2021年8月20日(金)
- 愛媛県
- 今治市・能島城跡(のしまじょうあと)で、大雨の影響により、東側の郭と南側で斜面が崩落。鯛崎島の東側でも土砂崩れ。今治市8/20発表。[愛媛新聞]
▼能島城跡関連記事→2012年2月27日 - 韓国
- 全羅北道 長水郡 天川面・三顧里古墳群の7号墳で、5世紀前半ごろの土器・鉄器など70点の副葬品。馬韓・百済のものと、加耶の早い時期のものがある。主体部は土壙で、馬韓から加耶に転換するころの古墳と推定。同古墳群のこれまでの調査では主体部は石槨だった。[内外日報]
▼三顧里古墳群関連記事→2019年5月24日 - ギリシャ
- クレタ島(Κρήτη;Crete)のゾミントス(Ζώμινθος;Zominthos)にあるミノス文明(Μινωικός πολιτισμός;Minoan civilization)の宮殿外側にある遺跡の東端部分で78平方メートルに及ぶ石敷きを確認。宮殿の壮麗さを示す。ゾミントスの宮殿はクノッソス遺跡(Κνωσσός;Knossos)やファイストス遺跡(Φαιστός;Phaistos)の宮殿より小さめだが豪華さでは劣らず。[Kathimerini]
- ウズベキスタン
- アブー・ムスリム・カラ(Abu Muslim qala)で、7世紀以降の鉄生産の証拠。ホラズム(Khorezm)の中心地につながる南北交易路上に位置。
cf. Elizabeth Baker Brite, Emily Fletcher, H. Kory Cooper, Shamil Amirov, Aysulu Iskanderova, Azizkhan Toreniyazov, Fiona J. Kidd and Gairadin Khozhaniyazov "Abu Muslim qala: an iron-production site along Central Asia's medieval north–south trade routes" Antiquity, First View, pp. 1 - 10 [Cambridge Core] - イタリア
- サルデーニャ島のモンテ・ダコッディ遺跡(Monte d'Accoddi)の聖域で、新石器時代・紀元前3638〜3378年のマッコウクジラ(sperm whale;Physeter macrocephalus)の歯。先史時代の地中海でのクジラ漁の存在を示す。
▶Maria Grazia Melis and Marco Zedda (2021) Sperm whales in the Neolithic Mediterranean: a tooth from the sanctuary of Monte d'Accoddi (Sardinia, Italy). Antiquity, Volume 95, Issue 383, October 2021, e26. [Cambridge Core] - UK(スコットランド)
- エディンバラ(Edinburgh)のリース・ウォーク(Leith Walk)で、100年前のトラムのケーブルを巻き上げる車輪。エディンバラでは1899年に、ウマで引くトラムから、レールの下のケーブルで引くトラムに転換した。トラムが電化した1922年にこの車輪は廃止。[The Scotsman]
- 南アフリカ
- 南アフリカのロックアートには、植民地時代の逃亡奴隷によるものもある。ウマや銃などを描く。
South Africa’s bandit slaves and the rock art of resistance[The Conversation] - USA
- ヴァージニア州(Commonwealth of Virginia)の、歴史公園コロニアル・ウィリアムズバーグ(Colonial Williamsburg)で、火薬庫(Powder Magazine)の遺構。瓦が出土し、屋根は板張りではなく、耐火性のある瓦ぶきと判明。火薬庫は1715年に建てられた八角形の建物。独立戦争の後は、馬小屋や教会として利用された。[The Virginia Gazette]
▼コロニアル・ウィリアムズバーグ関連記事→2021年7月17日 - エクアドル
- ロス・リオス県(Provincia de Los Ríos)ビンセス(Vinces)のアントニオ・ソトマジョール(Antonio Sotomayor)で、墳丘墓から先住民のミラグロ文化(Cultura Milagro;Milagro culture)・900〜1534年の壺棺。内部に人骨。[Ancient Origins]
2021年8月19日(木)
- 高知県
- 香南市・野市図書館の戦争史料の中に不発弾。南国署が回収。陸上自衛隊第14旅団に引き渡しへ。[高知新聞]
- 韓国
- 忠清南道 泰安・青浦台海水浴場の干潟から、朝鮮時代前期の大型竜頭装飾瓦「鷲頭」。王室に関わる建物に使用するため輸送中に水没したと推定。崇礼門(南大門、2008年焼失)の瓦や明の智化寺の瓦に似る。甲冑をまとい、台座に座る将帥像も出土。国立海洋文化財研究所8/19発表。[聯合ニュース]
- 中国
- 山西省 運城市 絳県・西呉壁遺跡の銅生産遺構の付近で、二里頭文化の炭窯。中国最古の炭窯。山西省考古研究院の調査。[中国新聞網]
- オーストラリア
- アーネムランド(Arnhem Land)西部の19世紀のロックアートを分析。先住民の狩猟採集社会にスイギュウが再登場した時に、秩序を維持ずる装置としてロックアートがいかに利用されたかを研究。
cf. Sally K. May, Paul S.C. Taçon, Andrea Jalandoni, Joakim Goldhahn, Daryl Wesley, Roxanne Tsang and Kenneth Mangiru "The re-emergence of nganaparru (water buffalo) into the culture, landscape and rock art of western Arnhem Land" Antiquity, First View, pp. 1 - 17 [Cambridge Core] - イスラエル
- ネシェル・ラムラ遺跡(Nesher Ramla)の上部の2層「Pelvis Horizon」と「Stones Horizon」から、中期旧石器時代(Middle Paleolithic)の石器供給戦略を研究。2層の石器供給戦略は異なっており、動物遺体の出土様相と対応。Pelvis Horizonにおいてこの遺跡は一時的な狩りの拠点であったが、Stones Horizonでは、長期に居住し多様な活動を行った。
