考古学のおやつ/NEWSLINK

2023年9月10日（日）

イラン: 北ホラーサーン州（Ostān-e Khorāsān-e Shomālī；North Khorasan province）ファールージ（Faruj）のヴィランシャフル遺跡（Viranshahr）で、パルティア時代の厚さ3mの土作りの城壁。[Tehran Times]
▼ヴィランシャフル遺跡関連記事→2023年7月31日
トルコ: スィイルト県（Siirt ili）のバシュル・ホユク古墳（Başur Höyük）の前期青銅器時代の墓地で出土した繊維製品を分析。
▶ Haluk Sağlamtimur, Fatma Gündüz Balpetek, Gamze Süpüren Mengüç, Metin Batıhan, İnan Aydoğan, Öznur Özmen Batıhan, Serkan Boz, Andrej DemŠar (2023) Spectroscopic and microscopic analysis of yarn sample found in Başur Höyük Early Bronze Age Cemetery. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104190. [ScienceDirect]
▼バシュル・ホユク古墳関連記事→2020年2月25日
スペイン: アストゥリアス州（Principado de Asturias）カバンディ（Cavandi）で、鉄器時代・2500年前の金製トルク。[El País]

2023年9月9日（土）

福島県: いわき市・白水阿弥陀堂が、9/8-9の大雨のため浸水被害。9/8深夜に近くの川が氾濫して境内が水浸しとなり、国宝のお堂の中にも水が入った。[福島民友新聞]
京都市: 東山区・泉涌寺で、大門に油のようなしみ。国の重要文化財。文化財保護法違反の疑い。[時事通信]
パレスチナ（ヨルダン川西岸地区）: エルサレム（Jerusalem）のシロアムの池（Pool of Siloam）で、イエスが盲人を治療したという階段8段を2000年ぶりに発見。[The Jerusalem Post]
トルコ: ヴァン県（Van il）にあるアヤニス城（Ayanis Kalesi）で、紀元前8世紀の保存状態の良い人骨。エリート層に属す人物で、地震の犠牲者か。アヤニス城はウラルトゥ王国の中心的な都市。[LiveScience]
▼アヤニス城関連記事→2023年5月5日
トルコ: バルトゥン県（Bartın il）のアマスラ（Amasra）で、ギリシャ神話のニンフ（nymph）を表したローマ時代・2世紀の大理石像。[Heritage Daily]
ポーランド: ワルシャワ（Warszawa；Warsaw）のサスキ宮殿（pałac Saski；Saxon Palace）で、1930年代に軍事目的で建設された謎のトンネル発見。[Nauka w Polsce]
▼サスキ宮殿関連記事→2023年2月2日
スペイン: ミジャレス（Millares）のクエバ・ドネス（Cueva Dones）で、旧石器時代・24000年前の洞窟芸術の集中地帯を発見。彩色や線刻などに110か所。[Heritage Daily]
バレンシア州（Valencia）のコバ・ドネス（Cova Dones）で、旧石器時代のロックアート。地中海地域の後期旧石器時代では異例で、イベリア半島東海岸では従来知られていなかった。
▶ Aitor Ruiz-Redondo, Virginia Barciela and Ximo Martorel (2023) Cova Dones: a major Palaeolithic cave art site in eastern Iberia. Antiquity, First View, pp. 1 - 5. [Cambridge Core]
エチオピア: ポーク・エピック洞窟（Porc-Epic Cave）で出土した、アフリカ中期石器時代の黄土4213個を分析。黄土の加工技術の進化を確認。
▶ Daniela Eugenia Rosso, Martine Regert & Francesco d’Errico (2023) First identification of an evolving Middle Stone Age ochre culture at Porc-Epic Cave, Ethiopia. Scientific Reports, volume 13, Article number: 13261. [Scientific Reports]
▼ポーク・エピック洞窟関連記事→2017年5月25日

