Source]
cf. Amélie Beaudet, Robert C Atwood, Winfried Kockelmann, Vincent Fernandez, Thomas Connolley, Nghia Trong Vo, Ronald Clarke, Dominic Stratford (2021) Preliminary paleohistological observations of the StW 573 (‘Little Foot’) skull. eLife 2021;10:e64804. [eLife] - メキシコ
- プエブラ州(Estado de Puebla)テペヤワルコ(Tepeyahualco)のカントナ遺跡(Cantona)で、円錐台形の墓。カントナ1期後期(Cantona I Tardío)・紀元前300年〜後50年の人骨4体。うち1体に頭蓋変形。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。
Arqueólogos del INAH descubren primera tumba troncocónica en la región de Cantona, Puebla[Instituto Nacional de Antropología e Historia] - アルゼンチン
- パラナ川(Río Paraná;Paraná River)下流域の狩猟採集民の葬送儀礼として、1800年前〜1500年前の人工的なマウンドのエスクエラ31遺跡(Escuela 31)とセロ・マジョール遺跡(Cerro Mayor)を紹介。最終的な埋葬の前に遺体を一時的に外気にさらしていたことや、輸送や移葬のために、遺体がしっかりと包装されていた可能性が示される。性別や年齢ではなく、社会的・宗教的な要因が作用している。
cf. Ana Lucía Guarido, Bárbara Mazza, Alejandro Acosta, Daniel Loponte "Hunter-gatherer's mortuary practices in artificial mounds of the lower Paraná River basin (Argentina): An approach through funerary taphonomy" Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 36, April 2021, 102860 [ScienceDirect]
2021年3月2日(火)
- 東京都
- 港区・高輪築堤跡(たかなわちくていあと)の保存に関して、日本考古学協会の2/28理事会が、3/2付で会長名による声明文の発出を決議。
高輪築堤跡の全面保存を求める会長声明
高輪築堤跡の全面保存を求める会長声明[日本考古学協会] - 奈良県
- 天理市・櫛山古墳(くしやまこふん)で出土した形象埴輪は家形、盾形、蓋形、高坏形、柵形の5種。形象埴輪がセットになって見つかった古墳としては最古級の可能性。4世紀後半の双方中円墳、155m。奈良県立橿原考古学研究所の研究。[読売新聞]
- 韓国
- 忠清南道 牙山市 外岩マウル で、青銅器時代後期の松菊里形住居跡。原三国時代・3世紀の住居跡や竪穴遺構。新石器時代の櫛目文土器。[聯合ニュース]
- 中国
- 江西省 安福県 起鳳山で、前漢時代の列侯クラスの竪穴土坑木棺墓。漆器や青銅製の轡出土。前漢の「安平侯」に関連か。江西省文物考古研究院の調査。[江西日報]
- トルコ
- エスキシェヒル県(Eskişehir il)セイイットガズィ郡(Seyitgazi)ヤズデレ(Yazıdere)で、大理石製の石棺。[Daily Sabah]
- モンテネグロ
- ウルツィニ(Улцињ;Ulcinj)の古い市壁が、旧市街でのホテル建設の影響で海に崩落。UNESCOや考古学者らの警告にもかかわらず、当局は都市化に歯止めをかけず。旧ユーゴスラビアでは政府が文化遺産を保護していた。[Balkan Insight]
- 地中海
- 地中海地域の新石器時代・紀元前7500年〜後期ローマ時代・紀元後500年の人骨や歯のストロンチウム同位体データを用い、幼少期と成人の間での移動を分析。人口の6%〜9%の範囲で移住しており、移動の割合は時代に従い減少。
Deep dive into bioarchaeological data reveals Mediterranean migration trends over 8,000 years[Florida State University]
紀元前7000〜前3500年の間に比較的高いレベルの移住。その後は移住のレベルが低下。
cf. Thomas P. Leppard, Carmen Esposito, & Massimiliano Esposito "The Bioarchaeology of Migration in the Ancient Mediterranean: Meta-Analysis of Radiogenic (87Sr/86Sr) Isotope Ratios" Journal of Mediterranean Archaeology, Vol. 33 No. 2 (2020), 211–241. [Equinox] - 旧石器
- 世界各地のアシュール文化(Acheulean)の石器について、最適線形推定(optimal linear estimation)により終焉年代を推定。サハラ以南のアフリカでは17万年前、アジアでは57000年前に終焉。アシュール文化は、従来の想定より数万年長く存続。従来は30万年前〜15万年前ごろにルヴァロワ技法を伴う初期ホモ属の登場とともに終焉を迎えたとみられていたが、実際は2つの石器製作技術が長期に併存していた。
Neanderthal and early modern human culture co-existed alongside older traditions for 100,000 years[University of Kent]
cf. Alastair J. M. Key, Ivan Jarić & David L. Roberts "Modelling the end of the Acheulean at global and continental levels suggests widespread persistence into the Middle Palaeolithic" Humanities and Social Sciences Communications. volume 8, Article number: 55 (2021) [Humanities & Social Sciences Communications] - バハマ諸島
- バハマ諸島(Bahamas)では、従来考えられていたより早くからヒトが居住。初期の居住者によりバハマの景観が変貌。タークス・カイコス諸島(Turks and Caicos)に700年頃人類が到達。ブラックウッドのシンクホール(Blackwood Sinkhole)から得たコアサンプルによる推定。
