2024年5月20日(月)
- 岡山県
- 真庭市・小林河原遺跡で後期旧石器時代初頭期の局部磨製石斧と隠岐島産の黒曜石で作られた台形様石器。城山東遺跡から出土した炭化材の放射性炭素年代は約34,000〜36,000年前で近畿・中国・四国地域で最古級。
▶ 現生人類(ホモ・サピエンス)の日本列島への到達・定着過程を示す遺跡の発掘調査成果―中国山地の遺跡年代値などから所謂「日本人」の起源解明に迫る― [中央大学] - 鹿児島県
- さつま町の山中で、種子梵字が刻まれた磨崖仏。近隣の大願寺跡に関連か。さつま町教育委員会の調査。[南日本新聞]
- 格子文タタキ
- 日本列島の26遺跡で出土した弥生時代後期から飛鳥時代初頭の在来土器に施された格子文タタキを検討。弥生時代後期〜終末期の格子文タタキの多くは在来の平行文タタキが格子文に置換した。古墳時代前期以降は、朝鮮半島の製作技法の中で格子文タタキが使われているものもあったが、採用はごく一部。朝鮮半島から到来する数々の新しい文化要素は、取捨選択して受容された。
▶ 寺井誠2024「在来土器に施された格子文タタキ」大阪歴史博物館研究紀要藍22号[J-STAGE] - オーストラリア
- ヴィクトリア州(Victoria)で、ヤラベンド精神病院(Yarra Bend Lunatic Asylum)の遺構。1840年代から80年以上続いたのち、1920年代に埋まる。[Australian Broadcasting Corporation]
- イラン
- ファールス州(Ostān-e Fārs) のナクシェ・ロスタム遺跡(Naqsh-e Rostam)のクセルクセス1世(Xerxes I;在位前〜前465年)の墓に、雨による浸食のおそれ。[Tehran Times]
2024年5月19日(日)
- 京都市
- 上京遺跡(かみぎょういせき)などの出土品がオークションサイトに出品。収蔵庫から盗まれて横流しされたものではないかとネットで話題に。
- 韓国
- 全北 南原市 王亭洞・萬福寺跡(マンボクサあと)で、高麗時代の石造仁王像2躯、幢竿支柱の基壇、銘文瓦など。[全北日報]
▼萬福寺跡関連記事→2009年8月31日 - トルコ
- アドゥヤマン県(Adıyaman ili)の古代都市ペッレ(Πέρρη;Perre)で、1500年前の大規模なモザイク床。[Anatolian Archaeology]
▼古代都市ペッレ関連記事→2022年10月6日 - リトアニア
- リトアニアの10遺跡から出土したローマ以前とローマ時代の磨研土器(Burnished pottery)88点を分析。後期線条文土器(Late Striated Pottery)と比較すると、混和材の大きさや焼成条件は異なるが、化学的な特徴は合致。また、その他の自然混入物は遺跡ごとに異なり、各遺跡では時代を超えて、製作技法が異なっても共通の混入物がみられる。磨研土器は在地生産。
▶ Mantas Valančius, Rokas Vengalis, Przemysław Niedzielski (2024) The unique aspects of the Burnished pottery of the pre-Roman & Roman periods in Lithuania: Study of ceramic technology and provenance in glacial-formed environment. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104582. [ScienceDirect] - USA
- メリーランド州(State of Maryland)のパーソンズ島(Parsons Island)で出土した遺物のうち、炭化物の年代が20500年前〜15000年前。人類が北米大陸に到達した時期がさかのぼる可能性。[The Washington Post]
2024年5月18日(土)
- 埼玉県
- 本庄市・東本庄遺跡(ひがしほんじょういせき)で平安時代前期・9世紀前半の緑釉陶器の合子。猿投窯産。嵯峨天皇の離宮・冷然(泉)院跡一帯で出土したものと形状が一致。公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団の調査。[東京新聞]
▼東本庄遺跡関連記事→2022年8月4日 - 山梨県
- 甲府市・伊勢町遺跡(いせちょういせき)で、弥生時代の建物跡や方形周溝墓、礫床木棺墓土器など。甲府市教育委員会の調査。[朝日新聞]
- 長野県
- 塩尻市・内畑遺跡で、平安時代の竪穴住居跡5軒。塩尻市教育委員会の調査。[市民タイムスWEB]
- ベトナム
- ターイグエン省(Thai Nguyen)ヴォーニャイ県(Vo Nhai)Than Sa社のNguom Stone Roof遺跡で、12万年前〜6万年前の遺物。[VietnamPlus]
- インド
- アッサム州(Assam)ソニットプール郡(Sonitpur)シングリ(Singri)の寺院でアーホーム王国(Ahom)以前の遺物[The Times of India]
- トルコ
