2021年6月20日(日)
- 福井県
- 勝山市・袋田遺跡(ふくろだいせき)で、15〜16世紀の鍛冶関連遺構。粘土や炭化物、鉄素材の破片、鉄滓と排滓坑。租税として鍬を納めていたとする文献を裏付け。福井県埋蔵文化財調査センターの調査。6/26現地説明会。[中日新聞]
- 長野県
- 富士見町・曽利遺跡(そりいせき)で、縄文時代中期初頭〜晩期の住居址、埋甕。富士見町教育委員会の調査。6/19現地説明会。[長野日報]
▼長野県諏訪郡富士見町 - 韓国
- 忠清南道 公州市・校村里3号墳の塼は、武寧王陵の塼と、材料や焼成温度が異なると判明。武寧王陵の塼の方が胎土が精選され、焼成温度もはるかに高い。2基の古墳はいずれも百済の塼築墳であるが、校村里3号墳の磚は文様や銘文がなく、武寧王陵の線とは見かけが異なっていた。[聯合ニュース]
- トルコ
- ヴァン湖(Van Gölü;Lake Van)で、水位低下により、ウラルトゥ時代(Urartu)・3000年前の城を発見。[Bring Side]
- トルコ
- ヨズガト県(Yozgat il)のウシャクル・ヒュユク遺跡(Uşaklı Höyük)で出土した炭化物について、年輪年代と放射性炭素年代による編年。建物IIIの部屋433は紀元前1415年〜前1363年で、後期青銅器時代/ヒッタイトの建物という仮説を実証。建物IIIの上に築かれた鉄器時代の石造りの斜堤(glacis)は紀元前763年〜前486年で、ウシャクル・ヒュユク遺跡に鉄器時代もヒトが居住したことを証明。
cf. Barbara Gmińska-Nowak, Anacleto D'Agostino, Yasemin Özarslan, Valentina Orsi, Anastasia Christopoulou, Stefania Mazzoni, Ünal Akkemik, Tomasz Ważny "Dendrochronological analysis and radiocarbon dating of charcoal remains from the multi-period site of Uşaklı Höyük, Yozgat, Turkey" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 38, August 2021, 103078 [ScienceDirect] - スペイン
- カタルーニャ州(Cataluña)リェイダ県(Província de Lleida)バルベー・ダ・サルダーニャ自治体(Bellver de Cerdanya)のトッサル・デ・バルタルガ山(Tossal de Baltarga)で、共和政ローマ・紀元前1世紀のアンフォラや貨幣、指輪など、ローマ軍が残したものと推定。[El Español]
cf. Joan Oller Guzmán, Oriol Olesti Vila, Jordi Morera Camprubí and Gertrud Platz-Horster "Three Roman Republican Seal-Rings Discovered in the Eastern Pyrenees and their Significance" European Journal of Archaeology, First View, pp. 1 - 20 [Cambridge Core] - スペイン
- バルセロナ(Barcelona)のガバ鉱山遺跡(Mines de Gavà)で出土した新石器時代(Neolithic)・紀元前4千年紀の土器21点について、遺存物を分析。大半の土器で、陸棲動物の脂肪を確認。動物脂肪、植物、蜜蝋を検出し、特に、蜜蝋の最古の証拠。紀元前4千年紀の鉱山遺跡。
cf. N. Tarifa-Mateo, M. Regert, O. E. Craig, A. Rosell-Melé, X. Clop, M. Saña "Pottery use in the mining site of variscite Mines de Gavà (Barcelona, Spain) during the 4th millennium BC based on organic residue analysis" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 38, August 2021, 103080 [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- ノーフォーク州(Norfolk)リーハム(Reepham)で、黒死病の混乱の中で失われたエドワード3世の金貨「gold leopard」が見つかる。1344年に打刻され、すぐに廃止された。エドワード3世の1351年〜1352年の金貨とともに発見。ノルマン征服以来、通貨はもっぱら銀貨だったが、エドワード3世は金貨をイングランドに再導入しようとした。[BBC]
- USA
- サウスカロライナ州(State of South Carolina)・チャールズ・タウン・ランディング(Charles Towne Landing)で、17世紀のレンガ造りの暖炉。イギリスからの入植直後に当たる。[The Post and Courier]
- USA
- オハイオ州(State of Ohio)リッキング郡(Licking County)フリントリッジ(Flint Ridge)における先住民のフリント(flint)採掘は、どのフリントをいかに、いつ得るか、信仰や習慣にのっとって選択されていた。[The Columbus Dispatch]
cf. R Michael Stewart "Broadening perspectives on regional quarry-related studies" North American Archaeologist, Vol 42, Issue 3, 2021 [SAGE journals]
2021年6月19日(土)
- 鳥取県
- 鳥取市内の古代山陰道とみられるルート脇2か所に、人為的に設置されたと推測される板状の岩。鳥取県埋蔵文化財センターの調査。[毎日新聞]
- キプロス
- ハラ・スルタン・モスク(Τεκές Χαλά Σουλτάνας;Hala Sultan Tekke Mosque)近くのラルナカ塩湖(Αλυκή Λάρνακας;Larnaca Salt Lake)の堆積物コアから、300年に及ぶ旱魃の証拠。紀元前1450年ごろからの100年間で、海洋プランクトンや海草の花粉が著しく減少。紀元前1200年ごろには農業を放棄。紀元前850年ごろに再開。紀元前1200年ごろの「青銅器時代の崩壊」(Bronze Age Collapse)アナトリアのヒッタイトやギリシャのミュケナイなど、地中海・レヴァント・北アフリカの青銅器文明が崩壊したり、衰微したが、背景に、300年に及ぶ旱魃があった可能性。[Greek Reporter]
