2023年4月30日(日)
- インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)トゥーットゥックディ県(Thoothukudi)アディチャナルール(Adichanallur)の鉄器時代の墓から出土した人骨をDNA分析。現在の住民の先祖とは別の人たち。[The New Indian Express]
- ウクライナ
- キーウ(キエフ;Київ;Kyiv)のオボレンスキー島(Obolonsky Island)でコサックパイプ、女性用装身具、土器、硬貨、マスケット弾など。[The Times Hub]
- ルーマニア
- ワラキア地方(Wallachia)のトゥルグショル・ベキ遺跡(Târgșoru Vechi)での前期中世・1千年紀末の集落から出土した骨の放射性炭素年代測定。サンプルは住居内の火の近く、墳墓、井戸から採取。1114年前〜1256年前(BP)の数値を得る。考古学的な推定の範囲内。
▶ Mirela Mihon, Alexandru Petre, Doru Păceșilă, Cristian Mănăilescu, Oana Gâza, Bogdan Ciupercă, Andrei-Cătalin Dîscă, Tudor Virgil Hila (2023) Radiocarbon dating of bones from archeological site Târgșoru Vechi. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, Volume 540, July 2023, Pages 182-187. [ScienceDirect] - イタリア
- ポンペイ遺跡(Pompeii)で出土した古代ローマのパン(Panis quadratus)について、製作工程を検討。水分が少ないために、これまでのいかなる想定よりも堅く作られ、水平方向の溝を作り出すための紐は使用されておらず、焼き上げる時間も従来の想定より短い。
▶ Marc Cardenas, Ibán Yarza, Véronique Matterne, Amaia Arranz-Otaegui (2023) Disentangling the production of the panis quadratus from Pompeii: A new interdisciplinary perspective. International Journal of Gastronomy and Food Science. [ScienceDirect] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)ヴァル=ドワーズ県(Val-d'Oise)アニエール=シュル=オワーズ(Asnières-sur-Oise)のロワイモヨン修道院(Royaumont)跡で中世の墓。修道院は1228年に建立。[actu]
- メキシコ
- マヤ鉄道(Tren Maya;Maya Train)の区間で、マヤ文明の稲妻の神カウィール(Kʼawiil)の像。グアテマラのティカルでは3例あるが、メキシコでは初の出土。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[Heritage Daily]
- ペルー
- リマ(Lima)でチャンカイ文化(Chancay)・600年前の3歳児の墓。[Reuters]
2023年4月29日(土)
- ラオス
- ボーリカムサイ県(Bolikhamxay) ウィエントーン郡(Viengthong)のYiang洞窟で、仏像14体、剣22振。[The Laotian Times]
- イラン
- ホラーサーン(Khorasan)地域でサーサーン朝の漆喰によるさまざまな図像。[Tehran Times]
- フランス
- コルシカ島(Corse;Corsica)コルス=デュ=シュド県(Corse-du-Sud)ソッタ(Sotta)のPunta Campanaで、後期新石器時代・紀元前4千年紀初頭と終末期新石器時代・紀元前3千年紀の集落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Une occupation néolithique à Dilligato – Punta Campana (Sotta, Corse-du-Sud) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2023年4月28日(金)
- 京都市
- 上京区・平安宮跡で、醤院と主水司の境界に掘られた土坑跡から、9世紀後半の緑釉四足壺。公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所の調査。[産経新聞]
- 大阪府
- 河内長野市・高向遺跡(たこういせき)で、古代の建物跡や土坑など。公益財団法人大阪府文化財センターの調査。5/13現地説明会。