Study: Bahamas Were Settled Earlier Than Believed[Texas A&M University]
cf. Patricia L. Fall, Peter J. van Hengstum, Lisa Lavold-Foote, Jeffrey P. Donnelly, Nancy A. Albury, and Anne E. Tamalavage "Human arrival and landscape dynamics in the northern Bahamas" Proceedings of the National Academy of Sciences. March 9, 2021 118 (10) e2015764118 [PNAS]
2021年3月1日(月)
- 名古屋市
- 名古屋城天守西側の本丸内堀で石列。小天守の石垣基礎に当たる可能性。実際に小天守の遺構が見つかるのは初めて。名古屋市3/1発表。3/2-7公開。[共同通信]
- 兵庫県
- 丹波市・岩尾城跡の古井戸の底から木簡の一部など。墨で書かれた「汀」もしくは「江」と読み取れる漢字。[丹波新聞]
- ニュージーランド
- マーオリ人(Māori)の集落で発掘された3個のブロック状のスコリア(scoria)は、いずれも外来のもの。仏領ポリネシア(French Polynesia)のソシエテ諸島(Îles de la Société;Society Islands)の溶岩に最も近く、なかでもメヘティア島(Mehetia)由来と推定。
cf. William R. H. Ramsay, Graeme S. Collett, Elizabeth G. Ramsay, Georgia Kerby "Three scoria blocks from Māori occupation sites, New Zealand: Their petrography, mineralogy, geochemistry and attribution to a source locality in eastern Polynesia" Geoarchaeology [Wiley Online Library] - ブルガリア
- ルセ(Русе;Ruse)の古代ローマ都市「60の船の町」(Sexaginta Prista;Сексагинта Приста)にあったディアナ女神(Diana)に捧げられた古代トラキアの神殿から1980年代に発見された銘文で、近隣のルセンスキ・ロム川(Русенски Лом;Rusenski Lom)の守護者プレスタル神(Plestar)に言及。ルセンスキ・ロム川のトラキア名がプレスタルであったことを示す。プレスタル(Plestar)と、トラキア語で都市を表す語尾「dava」を組み合わせたプレストロダヴァ(Плестродава;Plestrodava)が、ルセのトラキア名か。ディアナ女神の通称として近隣の別の銘文に記された「Diana Plestrensis」も傍証に。
Archaeologist figures out Thracian name of Roman Danube city Sexaginta Prista, Bulgaria’s Ruse[Archaeology in Bulgaria]
▼60の船の町関連記事→2020年10月27日 - スロバキア
- トレンチーン県(Trenčiansky kraj;Trenčín Region)トレンチーン郡(Trenčiansky okres;Trenčín District)ニェムショヴァー(Nemšová)のクリュツォヴェー(Kľúčové)で、紀元前3500年にさかのぼる遺物。新石器時代、青銅器時代、中世盛期(high middle ages)に及ぶ。最初はバーデン文化(Baden culture)であったが途絶え、青銅器時代にはラウジッツ文化(Lusatian culture)に占められた。集落または都市の一部と推定。[The Slovak Spectator]
- ポーランド
- シフィェンティクシシュ県(Województwo świętokrzyskie)デンビャニ(Dębiany)で5500年前の巨石墓7基。ポーランド最大級の巨石墓地。[TVP]
▼シフィェンティクシシュ県(Województwo świętokrzyskie)サンドミェシュ郡(Powiat sandomierski;Sandomierz County) - ポルトガル
- サンタレン県(Distrito de Santarém)アルカスヴァ(Alcáçova)のイスラーム陶器の成分を分析。地域の素材2種が用いられているが、一部の遺物は輸入品。
cf. M. Beltrame, F. Sitzia, A. M. Arruda, P. Barrulas, F. T. Barata, J. Mirão "The Islamic ceramic of the Santarém Alcaçova: raw materials, technology, and trade" Archaeometry [Wiley Online Library] - デンマーク
- リュー(Ry)のKildebjerg Ryで、後期青銅器時代(Late Bronze Age)の墳墓。墳墓の中央には墓がなく、オーク材で円形の柱を並べ、直径20mの木造建築。周囲にエリート女性の墓があり、この女性の住居の上に墓が築かれた可能性。スカナボー博物館(Museum Skanderborg)の調査。[Archaeology News Network]
- UK(イングランド)
- ニューフォレスト国立公園(New Forest)のノーマンズランド(Nomansland)で、青銅器時代の墓地。土饅頭型の墳丘墓(bowl barrow)。[Southern Daily Echo]
- UK(イングランド)
- ウィンチェスター(Winchester)のハイド修道院(Hyde Abbey)で、中世の彩色ガラスの破片400点以上。[Andover Advertiser]
▼ハンプシャー州(the county of Hampshire)
▼ハイド修道院関連記事→2014年1月18日 - パナマ
- パナマの7遺跡について、炭素、窒素、酸素、ストロンチウムの同位体分析により、食生活や移動性を推定。内陸の遺跡でも海産物を幅広く消費。トウモロコシは広く普及しているが、依存度は地域によって違う。複数の遺跡で在地以外の人物が存在し、うち1例は稀な病気のため、死後に移動した可能性がある。
cf. Ashley E. Sharpe, Nicole Smith-Guzmán, Jason Curtis, Ilean Isaza-Aizpurúa, George D. Kamenov, Thomas A. Wake, Richard G. Cooke "A preliminary multi-isotope assessment of human mobility and diet in pre-Columbian Panama" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect]
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