cf. David Kaniewski, Elise Van Campo, Joël Guiot, Sabine Le Burel, Thierry Otto, Cecile Baeteman "Environmental Roots of the Late Bronze Age Crisis" PLoS ONE 8(8): e71004. (2013) [PLOS ONE] - ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen)パーダーボルン(Paderborn)の市壁で、未知の防塁を発見。市壁は12世紀後半に築かれ、19世紀前半まで使用された。新たに発見された防塁が市壁とどのようにつながるのか不明。
Unbekanntes Bollwerk der Paderborner Stadtmauer entdeckt[Archaeologie Online] - スペイン
- ラ・ヴィラ・ジョヨザ(La Vila Joiosa)で、ローマ都市アロニス(Ἀλονίς;Alonis)に飲み水を運んだ水道。[The Saxon]
▼バレンシア州(Comunitat Valenciana)アリカンテ県(Provincia de Alicante)
2021年6月18日(金)
- 島根県
- 出雲市・荻杼I遺跡(おぎとち1いせき)で、島根県が発注した工事で、文化財保護法に基づく埋蔵文化財の発掘に関する手続を行わないまま工事着手していた。
文化財保護法に基づく手続に関する不適切事案について[島根県] - マルタ
- 聖ヨハネ騎士団(Knights of St John)が、捕虜を奴隷・囚人・債務者とともに十字軍のガレー船で使役したことを、考古学的な証拠により研究。
cf. Russell Palmer "Slavery, captivity and galley rowing in early modern Malta" Antiquity, First View, pp. 1 - 18 [Cambridge Core] - チェコ
- シュヴェードゥーフ・ストゥール洞窟(Jeskyně Švédův stůl)で、過去の発掘による洞窟外の廃土(archaeological spoil)を再発掘。廃土の山にも考古学的コンテキストを確認。廃土は遺物漁りの対象にもなっており、廃土が失われる以前に研究対象とすべき。
cf. Duncan Wright, Philip Hughes, Nicholas Skopal, Matěj Kmošek, Amy Way, Marjorie Sullivan, Lenka Lisá, Pamela Ricardi, Petr Škrdla, Ladislav Nejman, Patricia Gadd, Miriam Nývltová Fišáková, Ondřej Mlejnek, Miroslav Králík "The archaeology of overburden: Method within the madness at Švédův Stůl, Czech Republic" Journal of Archaeological Science. Volume 132, August 2021, 105429 [ScienceDirect]
▼ブルノ郊外郡(Okres Brno-venkov) - ドイツ
- ニーダーザクセン州(Land Niedersachsen)ディープホルツ郡(Landkreis Diepholz)で、ディープホルツ(Diepholz)とローネ(Lohne)間の大湿原を通る後期鉄器時代・紀元前46年ごろ桟道(Bohlenweg)脇から、保存状態の良い革靴。近くに荷車の車軸とみられる遺物も出土し、事故があった可能性。北ドイツ最古の靴。Niedersächsisches Landesamt für Denkmalpflege (NLD)の調査。
Ältester Schuh Norddeutschlands entdeckt[Niedersächsisches Landesamt für Denkmalpflege (NLD)] - フランス
- ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(Pays de la Loire) ロワール=アトランティック県(Loire-Atlantique)ラ・ボル=エスクブラック(La Baule-Escoublac)で、ガリア時代〜ガロ=ローマ時代・紀元前2世紀〜紀元後1世紀初めの集落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Vestiges d’une importante agglomération gauloise à La Baule-Escoublac ?[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - フランス
- ノルマンディー地域圏(Normandie)カルヴァドス県(Calvados)ブレトヴィル=シュル=レーズ(Bretteville-sur-Laize)で古代末・4〜5世紀の墓40基。[Ouest-France]
- フランス
- サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire) アルトネ(Artenay)で、新石器時代・紀元前5500年~前3700年の墓2基。うち1基では、シカの角や、フリント製の石器を伴う。また、ガリア時代・紀元前1世紀〜紀元後2世紀の溝に囲まれた農村。2世紀以降は石積みで瓦屋根の建物に。溝の中からケルトの石像が出土し、土製像も2体。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Un vaste complexe rural gaulois et sa statuaire celtique à Artenay[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
▼サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire)ロワレ県(Loiret) - ジャージー島
