2021年3月20日(土)
- 鹿児島県
- 鹿屋市・小牧遺跡(こまきいせき)で出土した縄文時代後期・4300年前の土器の底から、クロゴキブリの卵「卵鞘」(らんしょう)の圧痕。縄文時代後期に安定的な食料資源があったことを示す。鹿児島県文化振興財団埋蔵文化財調査センター3/19発表。[南日本新聞]
▼小牧遺跡関連記事→2016年12月2日 - 中国
- 河南省 三門峡市 澠池県・仰韶村遺跡(第4次調査)で、仰韶文化の環濠や住居跡、墳墓など。玉鉞の破片など出土。河南省文物考古研究院の調査。[中国新聞網]
- 中国
- 四川省 広漢市 三星堆鎮 ・三星堆遺跡で新たに三星堆文化の祭祀坑6基。[中国新聞網]
- ギリシャ
- オリンピア遺跡(Ολυμπία;Olympia)で、紀元前4世紀に建てられたゼウスの神殿近くから幾何学様式時代(Geometric)・紀元前1000年〜前700年の青銅製のウシの像。出土地点の土壌は焼かれており、炭化物も発見されていたことから、青銅製ウシ像は神への犠牲の一部だった可能性。紀元前4世紀のゼウスの神殿は、先行する紀元前10〜前9世紀の祭祀遺跡の上に建てられている。[Greek Reporter]
- イタリア
- ラツィオ州(Regione Lazio)テッラチーナ(Terracina)沖で、ローマ時代・紀元前1世紀の沈没船。テラコッタ製のタイルを運搬。ウリッセ川(Ulisse)近くの建物に使用するタイルか。[Temporeale]
- スイス
- トゥールガウ州(Kanton Thurgau)シュテックボルン(Steckborn)のフェルトバッハ地域(Feldbach)で、新石器時代(Jungsteinzeit)・紀元前4千年紀初め〜前3千年紀中ごろの杭上家屋集落(Pfahlbausiedlung)。[Tageblatt]
- ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen) パーダーボルン郡(Kreis Paderborn)シュロス・ノイハウス(Schloss Neuhaus)で、旧石器時代(Paläolithikum)・13000年前の針葉樹の幹。
13.000 Jahre alte Baumstämme in Paderborn ausgegraben[Archaeologie Online] - フランス
- オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes) オート=サヴォワ県(Haute-Savoie)エパニー・メス=テシー(Epagny-Metz-Tessy)で、ローマ時代・1世紀後半の貴族の火葬場から象牙椅子(chaise curule)。ローマ時代の権力の象徴。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Découverte d’une chaise curule dans un bûcher aristocratique romain à Epagny-Metz-Tessy (Haute-Savoie)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - 北米大陸
- オールド・カッパー文化(Old Copper Complex)の放射性炭素年代53件を再検討。ウィスコンシン州イーグル・レイク(Eagle Lake)の銅製槍先は8500年前。堆積物のデータと考え合わせると、オールド・カッパー文化は9500年前に始まり、7000年前〜5000年前に最盛期。生産の効率性や気候の乾燥化のため、銅器生産は500年前ごろ衰退。
Ancient Native Americans were among the world’s first coppersmiths[Science]
cf. David P Pompeani, Byron A Steinman, Mark B Abbott, Katherine M Pompeani, William Reardon, Seth DePasqual and Robin H Mueller "ON THE TIMING OF THE OLD COPPER COMPLEX IN NORTH AMERICA: A COMPARISON OF RADIOCARBON DATES FROM DIFFERENT ARCHAEOLOGICAL CONTEXTS" Radiocarbon, First View , pp. 1 - 19 [Cambridge Core] - 仏領海外県
- フランス領西インド諸島(French West Indies)マルティニーク県(Martinique)のレ・ザンス=ダルレ(Les Anses-d’Arlet)にある19世紀の石灰窯で出土した炭化木材207点を分析し樹種同定。石灰窯でさまざまな木材を燃料として使用。窯の地元で薪を供給。薪の伐採が植生に影響。マルティニークでは、17世紀に始まり19世紀に衰退したサトウキビによる砂糖生産のため、石灰窯が必要だった。
cf. Stéphanie C. Bodin, Christophe Vaschalde, David Ollivier "First insights into the wood management for the production of lime given by the anthracological study of a 19th century lime kiln from Martinique, Lesser Antilles" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 37 [ScienceDirect] - ペルー
- マチュピチュ(Machu Picchu)近郊のパタジャクタ遺跡(Patallaqta)で出土した、インカ帝国(Inka Empire)の人骨81体について、鉛(Pb)、ストロンチウム(Sr)、酸素(O)の同位体比分析。パタジャクタ遺跡の人々の大半は地元出身で、一部は外来者。マチュピチュ遺跡での結果とは対照的。
cf. Bethany L. Turner "Residential moblity in the Inka sacred valley: Oxygen, strontium, and lead isotopic analysis at Patallaqta, Peru" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 37 [ScienceDirect] - 女性研究者
- 新型コロナウイルスの感染拡大が、研究の世界のジェンダー格差も広げている。医学や経済学で女性研究者の論文が減る傾向。日本でも、コロナ禍における育児や家事の負担は女性に偏り、女性研究者にしわ寄せが行く構図。[朝日新聞]
cf. Jens Peter Andersen, Mathias Wullum Nielsen, Nicole L Simone, Resa E Lewiss, Reshma Jagsi "Meta-Research: COVID-19 medical papers have fewer women first authors than expected" Equity, Diversity and Inclusion [eLife]
cf. Amano-Patiño, N., Faraglia, E., Giannitsarou, C., & Hasna, Z. (2020). "The Unequal Effects of Covid-19 on Economists' Research Productivity" Cambridge Working Papers in Economics [University of Cambridge]
