考古学のおやつ/NEWSLINK

2024年6月10日（月）

東京都: 府中市・清水が丘遺跡（しみずがおかいせき）で2021年2月に出土した縄文時代中期の勝坂式土器の装飾は、栽培サイズのダイズ属の種子を土器に埋め込み、焼成時にダイズが焼失することによって作り出されていた。レプリカ法により解明。
▶ 縄文人が栽培したダイズを土器に埋め込んで、装飾としていた痕跡を日本で初めて確認～縄文時代の植物利用や縄文人の精神文化解明に貢献～[中央大学]
香川県: 琴平町・旧金毘羅大芝居（きゅうこんぴらおおしばい）で、NHKのカメラマンが撮影中に花道から客席に転落し、升席を仕切る木製の角材の一部を破損。国の重要文化財。[時事通信]
日本学術会議: 日本学術会議を法人化する方向で政府が議論を進めていることに対し、学術会議の歴代会長6人が、岸田文雄首相に「政府主導の見直しを改めることを要望する」とする声明を6/10発表。[朝日新聞]
オーストラリア: 珊瑚海（Coral Sea）のケン・リーフ（Kenn Reef）で沈没船から出土した銅合金を分析し、近隣の基地の沈没船と比較することで、年代推定の手がかりに。
▶ Maddy McAllister, Wendy van Duivenvoorde (2024) Environmental Scanning Electron Microscopy of copper alloy artefacts from unidentified shipwreck sites: Clues to the identity of shipwrecks on Kenn Reef, Coral Sea. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104622. [ScienceDirect]
UK（イングランド）: ドーセット州（the county of Dorset）スタッドランド湾（Studland Bay）沖に沈む13世紀の沈没船「モーター・レック」（Mortar Wreck）から、パーベック大理石（Purbeck marble）で作られた中世の墓の石蓋。[Heritage Daily]

2024年6月9日（日）

栃木県: 大田原市・上侍塚古墳（かみさむらいづかこふん）で、壺3点分の破片。これまで見つかっていた壺は、底に孔をあけたのちに焼き上げられたものばかりだった。4世紀の前方後方墳。公益財団法人とちぎ未来づくり財団埋蔵文化財センターの調査。[朝日新聞]
▼上侍塚古墳関連記事→2023年9月21日
奈良県: 奈良で出土した曲げ物（木製容器）120点を調査して90点の年輪により、696年間（95～790年）の年輪データが得られる。6遺跡に置いて、曲げ物の年輪年代を木簡に記された年代とを対比すると、年代差は少ないので、曲げ物の年代によって遺跡の年代推定が可能。
▶ Hitoki Maeda, Yasuharu Hoshino, Motonari Ohyama, Yoko Ura, Yohsei Kohdzuma (2024) Tree-ring dates of excavated wooden containers provide a chronological framework for the ancient capital of Nara in Japan. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104600. [ScienceDirect]
韓国: 京畿道安山市の仙甘学園犠牲者共同墓地で、犠牲者の歯牙275点と遺品57点。日本統治時代の1942年に設立され児童・青少年を強制入所させた施設。1982年閉鎖。[聯合ニュース]
中国: 江蘇省蘇州市姑蘇区五州路・金城新村遺跡は秦の会稽郡の治所の可能性。春秋時代中晩期～漢代に灰坑と井戸などが確認され、陶器など多数出土。[中共江蘇省委新聞網]
イタリア: プーリア州（Puglia；Apulien；Apulia）のロカ・ヴェッキア（Roca Vecchia）が中期青銅器時代の戦争で破壊された際に死亡した成人男性の遺体「Roca US813A」を分析。在地人とエーゲ海世界の関係も示す。
▶ G. Vincenti, R. Guglielmino, D. Panetta, P.A. Salvadori, L. Reitsema, J. Krigbaum, K.L. Reinberger, D. Melica, M. Lettieri, M. Masieri, P.F. Fabbri (2024) Violent death of a warrior in the destruction of Roca Vecchia, Apulia, Italy: Insights on hostilities and Aegean connections in the Bronze Age. Journal of Archaeological Science, Volume 168, August 2024, 106009. [ScienceDirect]