- セント・ヘリア(St Helier)のモン・ド・ラ・ヴィル(Mont de la Ville)で18世紀に見つかった新石器時代のドルメン(dolmen)を返還するよう、俳優でコメディアンのジェームズ・コードン(James Corden)に要求。遺跡は英国軍人によって持ち出され、コードンが英国ヘンリー(Henley)に購入した新たな自宅テンプルコームハイス(Templecombe House)に移設されていた。[Henley Standard]
- スカンディナヴィア
- 青銅遺物550点を分析し、金属素材の交易ルートとその変遷を解明。金属に依存した社会への社会経済的な変化とともに、交易路が変更されたことを確認。北欧青銅器時代は、4000年前に素材をブリテン諸島やスロバキアから輸入することにより始まる。500年後、この交易路は崩壊し、銅素材はイタリア・アルプスから輸入するようになる。
Bronze Age Scandinavia's trading networks for copper settled[EurekAlert]
最初はドイツのウーニェティツェ文化(Únětician)の拠点から輸入していたが、紀元前1600年ごろのウーニェティツェ文化崩壊後、短期間の素材の欠乏(青銅素材の再利用)の後にカルパチア盆地から直接輸入。さらにアルプスとの交易路が開かれる。
cf. Heide W. Nørgaard, Ernst Pernicka, Helle Vandkilde "Shifting networks and mixing metals: Changing metal trade routes to Scandinavia correlate with Neolithic and Bronze Age transformations" PLoS ONE. 16(6): e0252376. [PLOS ONE] - UK(イングランド)
- ケンブリッジ(Cambridge)の中世の個人墓から出土した人骨で、DNA検査によりペスト菌(Yersinia pestis)を確認。ペストの犠牲者は必ずしも大型墓地にばかりに葬られたわけではなかったことを証明。ペスト大流行の中でも、憐れみをもってて丁寧に埋葬されていた。伝染病は人を急速に死に至らしめるために、遺骨に痕跡が残りにくく、大型墓地に葬られた場合を除いて、個人が伝染病で死んだかどうかの識別は困難で、多くの犠牲者は個別の墓に葬られたと考えられていたが、確認できていなかった。
Plague in Medieval Cambridge[Heritage Daily]
cf. Craig Cessford, Christiana L. Scheib, Meriam Guellil, Marcel Keller, Craig Alexander, Sarah A. Inskip and John E. Robb "Beyond Plague Pits: Using Genetics to Identify Responses to Plague in Medieval Cambridgeshire" European Journal of Archaeology, First View, pp. 1 - 23 [Cambridge Core] - ヨーロッパ
- 初期中世の墓が埋葬後に開かれているのは墓泥棒ではなく、葬送儀礼の一環。埋葬後も被葬者の遺体や財産が重視された。6世紀末ごろに中央ヨーロッパで始まり、トランシルヴァニアからイングランドまで急速に普及。7世紀に最盛期を迎えるが、7世紀後半には行われなくなる。墓を開くのは棺が腐朽する以前で、おそらくは被葬者の子や孫が墓を開いた。墓を開くことは、ある種の遺物を取り出したり、壊したり、遺体の一部を取り出すことなどを伴う。取り出される遺物は必ずしも経済的な価値を有さず、女性の場合はブローチ、男性の場合は剣。より価値の高い副葬品は残されている。
Medieval People Were Reopening Graves, But Not to Rob Them[Ancient Origins]
cf. Alison Klevnäs, Edeltraud Aspöck, Astrid A. Noterman, Martine C. van Haperen and Stephanie Zintl "Reopening graves in the early Middle Ages: from local practice to European phenomenon" Antiquity, First View, pp. 1 - 22 [Cambridge Core] - エジプト
- タニス(Tanis)で出土した、第3中間期(Third Intermediate Period)・第21王朝のプスセンネス1世(Psusennes I;紀元前1056年ごろ〜前1010年ごろ)の治世・紀元前1069年に作られたウシャブティ(ushabti)4点を化学分析と鉛同位体分析。使用された銅の産地を南レヴァントのアラバハ渓谷(Wadi Arabah)と推定。アラバハにはティムナ(Timna)とワーディー・ファアイナーン(Wadi Feynan)の銅山が所在。また、第24王朝と第25王朝・紀元前8世紀の試料も分析。第21王朝との間には大きな変化が見られ、錫(Sn)を含む銅から、砒素(As)を含む鉛銅に転換し、供給元からアラバハ渓谷が外れる。[archaeology & arts]
エジプトとアラバハ渓谷の間の銅の交易ネットワークが、シェションク1世(Sheshonq I;前945年〜前924年)の遠征よりさかのぼると証明。
cf. Shirly Ben-Dor Evian, Omri Yagel, Yehudit Harlavan, Hadas Seri, Jessica Lewinsky, Erez Ben-Yosef "Pharaoh’s copper: The provenance of copper in bronze artifacts from post-imperial Egypt at the end of the second millennium BCE" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 38, August 2021, 103025 [ScienceDirect] - アフリカ南部
- アフリカ南部のアフリカ中期石器時代(Middle Stone Age)の石製狩猟具(槍先)について、断面形状を分析。MIS 4 氷期を通じて断面積が小さくなり、鏃程度になっていく傾向。現代アフリカの狩猟民が用いる軽量の投げ槍に近いものは、20万年前に実用に供せられている。
