考古学のおやつ/NEWSLINK

2024年6月30日（日）

イラン: ケルマーン州（Ostān-e Kermān） Rayen districtで、パルティア時代の土器。[Tehran Times]
UK（イングランド）: ドーセット州（the county of Dorset）のウィンターボーン・キングストン（Winterborne Kingston）で、鉄器時代・2000年前の集落からブリトン人（Britons）の墓。ローマ時代のワイン用の杯と瓶を副葬。形状はローマ風だが、近隣のプール港（Poole harbour）で作られたコピー。43年のローマによる征服の後、在地のブリトン人ドゥロトリゲス族（Durotriges）がローマ文化を受け入れたさまを示す。また、生贄のイヌ2頭の埋葬を確認。[Arkeonews]

2024年6月29日（土）

北九州市: 戸畑区・名護屋岬古墳群で出土し、後に所在不明の建っていた石組のうち1組を福岡県立戸畑高校で確認。[朝日新聞]
▼名護屋岬古墳群関連記事→2022年5月31日
フランス: ブルゴーニュ＝フランシュ＝コンテ地域圏（Bourgogne-Franche-Comté）ジュラ県（Jura）アルボワ（Arbois）のキュイサンス河岸（Cuisance）で、旧石器時代末、青銅器時代終末など、15000年間の居住痕跡。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶ Plus de 15 000 ans d'occupation des rives de la Cuisance à Arbois (Jura) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
フランス: サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏（Centre-Val-de-Loire）ロワール＝エ＝シェール県（Loir-et-Cher）ヴィルバルー（Villebarou）で、ハルシュタット文化末～ラ・テーヌ文化はじめ・紀元前6～前5世紀と、紀元後1世紀の農村集落。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶ Deux établissements ruraux protohistorique et antique sur le plateau nord blaisois (Loir-et-Cher) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
カナダ: ケベック（Quebec）のケベック総合病院墓地（Quebec General Hospital Cemetery）で、病院墓地近くから18世紀の人骨23体。多くはエイブラハム平原の戦い（Battle of the Plains of Abraham；1759年）またはサントフォワの戦い（Battle of Sainte-Foy：1760年）に従軍した英国兵士と推定。[CBC]