2024年6月8日（土）

2024年6月7日（金）

石川県: 金沢市・金沢城公園の石垣は、能登半島地震での崩落などの被害から修復するのに15年程度かかる見通し。[TBS]
鳥取県: 倉吉市・大御堂廃寺跡（おおみどうはいじあと）で、北側から築地塀を確認。[日本海新聞]
▼大御堂廃寺跡関連記事→2023年9月7日
愛媛県: 松山市・北吉田馬場遺跡（きたよしだばばいせき）で、旧松山海軍航空基地のコンクリート造りの防空壕2基。公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センターの調査。[テレビ愛媛]
北九州市: 門司区の初代門司港駅関連遺構の保存問題に関し、北九州市は遺構を一部移築し、解体するという当初方針を決めた際の議事録を残さず。[毎日新聞]
福岡家: 太宰府市・九州国立博物館が、音や光などに対する感覚過敏を抱える人向けに、「あんしんマップ」を作成。[読売新聞]
日本学術会議: 日本学術会議は、政府が示した法人への移行案について改めて懸念を表明。[時事通信]
大学: 国立大学協会（国大協）が6/7会見。運営費交付金が減額された中で、経費の上昇や物価高騰などで経営が圧迫され、危機的状況にあるとする声明を発表。[教育新聞]
韓国: 慶州・西岳洞4号墳（ソアクトン4ごうふん）は積石木槨墳でありながら護石をめぐらすと判明。周囲でs実度した土器は6世紀中ごろ～後半で、石室墓が築造されているはずの時期。法興王陵と推定される新羅古墳。[ハンギョレ]
クロアチア: 7200年前の土器片に付着していた残留物に含まれる炭素を分析。チーズ作りに由来すると判明。人類最古のチーズの証拠[Science]
スペイン: バダホス県（Provincia de Badajoz）グアレーニャ（Guareña）のカサス・デル・トゥルニュエロ遺跡（Casas del Turuñuelo）の宮殿建築で、紀元前6世紀～前5世紀のクレート製石板に、繰り返しのモチーフが描かれていた。[La Vanguardia]
ウマの家畜化: 50000年前以来の古代ウマ475頭と現代の馬77頭のDNAを調査し、ウマの家畜化の過程を研究。アジアでボタイ文化（Botai）・5000年前にミルクや肉のために家畜化したが、その後には続かず。4200年前にロシア南西部で移動手段として改めて家畜化。急速にヨーロッパに広がっているから、ウマは移動や輸送の手段として家畜化したと推定。4200年前のウマの家畜かは、ヤムナ文化の拡散より遅く、ヤムナ文化はウマの家畜化とは無関係。[ScienceNews]
▶ Pablo Librado et al. (2024) Widespread horse-based mobility arose around 2,200 BCE in Eurasia. Nature. [Nature]
北米大陸: 五大湖地域で出土した1600年～1670年ごろのガラスビーズを分析。先住民社会ウェンダット連合（Wendat confederacy）が、ヨーロッパ人の入植以前にいかにして大西洋貿易に接し、ガラスビーズを得たかを研究。
▶ Heather Walder and Alicia L. Hawkins (2024) Tracking glass beads: communities and exchange relationships across the Atlantic in the seventeenth century. Antiquity, First View, pp. 1 - 21. [Cambridge Core]