2023年9月8日（金）

群馬県: 利根郡昭和村・森下宮原遺跡（もりしたみやばらいせき）で古代の集落。95号竪穴建物から、袖部から煙道まで全長2.7mの石組カマド。10世紀の深さ2mの落とし穴（151号土坑）。公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団の調査。
▶森下宮原（もりしたみやばら）遺跡 [公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団]
兵庫県: 朝来市・竹田城跡（たけだじょうあと）で、新たに花屋敷と平殿の接合部で石畳、斜面から石段。豊臣政権下の大規模な城普請（築城）が行われていたことを示す。朝来市教育委員会の調査。9/23現地説明会。[両丹日日新聞]
▶竹田城跡発掘調査の現地説明会を開催します [朝来市教育委員会]
▼竹田城跡関連記事→2023年2月20日
大分県: 宇佐市・ヲンタイ遺跡で、中世の土坑、柱穴、溝、墓など。13～14世紀に集落形成。また、近世以降の石積や溝など。大分県立埋蔵文化財センターの調査。
▶ヲンタイ遺跡発掘調査速報 [大分県立埋蔵文化財センター]
クロアチア: プーラ（Pula）沖のアドリア海で2013年に見つかったローマ時代の沈没船2隻について生物考古学的分析。
▶ Quentin Couillebault, David Kaniewski, Alba Ferreira Domínguez, Thierry Otto, Frédéric Luce, Giulia Boetto (2023) Bioarchaeology of ancient Adriatic ships: The Pula shipwrecks (Croatia). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104197. [ScienceDirect]
ドイツ: バイエルン州（Freistaat Bayern）で、ケルト・紀元前2～前1世紀の四花文の金貨。「rainbow cup」と呼ばれ、伝説では虹から地上に落ちたとされる硬貨。[LiveScience]
スペイン: エブロ川（Ebro）の河岸に沿ったラ・カバニェータ遺跡（La Cabañeta）で、ローマ時代の都市から広場。ラ・カバニェータ遺跡は紀元前2世紀に建設され、セルトリウスの反乱（Sertorian Wars）で破壊された。[LiveScience]
旧石器時代: 南アフリカ、東アフリカ、スペイン、フランスの9遺跡で前期石器時代～中期石器時代の移行期・30万年前の狩猟具と、獲物のサイズを対比。大型獣が絶滅し、小型獣を獲物にする必要から、狩猟用武器が槍から弓矢へと改良され、認知能力も向上した。[Phys.Org]
▶ Miki Ben-Dor and Ran Barkai (2023) The Evolution of Paleolithic Hunting Weapons: A Response to Declining Prey Size. Quaternary, 6(3), 46. [MDPI]
メキシコ: メキシコシティのチャプルテペク公園（Bosque de Chapultepec）で2018年に発見された「モクテスマの浴場」（Baños de Moctezuma）とされる遺構は、1870年に作られたエリート層のためのプール。メキシコ国立人類学歴史学研究所（Instituto Nacional de Antropología e Historia）の調査。[El País]
ペルー: プーノ県（Puno）のチチカカ湖（Titicaca）のアマンタニ島（Amantaní）にあるウクスヨ地区（Ucusuyo）とチョケカラ地区（Choquecalla）で、プレ・インカ時代の墓20基。[Andina]