cf. Marlize Lombard "Variation in hunting weaponry for more than 300,000 years: A tip cross-sectional area study of Middle Stone Age points from southern Africa" Quaternary Science Reviews. Volume 264, 15 July 2021, 107021 [ScienceDirect]
2021年6月17日(木)
- 埼玉県
- 白岡市・タタラ山遺跡(たたらやまいせき:第11地点)で、縄文時代中期〜後期の土器と、石棒。石棒は折損しているが、長さ45cm。
縄文時代の大形石棒(せきぼう)が出土しました![白岡市]
▼タタラ山遺跡関連記事→2020年10月6日 - 韓国
- 京畿道 漣川郡 漣川邑 通峴里で、高句麗の石室墳。玄武岩で造成。南壁が流失。出土品なし。[京仁日報]
- オーストラリア
- クイーンズランド州(Queensland)のミタカ・カントリー(Mithaka Country)で、ミタカ人(Mithaka)による大規模な採石場、祭祀遺構、住居跡などを確認。民族誌に記述される先住民の生業や生活について、考古学的に実証する試み。
cf. Michael C. Westaway, Douglas Williams, Kelsey Lowe, Nathan J. Wright, Ray Kerkhove, Jennifer Silcock, Joshua Gorringe, Justina Miszkiewicz, Rachel Wood, Richard Adams, Tiina Manne, Shaun Adams, Tony Miscamble, Justin Stout, Gabriel D. Wrobel, Justine Kemp, Brooke Hendry, Max Gorringe, Betty Gorringe, Keiron Lander, Shawnee Gorringe, Ian Andrews and Mark Collard "Hidden in plain sight: the archaeological landscape of Mithaka Country, south-west Queensland" Antiquity, First View, pp. 1 - 18 [Cambridge Core] - トルコ
- ヒッタイトの首都ハットゥシャ(Ḫattuša)のヤズルカヤ(Yazılıkaya)の聖域で出土した、紀元前13世紀の石刻は、ヒッタイトの暦と星図。[Daily Mail]
- ロシア
- アルタイ山脈(Altai Mountains)のチャギルスカヤ洞窟(Чагырская пещера;Chagyrskaya Cave)やオクラドニコフ洞窟(пещера Окладникова;Okladnikov cave)で出土した5900年前〜49000年前のネアンデルタール人(Neanderthals)14人の歯や骨からDNAを抽出。チャギルスカヤ洞窟の男性7人、女性5人、オクラドニコフ洞窟の男性1人、女性1人の核DNAを分析した結果、チャギルスカヤ洞窟の男1人と女1にに父と娘の関係が判明。またミトコンドリアDNAには2タイプがあり、数世代以内、100年以内とみられる。チャギルスカヤ洞窟の男性7人のDNAは遠からぬ時期の共通の先祖に由来しており、絶滅の寸前にあったことを示唆。Y染色体や核DNAに比べてミトコンドリアDNAは多様。夫方居住の社会だった可能性。
Ancient DNA from a Siberian cave reveals the first known father-daughter pair of Neanderthals[Science]
▼チャギルスカヤ洞窟関連記事→2021年5月27日
▼オクラドニコフ洞窟関連記事→2007年10月1日 - ロシア
- イマナイ洞窟(пещере Иманай;Imanay Cave)で、35000年前のホラアナグマ(cave bear)の頭に槍が刺さった跡で発見。石製の尖頭器の断面形や大きさに傷が一致。
Someone stabbed a cave bear in the head with a spear 35,000 years ago[ars technica] - ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
- サラエヴォ(Sarajevo)郊外イリヤシュ(Ilijaš)のコポシッチ墓地(Kopošići)で、墓碑ステチュツィ(Stećci)の下から出土した、後期中世・14〜15世紀の人骨4体をDNA分析。うち1体は斬首された身元不明の遺体。DNAからみて、ボスニア公ミルコ・ロドイェヴィチ(Mirko Radojević)の遺体。
cf. Mirela Dzehverovic, Jasmina Cakar, Edin Bujak, Amela Pilav, Jasmin Ramic, Abdurahim Kalajdzic, Naris Pojskic "DNA analysis of skeletal remains of an important historical figure from the period of mediaeval Bosnia" International Journal of Osteoarchaeology [Wiley Online Library] - スイス
- ビール湖(Lake Biel;Bieler See) とボーデン湖(Lake Constance;Bodensee)の低地にある遺跡から出土した後期新石器時代(Late Neolithic)・紀元前4千年紀のフリントを分析し、フリントの産出地を推定、ヒトの移動について研究。
cf. Jehanne Affolter, Lea Emmenegger, Albert Hafner, Caroline Heitz, Martin Hinz, Regine Stapfer, Helena Wehren "From flint provenance to mobility studies: New raw material determinations from Late Neolithic wetland sites at Lake Biel and Lake Constance" Quaternary International [ScienceDirect] - フランス
- オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes) オート=サヴォワ県(Haute-Savoie)サン=ピエール=アン=フォシニー(Saint-Pierre-en-Faucigny)で、初期中世・4世紀中ごろ〜10世紀中ごろの墓地。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
La fouille archéologique du cimetière médiéval de Saint-Pierre-en-Faucigny (Haute-Savoie)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - フランス
- ノルマンディー地域圏(Normandie)カルヴァドス県(Calvados)トゥエ・エ・ミュ(Thue-et-Mue)で、中世・10〜11世紀の集落。16世紀に農村が復活し、手工業などを行う。また、第二次世界大戦中の1944年6月〜7月の戦闘に関連する建物。国立予防考古学研究所の調査。
Des occupations médiévales, modernes et contemporaines à Thue-et-Mue (Calvados)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - フランス
- サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire)ロワレ県(Loiret)アルトネ(Artenay)で、ガリア時代の農村の貴族の邸宅跡から小像。また新石器時代の墓1基では、屈葬された遺体とシカの骨。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。[connaissance des art]
- ポルトガル
- コヴァン・ド・ウルソ(Covão do Urso)とミナ・ダ・プレサ(Mina da Presa)の放射性炭素年代により、ローマ時代のルシタニア属州(Lusitania)の金採掘の変遷を明らかに。コヴァン・ド・ウルソでは1世紀から3世紀に金を採掘。金の採掘により環境変化したことも花粉により判明。ミナ・ダ・プレサには、1世紀半ば〜2世紀半ばに軍隊が駐屯。
cf. Brais X. Currás and F. Javier Sánchez-Palencia "Landscape archaeology of Roman gold mining in Lusitania: the ‘Aurifer Tagus’ project" Antiquity, First View, pp. 1 - 10 [Cambridge Core]
▼カステロ・ブランコ県(Distrito de Castelo Branco) ペナマコール(Penamacor) - グアテマラ
- ティカル遺跡(Tikal)の人口貯水池の堆積物から得られた維管束植物(vascular plant)のDNAによると、ティカル遺跡での居住の以前以後・紀元前1000年〜紀元後900年にさまざまな植物が生息。マヤ文明の時代には、周辺には栽培種ではなく原生林が広がっていた。
cf. David L. Lentz, Trinity L. Hamilton, Nicholas P. Dunning, Eric J. Tepe, Vernon L. Scarborough, Stephanie A. Meyers, Liwy Grazioso & Alison A. Weiss "Environmental DNA reveals arboreal cityscapes at the Ancient Maya Center of Tikal" Scientific Reports. volume 11, Article number: 12725 (2021) [Scientific Reports]
2021年6月16日(水)
- 鹿児島県
- 鹿児島市・鹿児島城で、本丸にあったとされる大奥の一部とみられる柱や排水溝の跡を発見。鹿児島県立埋蔵文化財センターの調査。[日テレNews]
- 沖縄県
- 港川1号人骨のミトコンドリアDNAの解析で過去から現在までの日本列島人の遺伝的関係性を解明[東邦大学]
- 韓国
- 全羅北道 長水郡 山西面 五聖里で加耶・1500年前の烽火台(のろし台)と周辺施設や、居住空間、火種保管施設。[聯合ニュース]
- シンガポール
- ペドラ・ブランカ島(Pedra Branca)島周辺のシンガポール領海内で、沈没船2隻。北西沖100mで見つかった1隻は14世紀。シンガポールがテマセク(Temasek)と呼ばれた時代。中国の龍泉窯製品や、元時代の青花白磁を積む。エンプレス・プレイス(Empress Place)やフォート・カニング公園(Fort Canning Park)の出土品に対応。東沖300mで見つかった1隻は商業船シャー・ムンチャー(Shah Munchah)とみられ、中国からインドへの帰路にあった1896年に沈没。多様な中国陶磁のほか、金属製品、ガラス、瑪瑙製品などを積む。錨4個と大砲9基。[CNA]
- トルコ
- ヴァン県(Van il)ギュルプナール郡(Gürpınar)にある海抜2500mの山中で、ウラルトゥ(Urartu)・2800年前の城跡。6.5m×6.5m、深さ2.5mの貯水槽、石灰岩や左岸で築いた城壁、土器などを確認。ウラルトゥの後、中世に再使用されている。[Anadolu Ajansı]
- エストニア
- タルトゥ(Tartu)で出土した中世・14〜15世紀のガラス容器を蛍光X線分析。色のない体部と青色の装飾について、化学組成を比較。大半はケイ酸カリウム・カルシウム。製作技法に4種があるが。いずれも化学組成は同様。ボヘミア産のほか。ドイツ産のものがある。
cf. Ahti Niilisk, Arvi Haak, Peeter Ritslaid, Ain Mäesalu, Jaak Kikas "Chemical composition of potassium-glass vessels from the 14th-15th centuries found in Tartu, Estonia" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 38, August 2021, 102978 [ScienceDirect] - スペイン
- テルエル県(Provincia de Teruel)カステジョーテ(Castellote)のグアダロペ川(Guadalope)中流域にあるバランコ・ゴメス岩陰遺跡(Barranco Gómez)で、天井と壁にレヴァンテ美術(arte levantino)の絵画。縄梯子を使って蜂蜜を採取するさまを描く。
