考古学のおやつ/NEWSLINK

2022年5月10日（火）

韓国: 江原道平昌郡平昌邑泉洞里で、青銅器時代の埋葬施設2基と石剣1点、石鏃9点、管玉6点、赤色磨研土器1点。[聯合ニュース]
中国: 山西省臨汾市洪洞県広勝寺鎮・南秦遺跡にある南秦墓地で、春秋晩期の卿大夫クラスの墓。編鍾のセットが出土。[中国新聞網]
中国: チベット自治区（西藏；Tibet）ガリ地区（阿里；Ngari；Ali）ツァンダ県（札達；Zanda）のGepa Serul墓地で出土した、3600年前～3000年前、チベット西部最初の銅製遺物を分析。合金に純銅と砒素銅の双方を含み、特に砒素銅はチベットでは初めて確認。遺物は基本的に鍛造、補助的に鋳造技法も用いられた。鉛同位体によると、銅の産地は地元を含む複数。ネパールのSam Dzong墓地で出土した銅と鉛同位体比が似通っており、何らかの関係を想定。
cf. K. Cao, Y. Z. Zhangsun, Y. H. Xian, C. Yu, W. Shargan (2022) The Earliest Metal in Western Tibet: Evidence from the Gepa Serul Cemetery. Archaeometry. [Wiley Online Library]
インド: オリッサ州（Odisha）プリー（Puri）のジャガンナート寺院（Jagannath Temple）付近で州政府が行っている建設工事について、有効な許可を得ていないと、インド考古調査局（Archaeological Survey of India：ASI）が高等裁判所に報告。工事に伴う掘削で埋蔵文化財を破壊した可能性も。[The Hindu]
イスラエル: テル・エス・サフィ遺跡（Tell eṣ-Ṣâfi）＝古代都市ガテ（Gath）で、前期青銅器時代（Early Bronze Age）・紀元前3千年紀前半～中ごろのゲーム盤とゲームの駒。南レヴァントのアラド（Arad）、メギド（Megiddo）、バブ・エ・ドゥラー（Bab edh-Dhra）に類例。
cf. Shira Albaz, Haskel J. Greenfield, Tina L. Greenfield, Annie Brown, Itzhaq Shai & Aren M. Maeir (2022) Daily life and cultural appropriation in Early Bronze Age Canaan: Games and gaming in a domestic neighbourhood at Tell eṣ-Ṣâfi/Gath, Israel. Palestine Exploration Quarterly. [Taylor & Francis Online]
▼テル・エス・サフィ遺跡関連記事→2021年11月2日
UK（イングランド）: ドーセット州（the county of Dorset）ウェイマス（Weymouth）のメルクーム・レジス（Melcombe Regis）で13世紀の家と井戸。メルクーム・レジスは1280年代にエドワード1世によって設立。[Greatest Hits Radio]
UK（スコットランド）: ゴルスピー（Golspie）にあるCàrn Liathのブロッホから、石材がケルンを作るために抜き取られ、警察が捜査。鉄器時代の遺跡。[The Scotsman]
ヨーロッパ: ヨーロッパの新石器時代の製粉具について、使用痕や残留物分析。穀類の製粉が主であるが、マメ類、堅果類、草のような多様な素材に対して用いている。地域や文化的背景によって異なる製粉方法が用いられており、多様な食生活に対応。
cf. Caroline Hamon (2022) Use-wear analysis of grinding tools and the exploration of plant processing in the Neolithic of Europe: State of the art and perspectives. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 43, June 2022, 103471. [ScienceDirect]