2021年3月19日(金)
- 青森県
- 平川市・平川市郷土資料館が3/19リニューアルオープン。平川市文化センター2階。[東奥日報]
- 京都市
- 下京区・仏光寺で、飛鳥時代に織られた蜀江錦。1841年に法隆寺から仏光寺に贈られた。[朝日新聞]
- 韓国
- ソウルの光化門広場で、朝鮮時代の石造りの水路。三軍府の建物とみられる基壇。[朝鮮日報]
- フィリピン
- 東サマル州(Province of Eastern Samar)ギウアン(Guiuan)のホモンホン島(Homonhon Island)で、フェルディナンド・マゼラン(Ferdinand Magellan)のイニシャルが刻まれているとされる岩にセメントがかけられ、乗組員マルティン・デ・アヤモンテ(Martín de Ayamonte)とクリストバル・ラベロ(Cristobal Rabelo)のイニシャルが刻まれているとされる岩には「Calbayog」(フィリピンの都市名)の文字。ホモンホン島は、マゼランがフィリピンで最初に寄港した土地。[CNN Philippines]
- トンガ
- ヴァヴァウ諸島(Vavaʻu)のオテア遺跡(‘Otea)とヴナ遺跡(Vuna)のラピタ人の集落のウラン-トリウム法(U/Th Dating)による測定値を報告。
cf. DAVID V. BURLEY, MARSHALL WEISLER, KEVAN EDINBOROUGH "Additional U/Th dates for the Lapita settlement of Vava'u, Kingdom of Tonga" Archaeology in Oceania [Wiley Online Library] - ヨルダン
- ヨルダンの4遺跡で出土した、石器が小型化した前後・65000年前〜30000年前の石器を分析。上部旧石器時代前期に小型石器が明確に増加したが、狩猟具は5%。小型石器は中部旧石器時代後期からある程度存在。ネアンデルタール人が消滅してホモサピエンスのみが存続した上部旧石器時代初期における小型石器の増加は微妙。小型の石器は旧石器時代の古い時期からあった。
旧石器時代の現生人類による石器の小型化プロセスを解明 ―現生人類の環境適応を促した技術革新の真相―[名古屋大学]
cf. Seiji Kadowaki, Eiki Suga, Donald O. Henry "Frequency and production technology of bladelets in late Middle Paleolithic, initial Upper Paleolithic, and early Upper Paleolithic (Ahmarian) assemblages in Jebel Qalkha, Southern Jordan" Quaternary International [ScienceDirect] - ギリシャ
- 青銅器時代・ミュケナイ文明(Μυκηναϊκός πολιτισμός;Mycenaean civilization)のギリシャ陶器レカネ(Λεκάνη;Lekane)130個を分析。レカネは手洗い用の容器と判明。従来は食器と考えられていた。記録上、ギリシャ人の手洗い習慣は紀元前8世紀のホメロスの詩までさかのぼる。[The First News]
cf. Bartłomiej Lis, Trevor Van Damme "From Texts and Iconography to Use-Wear Analysis of Ceramic Vessels: Investigating a Mycenaean Handwashing Custom and Its Changing Social Significance" Journal of Mediterranean Archaeology, 33(2), 185–210. [Equinox] - イタリア
- アンツィオ(Anzio)のフリオ・アンツィアーテ通り(Via Furio Anziate)で、ネロ帝(Nero;Nerone)の邸宅の一部を発見。[La Repubblica]
- スペイン
- セリニャ(Serinyà)の洞窟群で出土したグラヴェット文化末期(Final Gravettian)の人骨4体について、安定同位体(stable isotope)分析。陸生の蛋白質を摂取。最終氷期最盛期(Last Glacial Maximum、LGM)にも生活を維持するのに十分な陸生生態系が存在していた。
cf. Dorothée G. Drucker, Yuichi I. Naito, Neus Coromina, Isaac Rufí, Narcís Soler, Joaquim Soler "Stable isotope evidence of human diet in Mediterranean context during the Last Glacial Maximum" Journal of Human Evolution. Volume 154 [ScienceDirect] - エジプト
- 紅海沿岸のヘレニズム時代の都市ベレニケ(Βερενίκη;Berenike)で、井戸に詰まった砂から出土した硬貨やアンフォラからみて、紀元前3世紀末に異変が起こる。紀元前209年の火山爆発による気候変化で旱魃が起こり、交易路が立たれて都市が放棄されたと推定。ベレニケは紀元前3世紀にプトレマイオス2世ピラデルポス(Πτολεμαίος Φιλάδελφος;Ptolemy II Philadelphus;紀元前308〜紀元前246年;在位紀元前288年〜紀元前246年;プトレマイオス朝)が建設。紀元前200年ごろから半世紀程度放棄されることが知られていた。
Volcanic Eruption Attributed to Abandonment of Ancient Egyptian City[Heritage Daily]
cf. Marek A. Woźniak and James A. Harrell "When the well runs dry: climatic instability and the abandonment of early Hellenistic Berenike" Antiquity, First View, pp. 1 - 18 [Cambridge Core] - メキシコ
- ユカタン州(Estado de Yucatán)で、洞窟にマヤ文明(Maya)・1200年〜1000年の、彩色による手形137個。赤と黒で彩色され、大半は子どもの手。儀式に関連か。[The Yucatan Times]
2021年3月18日(木)
- 香川県
- 善通寺市・旧練兵場遺跡(きゅうれんぺいじょういせき)で、弥生時代後期初めごろ・2000年前の中国産辰砂鉱石が出土。3/22-4/2香川県埋蔵文化財センターで展示。
香川県の遺跡から中国産の辰砂(しんしゃ)が出土しました―期間限定で展示・公開します[香川県]
▼旧練兵場遺跡関連記事→2015年1月9日 - スイス
- ランゲンブルック(Langenbruck)のシェーンタール修道院(Kloster Schönthal)で、中世・12世紀ので最も古い高炉(Hochofen)。フフォーブルク伯(Frohburger Graf)の力を示す。[Basler Zeitung]
- フランス
- オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes) オート=サヴォワ県(Haute-Savoie)マソンジー(Massongy)で、中期新石器時代(Néolithique moyen)・コルタイヨ文化(Cortaillod)の集落と巨石墓群。巨石には彫刻が施される。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Les gravures géométriques des mégalithes de Massongy (Haute-Savoie)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- ムルシア州(Comunidad Autónoma de la Región de Murcia)アギラス(Águilas)沖のフライレ島(Isla del Fraile)で、ローマ時代後期とムーア人の墓地。[Murcia Today]
- エチオピア
- 東部の都市ハルラー(Harlaa)で、6世紀中ごろ〜15世紀のモスク、工房、墓地、住居など。12〜13世紀には特に手工業や貿易が盛ん。ビーズの素材を輸入し、製品を輸出。ハルラーのイスラーム化の時期は、モスクと墳墓のAMS年代から見て12世紀半ば。アラビア語の銘文から傍証。スルターンの首都Hubät/Hobatだった可能性。
cf. Timothy Insoll, Nadia Khalaf, Rachel MacLean, Hannah Parsons-Morgan, Nicholas Tait, Jane Gaastra, Alemseged Beldados, Alexander J.E. Pryor, Laura Evis and Laure Dussubieux (2021) Material cosmopolitanism: the entrepot of Harlaa as an Islamic gateway to eastern Ethiopia. Antiquity, Volume 95, Issue 380, April 2021, pp. 487 - 507. [Cambridge Core] - エチオピア
- ラリベラ(Lalibela)の岩窟教会群は、それ以前にワシャ・ミカエル(Washa Mika'el)の洞窟教会に見られるような、現地の既存の文化が前提として存在し、キリスト教化の過程で変容した。従来、ラリベラの岩窟教会群は、エチオピア王国が13世紀にアクスム(Aksum)から高地に遷ったことを示すとみられていた。
cf. Marie-Laure Derat, Claire Bosc-Tiessé, Antoine Garric, Romain Mensan, François-Xavier Fauvelle, Yves Gleize and Anne-Lise Goujon (2021) The rock-cut churches of Lalibela and the cave church of Washa Mika'el: troglodytism and the Christianisation of the Ethiopian Highlands. Antiquity, Volume 95, Issue 380, April 2021, pp. 467 - 486 [Cambridge Core]
2021年3月17日(水)
- 山形県
- 高畠町・高安窯跡群(こうやすようせきぐん)の7世紀後半〜8世紀初頭の須恵器窯跡5基と9世紀後半〜10世紀前半の炭窯跡1基について、出土燃料材と窯体構築材の樹種と復元直径、年輪数を分析。須恵器窯では燃料材として復元直径10cm以内の広葉樹を伐採し、広葉樹がなくなると復元直径10cm以上のマツ属複維管束亜属を伐採利用。燃料材の枯渇が須恵器窯跡終焉の契機となった可能性。炭窯跡ではコナラ属コナラ節のみを窯跡周辺の自然植生から伐採利用。木材に対して一種の規格のようなものがあった可能性。須恵器窯跡終焉から約200年後には周辺植生から良質の木材を選択できるほどに植生が回復。
cf. 小林克也、北野博司 2013年「山形県高畠町高安窯跡群にみる 古代窯業における燃料材選択と森林利用」植生史研究 22巻1号 13-21 [J-STAGE]
▼高安窯跡群関連記事→2006年8月27日 - 東京都
- 新宿区・南元町遺跡(みなみもとまちいせき)から出土した江戸時代・18世紀後半の布袋は麻製で、中身は茶の茎と葉。江戸時代に庶民が麻袋に入れた茶を煮だしていたという記録に合致。
cf. 鈴木三男、小林和貴、吉川純子、佐々木由香、能城 修一 「東京都新宿区南元町遺跡から出土した布袋に入った江戸時代の茶」植生史研究 2017年 26 巻 2 号 79-85 [J-STAGE] - 愛知県
- 豊橋市・吉田城址(よしだじょうし)の、本丸南多門の堀に築かれた石垣は、近世初頭の築造であり、城内でも最大級の高さと確認。豊橋市文化財センターの調査。3/20調査成果の一般公開。
吉田城址発掘調査成果の一般公開について【3月20日開催】[豊橋市美術博物館] - 兵庫県
- 尼崎市・栗山庄下川遺跡で、建物跡15棟。うち5棟は13世紀後半か15世紀。荘園の物資輸送に関係した倉庫跡とみられる。[尼崎経済新聞]
- 和歌山県
- 古座川町で、戦国時代の山城3か所(鶴川城跡、川口城跡、稲荷山城跡)を新たに発見。和歌山城郭調査研究会の調査。[紀伊民報]
- 鹿児島県
- 水迫遺跡(みずさこいせき)で出土した縄文時代草創期〜早期の石器に対して残存デンプン粒分析。13点の石皿や磨石、敲石から合計240個の残存デンプン粒。使用痕と残存デンプン粒の両方が検出された石器は植物加工に用いられた可能性。1つの石器から異なる形態のデンプン粒を検出した事例から、これらの石器を用いて2種類以上の植物が加工された可能性。
cf. 渋谷綾子 2012「鹿児島県水迫遺跡出土石器の残存デンプン粒と縄文時代草創期・早期における植物利用」植生史研究、21巻2号 55-66 [J-STAGE]
▼水迫遺跡関連記事→2004年6月12日 - 縄文時代のダイズ
- 縄文時代のダイズ属種子圧痕を集成、比較。中部日本において縄文時代早期中葉から存在するダイズ属の種子が,縄文時代を通じて大型化。縄文時代中期以降,栽培型ダイズの種子が顕在化。
cf. 中山誠二「縄文時代のダイズの栽培化と種子の形態分化」植生史研究、 23巻2号 33-42 [J-STAGE] - 中国
- 西安・西明寺(Ximing Temple)で出土した唐時代の蓮華文瓦当の文様と製作痕跡から、工房での製作方法やその生産体制、太行山脈の両側における工人集団の交流・移動の実態などを解明。
[金沢大学]
cf. Meng Lyu, Guoqiang Gong, Chunlin Li "A case study on organization of roof-tile production during the Tang Dynasty: Focusing on tile ends with Lotus patterns unearthed from Ximing Temple" Archaeological Research in Asia. Volume 25 [ScienceDirect] - オーストラリア
- 南オーストラリア州(South Australia)ムラウォング遺跡(Murrawong)で、骨製の尖頭器。カンガルー(kangaroo)やワラビー(wallaby)の骨で作る。放射性炭素年代で5300年前〜3800年前。軟らかいものに突き刺したり、柄をつけて狩猟に用いる。
Rare bone tool artefact revealed[Cosmos]