cf. Oz Varoner, Ofer Marder, Meir Orbach, Reuven Yeshurun, Yossi Zaidner "Lithic provisioning strategies at the Middle Paleolithic open-air site of Nesher Ramla, Israel: A case study from the upper sequence" Quaternary International [ScienceDirect] - イスラエル
- テルアビブ(Tel Aviv)近くのラマト・ハシャロン(Ramat Hasharon)で、ビザンティン帝国・1500年前の調理用土器、ワイン圧搾機、ビザンティン皇帝ヘラクレイオス(Ἡράκλειος;Heraclius)のもとで638年または639年に打刻された金貨。教会でシャンデリアを吊るすための青銅の鎖。初期イスラーム時代・11世紀までの遺構も。[The Jerusalem Post]
- トルコ
- キュタヒヤ県(Kütahya il)チャウダルヒサール郡(Çavdarhisar)の古代都市アイザノイ遺跡(Αιζανοι;Aizanoi)で、ギリシャ神話のヒュギエイア女神(Υγίεια;Hygieia)の大理石像。以前の発掘でもヒュギエイア女神に関連した出土品があり、ローマ時代に付近に健康に関する信仰の建物が存在した可能性。[Anadolu Ajansı]
- ロシア
- 北極圏のコテリヌイ島(Котельный;Kotelny Island)にあるタバ・ユリャーク遺跡(Таба Юряк;Taba-Yuryakh)で、マンモスの遺体とともに遺体を解体するための旧石器時代・26000年前の石器が出土。加工された骨や牙に、直線的な傷や、脊椎を割った痕跡。さまざまな道具を使用。旧石器時代にヒトが存在した最北の遺跡。[The Siberian Times]
- モルドバ
- ゴルディネシュティ(Gordineşti)で、トリポリエ文化(kultura trypolska;Tripolye culture)・5000年前の住居跡1基が発掘される。2つの空間からなり、建材として木や土とともに石灰岩を使用。遺跡は防御性集落で、地球物理学的分析によると、何もない広場の周囲を複数の建物が囲む。トリポリエ文化はルーマニア、モルドバとウクライナにまたがる文化。
Mołdawia/ Archeolodzy odkryli pozostałości domostwa sprzed 5 tys. lat[Nauka w Polsce] - ブルガリア
- ペルペリコン遺跡(Перперикон;Perperikon)で、6世紀の新生児用の石造りの洗礼盤。また2基目の円形の廟(rotunda)。[Novinite]
- クロアチア
- クロアチア東部の2遺跡、ポポヴァ・ゼムリャ(Popova zemlja)の中期新石器時代・ソポト文化(Sopotska kultura;Sopot culture)・紀元前4700年〜前4300年の集落内の埋葬と、ヤゴドニャーク・クルチェヴィネ(Jagodnjak-Krčevine)・Transdanubian Encrusted Pottery Culture・紀元前1800年〜前1600年の中期青銅器時代の墓地から出土した計28人の遺体からゲノム配列を復元。青銅器時代には、カルパチア盆地のなかでも北寄りの狩猟採集民に由来する遺伝子の影響があり、考古学の知見とも合致。青銅器時代の男性が同様のY染色体ハプロタイプを有しており、父系社会であることを示す。
Shedding Light on Past Human Histories[Max-Planck-Institut für Menschheitsgeschichte]
cf. Suzanne Freilich, Harald Ringbauer, Deni Los, Mario Novak, Dinko Tresić Pavičić, Stephan Schiffels & Ron Pinhasi "Reconstructing genetic histories and social organisation in Neolithic and Bronze Age Croatia" Scientific Reports, volume 11, Article number: 16729 (2021) [Scientific Reports] - イタリア
- タルクイーニア(Tarquinia)のエトルリア・紀元前4世紀の墓「オルクスの墓」(Tomb of Orcus;Tomba dell'Orco)の3つの墓室で音響実験を実施。墓内のいくつかの場所で、低周波音が長時間の残響。エトルリア社会で雷鳴を重要視していたことと関連か。
cf. Jacqueline K. Ortoleva "Sounds of Etruria: aural characteristics of the Tomba dell'Orco, Tarquinia" Antiquity, First View, pp. 1 - 16 [Cambridge Core]
▼タルクイーニア関連記事→2013年10月24日 - イタリア
- 中世・9〜14世紀の硬貨100点以上について鉛同位体を分析し、9世紀後半〜11世紀の44点を報告。カロリング朝の硬貨はメル(Melle)の銀に一致し、ヴェネツィアやミラノで打刻されたとされるカロリング朝の硬貨はメルやハルツ山地(Harz Mountains)に一致。9〜10世紀のイタリアの支配者の名を持つルッカ(Lucca)、パヴィア(Pavia)などの硬貨は、メル、シュヴァルツヴァルト(Schwarzwald;Black Forest)、ハルツ山地に一致。ルッカやパヴィアで打刻されたオットー1世、オットー2世、オットー3世、コンラート2世の名の入った硬貨も同様であるが、特にハルツ山地に重なる。イタリアで打刻された初期中世の硬貨の大半は、南トスカーナ(Tuscany)のメタッリフェレ丘陵(Colline Metallifere)の銀鉱山に一致しない。
cf. L. Chiarantini, I. M. Villa, V. Volpi, G. Bianchi, M. Benvenuti, C. Cicali, A. Donati, R. Manca, R. Hodges "Economic rebound versus imperial monopoly: Metal provenance of Early Medieval coins (9th–11th centuries) from some Italian and French mints" Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 39, October 2021, 103139 [ScienceDirect] - ポーランド