- タルサ(Tharsa)で2000年前の墓。ウシの頭の装飾2個(ブクラニオン)の装飾で墓を守護。[Anatolian Archaeology]
- ポーランド、リトアニア、ロシア
- バルト海東部(ポーランド、リトアニア、ロシア連邦カリーニングラート州)の9遺跡から出土した生贄のウマ80頭を分析。オス66%、メス34%で雌雄双方を含む。スウェーデン中東部かフィンランド南部から輸入されたウマも3頭含み、いずれも11〜13世紀。 バルト海の異教徒はすでにキリスト教化したスカンディナヴィアからウマを輸入し、頭を切り落としたり、生き埋めにして生贄に。[LiveScience]
▶ Katherine M. French, Adrianna D. Musiał, Maciej Karczewski, Linas Daugnora, Roman Shiroukhov, Katarzyna Ropka-Molik, Tadeusz Baranowski, Mindaugas Bertašius, Konstantin Skvortsov, Paweł Szymański, Izabela Mellin-Wyczółkowska, Anna Gręzak, Dariusz Wyczółkowski, Aleksander Pluskowski, Morten Andersen, Marc-Alban Millet, Edward Inglis, and Richard Madgwick (2024) Biomolecular evidence reveals mares and long-distance imported horses sacrificed by the last pagans in temperate Europe. Science Advances, Vol 10, Issue 20. [Science Advances] - ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)ザーレ郡(Saalekreis)ナウェンドルフ(Nauendorf)で、新石器時代・バールベルゲ文化(Baalberger Kultur)・6000年前の「死者の家」(Totenhütte)2基。いずれにも人骨。[Stuttgarter Zeitung]
- フランス
- ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(Pays de la Loire) ロワール=アトランティック県(Loire-Atlantique)サヴネ(Savenay)で、第一次世界大戦当時の米軍病院跡。1917〜1919年に使用。
▶ Un hôpital militaire américain de la Première Guerre mondiale mis au jour à Savenay (Loire-Atlantique) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2024年5月17日(金)
- 福島県
- 福島県内の23の博物館などのうち、半数以上(回答のあった22施設のうち13施設)で収蔵庫がすでに満杯となっていて、活動に支障をきたしかねない深刻な事態。[NHK]
- 富山県
- 朝日町・不動堂遺跡(ふどうどういせき)で、国の史跡の現状辺境許可を富山県教育委員会に申請をしないまま、朝日町教育委員会が伐採や剪定を実施。[毎日新聞]
- 北九州市
- 門司区の鉄道遺構に関連して、北九州市は、調査対象を明治期の遺構に限定し、大正期や昭和期を除外する考え。北九州市議会教育文化委員会で複数の委員から、「大正、昭和期は重要ではないのか」と質問が相次ぐ。[西日本新聞]
- トルコ
- メルスィン県(Mersin il)シリフケ(Silifke)沖のダナ島(Dana Adası;Dana Island)で、青銅器時代の造船所から多数の船。[Hürriyet Daily News]
▼ダナ島の造船所関連記事→2023年11月1日 - キプロス
- 人口統計モデルを用いて、キプロスにヒトが最初に居住したのは14257年前〜13182年前と推定。1000人〜1375人の集団が100年以内に2〜3回渡来。当時は狩猟採集民。従来、キプロスへの渡来は新石器時代以降の農耕民によると考えられていた。
▶ Corey J. A. Bradshaw, Christian Reepmeyer, Frédérik Saltré, Athos Agapiou, Vasiliki Kassianidou, Stella Demesticha, Zomenia Zomeni, Miltiadis Polidorou, and Theodora Moutsiou (2024) Demographic models predict end-Pleistocene arrival and rapid expansion of pre-agropastoralist humans in Cyprus. Proceedings of the National Academy of Sciences, 121 (21) e2318293121. [PNAS] - 東欧・中欧