cf. Christopher Wilson, Amy Roberts, Michelle C. Langley, Lynley A. Wallis, Roger Luebbers, Craig Westell, Catherine Morton & Ngarrindjeri Aboriginal Corporation "Analysis and contextualisation of a Holocene bone point from Murrawong (Glen Lossie), Lower Murray River Gorge, South Australia" Australian Archaeology [Taylor & Francis Online] - ポーランド
- コジレ(Koźle)で、第二次世界大戦当時、空爆で生じたクレーター6000カ所が残る。直径5〜15m、深さはしばしば2mを超える。リモートセンシング技術や、史料に基づくフィールドワークにより、落とされた爆弾の重量や、土壌の水分量などと、クレーターの形態との関係を分析。
cf. Jan M. Waga and Maria Fajer (2021) The heritage of the Second World War: bombing in the forests and wetlands of the Koźle Basin. Antiquity, Volume 95, Issue 380, April 2021, pp. 417 - 434. [Cambridge Core] - ベルギー
- マルデゲム(Maldegem)のアデゲム(Adegem)で、ローマ時代の道路跡。アントウェルペン(Antwerpen;Antwerp)とアウデンブルグ(Oudenburg)のローマ軍の陣地をむすぶ。[The Bulletin]
▼記事中ではマルデゲムをウェスト=フランデレン州(West-Vlaanderen;West Flanders)とするが、実際のマルゲデムはオースト=フランデレン州(Oost-Vlaanderen)のはず。 - モロッコ
- タンジール(Tangier)でローマ時代の道路が工事車両に破壊される。掘削工事中のミスか。[Yabiladi]
2021年3月16日(火)
- 群馬県
- 富岡市・中高瀬観音山遺跡(なかたかせかんのんやまいせき)で、集落の南側から弥生時代の溝や方形周溝墓。富岡市教育委員会の調査。3/21現地説明会。
3月21日(日曜日)「史跡中高瀬観音山遺跡発掘調査 現地説明会」を開催します![富岡市] - 東京都
- 港区・高輪築堤について、政府は、可能な限り現状のまま保存する方向で調整に入る方針。[FNN]
▼高輪築堤関連記事→2021年3月2日 - 長野県
- 中野市・南大原遺跡(みなみおおはらいせき)で見つかった弥生時代・2000年前の鉄製品に、加工途上の痕跡。木製品を加工するために用いられた鉄製工具を作ろうとしていた可能性。[信濃毎日新聞]
鉄製品のX線撮影により、弥生時代中期の1点はは木器加工に使用するような小さな鉄製工具。弥生時代後期の1点は鉄素材から切り離したままの可能性があり、鉄製品の未成品と推定。
弥生時代の鉄製品の新知見![長野県埋蔵文化財センター]
▼南大原遺跡関連記事→2020年4月3日 - 大阪府
- 大阪府立狭山池博物館で、講演会への申込者963人分の個人情報が、一時的にホームページ上で一般からも閲覧できる状態に。職員が気づき、閲覧者からの指摘もあったので公開停止。
大阪府立狭山池博物館ホームページでの個人情報の流出について[大阪府] - 岡山県
- 津山市・高尾北ヤシキ古墳で、筒形土製品。カマドや炉の煙突として使われた可能性。岡山県内初。岡山県古代吉備文化財センターの調査。
高尾北ヤシキ古墳ほかの調査成果Web公開[岡山県古代吉備文化財センター] - 愛媛県
- 西条市・北竹ノ下II遺跡(きたたけのしたにいせき)で、縄文時代早期の土器などの遺物5000点。公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センターの調査。[愛媛新聞]
- 長崎県
- 松浦市で、元寇船の隔壁板の保存処理が終了。木材への浸透性の高いトレハロースを保存剤とした世界初の技術。[長崎新聞]
- 都道府県指定文化財
- 都道府県が文化財に指定した個人所有の美術工芸品のうち、1割超が所在不明。総務省3/16発表。[共同通信]
- カンボジア
- プノンペン(Phnom Penh)のドンペン区(Daun Penh)・ワット・プノン(Wat Phnom)近くで、川に下りる古い階段。長さ5m、幅3m以上。付近で見つかったバケン様式(Bakheng style)の石製獅子像と同時期か。[The Phnom Penh Post]
▼ドンペン区の獅子像関連記事→2020年9月9日 - イスラエル
- 「恐怖の洞窟」(Cave of Horror)で、1世紀の死海文書(Dead Sea scrolls)の断片を80点発見。ゼカリヤ書とナホム書をギリシャ語で記す。バル・コクバ(Bar Kochba)の反乱の時に隠されたと推定。[AP]
- パレスチナ(ヨルダン川西岸地区)
- ユダヤ砂漠(Judaean Desert)のムラバアト洞窟(Muraba‘at Cave)で、先土器新石器時代(Pre-Pottery Neolithic)・10500年前の編み籠。中身は空で、蓋がしてあった。容量92リットル。[The Jerusalem Post]
- ルーマニア
- ラドミレシュティ村(Radomireşti)で、古代ギリシャ・2世紀の硬貨68枚。銘文「Μακεδόνων Πρώτης」(マケドニア人第一)。[Greek Reporter]
▼オルト県(Județul Olt) - スイス
- アールガウ州(Kanton Aargau)ゼーンゲン(Seengen)のインタードルフ通り(Hinterdorfstrasse)で、ローマ時代の砂利敷きの道路跡と瓦。幅7m。[Aargauer Zeitung]
- ポーランド
- クラクフ=チェンストホヴァ高地(Kraków-Częstochowa Upland)のスタイニャ洞窟(Jaskinia Stajnia;Stajnia Cave)で出土した46000年前のネアンデルタール人の歯を分析。爪楊枝を使用した痕跡。固いものを噛んだ形跡はあるが、虫歯などは見られず。
Neanderthals used toothpicks, new research reveals[Nauka w Polsce]
cf. Wioletta Nowaczewska, Marcin Binkowski, Stefano Benazzi, Antonino Vazzana, Adam Nadachowski, Krzysztof Stefaniak, Marcin Żarski, Sahra Talamo, Tim Compton, Chris B. Stringer, Mateja Hajdinjak, Jean-Jacques Hublin "New hominin teeth from Stajnia Cave, Poland" Journal of Human Evolution. Volume 151 [ScienceDirect]
▼シロンスク県(Województwo śląskie)ムィシュクフ郡(powiat myszkowski;Myszków County) ニェゴヴァ(Niegowa)
▼スタイニャ洞窟関連記事→2020年9月8日 - フランス
- ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏(Nouvelle-Aquitaine)ロット=エ=ガロンヌ県(Lot-et-Garonne)サン=ピエール=ド=ビュゼ(Saint-Pierre-de-Buzet)の教会近くで、中世の人骨5体。[Sud Ouest]