2023年9月7日（木）

新潟県: 魚沼市・谷内遺跡で縄文時代中期後葉～後期前葉・4000年前の集落跡。竪穴住居跡や、ヒスイ。魚沼市の調査。8/26現地説明会。[新潟日報]
奈良県: 桜井市・桜井茶臼山古墳で出土した大量の鏡の破片について、三次元計測データをもとに破片を組み合わせたところ、103枚以上の鏡が副葬されていた。画文帯神獣鏡は19枚、三角縁神獣鏡は26枚。[NHK]
奈良県: 斑鳩町・舟塚古墳が6世紀後半の古墳であることを確認。横穴式石室が見つかり、鉄刀、馬具、須恵器などが出土。斑鳩町教育委員会と奈良大学の調査。9/9現地説明会。[奈良新聞]
▶【現地説明会の開催】舟塚古墳範囲確認調査について [斑鳩町]
鳥取県: 倉吉市・大御堂廃寺（おおみどうはいじ：第8次調査）で、寺跡の北東部分から築地塀を確認。倉吉市教育委員会の調査。9/16現地説明会。
▶大御堂廃寺の築地塀を確認！　史跡大御堂廃寺跡第８次発掘調査の現地説明会を開催します。[倉吉市]
▼大御堂廃寺跡関連記事→2001年10月19日
韓国: 忠清北道忠州市城内洞・忠州邑城跡（チュンジュゆうじょうあと）で昨年発見された大型建物跡は、「忠州史庫」と推定。史庫は朝鮮時代に朝鮮王朝実録などの国家の重要な記録を保管した。[NEWSIS]
イスラエル: ユダヤ砂漠のエン・ゲディ（En Gedi）にある洞窟で、ローマ時代・1900年前の剣4振り。132～135年のバル・コクバ（Bar Kokhba；Bar Kochba）の乱のとき、ローマ軍から奪って隠したものか。[LiveScience]
トルコ: ムーラ県（Muğla il）カヴァクルデレ郡（Kavaklıdere）のアサルジュク・テペ遺跡（Asarcık Tepe）で、中期青銅器時代、ヒッタイト時代、セルジューク朝の文化層。 [Heritage Daily]
トルコ: バルケスィル県（Balıkesir il）バンドゥルマ郡（Bandırma）の古代都市ダスキュレイオン（Daskyleion）で、紀元前5世紀のボードゲーム。フリギア文字で「バガバゾスのさいころゲーム」の銘文。[Arkeonews]
スイス: ヴォー州（Canton de Vaud）グランドン（Grandson）のヌーシャテル湖（lac de Neuchâtel；Neuenburgersee）で、鉄器時代の丸木舟を引き上げ。長さ12.30mで、保存良好。放射性炭素年代で紀元前750年～前520年。[The Swiss Times]
ノルウェー: ロム（Lom）のLauvhøi山近くで、石器時代・4000年前の矢柄。[NPR]
ノルウェー: スタヴァンゲル市（Stavanger）で6世紀の金製品発見。[Digital Journal]
USA: フロリダ州（State of Florida）キーウェスト（Key West）沖で、1622年に沈没したスペインのガレオン船サンタ・マルガリータ号（Santa Margarita）近くの海底から1980年に見つかった銅製品は、17世紀の原始的な潜水艦。沈んだスペインのガレオン船から貴重品を引き上げるために使用。[LiveScience]
ペルー: ミラフローレス地区（Miraflores）・ワカ・プクジャーナ遺跡（Huaca Pucllana）のピラミッドの頂上から、イチマ文化（cultura Ychsma；Ychsma culture）・1000～1450年の人骨や副葬品。[Andina]
▼ワカ・プクジャーナ遺跡関連記事→2015年11月27日
アルゼンチン: サンタ・クルス州（Provincia de Santa Cruz）パリ・アイケ火山域（Pali Aike volcanic field）にあるロマリオ・バリア岩陰遺跡（Romario Barría）で、リオ・チコ様式（Río Chico）の彩色岩絵3か所のAMS年代を測定。
▶ Liliana M. Manzi, Judith E. Charlin, Alexander Cherkinsky (2023) First AMS radiocarbon dating of Río Chico style paintings (southernmost Patagonia, Argentina): Older than expected. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104199. [ScienceDirect]