▶河内長野市 高向遺跡発掘調査 『現地説明会』 を5月13日(土)に開催いたします。 [公益財団法人大阪府文化財センター] - 奈良県
- 五條市・中遺跡(なかいせき)で平安時代末〜鎌倉時代初め・12世紀の銅印。五條市教育委員会の調査。[奈良新聞]
▼中遺跡関連記事→2002年12月11日 - ヨルダン
- ヨルダン南部バーイル(Bayir)の東側で、衛星画像を分析により、ローマ時代の一時的な軍事キャンプを少なくとも3か所確認。サウジアラビアのジャウフ州(Jawf)にあるドゥーマト・アッ=ジャンダル遺跡(Dûmat al-Jandal)の方面に対する、記録には残されていない軍事遠征があったとみられ、106年のナバテア王国の併合と関連していると思われる。
▶ Michael Fradley, Andrew Wilson, Bill Finlayson and Robert Bewley (2023) A lost campaign? New evidence of Roman temporary camps in northern Arabia. Antiquity, First View, pp. 1 - 6. [Cambridge Core] - パレスチナ(ヨルダン川西岸地区)
- テル・エル・ファラ(北)遺跡(Tell el-Far‘ah North)で出土した前期青銅器時代2期(EB II)の「金属的」な土器について分析。石英が豊富な低石灰質粘土を用い、800〜900度で焼成。
▶ Maura Sala (2023) The EB II ‘metallic ware’ from Tell el-Far‘ah North (West Bank): typology, technology and petrography of a ceramic industry of the central hill country. Levant. [Taylor & Francis Online] - イタリア
- ポンペイ遺跡(Pompeii)のイシス女神(Isis)に奉納された神殿跡から、ローマ時代・1世紀の動物遺体、植物遺体、土器など。動物遺体の大半は鳥。鳥のうちニワトリだけは若い個体が儀式のときに奉納されていた。卵の殻も出土。イシス信仰に関連してニワトリが儀式に用いられたことを示す。
▶ Chiara Assunta Corbino, Beatrice Demarchi (2023) Birds for Isis: The evidence from Pompeii. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library] - オランダ
- オランダ西部の新石器時代・フラールディンゲン文化(Vlaardingen Culture)・紀元前3400年〜前2500年のフリント製石斧の再加工について、実験考古学の方法を用いて研究。石斧から再加工された石器には研磨された面を残さないことが多いために、これまで石斧の再利用が過小評価されてきた。オランダ西部では、新石器時代の斧は完全な状態で出土することが稀。フリントが乏しかったため、再加工して利用した。▶ Lasse van den Dikkenberg, Diederik Pomstra & Annelou van Gijn (2023) Recycling Neolithic Axes: An Experiment Re-using Polished Axes as a Flint Source for the Creation of Small Tools. Lithic Technology. [Taylor & Francis Online]
- UK(スコットランド)
- ファイフ(Fife)のランディン・リンクス(Lundin Links)とイースターロス(Easter Ross)のバリントア(Balintore)でピクト時代の墓地から出土した人骨のゲノムを分析。ピクト人(Picts)はスコットランド西部、ウェールズ、北アイルランド、ノーサンバーランドとの共通性が高く、イングランドとは異なる。鉄器時代から中世までの継続性を示す。ミトコンドリアDNAの多様性から見て、母系社会ではなかった。ピクト人は3世紀後半にローマ人に抵抗したとして初めて記述がある。中世ピクト人はブリテン島の外からの移民とみられていた。
▶Study reveals new insights into the origins of Scotland's mysterious Picts [The University of Aberdeen]