- ルブシュ県(Województwo lubuskie;Lubusz)スレンチン郡(Powiat sulęciński;Sulęcin)で、ウーニェティツェ文化(Kultura unietycka;Únětice culture)・紀元前2300年〜前1600年の青銅製品の埋納。[tvn24/a>]
- UK(イングランド)
- デヴォン州(county of Devon)エクセター(Exeter)のキラートン(Killerton)でローマ時代・1世紀の砦。溝3条、硬貨、ガリア産のサミアン土器、鉄製品出土。[Exeter Daily]
- UK(イングランド)
- バークシャー州(the county of Berkshire)クッカム(Cookham)にあるホーリー・トリニティ教会(Holy Trinity church)の敷地内で、アングロサクソン時代・8世紀の修道院跡とみられる木造建築跡を発見。初期中世のマーシア王国(Mercia)の王オファ(Offa)の王妃キュネスリス(Cynethryth)が修道院長を務めた。
ARCHAEOLOGISTS FIND ‘LOST’ MONASTERY RULED BY QUEEN OF MERCIA[University of Reading] - UK(スコットランド)
- アラン島(Isle of Arran)ドラマドゥーン(Drumadoon)で、800m伸びる平行の土塁。マクリー・ムーア(Machrie Moor)上方の眺望の良い場所に至る。新石器時代・5000年前の祭祀遺跡。[The Scotsman]
2021年8月18日(水)
- 韓国
- 慶尚南道 昌寧郡・アンチゴル古墳群で、加耶・5世紀後半〜6世紀中ごろの古墳8基が確認され、いずれも竪穴式石槨墓。[聯合ニュース]
- 中国
- 山西省 侯馬市 高村郷・虒祁遺跡で2015年に発見された、北魏・熙平元年(516年)の裴経の墓(M1007号墓)で、拓跋鮮卑の文化と中原の伝統や南朝文化の影響が合わさる。陶製のランプや細頸壺は北朝によくあるもの、青磁は南朝のもの。漆製の盆の中におかれた、祭祀に用いた獣骨は、拓跋鮮卑の墓によくみられるが、北魏の平城時代までには習慣が残るものの、洛陽遷都後では珍しい。[中国新聞網]
▼山西省 臨汾市 侯馬市 - イラン
- セムナーン州(Ostān-e Semnān)メフディーシャフル郡(Mehdishahr)のMersin Chal墓地で、パルティア時代(Parthia)・2200年前の土製のヤギ形リュトン(rhyton)出土。パルティアが一時首都としたクーミス(Qumis)に近い。[Islamic Republic News Agency]
- ロシア
- トゥヴァ共和国(Республика Тыва;Tuva Republic)のカティリク5遺跡(Катылыг 5;Katylyg 5)で、コケル文化(Kokel culture)・3〜4世紀の大規模な鉄生産遺跡。溶解、鍛冶、炭焼きを行う組織化された自給自足の生産。溶解は地下式の台形の炉で行われており、銅鉱床に付随する磁鉄鉱が用いられた。台形炉はシスバイカル地域(Сисбайкал;Cis-Baikal)でも紀元前1千年紀末〜後1千年紀にわたって見られ、台形炉の出現は1〜3世紀の鮮卑(Xianbei)の西方進出がかかわる可能性。
cf. Evgeny V. Vodyasov, Ivan S. Stepanov, Timur R. Sadykov, Evgeniya M. Asochakova, Evgeniya S. Rabtsevich, Olga V. Zaitceva, Ivan A. Blinov "Iron metallurgy of the Xianbei period in Tuva (Southern Siberia)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 39, October 2021, 103160 [ScienceDirect] - ポーランド
- ヴァルミア=マズールィ県(Województwo warmińsko-mazurskie)ミコワイキ(Mikołajki)で、18世紀の大北方戦争時のペスト流行(1700〜1721年)の時の大型墓地。また、17〜19世紀の墓地も発見。[The First News]
- ポーランド
- ホイニツェ(Chojnice)で、第二次世界大戦中の1939年秋と1945年1月に起きたナチスによる虐殺の証拠となる大型墓地。戦後集められた証言の中で語られていたが、正確な場所はわかっていなかった。
[Science]
cf. Dawid Kobiałka, Mikołaj Kostyrko, Filip Wałdoch, Katarzyna Kość-Ryżko, Joanna Rennwanz, Marta Rychtarska and Daniel Nita "An archaeology of ‘Death Valley’, Poland" Antiquity, First View, pp. 1 - 8 [Cambridge Core] - スペイン
- カナリア諸島(Islas Canarias;Canary Islands)のグラン・カナリア島(Gran Canaria)の1千年紀後半の古墳について研究。8〜11世紀に北アフリカからの影響で生じた現象と推定。
cf. Verónica Alberto-Barroso, Javier Velasco-Vázquez, Teresa Delgado-Darias & Marco A. Moreno-Benítez "The end of a long journey. Tumulus burials in Gran Canaria (Canary Islands) in the second half of the first millennium AD" Azania: Archaeological Research in Africa [Taylor & Francis Online] - UK(イングランド)
- デヴォン州(county of Devon)エクセター(Exeter)で、ローマ時代の砦を調査。硬貨や、在地土器、フランス産の精製赤色サミアン土器など出土。1世紀にローマ軍が駐屯。
Report into Roman Fort discovery highlights ‘important and fascinating’ find[Exeter City Council] - UK(ウェールズ)
- ペンブルックシャー州(Pembrokeshire)のプレセリの丘(Preseli Hills)について、BBC放送のドキュメンタリーがストーンヘンジとのかかわりを報じて以来、観光客が訪れ、火を焚く、石材を持ち出すなど、遺跡を毀損する行為が横行。[BBC]
- UK(スコットランド)