- 東欧・中欧の旧石器時代に見られ、マンモスの骨で作った建築、アノソヴォ=メジン型(аносовско-мезинского типа;Anosovo-Mezin type)骨建築について研究。住居跡とはみなすことができず、建築した者の宗教的な観念に由来すると思われる。
▶ Konstantin N. Gavrilov (2024) Who lived in the Mammoth Bone Dwellings? L'Anthropologie. [ScienceDirect] - イタリア
- ヴェネト州(Regione del Veneto)パドヴァ(Padova;Padua)の前期鉄器時代・紀元前1千年紀の鋳物工房で発見された暗色土器を分析。在地産ではあるが、粘土を精製して大きな粒子を除去し、混和材によって調整するなど、高度に専門化していることが窺われる。
▶ Elena Mercedes Pérez-Monserrat, Vanessa Baratella, Lara Maritan, Massimo Vidale (2024) Dark pottery from the early Iron Age in southern Veneto, Italy: The provenance issue under the adoption of specific technological procedures. Applied Clay Science, Volume 255, July 2024, 107418. [ScienceDirect] - ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)の前期新石器時代〜青銅器時代・紀元前5450年〜前1000年の17遺跡で出土した土器124点を分析。うち109点に脂質が残留。新石器時代・バールベルゲ文化(Baalberger Kultur)・紀元前4000年紀には、土器型式の革新に関連して、乳製品の消費が増加。乳製品の利用は鐘状ビーカー文化(Bell Beaker culture)・・紀元前3千年紀にも継続したが、葬送の場面での縄目文土器文化(Corded Ware culture)では、非反芻動物の利用が窺われる。前期青銅器時代・ハルツ・ウーニェティツェ群(Harz Únětice)では、多様な動物利用。
▶ Adrià Breu, Roberto Risch, Elena Molina, Susanne Friederich, Harald Meller, Franziska Knoll (2024) Pottery spilled the beans: Patterns in the processing and consumption of dietary lipids in Central Germany from the Early Neolithic to the Bronze Age. PLOS ONE, 19(5): e0301278. [PLOS ONE] - オランダ
- ナイメーヘン(Nijmegen)で2001年に発見された鉛の棺に納めて葬られたローマ時代の女性遺体「鉛の女」(Lead Lady)は、裕福な女性といられていたが、召使だった可能性。鉛の棺は、古いものを裏返しにして再利用したもので、女性の新調160cmに対して、長さ2mの棺。女性の歯には革や植物を加工するために歯を使っていた痕跡。[Dutch News]
- スペイン
- ピレネー山脈(Pyrenees)のトッサル・デ・バルタルガ(Tossal de Baltarga)で、鉄器時代・2200年前の大規模な火災にあった住居跡。ハンニバル(Hannibal)率いるカルタゴ軍によって焼き討ちされた跡か。[LiveScience]
▶ Oriol Olesti, Jordi Morera, Joan Oller, Jose M. Carrasco, Lídia Colominas, Marta Portillo, Anna Berrocal, Oriol Lopez-Bultó, Laura Obea, Nadia Tarifa, Paula Tárraga, Joaquim Sisa-López de Pablo, Chiara Messana (2024) The exploitation of mountain natural resources during the Iron Age in the Eastern Pyrenees: the case study of production unit G at Tossal de Baltarga (Bellver de Cerdanya, Lleida, Spain). Frontiers in Environmental Archaeology, Volume 3. [Frontiers]