▶ Adeline Morez, Kate Britton, Gordon Noble, Torsten Günther, Anders Götherström, Ricardo Rodríguez-Varela, Natalija Kashuba, Rui Martiniano, Sahra Talamo, Nicholas J. Evans, Joel D. Irish, Christina Donald, Linus Girdland-Flink (2023) Imputed genomes and haplotype-based analyses of the Picts of early medieval Scotland reveal fine-scale relatedness between Iron Age, early medieval and the modern people of the UK. PLOS Genetics, 19(4): e1010360. [PLOS Genetics] - エジプト
- ▶Buddha statue found at Berenike (Egypt) [Polish Centre of Mediterranean Archaeology, University of Warsaw]
- アフリカ
- サハラ地域(Sahara)で出土した完新世中期(mid Holocene)の動物遺体や、土器に残る遺存物を分析。家畜の利用が経済に与える影響は限定的。乾燥化に伴い、C4植物の利用が増加。北アフリカでは乾燥化においても残存した湖が漁撈活動を支えた。牧畜の拡散は散発的、各集団の間層化への適応による。
▶ Katie Manning, Paul S. Breeze, Nick Drake, Julie Dunne, Emmanuelle Casanova, Richard P. Evershed (2023) Habitat fragmentation and the sporadic spread of pastoralism in the mid-Holocene Sahara. Quaternary Science Reviews, Volume 309, 1 June 2023, 108070. [ScienceDirect] - 訃報
- 勝部明生・元奈良県立橿原考古学研究所副所長4/26死去。88歳。[奈良新聞]
2023年4月27日(木)
- 北海道
- むかわ町が、「むかわ町郷土史研究会」の会長から預かった縄文時代の土器片について、台帳への記録などをせず不適切な管理。研究会が町に返還を求めたところ、町の保管庫に一部しか残っていなかった。[北海道新聞]
- 日本
- 中央高地の縄文時代・6000年前〜4000年前(BP)の遺跡で出土したアズキやダイズの種子から見て、それらの大きさの増大は、中国や朝鮮より日本で早く始まる。アズキやダイズの種子は栽培化すると大きくなることが知られており、それらの栽培彼我日本で先行していた可能性。
▶ Yu Takahashi, Hiroo Nasu, Seiji Nakayama, Norihiko Tomooka (2023) Domestication of azuki bean and soybean in Japan: From the insight of archeological and molecular evidence. Breeding Science. [J-STAGE] - 韓国
- 慶尚南道金海市・大成洞古墳群(テソンドンこふんぐん)で出土したガラスを分析し、多様な色調や技法を確認。大成洞古墳群は金官加耶の最高支配層の古墳。[聯合ニュース]
- 韓国
- 慶尚南道 昌原市 城山区 盤林洞・昌原盤松洞推定遺跡地で、統一新羅末〜高麗時代・9世紀末〜14世紀末の寺院跡。最盛期は12〜13世紀。広場の北・東・西に配置された建物跡3棟、建物基壇など。高麗の毅宗11年(1157年)に製作されたとみられる瓦が出土し、馬山・会原県城の出土瓦に似る。[慶南日報]
- 韓国
- 「国家遺産基本法」の再提案が国会の本会議を通過。1962年制定の「文化財保護法」による分類体系を改め、来年5月から「文化財」の名称を「国家遺産」に。[聯合ニュース]
- イラン
- ケルマーンシャー州(Ostān-e Kermānshāh)のテペ・サラーブ遺跡(Tepe Sarab)が、鉄道建設計画のため一部破壊され、都市拡張のためのごみ捨て場に。鉄道建設で掘り上げた土が遺跡近くに積み上げられ、農民たちはその土を畑の穴を埋めるために利用。遺跡の形成にかかわる水路などの古地形が失われる。テペ・サラーブ遺跡は9000年前にさかのぼる。[Tehran Times]
- ルーマニア
- ドルジュ県(Județul Dolj)パデア(Padea)で、ローマ時代・3世紀後半の銀貨1168枚。ピリップス・アラブス帝(Philippus Arabs;Philip the Arab)の治世、245年ごろに埋められたか。[Romania-Insider]
- ハンガリー
- ヤース地方(Jászság)で、アヴァール時代の墓地の調査中、ローマ時代・1世紀の50〜60歳の男性の墓から、木箱に納められた金属製の医療道具。ハンガリーの一部がパンノニア属州に帰属させられたころにあたる。同様の医療器具セットは、同時期のポンペイでのみ1例見つかっている。[Heritage Daily]
- ポーランド
- クラクフ(Kraków)で中世・14世紀にさかのぼるシェフスカ門(Szewska Gate)の跡。発見した部分は15世紀のもの。19世紀初めに取り壊されたものとみられる。北壁は加工されない石灰岩で、南壁は部分的に石灰岩、部分的にレンガでつくる。[The First News]
