2023年9月30日(土)
- サウジアラビア
- ネフド砂漠(An Nafud;Nefud desert)南端近くのサフート遺跡(Sahout)で、等身大の絶滅種のラクダの線刻。年代不明。[LiveScience]
▶ Maria Guagnin, Ceri Shipton, Finn Stileman, Faisal Jibreen, Malek AlSulaimi, Paul S. Breeze, Mathew Stewart, Amy Hatton, Nick Drake, Deepak Kumar Jha, Fahad Al-Tamimi, Mohammed Al-Shamry, Mishaal Al-Shammari, Andrea Kay, Huw S. Groucutt, Abdullah M. Alsharekh, Michael Petraglia (2023) Before the Holocene humid period: Life-sized camel engravings and early occupations on the southern edge of the Nefud desert. Archaeological Research in Asia, Volume 36, December 2023, 100483. [ScienceDirect] - トルコ
- シャンルウルファ県(Şanlıurfa)・ギョベクリ・テペ遺跡(Göbekli Tepe)で、彩色された石灰岩製のイノシシ像。カラハンテペ遺跡(Karahantepe)では高さ2.3mの人物像。[Arkeonews]
- イタリア
- ラティウム地方(Latium)のボルセーナ湖(Lago di Bolsena)畔にあるグラン・カッロ遺跡(Gran Carro)で出土した初期鉄器時代の青銅製の小像を分析。サルデーニャ島のヌラーゲ文化(Nuragic)に似た様式。ヌラーゲ銅は黄銅鉱を原料とし、鉛同位体分析から見て、サルデーニャ島のイグレシエンテ・スルチス(Iglesiente/Sulcis)の銅と同一グループ。鉄器時代にサルデーニャ島と、イタリアの中部ティレニア地域が交流していた可能性を示す。
▶ Marta Porcaro, Barbara Barbaro, Caterina Canovaro, Gilberto Artioli, Chiara Lucarelli, Federico Lugli, Anna Depalmas, Antonio Brunetti (2023) A multi analytical characterization of a small bronze figurine from Gran Carro site (Bolsena Lake, Italy). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104230. [ScienceDirect] - イタリア
- 古代都市トゥスクルム(Tusculum)でローマ時代・紀元前1世紀中ごろ〜紀元後1世紀中ごろの大理石製の女性像。[Newsweek]
- ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)アルトマルク・ザルツヴェーデル郡(Altmarkkreis Salzwedel)のアーレント湖(Arendsee)で、ヨーロッパ最古・7000年前の漁業施設。最新鋭の水中ロボットで調査。[Mitteldeutscher Rundfunk]
▼アーレント湖関連記事→2021年9月28日 - ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen) ボルケン郡(Kreis Borken)ヴレーデン(Vreden)で鉄器時代の火葬墓地。
▶Brandgräberfeld bei Vreden entdeckt[Archaeologie Online] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) ヴァル=ド=マルヌ県(Val-de-Marne) イブリー=シュル=セーヌ(Ivry-sur-Seine)で、新石器時代の建物と柵。紀元前5000年〜前3900年に居住、紀元前4200年ごろが最盛期で、柵が築かれた。
▶Des bâtiments et une enceinte du Néolithique à Ivry-sur-Seine (Val-de-Marne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- デヴォン州(county of Devon)ダートムア(Dartmoor)のパイルズ・ヒル(Piles Hill)にある新石器時代〜前期青銅器時代とみられる石列で、石敷きを発見[BBC]
- リビア
- デルナに近い古代ギリシャ都市キュレネ(Κυρήνη;Cyrene)で、9月上旬の大洪水のため、埋もれていた建造物が露出。被害は比較的軽微なものの、今後の保存に困難。[ARTnews JAPAN]
2023年9月29日(金)
- 神奈川県
- 鎌倉市・陣出遺跡(じんでいせき)で、古墳時代から平安時代の竪穴住居跡4軒。鎌倉市教育委員会の調査。10/8現地説明会。
▶陣出遺跡の発掘調査現地説明会を開催します。 [鎌倉市] - 愛知県
- 豊橋市・野添遺跡(のぞえいせき)で、中世の遺構や遺物。前年度の調査区につながる大溝なども確認。愛知県埋蔵文化財センターの調査。10/9地元説明会。
▶野添遺跡(豊橋市) 地元説明会のお知らせ [愛知県埋蔵文化財センター] - 長崎県