▼カタルーニャ州(Cataluña)リェイダ県(Província de Lleida)バルベー・ダ・サルダーニャ自治体(Bellver de Cerdanya)
▼トッサル・デ・バルタルガ関連記事→2021年6月20日 - 英王室属領ガーンジー
- オルダニー島(Alderney)ロンギス(Longis Common)の西端で、ローマ帝国ウァレンス帝(Valens;328〜378年;在位364〜378年)・4世紀後半の金貨。[BBC]
- エジプト
- 古代エジプトの大ピラミッドの近くに、ナイル川の失われた支流(アフラマト支流)があり、支流とピラミッドは道路でつながっていた。支流はピラミッド建立のため労働者や資材を運ぶため利用されたと推定。
▶ Eman Ghoneim, Timothy J. Ralph, Suzanne Onstine, Raghda El-Behaedi, Gad El-Qady, Amr S. Fahil, Mahfooz Hafez, Magdy Atya, Mohamed Ebrahim, Ashraf Khozym & Mohamed S. Fathy (2024) The Egyptian pyramid chain was built along the now abandoned Ahramat Nile Branch. Communications Earth & Environment, volume 5, Article number: 233. [Communications earth & environment] - 南アフリカ
- マハリスバーグ(Magaliesberg)のブルーデールストロアーム(Broederstroom)で出土した前期鉄器時代の骨器110個の製作技術を分析し、クルーガー洞窟(Kruger Cave)やシュビリー岩陰遺跡(Jubilee Shelter)の出土品と比較。クルーガー洞窟のものはよく似ているが、シュビリー岩陰遺跡のものとは全く異なる。ブルーデールストロアームが在地の農民によりつくられたものであることを示す。
▶ Justin Bradfield (2024) The technology and microwear of the bone tools from Broederstroom, an Early Iron Age site in the Magaliesberg, South Africa. Azania: Archaeological Research in Africa. [Taylor & Francis Online]
2024年5月16日(木)
- 北海道
- 江差町の江差港内に沈む開陽丸について、保護用としてかぶせられた銅網を撤去し、砂と特殊シートで埋め戻して保存へ。埋め戻し前に船体を水中撮影しCG立体映像を制作。江差町教育委員会の方針。[北海道新聞]
▼開陽丸関連記事→2024年1月17日 - 岐阜県
- 高山市・中切日焼遺跡で、飛鳥時代・平安時代・近世の遺構や遺物。岐阜県文化財保護センターの調査。
▶ 中切日焼遺跡の調査成果を紹介します [岐阜県文化財保護センター]
▼中切日焼遺跡関連記事→2019年11月22日 - 北九州市
- 門司区の明治時代の鉄道遺構をめぐり市民らでつくる「初代門司港駅跡の保存を求める会」が5/15北九州市に対し現地保存を求める署名1341筆を提出。[西日本新聞]
- 北九州市
- 門司区で見つかった明治時代の初代門司駅関連遺構をめぐり、北九州市が4/26-5/1に行った試掘で、枕木や線路跡、れんが状遺構などが出土。[西日本新聞]
- 福岡県
- 那珂川市・妙法寺6号墳で、4〜5世紀とみられる方格T字鏡。鈕に紐とみられる繊維が付着。那珂川市教育委員会5/15発表。[西日本新聞]
- パプアニューギニア
- ビスマルク諸島(Bismarck Archipelago)の前期ラピタ時代・紀元前3300/3200年〜前3100年の13の集団について、土器のモチーフの類似性と中心性分析を行い、土器や黒曜石のデータと対比し、社会ネットワークの変化を調査。
▶ Nicholas W. S. Hogg, Scarlett Chiu, Patrick V. Kirch, Glenn R. Summerhayes (2024) A network of designs: studying Early Lapita exchange networks in the Bismarck Archipelago, Papua New Guinea through Social Network Analysis. Archaeology in Oceania, Early View. [Taylor & Francis Online] - イラク
- マイサーン県(Maysan Province)のテル・ワジャフ(Tell Wajef)で、ウバイド文化(Ubaid)と、ザグロス山脈のHazineh-Mehmeh時代に関連した集落跡。[bne IntelliNews]
- トルコ