- スペイン
- カディス(Cádiz)市内の古代ガディール遺跡(Gadir)で出土した紀元前5千年紀〜紀元後5世紀の人骨16体の遺伝子を調査し、母方の遺伝系統を調査。うち5人はフェニキア人。カディスに最初に住んだフェニキア人を特定。[El Español]
▶Cláudia Gomes, Carlos González Wagner, Manuel Calero-Fresneda, Sara Palomo-Díez, César López-Matayoshi, Inês Nogueiro, Ana María López-Parra, Elena Labajo González, Bernardo Perea Pérez, José María Gener Basallote, Juan Miguel Pajuelo and Eduardo Arroyo Pardo (2023) Maternal Lineages during the Roman Empire, in the Ancient City of Gadir (Cádiz, Spain): The Search for a Phoenician Identity. Genealogy, 7, no. 2: 27. [MDPI] - エジプト
- 紅海の町ベレニケ(Βερενίκη;Berenike)で、初期ローマ時代のイシス神に献じられた神殿の前庭から、大理石製の仏像出土。高さ71cmの立像。トルコのイスタンブルの南で切り出された石を用い、ベレニケで彫刻されたと推定。また、仏像より遅く、ローマ帝国ピリップス・アラブス帝(在位244〜249年)のころに書かれたサンスクリットの銘文。さらに神殿内からはインドのサータヴァーハナ朝・2世紀の硬貨2枚。いずれもローマ時代のエジプトとインドとのつながりを示す。[Ahram Online]
- メキシコ
- オルメカ(Olmec)のタール貿易について研究するため、形成期前期(Early Formative)〜形成期中期(Middle Formative)・紀元前1800年〜前400年の10遺跡から出土した遺物と原油、浸透油などのバイオマーカーを比較。7群はオルメカの中部と東部に由来。2群はオルメカから600km以上離れたタンピコ地域に由来。
▶ Carl J. Wendt, Kenneth E. Peters (2023) Ancient Olmec tar trade revealed by combined biomarker and chemometric analysis. Journal of Archaeological Science, Volume 154, June 2023, 105778. [ScienceDirect]
2023年4月26日(水)
- 滋賀県
- 東近江市・百済寺(ひゃくさいじ)本堂の濡れ縁で、4/25床板を支える木材が折れる。本堂は国の重要文化財。NHKのドラマ撮影でダンスシーンのリハーサル中だった。[京都新聞]
- 福岡県
- 太宰府市・小正府遺跡(こしょうふいせき)で、平安時代・10世紀後半の瓦窯跡から、年号「天延」と記された平瓦。[西日本新聞]
▼小正府遺跡関連記事→2023年3月22日 - 韓国
- 慶尚南道 咸安郡・末伊山古墳群(マリサンこふんぐん)で出土した古代のガラス容器2点をローマングラスと確認。2021年に末伊山75号墳で出土した1点と、2022年に末伊山古墳群北側地域で出土した1点。慶州や金海で出土したローマングラスと成分が同一。5〜6世紀の製作と推定。阿羅加耶の文化圏で出土するのは初。加耶では陜川玉田古墳群と金海大成洞古墳群に続き3例目。[聯合ニュース]
▶咸安末伊山古墳群出土古代ガラス容器分析結果公開 [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁 - 中国
- 漢魏洛陽城で人面文の瓦当が初めて出土。瓦当面が斜めに取りつく。[鳳凰網]
- UK(イングランド)
- ベッドフォードシャー州(the county of Bedfordshire)のビッドウェル・ウェスト(Bidwell West)で、中世の木造建築1棟と、一連の周溝。周溝から、ゲームの駒テーブルマン(tableman)が出土。ウシのあごの骨を旋盤で加工し、直径6cm。
▶Fun and games in medieval Bedfordshire [Cotswold Archaeology] - UK(イングランド)
- ノーフォーク州(Norfolk)グレート・ヤーマス(Great Yarmouth)沖の北海の海底で採取された土砂から検出された旧石器時代の遺物を分析。中期旧石器時代後半に、当時陸地だった北海盆地(North Sea Basin)南部にヒトが居住。