2022年5月9日（月）

中国: 蘇州市相城区元和街道陸慕の元和塘古窯跡で、明時代の床用のレンガ（金磚）や、宋代の陶灯など。[中国社会科学院考古研究所]
インド: タミル・ナードゥ州（Tamil Nadu）クリシュナギリ県（Krishnagiri）マイラードゥムパーライ（Mayiladumparai）で出土した鉄製遺物は紀元前2172年～前1615年の範囲と測定。鉄器時代が4200年前にさかのぼる可能性。層位的に、後期新石器時代はそれ以前。[The Print]
インド: グジャラート州（Gujarat）・ロータル遺跡（Lothal）の堆積層を利用して、炭素や硫黄の同位体からグジャラート州南西部の海面水位の低下を研究。4150 ± 230年前（BP）に始まった水位低下は3625 ± 200年前（BP）まで続く。海面低下で、ロータルのハラッパー文化（Harappan）の港湾は干上がった。インダス文明の都市が衰退する4200年前～3800年前に一致。この現象は地質年代メガラヤン（Meghalayan Age；後期完新世）の始まりの時期とも重なる。
cf. Archana Das, Aashima Sodhi, Chintan D. Vedpathak, S. P. Prizomwala, Rajesh Agnihotri, Nisarg Makwana, Jaquilin Joseph, Nikhil Patel, Sumer Chopra, M. Ravi Kumar (2022) Evidence for seawater retreat with advent of Meghalayan era (∼4200 a BP) in a coastal Harappan settlement. Geochemistry, Geophysics, Geosystems. [Wiley Online Library]
UK（イングランド）: ハンプシャー州（the county of Hampshire）ウィンチェスター（Winchester）のハイド修道院（Hyde Abbey）の庭で中世の教会の北壁。身廊（nave）の位置を確定。グリフィンとみられる彫刻の破片出土。ハイド修道院はアルフレッド大王（Alfred the Great）の墓所。[Hampshire Chronicle]

2022年5月8日（日）

北海道: 標津町で出土した縄文時代晩期のヒスイの勾玉が新潟県糸魚川市産であることが判明。糸魚川産のヒスイとして国内最東端。標津町教育委員会の調査。[毎日新聞]
高知県: 南国市に太平洋戦争時に造られた軍用機の格納庫、掩体のうち、戦後取り壊された木造の掩体を撮影した写真が見つかった。木造掩体の写真が高知県内で確認されたのは初。[高知新聞]
インド: ハリヤーナー州（Haryana）のラーキーガリー遺跡（Rakhigarhi）で、ハラッパー文化（Harappan）・7000年前の計画的な都市。また。5000年前の宝飾品制作工房。[Telangana Today]

2022年5月7日（土）

徳島県: 勝瑞城館跡（しょうずいじょうかんあと）から出土した軒平瓦は、14世紀～15世紀初めに比定される群と、16世紀後半に比定される群の2群から構成。16世紀に比定される群と同笵・同文関係を有する瓦は阿波・淡路の諸遺跡から出土。摂津・河内と阿波・淡路のそれぞれの地域のなかで同笵・同文瓦がまとまる傾向がありり、両地域における造瓦活動は基本的に別々に展開。
cf. 岡本健 (2022) 阿波勝瑞城館跡出土瓦について―戦国期天王寺瓦工の特質解明に向けて（2）―. 大阪歴史博物館研究紀要, 第20号, pp. 41-54. [J-STAGE]
▼勝瑞城館跡関連記事→2016年2月28日
福岡県: 大野城市・瑞穂遺跡（みずほいせき）で弥生時代中期の甕棺墓15基。遺跡範囲が西側に広がる。大野城心のふるさと館5/6発表。[毎日新聞]
▼瑞穂遺跡関連記事→2022年4月28日
ウクライナ: ククテニ＝トリポリエ文化（культурна спільність Кукутень-Трипілля；Cucuteni-Tripolje-Kultur；Cucuteni-Trypillia culture）・紀元前4000年の遺跡が、戦争のため危機に。研究者も祖国防衛に従事するか、国外に避難。[Mitteldeutscher Rundfunk]
ギリシャ: クレタ島（Κρήτη；Crete）の古代都市ラト（Λατώ；Lato）で出土した2500年前のアスリートの頭蓋骨に花冠の痕跡。口の中にはハデス（Ἅιδης：Hades）の渡し船の船頭カローン（Χάρων；Charon）へ渡すための銀貨。[Greek Reporter]
イタリア: サルデーニャ島（Sardegna；Sardinia）オリスターノ県（Oristano）カブラス（Cabras）にあるモンテ・プラマ（Mont'e Prama）のヌラーゲ文化（Nuragic）の墓地で、新たに巨大な人物像2体。ボクサーを表し、カヴァルポ（Cavalupo）の様式。[ANSA]
フランス: ノルマンディー地域圏（Normandie）カルヴァドス県（Calvados）フォルミニー・ラ・バタイユ（Formigny-la-Bataille）で、前期新石器時代末・ヴィルヌーヴサンジェルマン文化（culture du Villeneuve-Saint-Germain）・紀元前4800年～前4700年の集落や、青銅器時代・紀元前2000年ごろの区画溝。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
Une occupation de l'âge du Bronze ancien à Formigny-la-Bataille (Calvados)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
タンザニア: ザンジバル島（Zanzibar）のゲレザ（Gereza）で、19世紀半ば～後半に守備隊の兵士が描いたと見られる船の落書き。当時インド洋を行き交っていたさまざまな船を描写。
Historic graffiti made by soldiers sheds light on Africa maritime heritage, study shows[University of Exeter]
cf. John P. Cooper & Alessandro Ghidoni (2022) Ship graffiti at the Zanzibar Gereza (Old Fort), Stone Town, Unguja, Tanzania. Azania: Archaeological Research in Africa, Volume 57, Issue 1. [Taylor & Francis Online]