2024年6月28日（金）

東京都: 港区高輪二丁目地区で、江戸時代の東海道護岸や、一帯の埋め立て工事に伴って築かれた石積みなど。東京都埋蔵文化財センターの調査。7/13現場見学会。
▶ 港区高輪二丁目発掘調査現場見学会のお知らせ [東京都埋蔵文化財センター]
福井県: 若狭町・西塚古墳から、須恵器筒形器台を模倣したとみられる朝顔形埴輪。若狭町の調査。[福井新聞]
兵庫県: 加古川市・南大塚古墳（みなみおおつかこふん）の前方部前面で周濠の一部を検出。周濠内から埴輪の破片や葺石とみられる川原石。日岡山古墳群で最大規模の前方後円墳、90m。加古川市文化財調査研究センターの調査。7/6現地説明会。
▶ 「南大塚古墳周濠」発掘調査現地説明会(7月6日土曜日)を開催します(2024.06.28更新） [加古川市教育委員会]
韓国: 京畿道坡州郡積城面舟月里・六渓土城（ユッケどじょう：第4次調査）で、東城壁に版築技法を確認。南城壁には河原石を使用。国立文化遺産研究院の調査。
▶ 坡州六渓土城発掘調査現地説明会開催(6.28.)（韓国語） [国家遺産庁]
▼六渓土城関連記事→2022年7月26日
トルコ: チャナッカレ県（Çanakkale il）の火災が、アッソスの遺跡やアテナの神殿にも影響を及ぼす。[Anatolian Archaeology]
イタリア: 南エトルリア（Southern Etruria）とラティウム（Latium）で出土した鉄器時代・紀元前9世紀～前7世紀の黒色ガラス製品を分析し、ガラスの生産地を推定。
▶ Oleh Yatsuk, Leonie Koch, Lorena Carla Giannossa, Annarosa Mangone, Giacomo Fiocco, Marco Malagodi, Astrik Gorghinian, Marco Ferretti, Patrizia Davit, Cristiano Iaia, Monica Gulmini (2024) Back to black: Analysis of the earliest natron glass found in Italy. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104648. [ScienceDirect]
フランス: サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏（Centre-Val-de-Loire）アンドル県（Indre）シャティオン＝シュル＝アンドル（Châtillon-sur-Indre）で中世の貴族ピエール・ド・ラ・ブロス（Pierre de la Broce）の邸宅を調査。
▶ Le logis de la Brosse, un habitat aristocratique médiéval à Châtillon-sur-Indre (Indre) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
UK（イングランド）: サフォーク州（the county of Suffolk）のサットン・フー遺跡（Sutton Hoo）の船葬墓で、1980年代に発見されたビザンティン時代・6世紀の「ブロムズウェルのバケツ」（Bromeswell bucket）の続きの破片を発見。[Heritage Daily]
▼サフォーク州（the county of Suffolk）
エジプト: アブシール（Abusir）の古王国時代・紀元前2700年～前2180年の墓地で出土した、社会的地位が明かな成人男性69人の遺体を分析。書記には職務にともなう姿勢などの影響による変形性関節症がみられる。
▶ Petra Brukner Havelková, Veronika Dulíková, Šárka Bejdová, Jana Vacková, Petr Velemínský & Miroslav Bárta (2024) Ancient Egyptian scribes and specific skeletal occupational risk markers (Abusir, Old Kingdom). Scientific Reports, volume 14, Article number: 13317. [Scientific Reports]
メキシコ: イダルゴ州（Estado de Hidalgo）のワステカ地方（Huasteca）にあるテカカウアコ（Tecacahuaco）で、癒しの儀式で用いられる先ヒスパニック期の円形遺構。直径15m。出土した黒曜石から見て、後古典期（Post Classic Period）・900～1521年と推定。オトミ人（Otomi）の国メツティトラン（Metztitlán）の支配下か。[Heritage Daily]
ペルー: ランバイエケ県（Departamento de Lambayeque；Lambayeque Region）サニャ郡（Zaña）ラ・オトラ・バンダ（La Otra Banda）にあるラス・アニマスの丘（Las Ánimas）で、紀元前3500年以前と、モチェ文化（Moche）・600～700年の儀式用の建物。[Agencia de Noticias Chiclayo]
ペルー: ナスカ（Nazca）のロス・パレドネス遺跡（Los Paredones）で、形成期・5000年前の神殿。ロス・パレドネス遺跡はインカ帝国のトゥパック・インカ・ユパンキ帝（Topa Inca Yupanqui；在位1471年～1493年）の時の行政センター。[Heritage Daily]

2024年6月27日（木）

北海道: 函館市教育委員会が、市内5館（函館市北方民族資料館、函館市文学館、函館市立函館博物館郷土資料館、函館市北洋資料館、函館市立函館博物館）を集約する総合ミュージアム（仮称）の解説に向けた議論を開始。集約は難しいとの意見も。[北海道新聞]
北九州市: 門司区の初代門司駅関連遺構が取り壊しの危機にあることについて、日本イコモス国内委員会が、国際記念物遺跡会議ICOMOSによるヘリテージ・アラートの発出対象に北九州市に加えJR九州も含めるようイコモス本部に要請する方針。[西日本新聞]
キプロス（北）: キプロス北岸沖で1960年代に発見されたヘレニズム時代の沈没船「キレニア船」（Kyrenia ship）で出土したアーモンドや木材の放射性炭素年代により、紀元前296年～前271年と推定。従来は出土した保存状態のよくない硬貨から紀元前294年～前290年とされていた。
▶ Almonds, pottery and wood help date famed Kyrenia shipwreck [Cornell University]
▶ Sturt W. Manning, Brita Lorentzen, Martin Bridge, Michael W. Dee, John Southon, Madeleine Wenger (2024) A revised radiocarbon calibration curve 350-250 BCE impacts high-precision dating of the Kyrenia Ship. PLOS ONE, 19(6): e0302645. [PLOS ONE]
▼キレニア船関連記事→2022年2月3日
イタリア: シチリア州（Regione Sicilia；Sicily）サレーミ（Salemi）のモカルタ（Mokarta）で、青銅器時代・紀元前11世紀の焼失住居から出土した若者の頭蓋骨に、右頭頂部への鈍器による外傷。死因の可能性が高い。シカニア人（Sicanian）がエリミ人（Elimi）により暴力的に滅ぼされたことと関連。
▶ Gabriele Lauria, Roberto Miccichè, Luca Sineo (2024) Perimortem cranial injury in the Bronze Age. A blunt object to the right parietal caused trauma in a preadolescent individual from Mokarta (Salemi-Sicily). International Journal of Osteoarchaeology, Early View. [Wiley Online Library]
オーストリア: ブルクビヒルの丘（Burgbichl）の上の初期キリスト教会跡で大理石製祭壇の下から、1500年前の象牙製の聖骨箱ピクス（pyx）。[Heritage Daily]
スロバキア: プレショウ県（Prešovský kraj；Prešov）プレショウ（Prešov）のヴェルキーシャリシュ（Veľký Šariš）の城で、ハンガリー王ベーラ4世（Béla IV）の治世・13世紀の銀貨500枚以上。[The Slovak Spectator]
スペイン: コバ・ネグラ洞窟（Cova Negra）で出土した146000年前ネアンデルタール人の子供の内耳の骨にダウン症（Down syndrome）の最古の証拠。難聴の子供を6歳の死亡時まで共同体内で世話をしていた可能性。[Science]
▶ Mercedes Conde-Valverde, Amara Quirós-Sánchez, Julia Diez-Valero, Nieves Mata-Castro, Alfredo García-Fernández, Rolf Quam, José Miguel Carretero, Rebeca García-González, Laura Rodríguez, Ángeles Sánchez-Andrés, Juan Luis Arsuaga, Ignacio Martínez, and Valentín Villaverde (2024) The child who lived: Down syndrome among Neanderthals? Science Advances, Vol 10, Issue 26. [Science Advances]
UK（イングランド）: 6～7世紀の宝飾品に再利用された金貨について分析し、宝飾品に加工されても、硬貨として経済を象徴するものであり続けたと推定。従来、硬貨は男性的なもの、宝飾品は女性的なものととらえられていたが、7世紀の貨幣経済に女性も関与していた証拠。
▶ Katie D. Haworth, Kelly M. Clarke-Neish (2024) Pierced, looped and framed: the (re)use of gold coins in jewellery in sixth- and seventh-century England. Early Medieval Europe, Early View. [Taylor & Francis Online]