- カナダ
- 北極圏のイヌイット(Inuit)とドーセット文化(Dorset culture)の3遺跡から出土した14試料について、鉄の産出地の推定。すべて隕石起源。ケープヨーク隕石(Cape York meteorite)に由来する可能性。
cf. Matthew J. O. Svensson, Stephen A. Kissin, Marie-Claude Corbeil, Peter Whitridge, James W. Helmer "Methods for determination of the source of iron in precontact Inuit and Dorset culture artifacts from the Canadian Arctic" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - USA
- サウスカロライナ州(State of South Carolina) ビューフォート郡(Beaufort County)のポート・ロイヤル島(Port Royal Island)で、アメリカ革命戦争(Revolutionary War)中の1779年のビューフォートの戦い(Battle of Beaufort)の故地を発見。[The Post and Courier]
- メキシコ
- エルパルマル(El Palmar)で、ヒエログリフで飾られた、儀式用プラットフォームに連なる階段。古代マヤの外交官アフパチ・ワール(Ajpach’ Waal)の人骨を調査。子供の時に栄養不足や病気。頭蓋変形を受け、歯には黄鉄鉱(pyrite)と翡翠の象嵌。ヒエログリフによると、外交官ラカム(lakam)を務めたアフパチ・ワールが726年6月にコパン(Copán)の王に会い、カラクルム(Calakmul)の王と同盟を結んだ。
An ancient Maya ambassador’s bones show a life of privilege and hardship[University of California, Riverside]
cf. Jessica I. Cerezo-Román and Kenichiro Tsukamoto (2021) The Life Course of a Standard-Bearer: A Nonroyal Elite Burial at the Maya Archaeological Site of El Palmar, Mexico. Latin American Antiquity, First View, pp. 1 - 18. [Cambridge Core]
▼カンペチェ州(Estado de Campeche)
2021年3月15日(月)
- イラク
- バビロニア(Babylonia)で出土した、ディルムン(Dilmun)の船形銅器は、バビロニアの月の神ナンナ(Nanna)への奉納品の可能性。
cf. Steffen Terp Laursen "Dilmun Boat shaped votive bowls for the Moon‐god Nanna?" Arabian Archaeology and Epigraphy [Wiley Online Library] - イタリア
- モンタルト・ディ・カストロ(Montalto di Castro)の古代ヴルチ(Vulci)のポッジェット・メンガレッリ墓地(Poggetto Mengarelli)で、ヴィッラノーヴァ時代(Periodo Villanoviano)・紀元前9世紀初頭の火葬骨壺3個。双円錐形で、碗形の蓋をかぶせ、石灰岩の板で封印し、それぞれ墓壙内に納める。大きめの2個には成人男性と女性、小さめの1個には9〜11歳の子どもの骨を納める。[Tuscia Web]
▼ラツィオ州(Regione Lazio)ヴィテルボ県(Provincia di Viterbo)
▼ポッジェット・メンガレッリ墓地関連記事→2020年6月5日 - UK(イングランド)
- エクセター(Exeter)で出土した土器の産地を分析し、エクセターの商人たちとヨーロッパ大陸を結ぶ交易ルートの存在を実証。後期ローマ時代には、大西洋岸や地中海と交易。質の良い食器はは南西フランスから輸入。オリーブ油、ワイン、魚醤は北アフリカから。中世はノルマンディー、ブルターニュ、南西フランスから土器を輸入し、一部は低地諸国からも。15世紀には、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアから。
Major new study shows ancient international trading routes between Exeter and Europe[University of Exeter] - UK(スコットランド)
- オークニー諸島(Orkney)サウス・ロナルドセー島(South Ronaldsay)The Cairnsで、貝殻18600枚以上出土。鉄器時代・5〜6世紀のの饗宴のための調理用ピットに、饗宴後に丁寧に貝殻を戻す。大規模な饗宴1回分と推定。[Herald Scotland]
- USA
- ジョージア州のサヴァンナ川(Savannah River)で、南北戦争以前の大砲3基。アメリカ陸軍工兵隊(United States Army Corps of Engineers)が発見。アメリカ独立革命(Revolutionary War)中の1779年、川をふさぐために沈められた英国の戦艦ローズ号(HMS Rose)のものである可能性。[Daily Mail]
2021年3月14日(日)
- 長野県
- 千曲市・長野県立歴史館の収蔵庫がほぼ満杯。[毎日新聞]
- マルタ
- グーディア(Gudja)のVjal l-Avjazzjoni で、墓や道路、農業用の溝。[Times of Malta]
- イタリア
- イタリア北東部で後期ローマ時代から中世・4〜14世紀に作られた粗製土器や調理用土器について、製作時の混和材(temper)として、建築や彫刻から再使用されたスパー質方解石(sparry calcite)や大理石が意図的に利用されていたことを証明。酸素と炭素の同位体分析により、混和材のスパー質方解石と大理石の産地を推定。
cf. Lara Maritan, Giovanna Ganzarolli, Fabrizio Antonelli, Manuel Rigo, Angeliki Kapatza, Katalin Bajnok, Chiara Coletti, Claudio Mazzoli, Lorenzo Lazzarini, Paolo Vedovetto, Alexandra Chavarría Arnau "What kind of calcite? Disclosing the origin of sparry calcite temper in ancient ceramics" Journal of Archaeological Science. Volume 129 [ScienceDirect] - スロバキア
- ゼンプリーン(Zemplín)で出土したカルパチア(Carpathia)の黒曜石の年代を、フィッショントラック法(fission-track dating;FT)により12.45±0.45〜11.62±0.25Maに絞り込む。調査されたブレホウ(Brehov)、ツェイコウ(Cejkov)、フラニ(Hraň)、ヴィニチュキ(Viničky)の4地域すべてにおいて、同様の化学組成がみられ、C1黒曜石と命名。地球化学に基づけば、ハンガリーのC2黒曜石、ウクライナのC3黒曜石との間に明らかな差。