▶ Rob Davis, Nick Ashton, Rachel Bynoe, John Craven, Rob Ferguson, Ian Gardner, Tim Grimmer, Claire Harris, Marcus Hatch, Colin Johnson, Joanne Leonard, Simon Lewis, Darren Nicholas, Matt Stevens (2023) Middle Palaeolithic occupation of the southern North Sea Basin: evidence from the Sandscaping sediments emplaced on the beach between Bacton and Walcott, Norfolk, UK. Journal of Quaternary Science. [Wiley Online Library]
2023年4月25日(火)
- 山梨県
- 中央市・二子塚古墳は、山梨県で2例目の前方後方墳。中央市教育委員会の調査。5/14見学会。
▶「二子塚古墳」見学会を開催します [中央市]
▼二子塚古墳関連記事→2023年3月28日 - 福岡県
- 糸島市・深江城崎遺跡(ふかえじょうざきいせき)で、クジラの絵を描いた弥生時代後期前半の土器。糸島市4/25発表。クジラの絵を描いた弥生土器は長崎県・原の辻遺跡に続き国内2例目。原の辻遺跡など壱岐では当時、唐捕鯨が盛んであったことがわかっているが、糸島周辺では捕鯨が盛んだった証拠はない。壱岐にあった「一支国」と糸島にあった「伊都国」のつながりを示す発見。[朝日新聞]
- 韓国
- ソウル・光化門(クァンファムン)の前に設置されていた月台跡について、月台の規模や4次にわたる変遷過程を確認。復元の手がかりに。[聯合ニュース]
▶光化門月台の規模と変遷過程が確認される [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁 - 中国
- 浙江省 衢州市・石角山古城遺跡で、内城と外城の年代が明らかに。内城は新石器時代晩期〜夏商。外城は商周。[浙江在線]
- 中国
- 甘粛省 寧県・石家墓地(Shijia)の青銅器時代の車馬坑から、出土した雄のウマの成獣8頭を分析。
▶ Chengrui Zhang, Yongan Wang, Junmin Zhang, William Timothy Treal Taylor, Feng Sun, Zexian Huang, Ruijing Qiu, Furen Hou, Rowan K. Flad and Yue Li (2023) Elite chariots and early horse transport at the Bronze Age burial site of Shijia. Antiquity, First View, pp. 1 - 18. [Cambridge Core] - トルコ
- イズミル県(İzmir il)で、古代都市スミュルナ(Σμύρνα;Smyrna)のアゴラ跡から、ギムナシウム(gymnasium)の跡。サテュロスの浮彫やヘラクレス像の破片が出土。[Hürriyet Daily News]
- ウクライナ
- ハルキウ州(Харківська область;Харьковская область;ハリコフ州)クプヤンシク(Куп'янськ;Купянск;クピャンスク)の博物館をロシア軍がミサイル攻撃。1人死亡。民間施設を攻撃対象に。[時事通信]
- ブルガリア
- ヴァルナ(Варна;Varna)にある古代都市オデソス(Одесос;Odessos)から、紀元前5世紀初めごろの赤像式の土器アスコス(ἀσκός;askos)。類例は20世紀初めにアポロニア・ポンティカ(Ἀπολλωνία ἡ Ποντική;Apollonia Pontica)で出土し、現在ルーヴル美術館に所蔵されている1点のみ。[Novinite]
- ポーランド
- ポーランド低地(Polish Lowlands)のクヤヴィ地域(Kujawy)で出土した新石器時代〜前期青銅器時代の玄武岩製の道具について出自を分析。ウクライナのヴォルィーニ(Волинь;Volhyn)産。一方、南西ポーランドの下シロンスクさんや南スウェーデンのスコーネ産は含まず。ヴォルィーニの玄武岩を使用していることは、ヒトの移住や長距離交易による可能性。
▶ Wojciech Bartz, Piotr Chachlikowski, Anna Kukuła, Magdalena Matusiak-Małek, Hubert Mazurek (2023) Provenance studies of basaltic tools from the Polish Lowlands in the light of geochemical and mineralogical studies. Archaeometry. [Wiley Online Library] - ペルー
- リマ(Lima)のカハルマルキヤ遺跡(Cajarmarquilla)でリマ文化(Lima culture)またはイチマ文化(Ichma culture)・1200年〜1000年前の包まれた子供のミイラ。[Reuters]