2024年6月26日（水）

大阪市: 一般財団法人大阪市文化財協会が、今年度末での解散を6/26正式決定。[MBS毎日放送]
奈良県: 奈良市・正倉院に納められた奈良時代の宝物のうち、巻物の軸に塗られた跡が残った当時の接着剤が大豆糊と判明。用途により接着剤を使い分けていた。正倉院宝物で大豆糊の確認は初。[毎日新聞]
北九州市: 門司区の初代門司駅関連遺構が北九州市の公共施設建設計画によって危機にひんしているとして、イコモスのテレサ・パトリシオ会長は、同市などに向けて「重大な懸念」を表明する緊急声明を発出。[西日本新聞]
▶ Expressing grave concern regarding the conservation of Archaeological Remains of the First Moji Railway Station Complex, Kitakyushu City, Japan
▶ 初代門司駅遺構の保存に関する重大な懸念表明（邦訳） [日本イコモス国内委員会]
韓国: 全北完州郡竜進邑上雲里・元上雲古墳群（ウォンサンウンこふんぐん：第3次調査）で、馬韓の核心遺跡。大型古墳が丘陵上に一列に並ぶ。の調査。[全北日報]
韓国: 慶州市・チョクセム地区遺跡のうち、単槨式のJ171号墳と主副槨式のJ172号墳は、墳裾に護石をめぐらさない新羅の積石木槨墳。高位の人物であることを示す馬具が出土。国立慶州文化遺産研究所の調査。[聯合ニュース]
チェコ: ブディニェ・ナト・オフジー（Budyně nad Ohří）で、青銅器時代・3500年前の埋納青銅器。[Radio Praha]
フランス: オー＝ド＝フランス地域圏（Hauts-de-France）エーヌ県（Aisne）ノイヤール（Noyales）のサン・カンタン（Saint-Quentin）近くで、中世・メロヴィング朝の墓地。1893に考古学者ジャン＝バプティスト・ルロラン（Jean-Baptiste Lelaurain）によって発掘調査された痕跡。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶ Une nécropole médiévale à Noyales (Aisne) [NRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
ノルウェー: エストフォル県（Østfold）のイェレスタード遺跡（Gjellestad）で発見されたヴァイキング船「イェレスタードの船（Gjellestadskipet；The Gjellestad Ship）」が、2021年の発掘調査で埋め戻されたのち、劣化が進む。[Science Norway]
▼イェレスタード遺跡関連記事→2021年12月6日
ペルー: ラ・リベルター県（Región La Libertad；La Libertad region）トルヒージョ郡（Trujillo）のチャンチャン遺跡（Chan Chan）にあるチムー時代（Chimú）の宮殿遺構Utzh Anの地下で、装飾品を持つ行為の人物の遺体11体。[Andina]