- バルケスィル県(Balıkesir il)ブルハニエ郡(Burhaniye)のレシトキョイ・ダム(Reşitköy Dam.)水没予定地区で、後期ローマ時代〜前期ビザンティン時代・4〜7世紀の教会、洗礼場、墓、農産物貯蔵所、ワイン醸造所、土器窯など。[Anatolian Archaeology]
- イタリア
- カンパーニャ州(Regione Campania)のポンテカニャーノ墓地(Pontecagnano)で出土したエトルリア・紀元前730年〜前580年のヒトの歯の窒素と炭素の安定同位体分析。C3食物を主に摂取し、動物性たんぱく質もわずかに摂取。0.6歳までは母乳で育児。0.7〜2.6歳が離乳期。
▶ Giulia Riccomi, Rachele Simonit, Ségolène Maudet, Erin Scott, Mary Lucas, Valentina Giuffra, Patrick Roberts (2024) Diets, stress, and disease in the Etruscan society: Isotope analysis and infantile skeletal palaeopathology from Pontecagnano (Campania, southern Italy, 730-580 BCE). PLOS ONE, 19(5): e0302334. [PLOS ONE]
▼カンパーニャ州(Regione Campania)サレルノ県(Provincia di Salerno)
▼ポンテカニャーノ墓地関連記事→2023年10月9日 - スペイン
- セビリア県(Sevilla;Seville)のサンタ・マリーア・ラ・ブランカ教会(Santa Maria la Blanca)で、中世・17世紀半ばのシナゴーグ跡。[The Jerusalem Post]
- エストニア
- サーレマー島(Saaremaa)のレプナ(Lepna)とヴィードゥマエ(Viidumäe)で出土した、民族移動時代・450〜550年と先ヴァイキング時代・550〜800年の埋葬人骨を安定同位体分析し、食生活を研究。水産資源は最低限に抑えられ、主に陸生資源を摂取。動物遺体からも支持。エストニアの青銅器時代・紀元前1750年〜前500年や中世・1225〜1550年のデータとも整合するが、ラトビア、ポーランド、デンマーク、スウェーデン、フィンランドの鉄器時代遺跡とは一致しない。
▶ Maris Niinesalu-Moon, Marika Mägi, Liina Maldre, Freydis Ehrlich, Lembi Lõugas, Aivar Kriiska, Ester Oras & Mari Tõrv (2024) Dietary stable isotope analysis on fifth-ninth century AD populations of Lepna and Viidumäe, Saaremaa Island, Estonia. The Journal of Island and Coastal Archaeology. [Taylor & Francis Online] - USA
- ヴァージニア州(Commonwealth of Virginia)の歴史公園コロニアル・ウィリアムズバーグ(Colonial Williamsburg)内で、アメリカ独立革命のころの兵舎跡。[WAVY]
▼コロニアル・ウィリアムズバーグ関連記事→2023年8月10日 - ペルー
- ラ・リベルター県(La Libertad)ビル郡(Provincia de Virú)で、モチーカ文化(Mochica)の地上絵をドローンでマッピング。[Andina]
2024年5月15日(水)
- 北海道
- 礼文島(Rebun)の浜中2遺跡(はまなか2いせき;Hamanaka 2)で見つかった縄文時代晩期の祭祀遺構について分析、土器片の上に海生哺乳類の頭蓋骨を載せ、頭蓋骨の上と周囲には石器を置く。石器の分析によると、石器のうち8点は肉の解体に用いられた。
▶ Aleksandr Ulanov, Hirofumi Kato (2024) Usage of lithic tools in the ritual context of Final Jomon period: Case study of Hamanaka 2 site, Rebun Island, Hokkaido Prefecture, Japan. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 56, June 2024, 104577. [ScienceDirect] - 栃木県
- 小山市・琵琶塚古墳(びわづかこふん)の整備事業で、小山市が文化庁の現状変更許可を受けず事業に着手していた問題で、小山市が不適切事務の検証結果を公開。(1)担当者の心身不調(2)属人的な業務遂行・情報共有不足(3)慢性的な業務過多(4)県への依存的体質(5)法令等調査・確認の不徹底を原因として挙げる。[下野新聞]
▼琵琶塚古墳関連記事→2024年3月29日 - 生体解剖事件