- オークニー諸島(Orkney)のネス・オブ・ブロッガー遺跡(Ness of Brodgar)出土の土器片から発見された4つ目の指紋を分析。19歳程度の男性のもの。br />Fourth fingerprint from Ness pottery belonged to an adult male[The Ness of Brodgar]
2021年8月17日(火)
- 韓国
- 益山(Iksan)・弥勒寺(Mireuksa)は百済(Baekje)・6〜7世紀の寺院であるが、回廊の不規則な点は、時間的な差を表しているとの仮説のもと、各部分の年代を比定。伽藍拡張のプロセスを東アジアのほかの伽藍と比較し、弥勒寺の伽藍は時間をかけて完成したことを傍証。中央部分が最初に作られ、講堂、僧房が続き、さらに塔と金銅、最後に回廊が完成した。
cf. Kyung-Min Lho "The chronology of the components of Mireuksa Buddhist Monastery of Baekje in Korea during the 6th-7th century" Journal of Asian Architecture and Building Engineering [Taylor & Francis Online] - 中国
- 河南省 宝豊県(Baofeng)・清凉寺窯(Qingliang Temple kiln)で出土した元・明時代の黒釉磁器・褐釉磁器を分析。元・明時代の褐釉磁器には表面は褐色、その奥は黒色の明確な2層がある。黒釉磁器にはガラス相とα-Fe2O3があるが、褐釉磁器にはイプシロン酸化鉄(ε-Fe2O3)があり、褐色の発色はε-Fe2O3による。
cf. Bo Wu, Weijuan Zhao, Xiao Ren, Xiaomin Liu, Bo Li, Songlin Feng, Xiangqian Feng, Hong Zhao "Firing process and colouring mechanism of black glaze and brown glaze porcelains from the Yuan and Ming dynasties from the Qingliang Temple kiln in Baofeng, Henan, China" Ceramics International [ScienceDirect] - イタリア
- ポンペイ遺跡(Pompeii)の、ヴェスヴィオス山(Vesuvius)噴火(79年)前10年以内の墳墓で、保存の良い遺体。60代の男性。当時の葬送儀礼について大きな手掛かりに。ポンペイで成人が火葬されないのは異例。銘文によると男性の名はマルクス・ウェネリウス・セクンディオ(Marcus Venerius Secundio)。史料によると、彼は公共の奴隷でウェヌス神殿の管理者だったが、奴隷身分から解放され、死ぬまでに高い社会的経済的地位に至った。また、銘文はポンペイで行われていた演劇についてギリシャ語で言及。ポンペイでは演劇がラテン語だけでなくギリシャ語でも上演されていた証拠。[Reuters]
- イタリア
- リグーリア州(Regione Liguria)ジェノヴァ(Genova)のロッギア・デイ・バンキ(Loggia dei Banchi)で、後期 #中世 の建物跡。[Finestre sull'Arte]
- スペイン
- アビラ県(Ávila)ソロサンチョ(Solosancho)で、8/15車両故障をきっかけに生じた火災がアビラの山々を焼き、ウラカ砦(Castro de Ulaca)に及ぶ。ウラカ砦はウェトネス族(Vettones)の砦。最大300の住居に1000人が居住。[El Español]
- ポルトガル
- コア渓谷(Valle del Côa;Coa Valley)のファリセウ岩絵(Fariseu)で、14000年以上前のシカの線刻画。[Público]
- UK(イングランド)
- ケント州(the county of Kent)ロチェスター(Rochester)のロチェスター城(Rochester Castle)で、中世の門。ロチェスター城はロチェスター司教ガンダルフ(Gundulf)が1080年代に築造した。[Kent Online]
- UK(イングランド)
- リンカンシャー州(Lincolnshire)クロウランド(Crowland)のアベイ・チャーチ・フィールド(Abbey Church Field)で、建物跡やアングロサクソン時代の木製櫛、糞石。7世紀の聖グスラック(St Guthlac)ゆかりの地域。[Spalding Today]
- USA
- グレート・ベイスン(Great Basin)東部のボンネヴィル・エステーツ岩陰遺跡(Bonneville Estates Rockshelter)で出土した、後期更新世〜完新世の籠、縄などを分析。環境の変化や社会的な相互作用が技術に影響。縄と籠を比較して、労働のジェンダー分業を推定。従来は女性の役割と考えられていたが、縄による網作りはかなりの肉体労働。
cf. Marion M. Coe "Basketry, cordage, and perishable artifact manufacture at Bonneville Estates Rockshelter: Diachronic technological variation" Journal of Anthropological Archaeology, Volume 64, December 2021, 101325 [ScienceDirect]
2021年8月16日(月)
- 大雨
- 8月の大雨の影響で、奈良県斑鳩町・法隆寺東院伝法堂の壁の一部剥落など、国の文化財の被害を10府県27カ所で確認。文化庁8/16発表。[共同通信]
- 韓国
- 韓国土地住宅公社(LH)が、契約時に定めた土地使用可能時期に遅れているにもかかわらず、買い手に遅延損害金と財産税9億5千万ウォンを負担させたとして、韓国の公正取引委員会はLHに対して是正措置と5億6千万ウォンの課徴金を課す。公正取引委員会8/16発表。土地使用可能時期は、文化財発掘調査などによる工事の遅れのため、1年4か月遅れた。[韓国税政新聞]
- 中国
- 山西省 大同市で、北魏時代の洞穴単棺合葬墓。男女が抱擁しあった状態で埋葬発見。[中国新聞網]
- アフガニスタン
- アフガニスタンで武装勢力タリバンが首都カブールに進攻し、政権が事実上崩壊したことを受け、同国などで文化財保護の活動を続けてきた日本の研究者らが、現地の文化財の保護を訴える緊急の声明を発表。[NHK]
- トルコ