- 雲仙市・内屋敷遺跡(うちやしきいせき)で、中世・16世紀の土坑墓170基以上。1カ所で発見された中世の土坑墓としては県内最多。雲仙市教育委員会の調査。[長崎新聞]
▼内屋敷遺跡関連記事→2023年8月28日 - 中国
- 北京市 西城区・金の中京遺跡で、玉冊。金の太祖の諡冊。[大公網]
- 中国
- 広東省の雷州窯(Leizhou)の唐〜宋時代の磁器を分析。唐代には在地の磁石のみを用いたが、宋代に葉カオリナイトを混和。唐代の素地には少量のFe2O3を含むが、宋代の素地は精選されてFe2O3を含まない。宋代の磁器は高温で焼成された上絵付の作品で、褐色部分には鉄イオンがみられる。焼成温度は唐代1080℃、宋代1150℃。
▶ Yajie Liu, Rui Chen, Junlei Zheng (2023) Study on the ceramic wares from the Leizhou kiln of the Tang and Song dynasties. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104220. [ScienceDirect] - トルコ
- ヴァン県(Van il)ギュルプナール郡(Gürpınar)のチャヴシュテペ城(Çavuştepe Kalesi;Çavuştepe Castle)近くの墓地で、ウラルトゥ(Urartu)時代のウマの骨格、あごに青銅製の轡をはめる。環状の轡はウラルトゥでは初の確認。チャヴシュテペ城はサルドゥリ2世(Sarduri II)が紀元前8世紀中ごろに建設。[Arkeonews]
- イタリア
- カンパーニャ州(Regione Campania)のポンペイ遺跡(Pompeii)9区(Regio IX)にある「Insula 10」で、家の壁に選挙に関する銘文。アエディレ職に立候補したアウスル・ルスティウス・ウェルス(Aulus Rustius Verus)を支持する内容。[Heritage Daily]
- ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)ブルゲンラント郡(Burgenlandkreis)メムレーベン(Memleben)で、オットー2世のメムレーベン修道院(Kloster Memleben)を発掘し、修道院以前の10世紀の建物跡を確認。オットー1世が死去した場所。オットー1世の心臓が眠っている可能性も[Mitteldeutscher Rundfunk]
- ノルウェー
- ヨーフルランド島(Jomfruland)で、ヴァイキング時代・780〜850年ごろの遺物。女性の墓の副葬品とみられる。[BBC]
- デンマーク
- イェリング(Jelling)の10世紀のルーンストーンを刻んだ人物をRavnunge-Tueと特定。3Dスキャンにより、彫り方の特徴を解明。[Heritage Daily]
- ペルー
- マチュピチュ遺跡(Machu Picchu)で石造物に侵食が起き、遺跡のうち劣化の著しい「太陽の神殿」「コンドルの神殿」「インティワタナ」を閉鎖へ。[AFPBB]
2023年9月28日(木)
- 北海道
- 上ノ国町・上之国館跡のうち洲崎館跡(すざきだてあと)で、1640年以降、江戸時代末までの建物跡。上ノ国町教育委員会の調査。[函館新聞]
- 石川県
- 七尾市・能登国分寺跡(のとこくぶんじあと)で寺域の西側を確定。七尾市の調査。9/22現地説明会。
▶2023(令和5)年9月24日能登国分寺跡発掘調査現地説明会〜能登国分寺跡の西側を確定〜 [七尾市] - 長野県
- 飯田市・五郎田遺跡(ごろたいせき)で弥生時代と溝や竪穴建物跡。長野県埋蔵文化財センターの調査。10/21現地説明会。
▶飯田市五郎田遺跡現地見学会のお知らせ[長野県埋蔵文化財センター]
▼五郎田遺跡関連記事→2023年6月7日 - 香川県
- 綾川町で大正時代に出土し、長年所在が分からなかった弥生時代の銅鐸が一昨年見つかり、坂出市の鎌田共済会郷土博物館で公開。[NHK]
- 中国
- 北京市 西城区の金の中都遺跡で、大規模なの公的建物の跡。金の皇室の寺院「大覚寺」の遺構と推定。[中国新聞網]
▼金の中都遺跡関連記事→2023年1月5日 - イスラエル
- エルサレム(Jerusalem)のラマト・ラヘル(Ramat Rahel)近くの洞窟で、ヘレニズム時代・2300年前のギリシャ出身の若い売春婦の火葬墓。銅鏡を副葬。[The Jerusalem Post]
- ポーランド
- グディニャ(Gdynia)沖のバルト海の海底でゲリット・フリッツェン号(Gerrit Fritzen)の船体を発見。ハンニバル作戦(Operation Hannibal)でドイツ人を西に逃がすために利用され、1945年に沈没。[The First News]
- スペイン
- カタルーニャ州(Cataluña)バニョラス(Banyoles)のラ・ドラガ遺跡(La Draga)で、新石器時代・7300年前の大規模な木造遺構。
▶Documenten a La Draga restes de cabanes de 7.300 anys d’antiguitat en un estat de conservació excepcional [IPHES-CERCA]
▼ラ・ドラガ遺跡関連記事→2023年5月29日 - スペイン
- アルブニョル(Albuñol)のクエバ・デ・ロス・ムルシエラゴス(Cueva de los Murciélagos)の埋葬遺跡から、籠などの繊維製品と、サンダル、木製ハンマーなどの植物製品。放射性炭素年代は完新世前期〜完新世中期・紀元前7500年〜前4200年。