- 太平洋戦争の終戦直前に吸収帝国大学で捕虜の米兵8人が実見手術で殺害された「生体解剖事件」に関し,手術に立ちあった医師が残した資料が九州大学医学部に寄贈された。[朝日新聞]
- 韓国
- 慶州・石窟案(ソックラム;せっくつあん)の創建年代は、新羅の聖徳王代・706〜711年にさかのぼる。仏像の様式や仏教思想の観点から、『三国遺事』仁基づいた750年ごろとする説を否定。閔丙賛・元国立中央博物館彫の研究。[朝鮮日報]
- ギリシャ
- Achilleion遺跡、Platia Magoula Zarkou遺跡、Revenia Korinos遺跡、Paliambela Kolindros遺跡で出土した前期新石器時代〜中期新石器時代の石器は、脱穀用そり(Threshing sledge)トリブルム(tribulum)に用いられた可能性。使用痕分析に定量的な分析もあわせて、脱穀用石器の損耗パターンを研究し、脱穀以外の植物の加工・調理と識別。ギリシャでは前期新石器時代・紀元前6500年には脱穀そりを使用。脱穀そりは大量の穀物を処理することを可能にするもので、南西アジアやヨーロッパで後期新石器時代/銅石器時代〜前期青銅器時代の例が知られている。
▶ N. Mazzucco, J.J. Ibáñez, P. Anderson, K. Kotsakis, A. Kita, F. Adaktylou, J.F. Gibaja (2024) Use-wear evidence for the use of threshing sledges in Neolithic Greece. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 56, June 2024, 104579. [ScienceDirect] - リトアニア
- ヴィリニュス(Vilnius)のヴェルキアイ公園(Verkiai Manor Park)で、中世・13〜14世紀の墓。[LRT]
- ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)ディンゴルフィング=ランダウ郡(Landkreis Dingolfing-Landau)アイヒェンドルフ(Eichendorf)のエクシング(Exing)で6800年前の墓。[Rhein-Neckar-Zeitung]
- ルクセンブルク
- ノイミュンスター修道院(Neumünster Abbey)で中世・16〜17世紀の人骨。[RTL]
- スペイン
- グアダラハラ県(Provincia de Guadalajara)にあるソリタ・デ・ロス・カネス城(Zorita de los Canes)の教会墓地に埋葬された、12〜15世紀のカラトラバ騎士団(Orden de Calatrava)のメンバー25人の人骨について、骨コラーゲンの炭素と窒素の安定同位体を分析。鶏肉と海産の魚に富む食生活。騎士修道会が下級貴族や都市エリートで構成されていたという歴史資料に合致。
▶ Patxi Pérez-Ramallo, Carme Rissech, Lluis Lloveras, Mary Lucas, Dionisio Urbina, Catalina Urquijo & Patrick Roberts (2024) Unravelling social status in the first medieval military order of the Iberian Peninsula using isotope analysis. Scientific Reports, volume 14, Article number: 11074. [Scientific Reports]
▼カスティーリャ=ラ・マンチャ州(Castilla-La Mancha)
2024年5月14日(火)
- 京都府
- 木津川市に所在する、大坂城再建のための石材、いわゆる「残念石」が大阪・関西万博のトイレ建築に活用する計画のため5/13搬出。識者は「本質的な価値が伝わらず文化財の活用とは言えない」と批判。[毎日新聞]
- 韓国
- 京畿道 抱川市 二東面の白雲山にある興龍寺(フンニョンサ)跡で1924年に出土し、現在、国立中央博物館が所蔵する統一新羅時代末期の鉄仏2体の手の部分が、出土時にはあったが現在は紛失している疑い。[中央日報]
- 中国
- 雲南省(Yunnan)の横断山脈(Hengduan)のメコン川上流にあるJicha遺跡で、青銅器時代の集落と、銅を基盤とした産業活動跡。青海チベット高原の東側回廊を利用した南北方向のヒトと技術の移動を示す。
▶ Jie Fu, Yuniu Li, Changcheng Hu, Gaoyuan Pan, Xiuyun Yang, Qionghui He, Charles Higham and Yingfu Li (2024) Southbound transmission of metallurgy: new excavations at Jicha in the Hengduan Mountains, Yunnan. Antiquity, First View, pp. 1 - 8. [Cambridge Core] - フィリピン