cf. Manuel Bea Martínez, Inés Domingo Sanz & Jorge Angás Pajas "El abrigo de Barranco Gómez (Castellote, Teruel), un nuevo conjunto con arte levantino en el núcleo rupestre del Guadalope" Trabajos De Prehistoria, 78(1), 164–178.[Trabajos de Prehistoria]
▼アラゴン州(Aragón) - UK(スコットランド)
- インヴァネス(Inverness)で、中世の土壁づくり(Wattle and daub)の焼失建物や、硬貨。AOC Archaeology Groupの調査。[The Press and Journal]
- スーダン
- スーダンのピラミッドが、砂嵐や砂山の移動のため、砂に埋もれる危機。
Sudan’s ‘forgotten’ pyramids risk being buried by shifting sand dunes[The Conversation]
2021年6月15日(火)
- 京都市
- 右京区で、平安京内で最大の荘園「小泉庄」にかかわる建物跡2棟。公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所6/15発表。[京都新聞]
- 広島市
- 中区・中央公園広場で、旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重兵補充隊(輜重隊)」施設の被爆遺構。市内の被爆遺構の発掘例としては過去最大級。[中国新聞]
- イスラエル
- ネゲヴ砂漠(Negev)のボーカー・タクチット遺跡(Boker Tachtit)の放射性炭素年代。古段階のエミレー文化(Emirian)は50000年前・49000年前、新段階は47300年前で、44300年前までに終了。後期旧石器時代初頭(Initial Upper Paleolithic)は50000年前ごろ、中期旧石器時代の最終段階にレヴァントで始まった。ボーカー・タクチット遺跡の新段階は、地中海の森林地帯で行われた後期旧石器時代初頭のアハマル文化(Ahmarian)と年代的に重なる。
cf. Elisabetta Boaretto, Marion Hernandez, Mae Goder-Goldberger, Vera Aldeias, Lior Regev, Valentina Caracuta, Shannon P. McPherron, Jean-Jacques Hublin, Steve Weiner, and Omry Barzilai "The absolute chronology of Boker Tachtit (Israel) and implications for the Middle to Upper Paleolithic transition in the Levant" Proceedings of the National Academy of Sciences. June 22, 2021 118 (25) e2014657118 [PNAS] - イタリア
- ヴェローナ(Verona)でフレスコ画の壁画を持つローマ時代・2世紀の建物。屋根が落ち、炭化した木製家具がみられ、火災に遭ったとみられる。[The Guardian]
- ドイツ
- ケーニヒスヴィンター(Königswinterer)の旧市街で市の門の跡を発見。[General-Anzeiger Bonn]
2021年6月14日(月)
- 韓国
- ソウル市・光化門で、朝鮮時代の最高行政機関「議政府」の跡。[CBS Nocutnews]
- 韓国
- 慶尚南道 陜川郡 双冊面 下新里・中山洞古墳Iの石室墓は高麗古墳と確認。江華高麗王陵と形態が類似するが、高麗時代の地方の古墳としては大きい。従来は加耶・6世紀の古墳とされていた。慶南研究院の調査。[聯合ニュース]
- インド
- アーンドラ・プラデーシュ州(Andhra Pradesh)カルヌール県(Kurnool)スリサイラム(Śrīśailam)の寺院で、ヴィジャヤナガラ帝国(Vijayanagara Empire)・14〜16世紀の銅板6組。うち4組にはサンスクリット語をナンディナーガリー文字(Nandi-Nāgarī)で、残り2枚にはテルグ文字(Telugu)の銘文。[Deccan Chronicle]
- カザフスタン
- 北カザフスタン州(Солтүстік Қазақстан облысы;North Kazakhstan Region)のアキリ遺跡(Ақири;Ak Iriy)で、初期鉄器時代(ежелгі темір дәуірі;Early Iron Age)=サカ時代(Сақ дәуірі;Saka era)・2500年前の耳飾、指輪、青緑色釉の紡錘車、偶像など。[Qazaq TV]
- イタリア
- ヴィテルボ県(Provincia di Viterbo)モンタルト・ディ・カストロ(Montalto di Castro)の古代ヴルチ(Vulci)にあるオステリア・デル・パルコ墓地(Osteria del parco)でみつかったエトルリア・紀元前7世紀の王族墓で、ギリシャの著名画家「ツバメの画家」(Pittore delle rondini;Painter of the Swallows)の手になる土器。小アジアのイオニア出身のギリシャ人画家で、紀元前630年〜前610年にヴルチで活躍。[EtruriaOggi]
▼ラツィオ州(Regione Lazio)ヴィテルボ県(Provincia di Viterbo) - スペイン
- カタルーニャ州(Cataluña)ジローナ県(Girona)ラスカーラ(L'Escala)の古代アンプリアス(Empúries)で、4世紀に建てられた大聖堂。3階建てで長さ20m以上。石棺墓12基や、銅貨184枚の埋納も確認。[El Español]
▼古代アンプリアス関連記事→2016年7月22日 - UK(スコットランド)
- オークニー諸島(Orkney)のネス・オブ・ブロッガー遺跡(Ness of Brodgar)から出土した、新石器時代・5000年前の土器に残った指紋3個のうち、1個は13〜20歳の人物、別の1個は15〜22歳の人物の指紋。隆起の間隔が年齢に伴って大きくなるなど、指紋と年齢・性別の相関を用い、土器の乾燥・焼成にともなう収縮を考慮。[BBC]
▼ネス・オブ・ブロッガー遺跡関連記事→2021年4月23日
2021年6月13日(日)
- 沖縄県
