BMW E30 M3 ECU(DME) room
                                                                                                 更新日:令和元年12月8日

故 障

以下は、所有車のエンジン系統が故障したと思われる時に実施した、調査/対策の内容である。

【水温計異常】

1.走行中に突然ギクシャクした動きとなり、吹き上がりが非常に悪いが、1分程で正常になる

<実車症状>

  • 再現性が悪く、ディーラでは直らなかった。
  • 原因を水温計のトラブルと推定して、走行中の水温計のデータをメータでモニターした。
  • 異常時には水温計が断線状態になる事が分かった。

<対策>

ディーラで水温計(水温センサー)を交換して貰い、トラブルは解決した。

2.アクセルを戻しても、回転が下がりきらない

<実車計測結果>

  • 水温計の値がいきなり0となっている箇所がある。
  • その時は空燃比が低く(燃料が濃く)なっている。
  • この様にマイナスを示す時は水温センサが断線している状態で、水温センサーの故障である。

<対策>

水温センサーを入手し、自分で交換することにより、復旧した。


【オイルトラップ異常】

1.渋滞で低速走行している時や信号で停止中に、エンストする

<実車計測結果>

 高速道で渋滞中にエンストした

  • 渋滞で低速走行中、急に回転が下がってエンストした。
  • エンストの前後で、AirFlowが0になっている箇所がある。

 一般道で停止中にエンストした

  • 信号で停止中、空燃比が高く(薄く)なり、回転が下がってエンストした。
  • エンストする前はAirFlowが0になっている。
  • エンストしないまでもガスが薄くなり回転が下がっている箇所がある。
  • 回転が下がったのでアクセルをあおった時、増量となっているが回転は上がっていない。

<対策>

整備工場で、オイルトラップを交換することにより、復旧した。

2.一瞬トルクが抜ける

再現性は非常に低いが、急加速した時一瞬トルクが抜けることがあった。

<対策>

  • 暫定対策として、燃料フィルターを交換していなかったので、試しに交換したらしばらく発生しなかったが、半年ぶりに発生した。
  • オイルトラップを交換したことにより、本症状は発生しなくなった。

 

【ECU異常】

炎天下において、トルク変動が激しくエンストする

炎天下に高速道路を90km/h程度で走行中、突然、回転が粗くトルク変動が激しい状況になったので、空燃比を確認すると激しく変動しており、いつ停止しても分からない状態の為、取りあえず一般道に降りて走っているとエンストしてしまった。

<実車計測結果>

 
  • 再始動しても直ぐエンストしたのでECUを交換してみると、以降、問題なく走行することが出来た。
  • AirFlowが0%になっている時がある。
  • 通常、アクセルを離しても、20%程度はあるので、ECUからAirFlowメータに供給しているRef(5V)が瞬断したものと考える。
  • このRefは大気圧センサーにも供給しており、AirFlowが0%になった時、大気圧も影響を受けていると思われる箇所がある。
  • 大気圧が振り切れている箇所があるが、AirFlowが0%になっている箇所より遅れている。
  • おかしくなったECUはその後再発しておらず現在正常に動作している為、トラブルになった原因は特定されていないが、35℃を超える炎天下だったのでECUが熱により異常となった可能性もある。

<対策>

  • ECUの定電圧(5V)回路不良の可能性が高いが、異常発生時のECUで再現していないので、原因は特定できていない。

 

【パージバルブ異常?】

炎天下において、トルク変動が激しくエンストする

炎天下に高速道路を90km/h程度で走行中、突然、回転が粗くトルク変動が激しい状況になったので、空燃比を確認すると激しく変動しており、いつ停止しても分からない状態の為、取りあえず一般道に降りて走っているとエンストしてしまった。

<Web調査>

  • インターネットによると、炎天下で長い時間遅い速度で走行を続けた場合エンストし再起動しないことがある、との書き込みを見つけた。この時の原因としてパージバルブに問題があったとのこと。

<予防対策>

  • 念のため、パージバルブ(タンクベントバルブ)交換したが、実車計測結果からECU異常の可能性が高い。

【点火プラグケーブル異常】

アイドリング時は回転が不規則で異常振動があり、走行する時はトルク変動が激しい

アイドリングの時、回転が不規則に変動して振動が激しく、走行中の加速感が不十分な感じがする。

<実車計測結果>

  • AirFlow、電源電圧、回転数、噴射時間はひげ状の変動や波状の変動がある。
  • 始動後2分26秒からA/Fの制御が始まっているので、空燃比は一定となっている。

<対策>

ディーラーでは再現せず、最初の整備工場には点火プラグケーブルの可能性を指摘したが直せず、別の整備工場で直ぐ点火プラグケーブルがリークしていることを発見することが出来て、これを交換することにより正常動作に戻った。

<対策効果確認>

  • 暖気途中の為一定ではないが、AirFlow、電源電圧、回転数、噴射時間とも、変な乱れはない。

【FUSE BOX発熱異常】

長い時間走行すると、ヒューズボックスが異常に熱くなり蓋が変形するので、赤外線サーモグラフィー(F30)で発熱状況を確認してみた。

ヒューズ3、ヒューズ11、リレーK5、リレーK7及び基板裏面のLOW BEAM CHECK RELAYが発熱している。

 
 

これらが発熱する原因は、ヒューズやリレーの接触抵抗が大きく、電流が多い為であるが、回路図によると電源が供給されているのは以下のコンポーネントになる。

  • ヒューズ3:補助ファン
  • ヒューズ11:インジェクションシステム
  • リレーK5:サンルーフ、パワーウィンドウ、アクセサリー
  • リレーK7:補助ファン、室内灯、パワーミラー、ヒータ、エアコン

<対策1>

後付アクセサリーとして、カーナビ、カーステレオ(DVD,CDチェンジャー対応)、ドライブレコーダ空燃比計があるので、これらの電源をヒューズボックスを通さずバッテリーから直接接続している。(ただし、間に個別ヒューズとリレーを介し、キーがACC位置でONになるようにしている)

<対策2>

ヒューズボックスの蓋は、オリジナルは強化プラステックであるが現在入手できる物は強化プラステックではなく、過去に交換した時は、しばらくすると、こもった熱で変形し蓋としての要を成さなくなった。
その為、再交換した蓋は防滴効果がなくなるが側面に穴をあけている。(蓋が変形すれば、防滴効果もない)。