2023年9月6日（水）

長野県: 小諸市・万才海土遺跡（まんざいかいどいせき）で、佐久市の不動産業者が文化財保護法が義務付ける届け出をしないまま宅地造成工事に着手。長野県教育委員会が小諸市教育委員会と業者に工事の一時中止や遺跡の周知徹底を指導。[信濃毎日新聞]
イスラエル: 死海近くのウバイディヤ（Ubeidiya）で出土したアシュール文化・140万年前の石灰岩製の球体150個を三次元マッピング。人類が意図的に形づくったもの。平坦面を作り出し、計画的に成形。球体は東アフリカでオルドワン文化・250万年前に現れて各地に広がり、中期旧石器時代・3万年前までみられる。[The Times of Israel]
カザフスタン: アイナブラク村（Айнабұлақ；Ainabulak）で青銅器時代の墳墓。女性の墓から、青銅製品のほか、ヒツジのくるぶしの骨で作ったゲームの駒150個。[LiveScience]
ドイツ: アーヘン（Aachen）で、カロリング朝のパウ川運河（Paubachkanal）。年代測定により、661～772年に建設。ピピン3世（Pippin der Jüngere；714～768年）が建設か。[Stadt Aachen]
ベルギー: スヘルデ川（Schelde；Escaut；Scheldt）流域の中石器時代のキャンプ・サイトで発見されたハシバミの殻を分析。でハシバミの消費がボレアル期（Boreal period）中ごろにに激減。北ヨーロッパのほかの地域よりも古い。オークの急速な拡大による。
▶ Philippe Crombé, Annelies Storme, Yves Perdaen, Hans Vandendriessche (2023) The changing role of hazelnuts (Corylus avellana) in the Mesolithic diet: The Scheldt basin (W Belgium) as a case-study. Quaternary Science Reviews, Volume 317, 1 October 2023, 108295. [ScienceDirect]

2023年9月5日（火）

長野県: 上田市・上田城跡周辺の明治時代中ごろの写真をデジタル画像解析。武者だまりを囲んだ石垣や土塁の一部を確認。上田市教育委員会の調査。[信濃毎日新聞]
▼上田城跡関連記事→2023年4月6日
奈良県: 生駒郡斑鳩町・舟塚古墳で、埋葬施設の横穴式石室の全体が明らかに。斑鳩町教育委員会の調査。9/9現地説明会。
▶【現地説明会の開催】舟塚古墳範囲確認調査について [斑鳩町]
中国: 山西省右玉県楊千河郷で、万里の長城の一部が重機で破壊される。容疑者2人を逮捕。[新華社]
トルコ: キュタヒヤ県（Kütahya il）タヴシャンル郡（Tavşanlı）のタヴシャンル・ヒュユク遺跡（Tavşanlı Höyük）で、青銅器時代・紀元前1700年ごろの集落から、焼失家屋から逃げ遅れた男性人骨2体。保存状態がよく、脳や皮膚も残る。紀元前1700年ごろ大規模攻撃を受けて集落は廃絶したと推定。[Daily Sabah]
アルメニア: アララト渓谷（Ararat Valley）のマシス・ブルール遺跡（Masis Blur）で出土した新石器時代・紀元前6千年紀前半の動物遺体について、骨のコラーゲンの炭素（δ13C）と窒素（δ15N）、歯のエナメル質の炭素と酸素（δ18O）の安定同位体分析。ウシとヤギでは季節ごとの管理戦略が異なる。牧畜の初期の段階から、平原と山岳地帯の多様な環境を利用。マシス・ブルール遺跡は、南コーカサス最古の新石器時代遺跡の一つ。
▶ Anneke Janzen, Kristine Martirosyan-Olshansky, Adrian Bălăşescu (2023) Neolithic herding practices in the Southern Caucasus: Animal management in the early 6th millennium BCE at Masis Blur in Armenia’s Ararat Valley. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104084. [ScienceDirect]
ポーランド: ルブリン（Lublin）で中世・12～13世紀の墓。遺体には耳飾り、こめかみリング（temple ring）、前期中世の拍車、新石器時代の石斧などを伴う。15世紀になってペストの犠牲者を埋葬するのにこの墓地が利用された可能性。[The First News]
ドイツ: ザクセン＝アンハルト州（Land Sachsen-Anhalt）ブルゲンラント郡（Burgenlandkreis）フライブルク・アン・デア・ウンシュトルト（Freyburg an der Unstrut）のノイエンブルク城（Schloss Neuenburg）で、1100年ごろの八角形の塔。十字軍の兵士が目の当たりにしたコンスタンティノープルの市壁の塔をお手本にした可能性。
▶Konstantinopel als Vorbild?[Archaeologie Online]
フランス: ノルマンディー地域圏（Normandie）セーヌ＝マリティーム県（Seine-Maritime）イヴト（Yvetot）で、18世紀の墓地。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶Un cimetière de la fin de l’époque moderne étudié par les archéologues à Yvetot (Seine-Maritime) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
メキシコ: ミチョアカン州（Michoacán）パツクアロ（Pátzcuaro）で、後古典期後期・1350～1521年の玄武岩製の供物台チャクモール（chacmool）。原位置を離れた状態。[Heritage Daily]
ペルー: リマ県（Lima）バランカ郡（Barranca）スペ（Supe）のカラル遺跡（Caral）で、紀元前3000年～前1800年のピラミッド型の建物、円形広場、大階段など、聖なる都の縮尺模型。[Andina]
狩猟と性的分業: 過去における女性の狩猟者としての役割を裏付ける事例を紹介。旧石器時代に労働の性的分業があったという仮説には、支持する証拠がほとんどない。現代の性的役割が無批判に過去に投影されているだけ。
▶ Sarah Lacy, Cara Ocobock (2023) Woman the hunter: The archaeological evidence. American Anthropologist. [Wiley Online Library]
狩猟と性的的分業: 性的分業に関連して、持久的な活動には女性の方が代謝的に適していることを示す。考古学的なアプローチと合わせて、人類の進化の研究において重要な観点。
▶ Cara Ocobock, Sarah Lacy (2023) Woman the hunter: The physiological evidence. American Anthropologist. [Wiley Online Library]