2024年6月6日（木）

モンゴル: 2019年に発見された後期青銅器時代・2700年前の銅鍑2点と関連遺物について、遺存したタンパク質を分析。ヒツジやヤギなどの反芻動物の血液や、ウシやヤクのミルクを検出。青銅器時代の遊牧民が血のソーセージやヤクのミルクを摂取していたと推定。
▶ Blood sausages and yak milk: Bronze Age cuisine of Mongolian nomads unveiled [Universität Basel]
▶ Shevan Wilkin, Jamsranjav Bayarsaikhan, Ankhsanaa Ganbold, Ankhbayar Batsuuri, Lochin Ishtseren, Daisuke Nakamura, Gelegdorj Eregzen, Alicia Ventresca-Miller & Bryan K. Miller (2024) Cauldrons of Bronze Age nomads reveals 2700 year old yak milk and the deep antiquity of food preparation techniques. Scientific Reports, volume 14, Article number: 11625. [Scientific Reports]
イタリア: ヴィボ・ヴァレンツィア（Vibo Valentia）でローマ共和政後期～帝政期・紀元前2世紀～紀元後3世紀のドムスや温泉施設、アルテミス像など。[Heritage Daily]
ポーランド: マゾフシェ県（Województwo mazowieckie）レギョノーヴォ郡（Powiat legionowski）ユジェフフ（Józefów）で、ガーデニング中の母子が後期新石器時代・縄目文土器文化（Schnurkeramische Kultur；Corded Ware culture）・紀元前3千年紀末のフリント製石斧を発見。[Science in Poland]
ポーランド: ウォヴィチ（Łowicz）で、地下墓2基。ポーランド首席司教（Primates of Poland）の墓3基を含む。[Heritage Daily]
フランス: ブルゴーニュ＝フランシュ＝コンテ地域圏（Bourgogne-Franche-Comté）ヨンヌ県（Yonne）オセール（Auxerre）で、古代アウテッシオドゥルム（Autessiodurum）のガロ＝ローマ時代・4世紀の墓地から古代の墓地から幼児や死産の遺体。
▶ Une nécropole antique de très jeunes enfants et mort-nés à Auxerre (Yonne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
スペイン: エル・サルト遺跡（El Salt）のユニット10で見つかった中期旧石器時代の炉跡6基について、古地磁気と層序額により年代を分析。200～240年の年代差があり、互いに10年～100年程度離れている。
▶ Ángela Herrejón-Lagunilla, Juan José Villalaín, Francisco Javier Pavón-Carrasco, Mario Serrano Sánchez-Bravo, Santiago Sossa-Ríos, Alejandro Mayor, Bertila Galván, Cristo M. Hernández, Carolina Mallol & Ángel Carrancho (2024) The time between Palaeolithic hearths. Nature. [Nature]

2024年6月5日（水）

京都市: 上京区・教法院（きょうぼういん）にある島左近の墓で発掘調査で複数の人骨出土。[産経新聞]
韓国: 光州市東区で、高麗～朝鮮時代の瓦、磁器、土器30点。[聯合ニュース]
韓国: 慶尚南道咸安郡漆原邑・漆原山城（チルォンさんじょう）の内城東壁を調査し、阿羅加耶時代に築造された土塁と石垣、さらに朝鮮時代の石垣を確認。阿羅加耶・5世紀後半～6世紀中ごろの土器出土。[聯合ニュース]
▼漆原山城関連記事→2023年5月19日
オランダ: スウィフテルバント遺跡（Swifterbant）の出土遺物により、新石器時代・線帯文土器文化（Linearbandkeramik；LBK）の食生活を推定。初期の動物管理の証拠。
▶ Nathalie Ø. Brusgaard, Jildou Kooistra, Mans Schepers, Michael Dee, Daan Raemaekers and Canan Çakırlar (2024) Early animal management in northern Europe: multi-proxy evidence from Swifterbant, the Netherlands. Antiquity, Volume 98, Issue 399, June 2024, pp. 654 - 671. [Cambridge Core]
ヨーロッパの大西洋岸: ヨーロッパの大西洋岸で、中期青銅器時代・紀元前13世紀～前15世紀に失蝋法（lost-wax）によって銅斧（palstaves）や装飾品が広く使われていた。従来は後期青銅器時代に東地中海から導入されたとみられていた。
▶ Marilou Nordez (2024) Lost-wax casting: A widespread technique to produce copper alloy adornments in Atlantic Europe since the mid-second millennium BC. Journal of Archaeological Science, Volume 168, August 2024, 106008. [ScienceDirect]
セネガル: ファレメ渓谷（Falémé）の土器の伝統について民族考古学的研究。製作者の文化的な背景は多様だが、成形技術は均質で、環境的、社会経済的、文化的な要因で変化。一方、ふたつの焼成方法の地理的分布は、植民地化以前のフルベ王国とマンデ3王国の領域と合致する。近年のグローバル化により道具が変化。
▶ Adrien Delvoye, Anne Mayor, Ndèye Sokhna Guèye (2024) Beyond Uniformity: Technical and historical dynamics among pottery traditions in the Falémé Valley, eastern Senegal. Journal of Anthropological Archaeology, Volume 75, September 2024, 101602. [ScienceDirect]
▼ファレメ渓谷関連記事→2024年3月29日
コロンビア、ベネズエラ: オリノコ川（río Orinoco；Orinoco River）上流・中流のロックアートについて、14遺跡の立地をドローンで確認。最大のものは40mに及ぶヘビの彫刻。交易や移動の拠点で、遠くからも目立つ場所に立地し、先住民の神話とも関連。土器に見られる類似モチーフから見て。2000年前にさかのぼる可能性。[Heritage Daily]
▶ Philip Riris, José Ramón Oliver and Natalia Lozada Mendieta (2024) Monumental snake engravings of the Orinoco River. Antiquity, Volume 98, Issue 399, June 2024, pp. 724 - 742. [Cambridge Core]