▶ Francisco Martínez-Sevilla, Maria Herrero-Otal, María Martín-Seijo, Jonathan Santana, José A. Lozano Rodríguez, Ruth Maicas Ramos, Miriam Cubas, Anna Homs, Rafael M. Martínez Sánchez, Ingrid Bertin, Rosa Barroso Bermejo, Primitiva Bueno Ramírez, Rodrigo De Balbín Behrmann, Antoni Palomo Pérez, Antonio M. Álvarez-Valero, Leonor Peña-Chocarro, Mercedes Murillo-Barroso, Eva Fernández-Domínguez, Manuel Altamirano García, Rubén Pardo Martínez, Mercedes Iriarte Cela, Javier L. Carrasco Rus, Carmen Alfaro Giner, and Raquel Piqué Huerta (2023) The earliest basketry in southern Europe: Hunter-gatherer and farmer plant-based technology in Cueva de los Murciélagos (Albuñol). Science Advances, Vol 9, Issue 39. [Science Advances]
▼グラナダ県(Provincia de Granada) - エジプト
- アブシール(Abusir)にあるサフラー王(Sahura;Sahure)のピラミッドで、新たに部屋を8か所発見。副葬品を納めるための空間か。サフラー王は古代エジプト第5王朝の第2代ファラオ。
▶Neue Räume in der Pyramide von Sahura entdeckt [Universität Würzburg]
2023年9月27日(水)
- 長野県
- 小諸市・小諸城跡で、江戸時代の建物跡や奈良時代の住居跡。小諸市教育委員会の調査。[信濃毎日新聞]
▼小諸城跡関連記事→2021年5月11日 - 奈良県
- 奈良市・西大寺旧境内(さいだいじきゅうけいだい)で、8世紀後半の弥勒金堂の遺構や、壺地業の痕跡。「西大寺資財流記帳」の記述に規模が一致。創建唐初の中心建物。奈良文化財研究所の調査。[読売新聞]
▼西大寺旧境内関連記事→2018年7月10日 - 奈良県
- 奈良市・西隆寺跡(さいりゅうじあと)で、8世紀以降の掘り込み地業の痕跡を確認。奈良市埋蔵文化財調査センター9/27発表。[奈良新聞]
▼西隆寺跡関連記事→2001年2月27日 - イラン
- ケルマーンシャー州(Ostān-e Kermānshāh)で、エラム時代・紀元前3200年〜前539年の印章1000点などの遺物、動物形土製品。[Tehran Times]
- パレスチナ(ヨルダン川西岸地区)
- ヒュルカニア砦(Ὑρκανία;Hyrcania)で、新約聖書の詩編86を記したギリシャ語の銘文。[The Times of Israel]
- ドイツ
- ロイトリンゲン郡(Landkreis Reutlingen)ハイインゲン(Hayinge)のホイネベルク砦(Heuneburg)で、ケルト・紀元前6世紀の状劇や溝。[Schwäbisches Tagblatt]
- フランス
- ランス(Reims)でローマ時代・1800年前の石灰岩製の石棺から女性の人骨や鏡。Newsweek]
- フランス
- ブルターニュ地域圏(Région Bretagne)イル=エ=ヴィレーヌ県(Ille-et-Vilaine) ル・ルー(Le Rheu)で、ガロ=ローマ時代の墓地や、前期中世・メロヴィング朝末期〜カロリング朝・7〜9世紀の集落。
▶Nécropole gallo-romaine et habitat du haut Moyen Âge au Rheu (Ille-et-Vilaine)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - メキシコ
- チアパス州(Estado de Chiapas)のパレンケ遺跡(Palenque)で、1000年以上前の墓。石灰岩製の石棺の中に、豪華な装身具を伴う人骨出土。[Mexico News Daily]
2023年9月26日(火)
- 京都市
- 上京区・中務省跡から戦国時代の南北溝を埋める地業跡。聚楽第の築造に伴い、大規模建物か屋敷地を区切る塀を建設する目的だったとみられる。徳川家康の屋敷整備に伴った可能性。[産経新聞]
- 沖縄県
- 石垣市・真栄里宮鳥トーチカ跡で、銃眼や薬きょう、砲弾を受けたとみられる痕跡を発見。石垣市教育委員会の調査。[八重山毎日新聞]
- 研究不正
- 査読にかかわる不適切なやり取りの問題に関連して、日本学術会議は、国の研究不正防止指針に、査読不正の規定についても追加を検討するよう求める報告書。[朝日新聞]
- トルコ
- ギョベクリ・テペ遺跡(Göbekli Tepe)やグシル・ヒュユク遺跡(Gusir Höyük)などで出土した前期新石器時代・紀元前10世紀〜前9世紀の鳥類の遺体について分析。ユーフラテス川上流のギョベクリ・テペ遺跡では多様な鳥類資源を消費しており、遺跡ごとに鳥類、哺乳類、魚類の消費の割合はほぼ同様。一方、ティグリス川上流のグシル・ヒュユク遺跡では、食生活の内容が遺跡ごとに異なり、鳥類への依存が極端に低いところもある。