- 沖縄県で出土した旧石器時代・2万年前の港川人1号のミトコンドリアDNAを分析。現代日本人や縄文人、弥生人に多く見られるタイプ祖先型の遺伝子。港川人が現代日本人につながる遠い祖先だった可能性。ただし、現代日本人の直径の祖先ではない。[朝日新聞]
cf. Fuzuki Mizuno, Jun Gojobori, Masahiko Kumagai, Hisao Baba, Yasuhiro Taniguchi, Osamu Kondo, Masami Matsushita, Takayuki Matsushita, Fumihiko Matsuda, Koichiro Higasa, Michiko Hayashi, Li Wang, Kunihiko Kurosaki & Shintaroh Ueda "Population dynamics in the Japanese Archipelago since the Pleistocene revealed by the complete mitochondrial genome sequences" Scientific Reports volume 11, Article number: 12018 (2021) [Scientific Reports]
2021年6月12日(土)
- トルコ
- イズミル県(İzmir il)トルバル郡(Torbalı)の古代都市メトロポリス(Metropolis)で、ローマ時代・1800年前の女性像。[Anadolu Ajansı]
▼メトロポリス関連記事→2020年12月30日 - ポーランド
- ヴロツワフ(Wrocław)のドモフスキ通り(Dmowskiego street)で、18〜19世紀の40kgの砲弾。海軍の船で使用されるものに似る。近隣にはかつて兵舎があった。ナポレオン戦争(Napoleonic wars)中の1807年にナポレオン軍が当時のブレスラウ(現在のヴロツワフ)を包囲した時のものである可能性。[tvn24]
- フランス
- ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(Bourgogne-Franche-Comté)ディジョン(Dijon)郊外のラレ村(Larrey)で、1世紀の集落や、1000年前の小修道院(prieuré)。小修道院では、ブルゴーニュ公家や貴族の娘を受け入れていた。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Aux origines d’un quartier dijonnais : du hameau antique au prieuré aristocratique du Moyen Âge[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
▼ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(Bourgogne-Franche-Comté)コート=ドール県(Côte-d'Or)ディジョン(Dijon) - スペイン
- ヤトバ(Yátova)のピコ・デ・ロス・アホス遺跡(Pico de los Ajos)で、紀元前4世紀〜前3世紀のイベリア文字の刻まれた鉛板出土。宗教的な文か。正式発掘での出土は初。ピコ・デ・ロス・アホス遺跡は紀元前7世紀に始まり、紀元前1世紀〜紀元後1世紀に廃絶。
El primer plomo ibérico hallado en una excavación reglada en Yátova es en escritura arcaica[Asociación RUVID]
cf. Joan Ferrer i Jané, David Quixal Santos, Javier Velaza Frías, Ana Serrano Castellano, Consuelo Mata Parreño, Trinidad Pasíes Oviedo, Gianni Gallello "Una pequeña lámina de plomo con inscripción ibérica de paleografía arcaica del Pico de los Ajos (Yátova, València)" Veleia, 38, 91-109. [Veleia] - UK(イングランド)
- ドーセット州(the county of Dorset)ウィンターボーン・アバス(Winterbourne Abbas)で、新石器時代・紀元前4000年のフリント製石器と土器片。青銅器時代の火葬墓1基と、墳丘墓11基。鉄器時代の織物用の骨製櫛(bone textile comb)。後期ローマ時代の石造りの建物8基、穀物乾燥窯(corn drying oven)1基、大規模な麦芽製造窯(malting oven)2基、石臼数基。鉄器時代の墓34基、6世紀中ごろの墳墓7基。Oxford Archaeologyの調査。[BBC]
- UK(イングランド)
- ノーサンバーランド州(the county of Northumberland)・ヴィンドランダ砦(Vindolanda Roman fort)で、パン工房とみられる遺構の竈部分から、ローマ時代・3世紀の鳥形のブローチ。銅合金製で、エナメル装飾。ヴィンドランダ砦は、85年ごろ〜370年ごろローマ帝国が駐屯。[itv]
▼ヴィンドランダ砦関連記事→2020年8月29日 - UK(スコットランド)
- パースシャー(Perthshire)のケンモア(Kenmore)にあるテイ湖(Loch Tay)のほとりのスコティッシュ・クラノグ・センター(The Scottish Crannog Centre)が、6/11火災で焼失。鉄器時代のスコットランドの生活を示す博物館で、新型コロナウイルスまん延による休館から4月に再開したばかりだった。[Daily Record]
- USA
- イリノイ州(State of Illinois)のハヴァナ・ホープウェル伝統(Havana Hopewell Tradition)・紀元前50年〜紀元後200/250年のパイプストーン製パイプの製作・流通・廃棄について研究し、オハイオ州(State of Ohio)のホープウェル文化と比較。石材はスターリング(Sterling)産のものが多く、一部で在地の石材が用いられる。パイプが個人の墓に納められることは稀で、被葬者の地位や霊力、業績などを示す。対してオハイオ州では、パイプは共同体のものとされている。