2023年9月4日（月）

京都市: 東山区・善能寺で、山門に液体がかけられたような跡。[京都新聞]
岡山県: 津山市・高尾宮ノ前遺跡（たかおみやのまえいせき）で、佐良山古墳群（さらやまこふんぐん）に属す古墳1基と、同時期の集落を発見。岡山県古代吉備文化財センターの調査。9/23現地説明会。
▶高尾宮ノ前遺跡の現地説明会を開催します [岡山県]
▼佐良山古墳群関連記事→2020年5月3日
ロシア: シベリアのポル＝バジン遺跡（Пор-Бажын；Por-Bazhyn）はマニ教の僧院だった可能性。770年代にウイグル帝国の牟羽可汗（Bögü Khagan）がマニ教を受容しようとしたが、779年に反マニ教派のクーデタが起き、ポル＝バジン遺跡は放棄された。[Heritage Daily]
▼ポル＝バジン遺跡関連記事→2020年6月9日
ドイツ: ニーダーザクセン州（Land Niedersachsen）ヴィンゼン（Winsen）の中心部で中世の旧市庁舎や城壁、18～19世紀の墳墓などの遺構。[TAZ]
UK（イングランド）: クッカム（Cookham）にあるクッカム修道院（Cookham Abbey）で、大規模な木造遺構。[Heritage Daily]
UK（スコットランド）: アラン島（Isle of Arran）のドラマドゥーン（Drumadoon）で、新石器時代・紀元前4000年～前3000年の溝状遺構カーサス（cursus）。ブリテンでは唯一の完全な形のもの。[The Guardian]
▼ドラマドゥーン関連記事→2021年8月19日