▶ Nadja Pöllath & Joris Peters (2023) Distinct modes and intensity of bird exploitation at the dawn of agriculture in the Upper Euphrates and Tigris River basins. Archaeological and Anthropological Sciences, volume 15, Article number: 154. [SpringerLink] - トルコ
- チャナッカレ県(Çanakkale il)ビガ郡(Biga)ケメル村(Kemer)の古代都市パリオン(Πάριον;Parion)の発掘で、オスマン朝・350年前の浴室を発見。[Hürriyet Daily News]
- ルーマニア
- コンスタンツァ(Constanţa)で、ローマ時代・2〜3世紀の墓8基。ガラス玉や土器片なども出土。[Romania-Insider]
- イタリア
- ローマのオスティア遺跡(Ostia)で、聖ペテロ・聖パウロ・洗礼者ヨハネ大聖堂の遺構を確認。325〜335年に建設。オスティアでの初期キリスト教の痕跡は稀。[Breaking Latest News]
- フランス
- グラン・テスト地域圏(Grand Est)マルヌ県(le département de la Marne)ランス(Reims)で、ガロ=ローマ時代の墓地。ローマ時代の都市ドゥロコルトルム(Durocortorum)に当たる。
▶Une nécropole antique rue Soussillon à Reims (Marne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(ウェールズ)
- ペンブロークシャー州(Pembrokeshire)のペンブローク城(Pembroke Castle)で、後期中世・15世紀ごろの建物跡。ヘンリー7世誕生の地の可能性。ダヴェド考古学トラスト(Dyfed Archaeological Trust)の調査。従来は13世紀の塔「Henry VII Tower」が出生の地と考えられていた。[Heritage Daily]
▼ペンブローク城関連記事→2022年7月13日
2023年9月25日(月)
- 青森県
- 三戸郡南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、深さ7.4mに及ぶ堀跡や複数の区画溝など。南部町教育委員会の調査。10/28現地説明会。
▶史跡聖寿寺館跡発掘調査現地説明会について [南部町]
▼聖寿寺館跡関連記事→2023年1月18日 - 福島県
- 須賀川市・滑石遺跡(なめいしいせき)で縄文時代の集落。公益財団法人福島県文化振興財団の調査。10/14現地公開。
▶須賀川市滑石遺跡の現地公開を開催します。[公益財団法人福島県文化振興財団] - 群馬県
- 高崎市の多胡碑について、碑身の上に載った笠石の正しい向きが前後逆だったと確認。11月から行う保存修理の際に、711年の建立当時の姿に再現へ。[上毛新聞]
- ポーランド
- シロンスク県(Województwo śląskie;Śląsk;Silesia)ラチブシュ郡(powiat raciborski;Racibórz County)ストゥジエナ(Studzienna)で、ネアンデルタール人・13万年前の石器。モラヴィア門(Brama Morawska)より北側では人類の最古の証拠。[Nauka w Polsce]
2023年9月24日(日)
- パレスチナ
- ガザ地区で、ローマ時代・2000年前の大規模な墓地と、珍しい鉛棺2基。[AP]
- トルコ
- キュタヒヤ県(Kütahya il)の古代都市アイザノイ遺跡(Αιζανοι;Aizanoi)で、ゼウス神殿の東側から、2000年前のアイシャドウとブラシ。化粧品や宝飾品の販売店の跡。化粧品を納める貝殻も。[Daily Sabah]
▼アイザノイ遺跡関連記事→2022年12月24日 - ドイツ
- バーデン=ヴュルテンベルク州(Land Baden-Württemberg)エンディンゲン・アム・カイザーシュトゥール(Endingen am Kaiserstuhl)で、新石器時代・線帯文土器文化(Linearbandkeramikkultur)・紀元前5500年〜前4900年のロングハウスと後期青銅器時代・骨壺墓地文化(Urnenfelderkultur)・紀元前1200年〜前800年の集落。
▶Ausgrabung in Endingen am Kaiserstuhl [Archaeologie Online]
2023年9月23日(土)
- 兵庫県
- 南あわじ市・門崎砲台(とざきほうだい)について、南あわじ市教育委員会は解体・埋め戻しの方針を改め、一部保存の方針。鳴門岬突端で見つかった明治時代の砲台。[毎日新聞]
▼門崎砲台関連記事→2023年8月11日 - 鹿児島県
- 与論町・与論城跡(よろんぐすくあと)は、沖縄本島の城に匹敵する規模。14世紀後半〜15世紀中ごろに利用。[読売新聞]
▼与論城跡関連記事→2022年8月20日 - 中国
- 河北省 衡水市 武邑県 肖橋頭鎮 前老君堂村で、宋時代の道観跡。道観は道教の宗教施設。[荊楚網]
- 中国
- 長江下流の新石器時代晩期〜青銅器時代の磨製刀子と鎌について実験的研究。使用痕の形成過程を分析。ナイフ、鎌とも、適切な動作で用いればイネ科植物の収穫に有効。イネ科植物の輯かっくに用いたと推定されてはいたが、証明されておらず、具体的な使い方もわかっていなかった。