- 東サマル州(Province of Eastern Samar)ギウアン(Guiuan)で、子供の壺棺再葬墓。宋代・1200年以前の青磁出土。[Daily Tribune]
- インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)カダルール県(Cuddalore district)パンルッティ郡(Panruti)のテンペナイ川(Thenpennai)の川底からヴィジャヤナガル王国(Vijayanagar)・15世紀の銅貨。[The New Indian Express]
- アルバニア
- ドゥラス(Durrës)で、ローマ時代・1600年前の邸宅に、室内プール。[Arkeonews]
- ハンガリー
- ヴィシェグラード(Visegrád)で、14世紀の教会跡。崩壊した地下室には兵士とみられる遺体。ハンガリー王ジグモンド(Zsigmond;Sigismund)が建立。16世紀にオスマン帝国に占領された時に崩壊したと推定。[Arkeonews]
▼ヴィシェグラード関連記事→2024年1月7日 - ドイツ
- 北ドイツのノイシュタットLA156遺跡(Neustadt LA 156)で水中から出土した後期中石器時代・エルテベレ文化(Ertebøllekultur;Ertebølle culture)〜前期新石器時代・フンネルビーカー文化(Funnel Beaker Culture)の砂岩製の石板を分析。植物性の食糧の調理や、動物性の組織の可能のために用いられた。
▶ Daniela Holst, Emanuela Cristiani, Andrea Zupancich, Ivan Calandra (2024) Functional analyses on sandstone slabs from the submerged Mesolithic/Neolithic site of Neustadt LA 156 (Northern Germany). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 56, June 2024, 104572. [ScienceDirect] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) イヴリーヌ県(Yvelines)マント=ラ=ジョリー (Mantes-la-Jolie)のマルシェ・オ・ブレ広場(la place du Marché au Blé)で、墓10基と、17世紀の地下室。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶ Sous la place du Marché au Blé à Mantes-la-Jolie (Yvelines) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- 北東部の8遺跡から出土した中期・後期新石器時代〜中期青銅器時代の成人人骨84体の歯に損耗パターンを分析。
▶ R. Hernando, M. Á. Moreno-Ibáñez, E. Carbonell, A. Cebrià, J. Daura, C. Díez-Canseco, M. Edo, J. M. Fullola, J. I. Morales, F. X. Oms, I. Ramírez-Pedraza, M. Sanz, M. E. Subirá, C. Tornero, J. M. Vergès, M. Lozano (2024) Eating through time: Understanding dietary practices across late prehistory in the northeastern Iberian Peninsula. American Journal of Biological Anthropology, Early View. [Wiley Online Library] - UK(イングランド)
- グロスター(Gloucester)で、中世の城跡。ノルマン朝で単純なモット・アンド・ベーリー(Motte-and-bailey)として築造され、増改築が繰り返され、13世紀には貴族やイングランド王の居城となった。15〜17世紀には衰退して石材が転用され、1787年以降、天守(keep)も取り壊された。Cotswold Archaeologyの調査。[Heritage Daily]
- UK(イングランド)
- デヴォン州(Devon)のダートムーア国立公園(Dartmoor National Park)で、青銅器時代・4000年前の墓室。[DevonLive]
2024年5月13日(月)
- 韓国
- 慶州市・吐含山(トハムサン)で、昨年9月の台風により24カ所の山崩れ。石窟庵(ソックラム)にも危険が及ぶ可能性があると環境団体「緑色連合」が5/13報告書で指摘。政府は3月から複数部署で協議し、梅雨入りする6月末には復旧を完了する方針。[聯合ニュース]