2023年4月24日(月)
- 埼玉県
- 北本市・デーノタメ遺跡の保存活用に向け、国史跡化や都市計画道路の迂回といった政策を掲げて持続可能なまちづくりを主張した無所属現職の三宮幸雄氏が、4/23投開票の北本市長選で再選。[東京新聞]
▼デーノタメ遺跡関連記事→2023年4月15日 - 大阪府
- 東大阪市・西岩田遺跡(にしいわたいせき)で、洪水堆積層から3世紀初めの木製仮面。公益財団法人大阪府文化財センター4/24発表。[朝日新聞]
- スロバキア
- トルナヴァ県(Trnava)コショルナー(Košolná)で10年前に出土した陶磁器片は、19世紀中ごろのファイアンスの皿。[The Slovak Spectator]
- ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)ミュンヘン(München)のゼンドリング地区(Sendling)で、ケルト・2300年前の男性の墓から、はさみなどの副葬品。[Die Zeit]
- ペルー
- アンカシュ県(Departamento de Áncash)チンボーテ(Chimbote)のサン・ペドロ村(San Pedro)で、先インカ時代の墓から人骨や土器。ピラミッド「ワカ・サン・ペドロ」(Huaca San Pedro)の近く。[Andina]
2023年4月23日(日)
- インド
- パータリプトラ(Pataliputra)で、紀元前6世紀〜紀元後4世紀、9〜13世紀、1540年代の遺構。地中レーダーによる。パータリプトラはマガダ国の首都だった場所。[The Times of India]
- ポーランド
- モズガヴァ遺跡(Mozgawa)で見つかった中期新石器時代・フンネルビーカー文化(Funnel Beaker Culture)・紀元前3600年〜前3200年の40ヘクタールに及ぶ大規模集落から出土した、微小な植物遺体により、植物の利用の仕方を復元。紫や赤に染められた繊維を生産し、生産道具から見て、すべての工程が行われる。繊維生産が専門化していたとまでは言えないが、集落内部の活動が多様化している。
▶ Aldona Mueller-Bieniek, Magdalena Moskal-del Hoyo, Marta Korczyńska-Cappenberg, Magda Kapcia, Marek Nowak (2023) Plant macro-remains from a large middle Neolithic settlement in SE Poland – Internal diversification and possible status of the settlers. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 49, June 2023, 104016. [ScienceDirect]
2023年4月22日(土)
- フィリピン
- ルソン島北西沖110kmの水深4000m以上の南シナ海の海底で、第二次世界大戦中の日本の輸送船「もんてびでお丸」を確認。ラバウルで捕虜となった軍人と市民1060人を載せていたが、1942年7月1日に米国の潜水艦スタージョン(USS Sturgeon)の魚雷攻撃を受け沈没。[Silentworld Foundation]
- 太平洋
- 域外ポリネシア(Polynesian Outliers)のうち、バヌアツ中部、ソロモン諸島、カロリン諸島から出土した石器を分析。石材が原産地から最大2500kmを移動。
▶ Aymeric Hermann, Pamela Gutiérrez, Catherine Chauvel, René Maury, Céline Liorzou, Edson Willie, Iarawai Phillip, Robert Forkel, Christoph Rzymski, and Stuart Bedford (2023) Artifact geochemistry demonstrates long-distance voyaging in the Polynesian Outliers. Science Advances, Vol 9, Issue 16. [Science Advances] - スウェーデン
- ヴァールベリ(Varberg)で、中世・14世紀中ごろの沈没船2隻。コグ船(cog ship)と呼ばれる商業船。「Varbergskoggen 1」は1346年以降にオランダ、ベルギー、北東フランスの地域で伐採された木材で建造。「Varbergskoggen 2」は1355〜1357年に北部ポーランドで伐採されたオーク材からなる。コグ船はハンザ同盟を中心に、北欧で多く用いられた。[Arkeologerna]
- ノルウェー
- カルメイ(Karmøy)のSalhushaugen墳丘墓で、ヴァイキング船を発見。長さ20m。[Arkeonews]
2023年4月21日(金)
- 岡山県