2023年9月3日（日）

新潟市: 江南区・土居内遺跡（どいうちいせき）で、平安時代の土器や木簡。新潟市文化財センターの調査。9/30現地説明会。[新潟市]
石川県: 金沢市・近岡シタンダ遺跡で、弥生～古墳時代と奈良～平安時代の遺物多数。8～9世紀の墨書土器に「真」の文字が書かれており、遺跡の近辺に要所となる集落が存在した可能性。金沢市埋蔵文化財センターの調査。[北陸中日新聞]
スペイン: サラゴサ県（Provincia de Zaragoza）エル・ブルゴ・デ・エブロ（El Burgo de Ebro）で、ヒスパニア最古、2000年前のローマのフォルム（forum）。ローマ時代の都市名は不明であるが、カストラ・アエリア（Castra Aelia）に当たる可能性。[Arkeonews]
▼アラゴン州（Aragón）
UK（イングランド）: イングランドの中世遺跡に対する動物考古学的調査によると、中世・7世紀以降、教会領地に非常に多くのヒツジがいた。宗教的イデオロギーとの関連のほか、羊毛産業との関連も。
▶ Matilda Holmes (2023) The ‘Lamb of God’ in the early Middle Ages: a zooarchaeological perspective. Journal of Medieval History. [Taylor & Francis Online]
ペルー: カハマルカ県（Departamento de Cajamarca）サン・ミゲル郡（San Miguel）テルレン・ラ・ボンバ（Terlén La Bomba）で、ワリ人の集落。シカン、チムー、ワリ、カハマルカの核文化が交流し、祖先崇拝を行っていた。[Andina]

2023年9月2日（土）

奈良県: 明日香村・飛鳥寺（あすかでら）の塔跡で出土した舎利容器に、ガラス小玉とみられるドーナツ状のものが複数納められていた。舎利容器を納める木箱は年輪年代法により972年伐採と判明。再埋納時のもの。[読売新聞]
中国: 吉林省長春市新湖鎮西湖村・東照地遺跡で、明時代の女真族の遺跡。[新華社]
中国: 遼寧省営口・曲塋漢代墓地で、魏晋時代の墓地10基、住居跡8基、灰坑4基など、三燕文化の遺跡。[新華社]
オーストラリア: パース（Perth）のスワン川（Swan River）で、川底の3D地形図政策をきっかけに、沈没船を発見。[Australian Broadcasting Corporation]
トルコ: アイドゥン県（Aydın il）ゲルメンジク郡（Germencik）オルタクラル（Ortaklar）の古代都市マグネシア（Μαγνησία；Magnesia）で、ゼウスの神殿の祭壇。幅3.53m、長さ5.10m、高さ0.7m。[Arkeonews]
▼マグネシア関連記事→2021年9月27日
ドイツ: シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州（Land Schleswig-Holstein）ダネヴェルク（Danewerk）で、中世・12～13世紀の住居跡2棟。デンマーク王ヴァルデマー1世（Waldemar I）がダネヴェルクに城壁を築いたころに当たる。
▶Mittelalterliche Häuser am Danewerk [Archaeologie Online]
ドイツ: ヘッセン州（Hessen）ホーホタウヌス郡（Hochtaunuskreis）フリードリヒスドルフ（Friedrichsdorf）のゾイルベルク（Seulberg）で、旧石器時代・34000年前の狩猟民の遺跡。在地では入手できないフリントも出土。
▶Pferdejäger von Seulberg [Archaeologie Online]
フランス: オー＝ド＝フランス地域圏（Hauts-de-France）ノール県（le département du Nord）オネン（Onnaing）で、カロリング朝・8～10世紀の集落。硬貨を模した9世紀のブローチ出土。鍛冶工房や織物の道具が出土し、墓地もある。最古の居住は前期鉄器時代・紀元前800年～前500年。ガロ＝ローマ時代には溝で区画された集落に。中世・13～14世紀には溝に囲まれた農地。18世紀のレンガ窯。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶Vingt-cinq siècles d’occupations humaines au cœur d’Onnaing (Nord) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
チリ: サンティアゴ（Santiago）の地下鉄予定地で多数の遺跡。11000年前にさかのぼるものも。[BioBioChile]