cf. Milan Kohút, John A. Westgate, Nicholas J. G. Pearce, Pavel Bačo "The Carpathian obsidians – Contribution to their FT dating and provenance (Zemplín, Slovakia)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 37 [ScienceDirect] - エジプト
- バハレイヤオアシス(Bahariya Oasis)のタル・ガヌーブ・カスル・アゴウズ遺跡(Tal Ganoub Qasr Al Agouz)で、玄武岩造りや岩盤に刻んだ4〜8世紀キリスト教の遺構。教会や修道士の草堂など19基。ギリシャ語の銘文。最盛期は5〜6世紀。[Asharq Al-Awsat]
2021年3月13日(土)
- 兵庫県
- 赤穂市・みかんのへた山古墳で、鉄製甲冑の破片。古墳時代前期末〜中期前半の円墳、28m。2段築成で葺石あり。木棺直葬の可能性が高いが、平安時代以降に一部を破壊。埴輪も発見。赤穂市教育委員会の調査。3/18-21一般公開。[神戸新聞]
- クウェート
- ファイラカ島(Failaka Island)のアル・クスール(al‐Qusur)で、1988年〜1989年に調査されたキリスト教の教会跡に加えて、新たに大規模な食堂や、修道士の草堂とみられる建物が発見され、修道院と判明。ペルシャ湾岸のキリスト教の歴史の手がかり。
cf. Julie Bonnéric "Archaeological evidence of an early Islamic monastery in the centre of al‐Qusur (Failaka Island, Kuwait)" Arabian Archaeology and Epigraphy [Wiley Online Library] - トルコ
- トラブゾン県(Trabzon il)デュズキョイ郡(Düzköy)コシュカルル(Koşkarlı)にある洞窟で、13000年前の石器。石材の黒曜石やフリントはカッパドキアやコーカサスに由来。[Daily Sabah]
- クロアチア
- ドゥブロヴニク郡(Dubrovnik) ツァヴタット(Cavtat)の古代都市エピダウロス(Ἐπίδαυρος;Epidaurus)で、ローマ時代のモザイク。[Dubrovački vjesnik]
- ハンガリー
- ボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県(Borsod-Abaúj-Zemplén megye)Bükkábrányで、銅器時代・紀元前4千年紀の墓地から金製品を副葬された女性。また、打製石器、磨製石斧、銅器などを副葬した男性の墓も。副葬品の原料はカルパチア盆地(Carpathian Basin)に由来。ヘルマン・オットー博物館(Herman Ottó Múzeum;Herman Ottó Museum)の調査。[Heritage Daily]
- フランス
- オクシタニー地域圏(Occitanie)エロー県(Hérault)コンバイオー(Combaillaux)のレゼラブル遺跡(Les Érables)で、鉄器時代第2期・紀元前375年〜前195年の金属器工房。鉄鉱石の還元に関する一連の施設。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Un atelier métallurgique du Second âge du Fer à Combaillaux (Hérault)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- プエルト・デ・マサロン(Puerto de Mazarrón)のプラヤ・デ・ラ・イスラ海岸(Playa de la Isla)沖で見つかったフェニキア・2700年前の沈没船「マサロン2号」(Mazarrón II)を引き上げ、修復へ。[Murcia Today]
▼プラヤ・デ・ラ・イスラ海岸の沈没船関連記事→2019年9月11日 - UK(イングランド)
- スタッフォードシャー州(the county of Staffordshire)バートン(Burton)で、ローマ時代の砦。[StaffordshireLive]
- アイルランド
- アイルランドの中世以降の塩生産関連遺跡について、初めての体系的な調査を報告。
cf. Wes Forsythe, Rosemary Mcconkey & Colin Breen "The Archaeology of Salt Production in Post-Medieval Ireland" Post-Medieval Archaeology [Taylor & Francis Online]
2021年3月12日(金)
- アゼルバイジャン
- ギョイテペ遺跡(Göytepe;7500年前)とハッジエラムハンルテペ遺跡(Hacı Elamxanlı Tepe;8000年前)で出土した新石器時代初期・ショムテペ・シュラベリ文化(Shomutepe-Shulaveri culture)の家畜(ヤギ、ヒツジ、ウシ)の歯の連続安定同位体分析。複数の季節変動パターンがみられ、多様な牧畜の手法があった。
新石器時代の西アジアで始まった家畜飼育の方法を歯の同位体分析により解明[名古屋大学]
cf. Masato Hirose, Yuichi I. Naito, Seiji Kadowaki, Saiji Arai, Farhad Guliyev, Yoshihiro Nishiaki "Investigating early husbandry strategies in the southern Caucasus: intra-tooth sequential carbon and oxygen isotope analysis of Neolithic goats, sheep, and cattle from Göytepe and Hacı Elamxanlı Tepe" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 36 [ScienceDirect] - ブルガリア
- ルセ州(Русенска област;Rucenska Oblast)ドゥヴェ・モギリ(Две могили;Dve Mogili)にあるシロコヴォ(Широково;Shirokovo)で、初期ビザンティン時代・5世紀の砦。
‘Incredible’ early Byzantine fortress with stone assembly letter clues unearthed near Bulgaria’s Shirokovo[Archaeology in Bulgaria] - イタリア
- シチリア州(Regione Sicilia;Sicily)カルタニッセッタ県(Caltanissetta)のヴァッレルンガ・プラタメーノ(Vallelunga Pratameno)で、ローマ帝政期・1世紀ごろのエロティックな場面を描いたオイルランプ。[La Sicilia]
- チェコ
- モラヴィア地方(Moravia)のグラヴェット文化(Gravettian)ではマンモスの牙を装身具の素材として用い、多様な形に加工する。