- バルケスィル県(Balıkesir il)バンドゥルマ郡(Bandırma)の古代都市ダスキュレイオン(Δασκυλεῖον;Dascylium)で、ペルシャ戦争(Greek-Persian wars)を描いた紀元前5世紀の浮彫。ペルシャ戦争中にプロパガンダのために作られた。また、フリギア時代(Φρυγία;Phrygia)・紀元前8世紀の城壁。[Anadolu Ajansı]
- イタリア
- ローマの墓地で出土した12000年前〜17世紀の遺体132体を分析し、地表の氷や湖・泥炭地の堆積物から得られた各時期の鉛の生成量と対比。鉛生産が盛んになると、ヒトに対する毒物暴露の度合いが増す。5000年前に灰吹法(cupellation)が開発されると、遺体に汚染がみられ始め、青銅器時代までは安定していたが、鉄器時代にわずかに増加。硬貨の生産が盛んになった2500年前に急増し、ローマ時代に最大に。その後減少したが1000年ごろにドイツで銀が採掘されると再び上昇。[The Jerusalem Post]
cf. Yigal Erel, Ron Pinhasi, Alfredo Coppa, Adi Ticher, Ofir Tirosh, and Liran Carmel "Lead in Archeological Human Bones Reflecting Historical Changes in Lead Production" Environmental Science and Technology [ACS Publications] - スペイン
- グラナダ県(Provincia de Granada)サラル(Salar)にあるローマ時代・1世紀の邸宅で、ローマがキリスト教化したころの浴場や列柱の基部4基。[Granada Hoy]
▼アンダルシア州(Comunidad Autónoma de Andalucía)
▼サラル関連記事→2020年8月29日 - UK(イングランド)
- サマセット州(the county of Somerset)ブラットン・シーモア(Bratton Seymour)で、ローマ時代の宝石を伴う銀製の印章(seal matrix)。ペタソス帽(πέτασοςpetasus)を被るオクタウィアヌス(Octavianus)を表す。ぺタソス帽は、メルクリウスが身に着ける鐔が広い帽子。銘文によるとジョン・ド・ワイク(John de Wike)の持ち物。宝石は13〜4世紀に取り付けられたと推定。
cf. Martin Henig & John Cherry "The Silver Seal Matrix of John de Wike Found in Bratton Seymour Parish, Somerset" Journal of the British Archaeological Association [Taylor & Francis Online]
2021年8月15日(日)
- 中国
- 山西省 侯馬市 東荘村で、金時代の仿木結構磚室墓2基(M12、M14)。M12号墓では磚に表した浮彫で、墓主たちが手に経巻と数珠を持つ。虎形の磁枕出土。山西省考古研究院の調査。[中国新聞網]
▽仿木結構磚室墓は、墓室を構成する磚(れんが)に描かれた浮彫によって、木材による建物の構造を模した墓。 - ロシア
- リャザン州(Рязанская область;Ryazan Oblast)スターラヤ・リャザン(Старая Рязань;Old Ryazan)のオカ川(Ока;Oka)沿いの森で、11世紀末〜12世紀前半の銀の装身具など32点の埋納を発見。
Ornate silver horde discovered in forests near Old Ryazan[Heritage Daily] - マルタ
- アッバ(Mqabba)のタル・ウィルジャ地区(Tal-Wilġa)にあるカルタゴ・ローマ時代の塔のすぐ近くで建設工事が行われ、塔に損傷の危険があり、反対の声が上がる。[Times of Malta]
- オーストリア
- シュタイアーマルク州(Steiermark)ペルス(Pöls)で、ローマ時代・200〜300年の墓地。[Kronen Zeitung]
- スペイン
- ガリシア州(Galicia)ア・コルーニャ県(A Coruña)ブランドミル(Brandomil)で、ローマ時代・60〜90年の街道跡。[La Voz de Galicia]
2021年8月14日(土)
- 宮城県
- 東松島市・矢本横穴で出土した飛鳥〜奈良時代・7〜8世紀ごろの装飾金具付きの革製の帯は、絹糸を用いて精巧に縫製された牛革製と判明。東松島市教育委員会の調査。[河北新報]
- イラン
- ハマダーン州(Hamedan)ニハーヴァンド(Nahavand)で、セレウコス朝(Seleucid)、パルティア(Parthia)、およびイルハン朝(Ilkhanid)の遺物。[Tehran Times]
- イスラエル
- ハボニム海岸(Habonim)で、4世紀の硬貨。地中海を航海する船に積まれていた可能性。[The Jerusalem Post]
- トルコ
- ビトリス県(Bitlis ili)アフラト(Ahlat)のセルジューク広場墓地(Seljuk Meydan Cemetery)で、セルジューク朝(Seljuk)・13〜14世紀の石棺サンドゥカ(sanduka)2基。[Daily Sabah]
▼セルジューク広場墓地関連記事→2017年10月21日 - ロシア
- スズダリ・オポリエ(Суздальское Ополье;Suzdal Opolye)のネルリ・クリャズミンスカヤ川(Нерль Клязьминская;Nerl-Klyazminskaya)沿いで、1千年紀中ごろのヴォルガ・フィン人(поволжские финны;Volga-Finns)の装身具。シラカバの樹皮の箱に入れて埋納。[Институт археологии Российской академии наук]
- ブルガリア
- ピルドプ・ズラティツァ地域(Пирдоп-Златица;Pirdop-Zlatitsa)のチャブダル遺跡(Чавдар;Chavdar)で出土した、前期新石器時代(Early-Neolithic)・紀元前6世紀前半の、白色の彩色をした赤色スリップ土器を分析。素地と顔料の化学組成を明らかにし、焼成温度と焼成雰囲気の手がかりを得る。
cf. Victoria Atanassova, Luminița Ghervase, Ioana Maria Cortea, Valentin Mihailov, Vani Tankova & Vassil Nikolov "Multi-analytical approach for characterization of archaeological pottery excavated in the Early-Neolithic settlement of Chavdar, Bulgaria" Spectroscopy Letters [Taylor & Francis Online] - チェコ