2024年6月4日（火）

北九州市: 門司区・和布刈公園（めかりこうえん）の潮風広場に設置されている旧国鉄の客車「オハフ33」が、椅子などが廃棄され内装が原形をとどめないほど変化。北九州市の姿勢に対し疑問の声。[毎日新聞]
韓国: 全北長水郡・春松里古墳群（チュンソンニこふんぐん）で、全北で最大規模の新羅古墳。横口式石室墓。新羅土器、刀子、棺釘など出土。[聯合ニュース]
中国: 山西省太原市で、唐代の「樹下人物図」を描いた壁画墓。墓誌によると被葬者は開元24年（736年）死去。[中国新聞網]
ドイツ: バーデン＝ヴュルテンベルク州（Land Baden-Württemberg）のエバーディンゲン・ホーホドルフ（Eberdingen-Hochdorf）とアスペルク・グラーフェンビュール（Asperg-Grafenbühl）にある初期ケルト・紀元前500年の墳墓で、被葬者31人の遺伝子を分析。両墳墓のそれぞれの中心人物の間に血縁関係。叔父と甥、すなわちホーホドルフの中心被葬者の妹がアスペルクの中心被葬者の母親と推定。
▶ Kinship and ancestry of the Celts in Baden-Württemberg [Max-Planck-Gesellschaft]
▶ Joscha Gretzinger, Felicitas Schmitt, Angela Mötsch, Selina Carlhoff, Thiseas Christos Lamnidis, Yilei Huang, Harald Ringbauer, Corina Knipper, Michael Francken, Franziska Mandt, Leif Hansen, Cäcilia Freund, Cosimo Posth, Hannes Rathmann, Katerina Harvati, Günther Wieland, Lena Granehäll, Frank Maixner, Albert Zink, Wolfram Schier, Dirk Krausse, Johannes Krause & Stephan Schiffels (2024) Evidence for dynastic succession among early Celtic elites in Central Europe. Nature Human Behaviour. [Nature Human Behaviour]
ドイツ: バーデン＝ヴュルテンベルク州（Land Baden-Württemberg）ロイトリンゲン郡（Landkreis Reutlingen）ブルクシュタイン（Burgstein）で、城跡から中世・11～12世紀のチェスの駒やさいころ。中央ヨーロッパで13世紀のゲームの駒の出土は稀。
▶ Medieval game collection unearthed[Universität Tübingen]