- 津山市・高尾北ヤシキ遺跡(たかおきたやしきいせき)で平安時代〜鎌倉時代の集落内から鏡像に、菩薩像の線刻。岡山県古代吉備文化財センターの調査。
▶菩薩像を線刻した平安・鎌倉時代の鏡像が見つかりました [岡山県教育委員会] - 長崎県
- 新上五島町沖合の祝言島(しゅうげんじま)周辺で、鎌倉時代〜室町時代の中国船のものとみられる角柱定形型碇石2本。新上五島町の周辺海域では初の発見。長崎県埋蔵文化財センターの調査。
▶「新上五島町周辺海域で中国船の碇石発見」長崎県水中文化遺産保存活用推進事業の調査成果 [長崎県] - 韓国
- 釜山広域市 機張郡・機張邑城(キジャンゆうじょう)の東城壁から、堀や、城外に突出した構造の防御施設「雉城」。機張邑城は1425年築造。[新亜日報]
- 中国
- 河北省 邯鄲市 臨漳県・鄴城遺跡(ぎょうじょういせき)のうち、東魏・北斉の鄴城宮城区で、宮城の範囲と形態を確認。[中国新聞網]
▼鄴城遺跡関連記事→2023年1月4日 - イタリア
- トスカーナ州(Regione Toscana;Tuscany) リヴォルノ県(Provincia di Livorno)の森で、2021年に壺に納められた銀貨175枚。もっとも古いものは紀元前157/156年、最も新しいものは紀元前83/82年。ローマ時代・紀元前82年にルキウス・コルネリウス・スッラ(Lucius Cornelius Sulla)が内戦を戦っていたころに兵士が隠したものか。[LiveScience]
- ドイツ
- クサンテン(Xanten)のビルテン地区(Birten)にあるフュルステンベルク(Fürstenberg)で、豪勢な浴場を備えたローマ時代の邸宅。窓ガラスや屋根瓦など出土。ローマ時代の都市は予想よりも大きく、繁栄していた。[WELT]
▼ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen) - フランス
- ファメック(Fameck)で鉄器時代初め・紀元前1500年〜前500年と、紀元前3世紀〜前3世紀のガリア人の墓地。[France bleu]
▼グラン・テスト地域圏(Grand Est)モゼル県(Moselle) - フランス
- オワーズ県(Oise)サンリス郡(Senlis)シャマン(Chamant)でラ・テーヌ文化(La Tène)末期・紀元前1世紀の遺跡。石臼づくりのための採石場。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。[Oise Hebdo]
- デンマーク
- 北ユラン地域(Region Nordjylland;North Jutland)ホブロー(Hobro)のフュアカト砦(Fyrkat)の近くで2か所の埋納。ヴァイキング・980年代の銀貨300枚。デンマーク、アラブ、ゲルマンの硬貨を含む。[The Guardian]
- ノルウェー
- インランデ県(Innlandet)ヴァルドレス(Valdres)のAurdalで、建物の地下から1000年前の鉄の棒32本。形や大きさが一定で、それぞれ一端に孔があり、束にして縛っていたとみられる。貨幣のように用いられたか。[Ancient Origins]
- エジプト
- 古代エジプトの銅合金で封印された動物用の棺6個を中性子で透視。うち3個からトカゲとみられる動物遺体や、繊維の包み。棺の製作工程や修理過程も判明。3個の容器からは大量の鉛。透視が可能になったことにより、棺上部の動物像と中身の対比も可能に。
▶ Daniel O’Flynn, Anna Fedrigo, Laura Perucchetti & Aurélia Masson-Berghoff (2023) Neutron tomography of sealed copper alloy animal coffins from ancient Egypt. Scientific Reports, volume 13, Article number: 4582. [Scientific Reports] - USA
- フロリダ州(State of Florida)ヴォルーシャ郡(Volusia County)のデイトナビーチ(Daytona Beach)で沈没船を発見。長さ25〜30フィート。[The Daytona Beach News-Journal]
- メキシコ
- タバスコ州(Tabasco)バランカン(Balancán)のモラル・レフォルマ遺跡(Moral-Reforma)にある古典期マヤのピラミッド「Structure 18」で、階段部分から先古典期後期(Late Preclassic)・紀元前300年〜紀元後250年、古典期後期(Late Classic)・600〜900年の墓。古典期後期には斬首されたりバラバラになった遺体を含む。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[Heritage Daily]
▼モラル・レフォルマ遺跡関連記事→2009年5月30日
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