2024年6月25日（火）

群馬県: 富岡市・富岡製糸場の施設の維持が、人口減の中で富岡市にとって重い負担に。[毎日新聞]
▼旧官営富岡製糸場関連記事→2015年8月8日
群馬県: 伊勢崎市・石山南遺跡・石山南古墳群（いしやまみなみいせき・いしやまみなみこふんぐん）で、古墳1基のほか、埴輪生産に関わる粘土採掘坑2基、工房5軒、埴輪窯1基。埴輪窯の発見は伊勢崎市内初。伊勢崎市の調査。6/30現地説明会。
▶ 石山南遺跡・石山南古墳群の現地説明会の開催 [伊勢崎市]
群馬県: 伊勢崎市・石山南古墳群（いしやまみなみこふんぐん）で、赤堀村104号墳から出土した埴輪の破片が東京国立博物館収蔵の伊勢崎市出土の埴輪の一部と判明。東博所蔵の鍬を担ぐ男子の出土地も赤堀村104号墳と特定。[朝日新聞]
大阪府: 茨木市・郡遺跡・倍賀遺跡（こおりいせき・へかいせき）で、弥生時代の竪穴建物50棟以上と木棺墓13基。茨木市の調査。7/6現地説明会。
▶ 郡遺跡・倍賀遺跡発掘調査現地説明会を開催します。 [茨木市]
▼郡遺跡・倍賀遺跡関連記事→2017年1月26日
北九州市: 門司区の明治時代の初代門司駅舎本体が埋まっている可能性が高い市有地で、6/25JR九州による掘削工事が再開。周知の埋蔵文化財包蔵地であるが、北九州市は工事が交渉と判断して発掘調査を免除しているが、幅1.5m程度あるので発掘可能との指摘も。[西日本新聞]
ポーランド: クヤヴィ（Kujawy）の湖跡で、ケルト・紀元前3世紀の生贄を用いた祭祀遺跡や金属製品。[Science in Poland]
ベルギー: フランデレン地方（Vlaanderen；Flanders）のコクサイデ遺跡（Koksijde）で出土したメロヴィング朝後期・675～750年の人骨30体と、同地方の中世の2遺跡で出土した人骨18体について、ゲノムを比較し、2つの祖先集団の存在を確認。多数派は、北海沿岸との長距離交易がもたらす密なネットワークに関わり、少数派は内陸のガリア人集団。
▶ Stefania Sasso, Lehti Saag, Rachèl Spros, Owyn Beneker, Ludovica Molinaro, Simone A. Biagini, Alexander Lehouck, Katrien Van De Vijver, Ruoyun Hui, Eugenia D’Atanasio, Alena Kushniarevich, Helja Kabral, Ene Metspalu, Meriam Guellil, Muhammad Q. A. Ali, Jan Geypen, Maxim Hoebreckx, Birgit Berk, Natasja De Winter, Petra Driesen, April Pijpelink, Philip Van Damme, Christiana L. Scheib, Ewoud Deschepper, Pieterjan Deckers, Christophe Snoeck, Marc Dewilde, Anton Ervynck, Kristiina Tambets, Maarten H. D. Larmuseau, and Toomas Kivisild (2024) Capturing the fusion of two ancestries and kinship structures in Merovingian Flanders. Proceedings of the National Academy of Sciences, 121 (27) e2406734121. [PNAS]
ノルウェー: フレドリクスタ（Fredrikstad）で、石を円形に配置した遺構40基、それぞれに火葬骨を葬り、うち30人以上が子供。青銅器時代から鉄器時代・紀元前800～前400年。[Science Norway]
▼エストフォル県（Østfold）
南スカンディナヴィア: 南スカンディナヴィアで青銅器時代に描かれた船の図像を分析し、乗組員の列で船の長さを推定するとともに、紀元前350年のイヨートスプリング船（Hjortspring）と比較。前期青銅器時代に首長制が登場し長距離交易が必要になった時点で、後の時代のような大型船や帆の使用が始まっていたと推定。
▶ Boel Bengtsson, Magnus Artursson & Joakim Wehlin (2024) Evidence of Large Vessels and Sail in Bronze Age Scandinavia. Norwegian Archaeological Review. [Taylor & Francis Online]
エジプト: アスワン（Aswan）のアル・アーガー・ハーン廟（Mausoleum of Aga Khan）近くで、グレコローマン時代の家族墓33基。ミイラや副葬品が遺存している墓もあり、当時の人が罹患していた病気についても知見が得られる。墓地の遺体のうち30～40％は若死にしており、感染症などの痕跡も見られた。[Ahram Online]
メキシコ: カンペチェ州（Estado de Campeche）カラクルム（Calakmul）の森林の中で、LiDAR調査により古代集落を確認。[Heritage Daily]