▶ Liping Xue, Hong Chen, Minghui Chen (2023) An experimental investigation of the ground stone knives and sickles in the Lower Yangtze River Region during the Late Neolithic and Bronze Age. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104208. [ScienceDirect] - トルコ
- マニサ県(Manisa il)の古代都市アイガイ(Αἰγαί;Aigai)で、2500年前から1800年前までの数百点の油ランプ。[Arkeonews]
- カザフスタン
- トクタミス村(Тоқтамыс;Toktamys)にあるキリクンギル遺跡(Қырықұңғыр;Kyrykungir)で、青銅器時代・紀元前19世紀の六角形墳。中央の墓室まで、内部に迷路のような通路。外壁には動物などを表した岩絵。周辺にはウマの骨。[LiveScience]
▼キリクンギル遺跡関連記事→2023年8月9日 - ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)マイン=シュペッサルト郡(Landkreis Main-Spessart)ツェリンゲン(Zellingen)のドゥッテンブルン(Duttenbrunn)で、前期中世・カロリング朝の集落と墓地。[Merkur]
- スペイン
- ウエルバ県(Provincia de Huelva)カニャベラル・デ・レオン(Cañaveral de León)のラス・カペリャニアス遺跡(Las Capellanías)の4000年前の墓地で出土した石碑には、髪飾をつけ男性器のある人物を描く。従来、石碑の人物に髪飾が表現されていると被葬者を女性と解釈してきた。[El País]
- スペイン
- ブルゴス県(Provincia de Burgos)ラストラス・デ・テサ(Lastras de Teza)のマルセネハス洞窟(Sima de Marcenejas)で出土したローマ帝政期末の成人男性の頭蓋骨に、髄膜腫(meningioma)の痕跡。
▶A Roman-period cranial tumor case is detected [Centro Nacional de Investigación sobre la Evolución Humana, CENIEH]
▶ Daniel Rodríguez-Iglesias, Ana Pantoja-Pérez, Pilar Fernández-Colón, Adrián Pablos, Manuel Alcaraz-Castaño,Nohemi Sala (2023) Virtual assessment of a possible meningioma in a Roman-period cranium. VIRTUAL ARCHAEOLOGY REVIEW, VOL. 14 NO. 29. [Universitat Politècnica de València] - ユーラシア
- シベリアとヨーロッパへのホモサピエンス(Homo sapiens)の拡散は、花粉の分析の結果、更新世のなかでも温暖化した期間に起こった。
▶POLLEN ANALYSIS SUGGESTS PEOPLING OF SIBERIA AND EUROPE BY MODERN HUMANS OCCURRED DURING A MAJOR PLEISTOCENE WARMING SPELL [The University of Kansas]
▶ Koji Shichi, Ted Goebel, Masami Izuho, and Kenji Kashiwaya (2023) Climate amelioration, abrupt vegetation recovery, and the dispersal of Homo sapiens in Baikal Siberia. Science Advances, Vol 9, Issue 38. [Science Advances] - 南アフリカ
- ブロンボス洞窟(Blombos Cave)で出土した、アフリカ中期石器時代(Middle Stone Age)の層から出土した貝殻を分析。10万年前・7万3000年前と、7万年前ごろからは、海水面の変動や環境の変化から、貝の種が異なる。人類の装身の歴史にいくつものシナリオ。
▶ Francesco d'Errico, Karen Loise van Niekerk, Lila Geis, Christopher Stuart Henshilwood (2023) New Blombos Cave evidence supports a multistep evolutionary scenario for the culturalization of the human body. Journal of Human Evolution, Volume 184, November 2023, 103438. [ScienceDirect]
▼ブロンボス洞窟Blombos Cave関連記事→2022年6月24日 - ペルー
- リマ郡(Lima)カラバイージョ地区(Carabayllo)で、後期中間期(Intermedio Tardío)・1100年〜1450年の墓地。生贄の子供の墓を含む。[Andina]