2024年6月3日（月）

福島県: 喜多方市・西新田窯跡群（にししんでんかまあとぐん）で、平安時代の須恵器窯跡、炭窯跡と建物跡、溝跡、土坑など。喜多方市教育委員会の調査。6/22現地説明会。
▶ 西新田窯跡群現地説明会を開催します！！ [喜多方市]
石川県: 野々市市・横江ゴクラク寺遺跡（よこえごくらくじいせき）で、鎌倉時代頃の集落跡。野々市市教育委員会の調査。6/15現地説明会。
▶ 横江ゴクラク寺遺跡発掘調査現地説明会を開催します [野々市市]
兵庫県: 丹波市・市辺散布地で、弥生時代の土器や柱穴。丹波市教育委員会の調査。[神戸新聞]
山口県: 田布施町・下平野遺跡（しもひらのいせき）で縄文時代のトロトロ石器。[中国新聞]
韓国: 全北長水郡長渓面三奉里・開眼寺跡（ケアンサあと：第2次調査）で、寺の建物の規模を確認。統一新羅～朝鮮時代の建物・石築・排水路・井戸など。[全北日報]
韓国: 全羅南道海南郡松旨面・郡谷里貝塚（クンゴンニかいづか：第9次調査）で青銅器時代・鉄器時代・三国時代の貝層。鉄器時代の層から船形土製品やかまどの模型。船形土製品の存在は、当時の遺跡周辺が貿易港だったことを示唆。[聯合ニュース]
▼郡谷里貝塚関連記事→2022年6月22日
アルメニア: ルチャセン遺跡（Lchashen）で、「ドラゴン・ストーン」の地下から青銅器時代・紀元前16世紀の2人の赤ん坊の埋葬。DNAによると2人は二親等以内。「ドラゴン・ストーン」は先史時代の玄武岩製の石材で、動物の図像を表わす。
▶ Arsen Bobokhyan, Miren Iraeta-Orbegozo, Hugh McColl, Ruzan Mkrtchyan, Hasmik Simonyan, Jazmín Ramos-Madrigal, Aída Andrades-Valtueña, Pavol Hnila, Alessandra Gilibert, Ashot Margaryan (2024) Burial of two closely related infants under a “dragon stone” from prehistoric Armenia. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104601. [ScienceDirect]
フランス: アラス（Arras）のグーヴェルヌール広場（Esplanade Gouverneur）で、13世紀～17世紀の遺跡や人骨出土。[Horizon Actu]
スペイン: グアダラハラ県（Provincia de Guadalajara）にあるソリタ・デ・ロス・カネス城（Zorita de los Canes）の墓地で、中世・12～15世紀のカラトラバ騎士団（Orden de Calatrava）の遺体に、女性戦士を確認。[CPPE]
（再掲）▶ Patxi Pérez-Ramallo, Carme Rissech, Lluis Lloveras, Mary Lucas, Dionisio Urbina, Catalina Urquijo & Patrick Roberts (2024) Unravelling social status in the first medieval military order of the Iberian Peninsula using isotope analysis. Scientific Reports, volume 14, Article number: 11074. [Scientific Reports]
▼カスティーリャ＝ラ・マンチャ州（Castilla-La Mancha）
▼ソリタ・デ・ロス・カネス城関連記事→2024年5月15日
ノルウェー: ローガラン県（Rogaland）Studalでヴァイキングの剣。十字の象嵌や銘文。[Heritage Daily]

2024年6月2日（日）

フィリピン: ルソン島（Luzon）沖の南シナ海の水深1140mの海底で、第二次世界大戦当時の米国の潜水艦ハーダー（USS Harder）の船体を発見。1944年の戦闘で乗組員79人とともに沈む[LiveScience]
ギリシャ: テッサロニキ（Θεσσαλονίκη；Thessaloniki；Salonika）とエデッサ（Edessa）で出土したローマ時代・1～4世紀の宝飾品14点に用いられた緑色の宝石19点を分析。17点はエジプト産のエメラルドに類似。トルコ産の天然のクロムカルセドニー（Chrome-Chalcedony）1個と、産地不明のガラス1個も検出。
▶ Maria Nikopoulou, Stefanos Karampelas, Evangelia Tsangaraki, Lambrini Papadopoulou, Christos Katsifas, Ioannis Nazlis, Annareta Touloumtzidou, Vasilios Melfos, Nikolaos Kantiranis (2024) Study of green-coloured gems of the Roman period from the collections of the Archaeological Museum of Thessaloniki (Greece) and their possible geographic origin. Journal of Raman Spectroscopy, Early View [Wiley Online Library]
イタリア: カンポ・ディ・マーレ（Campo di Mare）沖の海中で、ローマ時代の邸宅の建築遺構を確認。[Heritage Daily]
スウェーデン: ダラレー（Dalarö）沖のバルト海に沈む16世紀の沈没船「Osmond Wreck」から、オズモンド鉄（osmond）を治めた木製の樽を引き揚げ。年輪年代によると船体は1540年代に建造され1553年ごろ修理。[Heritage Daily]
UK（イングランド）: ノース・ヨーク・ムーアズ（North York Moors）で、18世紀の石灰窯。[Teesside Live]