- オロモウツ州(Olomoucký kraj;Olomouc)プシェロフ(Přerov)で、新石器時代・線帯文土器文化(Kultura s lineární keramikou;Linear Pottery culture)・紀元前6000年の神の座像1体、レンジェル文化(Lengyelská kultura;Lengyel culture)・紀元前5000年〜前3400年の神像2体。また、線帯文土器文化・8000年前の堀と柵を伴う防御性集落。レンジェル文化の墓域。さらに青銅器時代・ヴィエテジョフ文化(Věteřovská kultura;Věteřov culture)の要塞化した集落。川と断面V字形の溝で囲む。[Radio Praha]
- UK(イングランド)
- ハル(Hull)のカッスル・ストリート(Castle Street)の三位一体墓地(Trinity Burial Ground)で見つかった遺体9500体のうちに、1837年の蒸気船「ユニオン」(Union)爆発の犠牲者23人のうちひとりの遺体。Highways Englandの調査。[BBC]
2021年8月13日(金)
- 福井県
- 若狭町・西塚古墳の周濠で、近くの山から注ぐ水を制御していたことを裏付ける堰の遺構。直径50cmの丸太を利用。古墳時代中期・5世紀後半の前方後円墳。若狭町8/11発表。[福井新聞]
▼西塚古墳関連記事→2021年8月9日 - 長崎県
- 南島原市・原城跡で、九州北部の記録的な大雨による影響。本丸広場の地面の一部が陥没したほか、崖崩れも。文部科学省8/13発表。[時事通信]
- 中国
- 浙江省 義烏市・橋頭遺跡(Qiaotou)の、新石器時代・上山文化・9000年前〜8700年前(cal. BP)の堀に囲まれた墳墓に、ヒトの墓と、集中的に出土した彩陶。彩陶にのこる内容物を分析。一部の土器はコメ(Oryza sp.)、ジュズダマ(Job’s tears;Coix lacryma-jobi)などで作ったビールを入れる。また、カビを用いた・糖化・発酵の証拠は文字資料より8000年さかのぼる。葬送儀礼と関連してビールを使用。
cf. Jiajing Wang, Leping Jiang, Hanlong Sun "Early evidence for beer drinking in a 9000-year-old platform mound in southern China" PLoS ONE 16(8): e0255833. [PLOS ONE] - フィリピン
- フィリピンの118のエスニックグループのゲノムを解析。アイタ・マグブコン(Ayta Magbukon)はデニソワ人を祖先に持つレベルが最も高く、アウストラロパプアン(Australopapuans)より30%〜40%多い。デニソワ人からネグリト人への明確な混血イベントによって説明づけられる。ホモサピエンス以前にフィリピンには相互に遺伝上の関係がある複数の人類が住んでいた可能性。
cf. Maximilian Larena, James McKenna 46, Federico Sanchez-Quinto, Carolina Bernhardsson, Carlo Ebeo, Rebecca Reyes, Ophelia Casel, Jin-Yuan Huang, Kim Pullupul Hagada, Dennis Guilay, Jennelyn Reyes, Fatima Pir Allian, Virgilio Mori, Lahaina Sue Azarcon, Alma Manera, Celito Terando, Lucio Jamero Jr., Gauden Sireg, Renefe Manginsay-Tremedal, Maria Shiela Labos, Richard Dian Vilar, Acram Latiph, Rodelio Linsahay Saway, Erwin Marte, Pablito Magbanua, Amor Morales, Ismael Java, Rudy Reveche, Becky Barrios, Erlinda Burton, Jesus Christopher Salon, Ma. Junaliah Tuazon Kels, Adrian Albano, Rose Beatrix Cruz-Angeles, Edison Molanida, Lena Granehäll, Mário Vicente, Hanna Edlund, Jun-Hun Loo, Jean Trejaut, Simon Y.W. Ho, Lawrence Reid, Kurt Lambeck, Helena Malmström, Carina Schlebusch, Phillip Endicott, Mattias Jakobsson "Philippine Ayta possess the highest level of Denisovan ancestry in the world" Current Biology [Cell] - インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)プドゥコッタイ県(Pudukkottai)のポルパナイコッタイ遺跡(Porpanaikottai)で、サンガム時代(Sangam era)レンガ積みの運河の遺構。[The Times of India]
- フランス
- オクシタニー地域圏(Occitanie)エロー県(Hérault)ミュルヴィエル=レ=モンペリエ(Murviel-lès-Montpellier)で、紀元前1世紀から初期中世の遺跡。防御用の堀や1世紀の建物跡。中世の葬祭施設。サムナゲンス族(Samnagenses)の紀元前2世紀〜紀元後2世紀の古代都市Castellasに当たる。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Un quartier périurbain de l’agglomération antique du Castellas à Murviel-lès-Montpellier (Hérault)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- アラゴン州(Aragón)テルエル県(Provincia de Teruel)アルカニス(Alcañiz) にあるバルムエル洞窟(Valmuel)で、レバント美術(Levantine art)の洞窟壁画。[Heraldo]
- UK(イングランド)
- ワイト島(the Isle of Wight)のアルトン(Arreton)にある採石場で、青銅器時代〜鉄器時代の農業の痕跡と、ローマ時代の土器。[Island Echo]