2023年9月1日（金）

長野県: 塩尻市・五日市場遺跡（いつかいちばいせき）で、平安時代の住居跡から鉄製の轡。塩尻市教育委員会の調査。[市民タイムスWEB]
▼五日市場遺跡関連記事→2023年8月2日
中国: 山西省長治市屯留区余吾鎮西鄧村・西鄧墓地で、戦国～漢代の墳墓。[新華社]
イラク: クルド人自治区（Iraqi Kurdistan）にあるシャニダール洞窟（Shanidar Cave）の、ネアンデルタール人が75000年前に花を用いて埋葬を行ったとされる「Shanidar 4」について、再検討。根拠となった花粉が集まっていたのは、単独性のハチが巣をつくっていたためである可能性。判明していた植物種は5月後半~6月前半の同時期に採取可能なものとされていたが、わずかに時期のずれがあった。[LiveScience]
▶ Chris O. Hunt, Emma Pomeroy, Tim Reynolds, Emily Tilby, Graeme Barker (2023) Shanidar et ses fleurs? Reflections on the palynology of the Neanderthal ‘Flower Burial’ hypothesis. Journal of Archaeological Science. [ScienceDirect]
トルコ: 古代都市シエドラ（Σύεδρα；Syedra）で、2世紀のニケ女神の像。[Aktüel Arkeoloji]
▼シエドラ関連記事→2022年7月26日
トルコ: ディヤルバクル県（Diyarbakır）チュナル郡（Çınar）にあるゼルゼヴァン城（Zerzevan Kalesi；Zerzevan Castle）で、ローマ時代の城の地下に、レーダー探査により巨大遺構を確認。アッシリア時代の印章など出土。ゼルゼヴァン城はローマ帝国の駐屯地として知られる。[NPR]
▼ゼルゼヴァン城関連記事→2021年12月4日
オーストリア: ザルツブルク州（Salzburg）ハライン郡（Bezirk Hallein）ハライン（Hallein）のデュルンベルク塩山（Dürrnberg）のゲオルベンゲルク（Georgenberg）で、鉄器時代・2000年以上前の子供用の革靴。
▶Montanarchäologische Grabungen fördern über 2000 Jahre alten Kinderschuh zutage [Deutsches Bergbau-Museum Bochum]
エジプト: 王家の谷（Valley of the Kings）のKV42号墓から発掘された、第18王朝・紀元前1450年ふごろの貴婦人セネトナイ（Senetnay）の臓器が入っていたカノポス壺に遺存していたミイラづくり用の香油の成分を分析。蜜蝋、植物油、油脂、アスファルト、マツ科の樹脂、バルサミコ物質、ダマールまたはピスタシアの樹脂を確認。この時期のものとしては最も豊富な内容。地中海の北から伝わったカラマツの樹脂や、東南アジア熱帯樹林由来とみられるダマール樹脂など対外交易の証拠にも。
▶The Scent of the Afterlife Unbottled in New Study of Ancient Egyptian Mummification Balms [Max-Planck-Institut für Geoanthropologie]
▶ B. Huber, S. Hammann, C. E. Loeben, D. K. Jha, D. G. Vassão, T. Larsen, R. N. Spengler, D. Q. Fuller, P. Roberts, T. Devièse & N. Boivin (2023) Biomolecular characterization of 3500-year-old ancient Egyptian mummification balms from the Valley of the Kings. Scientific Reports, volume 13, Article number: 12477. [Scientific Reports]
フランス海外県: マヨット（Mayotte）のツィンゴニ（Tsingoni）で、当地最古のモスク跡を調査。12世紀に居住が始まり、石造りのモスクは14世紀に存在。16世紀に発展し、アンジュアン島（Anjouan）を拠点としたシラジ・スルターン国の首都になり、モスクも増築。増築時の足場のためとみられる柱穴を発見。周辺でイスラームの墓6基。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶Archéologie de la plus ancienne mosquée de France à Tsingoni, Mayotte [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]

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