2024年6月1日（土）

千葉県: 流山市・野々下元木戸遺跡（ののしたもときどいせき）で、縄文時代と古墳時代のムラ跡や江戸時代の野馬土手など。流山市の調査。6/29現場見学会。
▶ 野々下元木戸遺跡の発掘現場見学会 [流山市]
トルコ: ムーラ県（Muğla il）とアイドゥン県（Aydın il）の間のラトモス山脈（Λάτμος；Latmos Mountains）にある新石器時代・紀元前6～前5千年紀の岩絵が、採掘やトレジャーハンターのため毀損の危機に。[Anatolian Archaeology]
カザフスタン: ジャンブール州（Жамбыл облысы；Zhambyl region）サルス郡（Сарысу ауданы；Sarysu district）のカラサイ谷で、青銅器時代～前期鉄器時代・3500年前の岩絵。野生のヒツジやフタコブラクダ、狩猟するヒトなどを描写。[LiveScience]
ドイツ: ザクセン＝アンハルト州（Land Sachsen-Anhalt）シェーネベック（Schönebeck）のマクデブルク通り（Magdeburger Straße）で、2500年前の人骨。[Volksstimme]
オランダ: オランダの1300年～1829年の人骨351体を分析し、オランダへのたばこの導入と消費について分析。1630年以前にはタバコが広く消費されていたことを確認。男女でたばこの消費の仕方父がいが認められるとともに、たばこがもっぱら男性の習慣として普及したという従来の説明には再検討の余地。
▶ Maia Casna, A. M. Davies-Barrett & S. A. Schrader (2024) Smoking histories: a bioarchaeological approach to tobacco consumption in two skeletal populations from The Netherlands (1300-1829 CE). Post-Medieval Archaeology. [Taylor & Francis Online]
フランス: ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏（Pays de la Loire）メーヌ＝エ＝ロワール県（Maine-et-Loire）アンジェ（Angers）にあるサン・モーリス大聖堂（Cathédrale Saint-Maurice d'Angers）の庭で、中世・1225年ごろ建てられ1807年に解体された回廊や石組。中世・11～12世紀の街路。礼拝堂の壁の一部など。80基以上の墓も。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶ Archéologie sur le parvis de la cathédrale Saint-Maurice à Angers (Maine-et-Loire) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
UK（イングランド）: ノーフォーク州（Norfolk）のホルム1遺跡（Holme I）、通称シーヘンジ（Seahenge）と、近隣のホルム2遺跡（Holme II）は、紀元前3千年紀の寒冷化に対し。長い夏を願う祭祀を行うためにつくられた可能性。55本のオーク材により紀元前2049年ごろ建てられた環状列木であるが、木材は春に伐採され、夏至の日の出を意識して配置。[Heritage Daily]
▶ David Alexander Nance (2024) Holme I (Seahenge) and Holme II: ritual responses to climate change in Early Bronze Age Britain. GeoJournal, Volume 89, article number 88. [SpringerLink]
▼シーヘンジ関連記事→2007年8月17日
UK（イングランド）: ウェスト・サセックス州（the county of West Sussex）チチェスター（Chichester）のプライオリ・パーク（Priory Park）で、ノルマン朝・11世紀の城に連なる軍用道路橋。[BBC]
幼少期のストレス: 西部ユーラシアの旧石器時代56遺跡から出土したネアンデルタール人74人の歯423本とホモサピエンス102人の歯444本、合計867本について、エナメル質を調査し、低形成のあらわれかたを比較。ネアンデルタールとホモサピエンスでは、子供時代に同程度のストレスにさらされていたが、ストレスのさらされる時期に違い。ネアンデルタール人では離乳期以降の発育段階にストレスのピークがあり、ホモサピエンスでは離乳期前後。成長期にエネルギー消費が増すと栄養失調のリスクも高まるが、ホモサピエンスではこの時期に子供を保護し、多くの食料を与えるなどしてサポートしたと推定。
▶ Stress in der Kindheit: Unterschiede zwischen Neandertalern und modernen Menschen der Altsteinzeit [Archaeologie Online]
▶ Laura Sophia Limmer, Matteo Santon, Kate McGrath, Katerina Harvati & Sireen El Zaatari (2024) Differences in childhood stress between Neanderthals and early modern humans as reflected by dental enamel growth disruptions. Scientific Reports, volume 14, Article number: 11293. [Scientific Reports]
モロッコ: 古代都市ヴォルビリス（Volubilis）北方のZeggota Pass近くで、ローマ時代の見張り台。[Yabiladi]

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