2024年6月24日（月）

青森県: 下北郡風間浦村・古釜谷平(2)遺跡（ふるかまやだいらにいせき）で、縄文時代後期の竪穴建物跡に石囲炉。遠隔地の石材（蛇紋岩）で作られた磨製石斧も。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。7/6現地見学会。
▶ 古釜谷平(2)遺跡現地見学会 [青森県埋蔵文化財調査センター]
千葉市: 若葉区・加曽利貝塚（かそりかいづか）で出土した土器に、製作中に粘土の中に縄の一部が混入して焼けた後の空洞とみられる圧痕。千葉市埋蔵文化財調査センター発表。[毎日新聞]
岡山県: 倉敷市・酒津取水樋門（さかづしゅすいひもん）が、高梁川の堤防強化事業で堤防に組み込まれる位置に所在し、工事に伴って移築や改築が必要になる可能性。農業用水の取水機能を維持しながら、治水対策と文化財保全を両立させることが課題に。[読売新聞]
北九州市: 門司区の初代門司駅の遺構が見つかった公共施設建設予定地に隣接する工事現場で、市民の反対によりJR九州などの工事が中断。[日本テレビ]
特別史跡・史跡: 長崎県佐世保市・福井洞窟（ふくいどうくつ）を特別史跡に。岩手県九戸村・黒山の昔穴遺跡（くろやまのむかしあないせき）、栃木県栃木市・西方城跡（にしかたじょうあと）、群馬県高崎市・上野国分尼寺跡（こうずけこくぶんにじあと）、埼玉県北本市・デーノタメ遺跡（でーのためいせき）、岐阜県各務原市・坊の塚古墳（ぼうのつかこふん）、岐阜県郡上市・東氏館跡及び篠脇城跡（とうしやかたあとおよびしのわきじょうあと）、静岡県沼津市・高尾山古墳（たかおさんこふん）、京都府向日市・物集女城跡（もずめじょうあと）、愛媛県愛南町・平城貝塚（ひらじょうかいづか）、大分県国東市・豊後高田市・六郷山（ろくごうさん）を史跡に。文化審議会が6/24ッ文部科学大臣に答申。[読売新聞]
ハラスメント: 美術家や映画監督ら表現者有志でつくる「表現の現場調査団」が6/24、ハラスメントやジェンダーギャップなどに関する調査結果を発表した。[朝日新聞]▶ ハラスメント量的調査白書2024を公開しました (2024.6.24) [表現の現場調査団]
韓国: 慶尚南道咸安郡伽倻邑道項里・末伊山古墳群（マリサンこふんぐん）で、石槨墓2基。阿羅加耶土器や馬具、鉄鋌、金製耳飾など出土。青銅器時代と高麗時代の堀、朝鮮時代の瓦窯も。[慶南日報]
ウズベキスタン: スルハンダリヤ州（Surxondaryo viloyati；Surkhandarya）で、紀元前8世紀の集落。[Global Times]
カザフスタン: アルマトイ（Алматы；Almaty）で、前期中世のチュルク・ソグド硬貨。カザフスタンでの発見は初。[Arkeonews]
アルバニア: コルチャ県（Korçë；Korça）のバルチ（Barç）で、丘の上から鉄器時代からイリュリアにかけての集落。[Euronews]
ペルー: 北海岸のモチェ文化（Moche）について、放射性炭素年代をベイズ分析して再検討。従来の土器編年は社会の相互作用の時期を完全に示すわけではないが、土器による相対編年はほぼ承認できる。実年代の幅は予想より小さく、モチェ文化は4世紀後半～6世紀前半のいずれかの時期に始まり、9世紀まで存続した。
▶ Michele L. Koons, Branden Cesare Rizzuto, Lisa Trever, Alicia Boswell, Augusto Bazán Pérez, Luis A. Muro Ynoñán, Gabriel Prieto, Carlos Rengifo, Kayeleigh Sharp, Edward Swenson, Hugo Ikehara-Tsukayama, Jessica Ortiz Zevallos, Tirza Cotrina Roncal, Richard J. George, Jose M. Capriles, Fuyuki Tokanai (2024) Moche chronology of ancient Peru: Bayesian assessment of radiocarbon dates and ceramic styles from north to south. Quaternary International. [ScienceDirect]