cf. Kenneth B. Farnsworth, Thomas E. Emerson and Randall E. Hughes "Havana Tradition Platform Pipe Production and Disposition: Implications for Interpreting Regional Variation in Midwestern Hopewell Ceremonialism" American Antiquity, First View, pp. 1 - 19 [Cambridge Core]
2021年6月11日(金)
- 東京都
- 百人町三丁目西遺跡(ひゃくにんちょうさんちょうめにしいせき)で出土した縄文時代草創期の隆起線文土器の内面付着炭化物を分析。放射性炭素年代で12,660±50yrsBP(15,270〜14,940calBP)。炭素・窒素安定同位体分析により、炭化物の由来は陸上動植物。ほかの遺跡の年代とも比較し、隆起線文土器は約16,000年前から2,000年程度続く土器型式と推定。
cf. 工藤雄一郎・米田穣・大森貴之「百人町三丁目西遺跡出土隆起線文土器付着炭化物の年代と同位体分析」第四紀研究(2021年)[J-STAGE]
▼新宿区 - 京都府
- 大山崎町・長岡京跡の西一坊大路の東側溝の計画位置で、溝を確認。長岡京の廃都後に長岡京の条坊計画を引き継いで掘られた可能性。大山崎町教育委員会の調査。[京都新聞]
- 兵庫県
- たつの市・朝臣山古墳群(あさとみやまこふんぐん)を市民グループ「みはらし会」が測量し、報告書を刊行。5号墳は前方後円墳ではなく円墳と方墳と判明。[神戸新聞]
- 鹿児島県
- 鹿児島市・鹿児島(鶴丸)城跡で、江戸時代のものと思われる生活面が残存。1列に並ぶ柱穴8基。本丸大奥と御茶道通りの境界を区切っていた塀跡の可能性。
[上野原縄文の森] - カンボジア
- バンティアイミアンチェイ州(Banteay Meanchey)スヴェイチェック郡(Svay Chek)スヴェイチェック(Svay Chek)で、タ・スレイ寺院(Ta Srey)近くの農地から、10〜11世紀の多量の金属製品。彫像を作るための鋳型、鈴、腕輪、天使像、ナーガに座す仏像など。[The Phnom Penh Post]
- トルコ
- チャタル・ヒュユク遺跡(Çatalhöyük)で出土した新石器時代の磨石のうち、居住期間の中期・紀元6700年〜前6500年、後期・紀元6500年〜前6300年の磨石を分析。多様な植物を利用。
cf. Carlos G. Santiago-Marrero, Christina Tsoraki, Carla Lancelotti, Marco Madella "A microbotanical and microwear perspective to plant processing activities and foodways at Neolithic Çatalhöyük" PLoS ONE 16(6): e0252312. [PLOS ONE] - ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt) ザルツラントクライス郡(Salzlandkreis)にあるペンメルテ(Pömmelte)の円形祭祀場(Ringheiligtum)で、住居跡80棟以上。古いものは鐘状ビーカー文化(Bell Beaker culture)・紀元前2800年、大半はウーニェティツェ文化(Únětice culture)・紀元前2200年。従来、ペンメルテの円形祭祀場は季節的な儀式を行う場所であり、周辺で長期の居住は行われていないとみられていた。
Large residential area discovered at , the “German Stonehenge”[Heritage Daily] - イタリア
- ヴェネト州(Regione del Veneto)ヴェローナ(Verona)にあるローマ時代の円形闘技場(Anfiteatro)アレーナ・ディ・ヴェローナ(Arena di Verona)で、12世紀の家族墓、人骨3体。[Corriere del Veneto]
- フランス
- ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏(Nouvelle-Aquitaine)ドゥー=セーヴル県(Deux-Sèvres)ロム(Rom)でサン・ポラン教会(église Saint-Paulin)の近くから中世前期(haut Moyen Âge)・メロヴィング朝(Mérovingiens;Merovingian)〜カロリング朝(Carolingian)の大規模な墓地。墳墓150基。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Un vaste cimetière médiéval mis au jour à Rom (Deux-Sèvres)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- ケンブリッジ(Cambridge)の4つの墓地、慈善病院、アウグスティヌス派修道院(Augustinian friary)、都市の教区墓地、郊外の墓地で出土した中世の人骨117体について、外反母趾(Hallux valgus)の頻度を調べ、骨折との関係を調査。11〜13世紀の外反母趾の頻度は6%、14〜15世紀は27%と増加。外反母趾の頻度が増加した14世紀は、先のとがった靴の普及に対応。外反母趾の割合は、靴に高い金を払える裕福さにも対応。田舎の墓地では3%、都市の教区墓地(労働者を埋葬)では10%、病院では23%。修道院墓地では43%。市の中心部の裕福な市民や聖職者には特に外反母趾が多く、靴に高い金を払った層に対応。外反母趾がみられるのは大半が男性で、外反母趾のある高齢者は転倒による骨折の割合も多い。
Fashion for pointy shoes in medieval Britain unleashed a plague of bunions[University of Cambridge]
cf. Jenna M. Dittmar, Piers D. Mitchell, Craig Cessford, Sarah A. Inskip, John E. Robb "Fancy shoes and painful feet: Hallux valgus and fracture risk in medieval Cambridge, England" International Journal of Paleopathology. [ScienceDirect]
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