- UK(イングランド)
- ハル(Hull)のカッスル・ストリート(Castle Street)で、18世紀の刑務所ニュージェイル(New Gaol)の独房跡。懲罰房。史料にこれら独房の記載なし。刑務所は1829年閉鎖。三位一体墓地(Trinity Burial Ground)と一連の調査。Highways Englandの調査。[Hul lLive]
▼イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー(East Riding of Yorkshire) - UK(スコットランド)
- アバディーンシャー(Aberdeenshire)のアーデン・カントリー・パーク(Aden Country Park)で、新石器時代の25m×12.5mの土塁の内側に、17世紀の礼拝堂跡。18世紀半ばに焼失しており、カンバーランド公ウイリアム(William, Duke of Cumberland)=「屠殺者カンバーランド」(Butcher Cumberland)と彼の部隊が、ジャコバイト蜂起(Jacobite rebellion)の際、1746年のカロデンの戦い(Battle of Culloden)の準備の一環として、この礼拝堂を破壊した可能性。[The Press and Journal]
- アイルランド
- ロスコモン州(County Roscommon)ゴートナクラナ(Gortnacrannagh)の沼地で、鉄器時代・1600年前の木偶。オーク材で、一端にヒトの頭の形を設け、体には水平方向の彫りこみをいくつか入れる。2.5m以上。聖パトリック(St Patrick)の渡来より100年以上古く、キリスト教以前の神の像とみられる。獣骨や祭祀用の短剣も出土しており、犠牲をささげる儀式に木偶を用いたとみられる。Archaeological Management Solutionsの調査。[Irish Examiner]
- ベリーズ
- 東マヤ低地の先古典期・紀元前300年〜植民地時代・1800年の12遺跡114人の遺体について、骨のコラーゲンの炭素、窒素、硫黄の安定同位体(δ13C、δ15N、δ34S)を分析し、食生活と移動性を推定。トウモロコシなどの陸産資源が支配的とする仮説を実証。硫黄同位体δ34S地域の地質を反映するので、東マヤ低地に在地ではないヒトが居住していたことが判明。
cf. Claire E. Ebert, Asta J. Rand, Kirsten Green-Mink, Julie A. Hoggarth, Carolyn Freiwald, Jaime J. Awe, Willa R. Trask, Jason Yaeger, M. Kathryn Brown, Christophe Helmke, Rafael A. Guerra, Marie Danforth, Douglas J. Kennett "Sulfur isotopes as a proxy for human diet and mobility from the preclassic through colonial periods in the Eastern Maya lowlands" PLoS ONE 16(8): e0254992. [PLOS ONE]
2021年8月12日(木)
- 中国
- 山西省 運城市 絳県 侯荘村で、盛唐時代・1000年以上前の、平面刀形の土洞墓3基(片袖式の横穴墓)。山西省考古研究院の調査。[中国新聞網]
- トルコ
- トゥンジェリ県(Tunceli ili) ペルテック郡(Pertek)のトズコパラン遺跡(Tozkoparan Höyük;Tozkoparan Mound)で、子供の人骨。[Daily Sabah]
- イタリア
- プッリャ州(Regione Puglia)フォッジャ県(Provincia di Foggia)トローイア(Troia)で、6〜8世紀のキリスト教のバシリカ(basilica)。トライアナ街道(via Traiana)沿いの古代都市アイカ(Aecae)に当たる。また、さらにさかのぼるダウニ族(Dauni)の墓地も。[Il Digiitale]
- ポーランド
- クラクフ=チェンストホヴァ高地(Kraków-Częstochowa Upland)で、これまで知られていなかったチョコレート色のフリント(chocolate flint)の露頭。従来、チョコレート色のフリントの産地としてシフィエントクシスキエ山地(Góry Świętokrzyskie;Świętokrzyskie Mountains;Holy Cross Mountains)のみが知られていた。先史時代の中央ヨーロッパの石材流通について、産地の識別が重要に。
cf. Magdalena Sudoł-Procyk, Michael Brandl, Maciej T. Krajcarz, Magdalena Malak, Mateusz Skrzatek, Damian Stefański, Elżbieta Trela-Kieferling and Dagmara H. Werra "Chocolate flint: new perspectives on its deposits, mining, use and distribution by prehistoric communities in Central Europe" Antiquity, First View, pp. 1 - 7 [Cambridge Core] - ポーランド
- ボグダニエツ(Bogdaniec)で、ラウジッツ文化(Kultura łużycka;Lusatian culture)・2500年前の埋納品。ブレスレットなど装身具や馬具220点。[Poland In]
▼ルブシュ県(Województwo lubuskie;Lubusz) ゴジュフ郡(Powiat gorzowski;Gorzów) - UK(ウェールズ)
- ペンブルックシャー州(Pembrokeshire)のトレリーフェイント(Trellyffaint)で出土した、新石器時代・紀元前3100年の土器に残る遺存物を分析。乳脂肪を確認。酪農の証拠。[BBC]
2021年8月11日(水)
- 福井県
- 小浜市・小浜城跡で、三の丸に存在した米蔵の石垣を確認。越前から運ばれてきた越前赤瓦も出土。福井県埋蔵文化財調査センターの調査。8/13現地説明会。
小浜城跡の現地説明会を開催します[福井県] - 高知県
- 香南市・西野遺跡(にしのいせき)ルノ丸地区で弥生時代終わりを中心とした遺構や遺物。香南市文化財センターの調査。8/19現地説明会。
西野遺跡発掘調査 現地説明会を開催します[香南市] - ヨルダン