2024年6月23日（日）

沖縄県: 那覇市・陸上自衛隊第15旅団の広報資料館「鎮守の館」で、沖縄戦を指揮して沖縄住民に多大な犠牲を強いた牛島満・日本軍司令官の軍服を陳列していた。[沖縄タイムス]

2024年6月22日（土）

秋田県: 大館市・大館城跡（おおだてじょうあと）で、室町時代・500年前の竪穴建物跡5棟。大館市教育委員会の調査。6/29現地説明会。[秋田魁新報]
▼大館城跡関連記事→2022年10月20日
石川県: 金沢市・金沢21世紀美術館が、能登半島地震以来半年ぶりに全館での営業を再開。[北國新聞]
中国: チベット高原の夏達錯湖（Xiada Co）近くで世界最古の石製縫い針。放射性炭素年代で紀元前7049～前6568年。また、チベット最古の磨製石器。世界最古の針はデニソワ洞窟で出土した50000年前の骨針であるが、石製のものはこれまで中国河南省の2700年前のものが最古。[Science]
▶ Yun Chen, Yue Hu, Ziyan Li, Zhen Zhao, Manyue Li, Chilie Ciren, Hongliang Lu (2024) The world’s earliest ground stone needles: Archaeological evidence from the early Holocene of the Western Tibetan Plateau. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104610. [ScienceDirect]
チェコ: フラデツ・クラーロヴェー州（Královéhradecký kraj；Hradec Králové region）ドハリツェ（Dohalice）で、銅石器時代・フンネルビーカー文化（Funnel Beaker）・紀元前3800年～前3350年の墳丘墓（barrow）。長さ190m、最大幅15m。中欧の先史時代で最長。[Arkeonews]
ドイツ: バイエルン州（Freistaat Bayern）オーバーシュティム（Oberstimm）で、ローマ帝政期・60～130年の集落から、戦闘用のサンダル「カリガ」（Caliga；複数形はCaligae）。底に鉄の鋲を打つ。
▶Antike Überraschung: Genagelter "Stollen"-Schuh in Oberbayern gefunden [Archaeologie Online]
英王室属領ガーンジー: チャネル諸島（Channel Islands）のオルダニー島（Alderney）で、ローマ時代の建物跡からローマ時代の硬貨2枚。ウァレリアヌス2世（Valerianus II）の255年の銀貨と、ウァレンス帝（Valens）の364～367年の銅貨。[LiveScience]

2024年6月21日（金）

長野県: 原町・久保地尾根遺跡（くぼちおねいせき）で、平安時代後期・10～11世紀の長さ27.0cmの鉄の棒。原村教育委員会の調査。[信濃毎日新聞]
大阪市: 一般財団法人大阪市文化財協会が本年度末で解散の方針。住民団体体「喜連村史の会」が6/21反対会見。大阪市内の遺跡発掘業務などを担っていたが、2013年の府市統合本部会議で整理方針が決まった。[共同通信]
北九州市: 八幡西区・JR折尾駅の南側で、筑豊線の廃線跡から赤れんがの遺構。[西日本新聞]
モンゴル: ドルノド県（Дорнод；Dornod）のハール・ヌール砦（Хар нуу；Khar Nuur）で、1158～1214年のエリート墓。契丹帝国（Kitan Empire）の崩壊（1125年）とモンゴル帝国の勃興（1206年）の中間の時期の葬送習慣や社会状況を示す。従来、契丹帝国とモンゴル帝国の間の時期のモンゴル高原の様相はよくわかっていなかった。
▶ Amartuvshin Chunag, Gideon Shelach-Lavi, William Honeychurch, Batdalai Byambatseren, Orit Shamir, Uuriintuya Munkhtur, Daniela Wolin, Shuzhi Wang, Nofar Shamir (2024) An elite grave of the pre-Mongol period, from Dornod Province, Mongolia. Archaeological Research in Asia, Volume 39, September 2024, 100537. [ScienceDirect]
ノルウェー: ヤールスベルグ（Jarlsberg）で新たにヴァイキング船を発見。[Science Norway]
▼ヴェストフォル県（Vestfold）

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