cf. Martina Lázničková-Galetová "Les parures en ivoire gravettienne de l’Europe centrale (République tchèque)" L'Anthropologie [ScienceDirect] - ポーランド
- クヤヴィ(Kujawy)で、5500年前の巨石墓を築いた集団の集落をドローンで発見。
Settlements of 'Polish pyramid' tomb builders found in Kujawy[Nauka w Polsce] - スペイン
- ナバラ州(Navarra)エルロ自治体(Erro)のエルロタルデ1洞窟(cueva Errotalde I)で、紀元前9700年の人骨。[Bavarra.es]
- スペイン
- ドニャーナ海岸(Doñana)で、上部更新世(upper Pleistocene)・10万年前(106 ± 19 kyr)のネアンデルタール人の足跡87個。さまざまな年齢層からなる集団であるが、成人以外が多い。
cf. Eduardo Mayoral, Ignacio Díaz-Martínez, Jéremy Duveau, Ana Santos, Antonio Rodríguez Ramírez, Juan A. Morales, Luis A. Morales & Ricardo Díaz-Delgado "Tracking late Pleistocene Neandertals on the Iberian coast" Scientific Reports. volume 11, Article number: 4103 (2021) [Scientific Reports] - スウェーデン
- ストックホルム県(Stockholms län)テービー市(Täby kommun)ビッグビューホルム(Viggbyholm)で、2020年秋に見つかったヴァイキング時代埋納品の中に、10世紀後半のノルマンディー公国の硬貨。スウェーデン国内では2点目。[The Conversation]
▼ビッグビューホルム関連記事→2020年11月12日 - デンマーク
- フュン島(Fyn;Funen)ホーレ(Håre)で、青銅器時代IV期・3000年前の青銅製の剣。1.3kg。木、角、繊維を用いた把。繊維に巻いて埋納。オーデンセ市立博物館(Odense Bys Museer;Odense City Museums)の調査。
Fantastisk fund fra bronzealderen[Odense Bys Museer]
2021年3月11日(木)
- 群馬県
- 伊勢崎市・西上之宮遺跡(にしかみのみやいせき)の中世墓で、火葬骨を納めた骨蔵器と「徳治三年」(1308)銘の板碑。中心部の五輪塔群は13世紀まで遡る可能性。古墳では5世紀後半の舟形石棺の蓋。樋越薬師遺跡(ひごやくしいせき)の近世墓地では、墓石の台石の下から入念な石組みの基礎。一部の墓には寛永通宝・煙管・漆器椀などを副葬。公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団の調査。
西上之宮(にしかみのみや)遺跡・樋越薬師(ひごしやくし)遺跡[公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団] - 山梨県
- 中央市・二又第1遺跡(ふたまただいいちいせき)で16世紀ごろの集落。掘立柱建物や畑などの遺構。土器や下駄、古銭などが出土。山梨県埋蔵文化財センターの調査。3/14現場公開。
二又第1遺跡の発掘調査現場の公開について[山梨県埋蔵文化財センター] - 広島県
- 府中市・伝吉田寺跡から、塔や講堂を囲む回廊の柱の礎石2基。7世紀後半と推定。府中市教育委員会の調査。3/13現地説明会。[読売新聞]
- 山口県
- 山口市・凌雲寺跡(りょううんじあと:第9次調査)の中央部で、礎石建物や瓦など。山口市の調査。3/20現地説明会。
凌雲寺跡第9次調査の現地説明会を開催します[山口市]
▼凌雲寺跡関連記事→2010年3月23日 - ラオス
- ジャール平原(Plain of Jars)のバンハイヒン遺跡(Ban Hai Hin)で、石壺(stone jar)の下の堆積サンプルを光刺激ルミネセンス(optically stimulated luminescence;OSL)により年代測定。石壺は紀元前1240年〜前660年の間に置かれた。石材の産地は8km離れた場所。ほかの墓の人骨や炭化物の放射性炭素年代とも対比すると、石壺を用いた祭祀は歴史時代にまで及んだ。
Researchers solve more of the mystery of Laos megalithic jars[the University of Melbourne]
葬送活動は紀元後9〜13世紀に行われた。
cf. Louise Shewan, Dougald O’Reilly, Richard Armstrong, Phillip Toms, John Webb, Nancy Beavan, Thonglith Luangkhoth, Jamie Wood, Siân Halcrow, Kate Domett, Julie Van Den Bergh, Nigel Chang "Dating the megalithic culture of laos: Radiocarbon, optically stimulated luminescence and U/Pb zircon results" PLoS ONE 16(3): e0247167. [PLOS ONE]
▼シエンクワーン県(Xiangkhouang Province)
▼ジャール平原関連記事→2016年4月5日 - トルコ
- トラブゾン県(Trabzon il)デュズキョイ郡(Düzköy)コスカルル(Koskarlı)の洞窟から紀元前10千年紀の黒曜石やフリント 製の石器103点。うち7点を分析し、5点はカッパドキア由来、2点はジョージア由来。当時のヒトの移動性を示す。[Daily Sabah]
- ウクライナ
- ウクライナ中東部の3か所の墳墓遺跡、ベルスク遺跡(Більськ;Bel'sk)、ママイ・ホラ遺跡(Мамай-Гора;Mamai-Gora)、メードヴィン遺跡(Медвин;Medvin)から出土したスキタイ人56人の歯と骨を同位体分析。また、ベルスク遺跡で出土したヒツジとブタの骨も分析。3遺跡のヒトはいずれも、キビ(millet)を食べる。Mamai-Goraの2人は移動性が高く、移動しなかった人に比べてキビの摂取量が少なかった。スキタイ人はキビを栽培し、家畜を飼って生活していた。[ScienceAlert]
cf. Alicia R. Ventresca Miller, James Johnson, Sergey Makhortykh, Claudia Gerling, Ludmilla Litvinova, Svetlana Andrukh, Gennady Toschev, Jana Zech, Petrus le Roux, Cheryl Makarewicz, Nicole Boivin, Patrick Roberts "Re-evaluating Scythian lifeways: Isotopic analysis of diet and mobility in Iron Age Ukraine" PLoS ONE 16(3): e0245996. [PLOS ONE] - クロアチア