- ポーランド
- シフィエントクシスキエ山地(Góry Świętokrzyskie;Świętokrzyskie Mountains)で、17世紀前半〜18世紀初頭の金貨や銀貨。隠者でニセ予言者のアントニ・ヤチェヴィツァル(Antoni Jaczewiczar)に関連した遺物。ヤチェヴィツァルは、大北方戦争(1700〜1721年)中の1708〜1712年にペスト流行した時に、人々の絶望につけこみ、癒しと保護の力を持つと主張して金儲けをした。逮捕されたが裁判中に逃げ帰り、再び逮捕された。[Heritage Daily]
▼シフィエントクシスキエ山地関連記事→2021年9月25日
2024年5月12日(日)
- イラン
- アルダビール州(Ostān-e Ardabīl)パールサバード郡(Parsabad County)・ウルタン砦(Ultan Qalasi)で、鉄器時代の墳墓。[Tehran Times]
▼ウルタン砦関連記事→2009年8月16日 - イラン
- エスファラーイェン郡(Esfarayen)のバム村(Bam)のベルケイス城(Shahr-e Belqeys)で、1500年前の城壁が崩壊。修復に問題があったためか。[Arkeonews]
- スーダン
- ナイル川流域のヌビア(Nubia)と中央スーダン(Central Sudan)の後期旧石器時代〜新石器時代の329個体の歯を分析し、狩猟採集から食料生産への移行について研究。後期旧石器時代や中石器時代の試料には格差が少ないが、紀元前6000年以降の新石器時代からは大きく異なり、ヌビアと中央スーダンの間にも違いがある。変化は急激で、食料生産のためばかりでなく、集団が入れ替わった可能性も。
▶ Nicolas Martin, Adrien Thibeault, Lenka Varadzinová, Stanley H. Ambrose, Daniel Antoine, Petra Brukner Havelková, Matthieu Honegger, Joel D. Irish, Piotr Osypiński, Donatella Usai, Nicolas Vanderesse, Ladislav Varadzin, Rebecca J. Whiting, Petr Velemínský, Isabelle Crevecoeur (2024) From hunter-gatherers to food producers: New dental insights into the Nile Valley population history (Late Paleolithic-Neolithic). American Journal of Biological Anthropology, Early View. [Wiley Online Library] - スーダン
- ワーディー・ハルファ(Wadi Halfa)の東側のアトバイ砂漠(Atbai Desert)で、船やウシを描いた5000年前のロックアート。[Cosmos]
▶ Julien Cooper and Dorian Vanhulle (2023) Rock Art Surveys in the Sudanese Eastern Desert: Results of the 2018-2019 Atbai Survey Project. The Journal of Egyptian Archaeology, Volume 109, Issue 1-2. [SAGE journals]
2024年5月11日(土)
- イラン
- ハマダーン州(Hamedan)で、イルハン朝・1256〜1335年などの遺物。[Tehran Times]
- クロアチア
- スプリト(Split)沖のアドリア海で、水中スキャンにより海底地形を調査。海面上昇以前の河川や丘陵など、人類の生活した環境。
▶ [University of Bradford] - ドイツ
- ドイツ国内の5遺跡から出土した前期旧石器時代〜後期旧石器時代の、人為的な加工を受けたクマ科の骨について研究。特に後期旧石器時代に多い。食料や原材料として、ときおり利用。
▶ Giulia Toniato, Gabriele Russo, Ivo Verheijen, Jordi Serangeli, Nicholas J. Conard, Dirk Leder, Thomas Terberger, Britt M. Starkovich, Susanne C. Münzel (2024) A diachronic study of human-bear interactions: An overview of ursid exploitation during the Paleolithic of Germany. Quaternary Science Reviews, Volume 333, 1 June 2024, 108601. [ScienceDirect]
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