- ペルー
- アレキパ県(Departamento de Arequipa)のアンダグア渓谷(Andagua Valley)の遺跡で出土した黒曜石製遺物137点を蛍光X線分析。3か所の産地からの黒曜石の異動を解明。90%以上はアルカ1(Alca-1)の黒曜石であるが、中期ホライゾン(Middle Horizon)〜後期中間期(Late Intermediate Period)・600〜1400年には遠方のチバイ(Chivay)やキスピシサ(Quispisisa)の黒曜石も使用。隣接地域のアルカ4(Alca-4)、アルカ5(Alca-5)の黒曜石も見られ、1400年以降のインカ期にも継続。アンダグアにはワリやティワナクの王国は存在せず、高原の遊牧民と渓谷の農耕民の交流により流通。
▶ Alexander Menaker, Kurt Rademaker (2023) Obsidian in the Valley of Volcanoes, Peru. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 51, October 2023, 104173. [ScienceDirect]
2023年9月22日(金)
- 長野県
- 長野市・長沼城跡(ながぬまじょうあと)で堀や土塁跡。土器、陶磁器、鉄砲玉、銭、五輪塔など出土。千曲川沿いの平地に築造された大規模な平城。長野県埋蔵文化財センターの調査。10/7現地説明会。
▶『長沼城跡発掘調査 現地説明会』のお知らせ [長野県埋蔵文化財センター]
▼長沼城跡関連記事→2022年11月3日 - 滋賀県
- 高島市・南畑古墳群(みなみはたこふんぐん)で、6世紀半ばから末にかけて円墳3基が相次いで築造。高島市教育委員会と京都橘大学の調査。[東京新聞]
▼南畑古墳群関連記事→2018年7月19日 - 山口県
- 山口市・周防鋳銭司跡(すおうのじゅぜんじあと:第8次調査)で、建物のひさしを延長した孫びさしを支える柱穴。古代の建物として県内最大規模。山口市教育委員会と山口大学の調査。9/23現地説明会。[山口新聞]
- 愛媛県
- 新居浜市・愛媛県総合科学博物館の常設展示室4階地球のゾーンで雨漏り、8/10から展示の一部閉鎖。復旧時期は未定。[愛媛新聞]
- マレーシア
- クダ州(Kedah)のBukit Chorasで、シュリーヴィジャヤ王国(Srivijaya)・8〜9世紀の大規模な仏教寺院遺構。ストゥッコ製の等身大の彫刻2体。[New Straits Times]
- オマーン
- 南シャルキーヤ行政区(Ash-Sharqiyyah South)の後期新石器時代〜前期青銅器時代の遺跡で出土したイルカの遺体の動物考古学的分析。近隣海域の9種のイルカとの同定を目指したが、保存状態が悪く、同定に至らず。
▶ Youri van den Hurk, Matteo Bormetti & Elena Maini (2023) Testing osteometric species determination on zooarchaeological dolphin remains from Late Neolithic and Early Bronze Age sites in Ash-Sharqiyyah, Sultanate of Oman. The Journal of Island and Coastal Archaeology. [Taylor & Francis Online] - トルコ
- デュズジェ県(Düzce ili)コヌラルプ郡(Konuralp)で、2世紀のアレクサンドロス大王(Αλέξανδρος ο Μέγας;Alexander The Great)の彫像が見つかる。[Greek City Times]
- トルクメニスタン
- カラクム地域(Karakum)南部のダンダーナカン(Dandanakan)/ダシュ・ラバ(Daş Raba)で出土した中世イスラーム時代・9〜12世紀の土器とレンガの生産を研究。2種の在地産粘土が施釉土器、無釉土器、レンガに用いられる一方、施釉土器のスリップには別の粘土が用いられた。
▶ Carmen Ting, Martina Rugiadi & Paul Wordsworth (2023) Towards an Integrated Approach to Studying the Stratified Ceramics from Dandanakan/Daş Rabat, Turkmenistan (9th–12th Centuries a.d.). Journal of Field Archaeology. [Taylor & Francis Online] - ポーランド
- フスホーヴァ(Wschowa)の聖スタニスラウス司教殉教者教会(Church of St. Stanislaus the Bishop and Martyr)で、1726年の銅製のタイムカプセル。世界最古のタイムカプセル。従来の最古は米国ボストンの1761年。ヨーロッパ最古は1797年。[The First News]
▽経塚は? - ベルギー
- フケ(Hoeke)の中世の港で、大量の鉄滓、燃料など、鉄加工に関する遺物。分析の結果、精練は行っているが、鉄鉱石の溶解は行っていない。フケはブリュージュ(ブルッヘ;Bruges;Brugge)の外港。