- ジャラシュ遺跡(Jerash)の北門南側で出土した銅貨を分析。ギリシャ、ナバテア、ローマ、初期イスラームのものからなるが、ローマが大多数で、それ以外は非常に少ない割合。特に、ビザンティン帝国のものは含まない。
cf. Adnan Shiyyab & Thomas Bauzou "Coins from south of the North Gate of Jerash" Levant [Taylor & Francis Online]
▼ジャラシュ遺跡関連記事→2021年1月26日 - トルコ
- ムシュ県(Muş ili)マラズギルト郡(Malazgirt)で鏃や槍の穂先などの武器が出土。セルジューク朝(Seljuk)とビザンティン帝国(Byzantine Empire)が戦ったマラズギルトの戦い(Battle of Manzikert;Malazgirt Savaşı;1071年)の跡を特定。[Daily Sabah]
- トルコ
- マラティヤ(Malatya)のアルスラーンテペ(Arslantepe)で、銅器時代・5700年前の住居跡から、6歳程度の小児人骨。屈葬で、頭蓋骨が割られている。[Archaeology World]
▼アルスラーンテペ遺跡関連記事→2021年1月21日 - トルコ
- ニーデ県(Niğde il)ウルクシュラ郡(Ulukışla)・ポルスク遺跡(Porsuk Höyük;Porsuk Mound)で、鉄器時代の市壁と漆喰。従来、ポルスク遺跡ではヒッタイト時代やローマ時代などに利用されたことが知られていた。[Daily Sabah]
- イタリア
- リグーリア州(Regione Liguria)のアレーネ・カンディーデ洞窟(Arene Candide)で出土した後期旧石器時代(Upper Paleolithic)・後グラヴェット文化後期(Late Epigravettian)の人骨を放射性炭素分析。直接的な年代測定により、葬送は亜氷期ヤンガードリアス(Younger Dryas)・12900年前〜11600年前に含まれる1000年間に行われた。埋葬の度に以前の埋葬に対する片づけが行われているが、人骨には1歳〜1歳半の人骨2体も含んでおり、年齢は埋葬の選択には無関係。葬送行為は資源の乏しい時代において、資源への領有権を主張し、共同体のアイデンティティと価値観を強化・伝達する手段であった可能性。
cf. Vitale S. Sparacello, Irene Dori, Stefano Rossi, Alessandra Varalli, Julien Riel-Salvatore, Claudine Gravel-Miguel, Alessandro Riga, Francesca Seghi, Gwenaëlle Goude, Sanne W. L. Palstra, Elisabetta Starnini, Vincenzo Formicola, Jacopo Moggi-Cecchi "New human remains from the Late Epigravettian necropolis of Arene Candide (Liguria, northwestern Italy): Direct radiocarbon evidence and inferences on the funerary use of the cave during the Younger Dryas" Quaternary Science Reviews, Volume 268, 15 September 2021, 107131 [ScienceDirect]
▼アレーネ・カンディーデ洞窟関連記事→2017年2月9日 - チェコ
- オロモウツ州(Olomoucký kraj;Olomouc)プシェロフ(Přerov)のD1道路建設区間で、人骨など大量の考古資料。1100箱以上。[iROZHLAS]
- ポーランド
- ヴィエルコポルスカ県(Województwo wielkopolskie:Wielkopolska)サルビア(Sarbia)の墳丘墓で、ヴィェルバルク文化(Kultura wielbarska;Wielbark culture)・2世紀の埋葬2基。いずれからも紡錘車などの機織り具、銀製のS字形バックル、土器などが出土。
Wielkopolska/ Archeolodzy odkryli kurhan prząśniczek w nadnoteckich lasach[Nauka w Polsce] - ポーランド
- ブィドゴシュチュ(Bydgoszcz)のポドヴァレ通り(Ulica Podwale)で、16世紀前半の男根形の木製品。同じ層で出土した木樋の年輪年代は1590年ごろ。[Bydgoszcz Naszemiasto]
▼クヤヴィ=ポモージェ県(Województwo kujawsko-pomorskie) - イベリア半島
- 鐘状ビーカー文化(Bell Beaker culture)の墓37基から出土した、副葬品を伴う人骨70体を、クィア理論(Queer theory)に基づき統計的に分析。16歳以上の成人の墓には、複雑で、流動的で、2元的でない、社会階層と性/ジェンダーの差が読み取れた一方、15歳以下の子供は性/ジェンダーへの帰属が存在しないか、流動的だった。
cf. I. Soriano, A. M. Herrero-Corral, R. Garrido-Pena, T. Majó "Sex/gender system and social hierarchization in Bell Beaker burials from Iberia" Journal of Anthropological Archaeology. Volume 64, December 2021, 101335 [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- ニューカッスル(Newcastle)で、道路の下から1900年前のハドリアヌスの城壁(Hadrian’s Wall)を3mにわたり確認。大きめの石材を用いており、ハドリアヌスの城壁のうち古くに築かれた部分。[Northumbrian Water]
- USA
- フロリダ州(State of Florida)セントピーターズバーグ(St. Petersburg)のトロピカーナ・フィールド球場(Tropicana Field)の第1駐車場と第2駐車場の地下で、地中レーダー探査により、3か所の墓地、旧オークローン墓地(Oaklawn Cemetery)、旧エヴァーグリーン墓地(Evergreen Cemetery)、旧モフェット墓地(Moffett Cemetery)を発見。[Tampa Bay Times]
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