- ポトチャニ(Potočani)の6200年前の大量殺人について、41体のうち38体のDNAを分析。大部分は血縁関係がなく、農耕民。先祖は均質で、虐殺が新たなヒトの到来と関連しているわけではない。男女がほぼ同数。大規模な無差別殺人が行われた可能性。
cf. Mario Novak, Iñigo Olalde, Harald Ringbauer, Nadin Rohland, James Ahern, Jacqueline Balen, Ivor Janković, Hrvoje Potrebica, Ron Pinhasi, David Reich "Genome-wide analysis of nearly all the victims of a 6200 year old massacre" PLoS ONE 16(3): e0247332. [PLOS ONE]
▼ポトチャニの集団墓関連記事→2020年4月23日 - イタリア
- カルタニッセッタ県(Caltanissetta;CL)ジェーラ(Gela)のコントラーダ・ブラーラ(Contrada Bulala)の海底で2016年に発見されたインゴット47個は、紀元前6世紀の銅・亜鉛合金オリハルコン(Orichalcum;ὀρείχαλκος)と確認。以前に近隣で発見された40個と同一かどうか分析。同じ船の積み荷だったと推定。また、鉛同位体比(Lead Isotopic ratio)で産地を推定。
cf. Eugenio Caponetti, Francesco Armetta, Lorenzo Brusca, Marco Ferrante, Delia Chillura Martino, Maria Luisa Saladino, Dario Guastella, Gabriella Chirco, Mario Berrettoni, Silvia Zamponi, Paolo Conti, Sebastiano Tusa "Newly discovered orichalcum ingots from Mediterranean sea: Further investigation" Journal of Archaeological Science: ReportVolume 37, June 2021, 102901s. Volume 37 [ScienceDirect]
▼シチリア - スペイン
- ムルシア自治州(Comunidad Autónoma de la Región de Murcia)プリエゴ(Pliego)のラ・アルモロヤ遺跡(La Almoloya)の38号墓で、青銅器時代・エル・アルガール文化(La Cultura de El Argar;Cultura argárica;Argaric culture)・紀元前17世紀中ごろの大型甕棺の中に、同時期に死亡した35〜40歳の男性と25〜30歳の女性を埋葬。銀で飾られた豪華な副葬品はほとんどが女性に属し、女性の頭部には銀のディアデム。女性エリートが存在。エル・アルガール文化は紀元前2200年〜前1550年。末期には国家形成段階に。バルセロナ自治大学(Universitat Autònoma de Barcelona)の調査。
カタルーニャ語Les dones de l'elit haurien pogut governar a El Argar fa 4.000 anys
英語Elite women might have ruled El Argar 4,000 years ago[Universitat Autònoma de Barcelona]
cf. Vicente Lull, Cristina Rihuete-Herrada, Roberto Risch, Bárbara Bonora, Eva Celdrán-Beltrán, Maria Inés Fregeiro, Claudia Molero, Adrià Moreno, Camila Oliart, Carlos Velasco-Felipe, Lourdes Andúgar, Wolfgang Haak, Vanessa Villalba-Mouco and Rafael Micó "Emblems and spaces of power during the Argaric Bronze Age at La Almoloya, Murcia" Antiquity, First View , pp. 1 - 20 [Cambridge Core] - デンマーク
- スカナボー市(Skanderborg)ハアニング(Hørning)で後期ローマ鉄器時代〜ゲルマン鉄器時代・300〜500年の火葬墓地。スカナボー博物館(Museum Skanderborg)の調査。[Museum Skanderborg]
▼ハアニング関連記事→2017年3月16日 - UK(イングランド)
- サマセット州(the county of Somerset)ウィベリスクーム(Wiveliscombe)のパレス・ガーデンズ(Palace Gardens)で、中世のバースとウェルズの司教(Bishop of Bath and Wells)の司教宮殿跡。13世紀に建てられ、18世紀には廃墟になっていた。司教ドロックスフォード(Bishop Drokensford;1309〜1329年)とラルフ・オブ・シュルーズベリー(Ralph of Shrewsbury;1329〜1363年)が関与。12世紀の土器も出土。[Somerset County Gazette]
- UK(イングランド)
- ニューベリー(Newbury)のショー・カム・ドニントン(Shaw-cum-Donington)で、青銅器時代(Bronze Age)・紀元前2200年の円形の墳丘墓(barrow)。白亜層を削り出し、周溝を設ける。Foundations Archaeologyの調査。[The Reading Chronicle]
▼バークシャー州(the county of Berkshire) - ブラジル
- ピアウイ州(Estado do Piauí)のバレ・ダ・ペドラ・フラダ遺跡(Vale da Pedra Furada)で出土した24000年前(cal BP)の石を分析し、人口の遺物であると判定。
cf. Eric Boëda, Marcos Ramos, Antonio Pérez, Christine Hatté, Christelle Lahaye, Mario Pino, David Hérisson, Ignacio Clemente-Conte, Michel Fontugne, Guillaume Guérin, Ximena Villagran, Janaina C. Santos, Lucas Costa, Lucie Germond, Nelson Eric Ahmed-Delacroix, Amelie Da Costa, Carolina Borges, Sirley Hoeltz, Gisele Felice, María Gluchy, Grégoire van Havre, Christophe Griggo, Livia Lucas, Iderlan de Souza, Sibeli Viana, André Strauss, Jennifer Kerner, Niède Guidon "24.0 kyr cal BP stone artefact from Vale da Pedra Furada, Piauí, Brazil: Techno-functional analysis" PLoS ONE 16(3): e0247965.[PLOS ONE]
おやつMaster Copyright © OyatsuMastar 1998-2024. All rights reserved.