▶ Paulina Biernacka, Wim De Clercq, Stijn Dewaele, Frank Vanhaecke & Johan De Grave (2023) Archaeometallurgical research into the ironworking activities of the Medieval Harbour at Hoeke (Belgium). STAR: Science & Technology of Archaeological Research, Volume 9, 2023, Issue 1. [Taylor & Francis Online] - UK(イングランド)
- シュロップシャー州(the County of Shropshire)のネスクリフ・ヒルフォート(Nesscliffe Hillfort)で、鉄器時代の炉跡、炭化物、鉄滓、ふいごの羽口など鉄加工の証拠や、城壁の内城。
▶Nesscliffe Hillfort gives archaeologists more finds of national importance [Shropshire Council] - メキシコ
- キンタナ・ロー州(Estado de Quintana Roo)ニコラス・ブラボ(Nicolás Bravo)で、マヤ文明・7〜9世紀の貝製頸飾。[The Art Newspaper]
2023年9月21日(木)
- 福島県
- 福島市・西久保遺跡(にしくぼいせき)で出土した8世紀末〜9世紀初頭の木簡に、奈良時代末期〜平安時代初期に陸奥国や出羽国の防備を担った「鎮兵」の記述。出羽国から下野国の国司に宛てた内容。[時事通信]
9/23現地説明会。
▶全国初出土!「鎮兵」の2文字が書かれた古代の木簡[福島市] - 栃木県
- 大田原市・上侍塚古墳(かみさむらいづかこふん)で、墳丘を覆う葺き石が、くびれ部から前方部の墳裾で確認されなかった。栃木県教育委員会の調査。9/23現地説明会。[下野新聞]
▶上侍塚古墳(大田原市)第1回発掘調査現地説明会の開催について [栃木県]
▼上侍塚古墳関連記事→2023年3月3日 - 千葉県
- 千葉県内で、9/8の記録的な大雨により12の文化財に被害。[NHK]
- 神奈川県
- 伊勢原市・上粕屋・秋山遺跡8区で、縄文時代後期の配石遺構群の一角から石刀。完全な形での出土は県内初。公益財団法人かながわ考古学財団の調査。[毎日新聞]
- 三重県
- 津市・高茶屋大垣内遺跡(たかぢゃやおおがいといせき:第6次調査)で、古墳時代前期から鎌倉時代にかけての遺構や遺物。三重県埋蔵文化財センター の調査。9/30現地説明会。
▶高茶屋大垣内(たかぢゃやおおがいと)遺跡で発掘調査現地説明会を開催します[三重県]
▼高茶屋大垣内遺跡関連記事→2022年11月2日 - 鳥取県
- 日南町・下谷中山鉄山跡(しもたんなかやまてつざんあと)で、たたらの高殿の遺構。日南町教育委員会の調査。[山陰中央新報]
9/22-23現地説明会。
▶町指定史跡下谷中山鉄山跡発掘調査現地説明会の開催について [日南町] - パプアニューギニア
- マッシム地域(Massim)のパナイーティ島(Panaeati)にあるビニワガ洞窟(Biniwaga Cave)で、人骨の二次葬とともに出土した土器21点を調査。南マッシム櫛描土器Southern Massim Combed Pottery;SMCP)や南マッシム土器(Southern Massim Pottery;SMP)の編年と対比し、740年前〜470年前(cal BP)とする。ビニワガ洞窟で出土した土器は種類が限られており、被葬者の文化的な貴族を表示する目的で土器が選ばれたとみられる。
▶ Zali Boyd, Ben Shaw (2023) Indirect dating of secondary cave burials in the Massim region of Papua New Guinea reveals last millennium reorganisation of social practices. Archaeology in Oceania. [Wiley Online Library] - ポーランド
- シロンスク県(Województwo śląskie;Śląsk;Silesia)ラチブシュ郡(powiat raciborski;Racibórz County)サンボロヴィツェ(Samborowice)のケルト人集落から、建物遺構や留針などのほか、紀元前3世紀〜前2世紀のゲームに用いたさいころ。ポーランドで発見された最古のさいころ。[Nauka w Polsce]
- スペイン
- プリエーゴ・デ・コルドバ(Priego de Córdoba)のマルモレス洞窟(Cueva de los Marmoles;Marmoles cave)で出土した新石器時代〜後期青銅器時代の埋葬人骨について研究。放射性炭素年代は紀元前5千年紀〜前2千年紀。少なくとも12人が認識されるが四肢の骨が少なく、部分的に腐敗した状態で遺体が持ち込まれたと推定。遺骨には人為的な加工の跡があり、人骨が再利用された可能性を示す。
▶ Zita Laffranchi, Marco Milella, Juan Carlos Vera Rodríguez, María José Martínez Fernández, María Dolores Bretones García, Sylvia Alejandra Jiménez Brobeil, Julia Brünig, Inmaculada López Flores, Juan Antonio Cámara Serrano, Rafael M. Martínez Sánchez (2023) As above, so below: Deposition, modification, and reutilization of human remains at Marmoles cave (Cueva de los Marmoles: Southern Spain, 4000–1000 cal. BCE). PLOS ONE, 18(9): e0291152. [PLOS ONE] - ザンビア
- カランボ・フォールズ遺跡(Kalambo Falls)で、アフリカ前期石器時代(Early Stone Age)・476000年前の木造遺構。2本の木材を加工し、組み立てる。世界最古の木造遺構。
▶ L. Barham, G. A. T. Duller, I. Candy, C. Scott, C. R. Cartwright, J. R. Peterson, C. Kabukcu, M. S. Chapot, F. Melia, V. Rots, N. George, N. Taipale, P. Gethin & P. Nkombwe (2023) Evidence for the earliest structural use of wood at least 476,000 years ago. Nature. [Nature] - グアテマラ
- セイバル遺跡(Ceibal)で出土した後期古典期〜終末期古典期・600〜950年の人形の笛について研究。型作りで、人物、動物、超自然的存在を表す。日常的なもので、子供の遊び道具だった。
▶ Jessica MacLellan, Daniela Triadan (2023) Classic Maya figurines as materials of socialization: Evidence from Ceibal, Guatemala. Journal of Anthropological Archaeology, Volume 72, December 2023, 101548. [ScienceDirect]
▼セイバル遺跡関連記事→2022年6月9日 - ブラジル
- アマゾン流域のやせた土壌のなかで、数百か所に見られる肥沃な土壌は、人為的に作られたもの。
▶Ancient Amazonians intentionally created fertile “dark earth” [Massachusetts Institute of Technology]
▶ Morgan J. Schmidt, Samuel L. Goldberg, Michael Heckenberger, Carlos Fausto, Bruna Franchetto, Jennifer Watling, Helena Lima, Bruno Moraes, Wetherbee B. Dorshow, Joshua Toney, Yamalui Kuikuro, Kumessi Waura, Huke Kuikuro, Taku Wate Kuikuro, Takumã Kuikuro, Yahila Kuikuro, Afukaka Kuikuro, Wenceslau Teixeira, Bruna Rocha, Vinicius Honorato, Hugo Tavares, Marcos Magalhães, Carlos Augusto Barbosa, João Aires Da Fonseca, Kelton Mendes, Luís Reynaldo Ferracciú Alleoni, Carlos Eduardo Pellegrino Cerri, Manuel Arroyo-Kalin, Eduardo Neves, and J. Taylor Perron (2023) Intentional creation of carbon-rich dark earth soils in the Amazon. Science Advances, Vol 9, Issue 38. [Science Advances] - チリ
- アタカマ砂漠(Atacama Desert)海岸地域での10000年前〜西暦1450年の成人人骨288体について、対人暴力による外傷を調べるとともに、ストロンチウム同位体比によって、各人物が在地出身かどうかを分析。すべての期間にわたって暴力の形跡があるが、形成期・紀元前1000年〜紀元後500年には暴力の種類が変化して、致死率が上昇し、後期中間期(Late Intermediate Period)・1000〜1400年まで継続する。暴力は在地の人同士の間で起こっているが、集落には防御性が乏しい。中央集権的な組織がなく、小集団が資源を争っていた。また、形成期以降、漁民と農民の対立があったと推定。
▶ Vivien G. Standen, Calogero M. Santoro, Daniela Valenzuela, Bernardo Arriaza, John Verano, Susana Monsalve, Drew Coleman, Pablo A. Marquet (2023) Violence in fishing, hunting, and gathering societies of the Atacama Desert coast: A long-term perspective (10,000 BP—AD 1450). PLOS ONE, 18(9): e0290690. [PLOS ONE]
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