2022年5月6日（金）

鳥取県: 鳥取市・太閤ケ平（たいこうがなる）に、1581年の鳥取城攻めのとき羽柴秀吉が築いた本陣には、土塁に囲まれたくぼ地があり、織田信長の迎えるための「天主」があった可能性。鳥取城での戦いを契機に、信長の移動経路や陣内に宿舎を設ける「御座所システム」が確立された。[日本海新聞]
体育座り: 体育の授業などで行われる「体育座り」は世界でも日本にしか見られない珍しい座り方で、体に悪影響が多い。1965年に学習指導要領の解説書に登場して広まったが、姿勢を維持することに焦点が置かれすぎ。腰痛などの原因にもなる。体育座りを改め、パイプ椅子を準備した学校も登場。[山陰中央新報]
ドイツ: ブルク・シュターガルト（Burg Stargard）で、中石器時代・9000年前のフリント製石器。ブルク・シュターガルト最古の遺物の可能性。従来は新石器時代以降の遺跡のみが知られていた。[Nordkurier]
▼メクレンブルク＝フォアポンメルン州（Land Mecklenburg-Vorpommern）メクレンブルギッシェ＝ゼーエンプラッテ郡（Landkreis Mecklenburgische Seenplatte）
スペイン: カタルーニャ州（Cataluña）バルセロナ県（Província de Barcelona）マタデペラ（Matadepera）のコバ・デル・フラーレ遺跡（Cova del Frare）で出土した前期新石器時代・紀元前5217年～前4796年（cal. BCE）のカルディウム土器（Cardial）と続カルディウム土器（Epicardial）の成形技法を復元。カルディウム土器と続カルディウム土器は装飾が異なっているが、成形技法は同一。円形の粘土パッチをいくつも並べてつなぐ成形技法と、巻き上げによる成形技法が併存。北東部イベリア半島で初期新石器時代の土器製作に関し初めての証拠。
cf. Javier Cámara Manzaneda, Xavier Clop García, Jaume García Rosselló, Araceli Martín Cólliga (2022) Pottery forming of the Cardial and Epicardial Neolithic wares: Analysis and systematisation of technological traces from the ceramic productions of Cova del Frare (NE Iberian Peninsula, 5200-4800 BCE). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 43, June 2022, 103457. [ScienceDirect]
スーダン: ナイル川中流域にあるレッティ盆地（Letti）で、1万年前にウシを飼育していた可能性。ウシの骨や、ウシをかたどった土製品が出土。中東から東アフリカに牧畜が持ち込まれたとされる紀元前6000年～前5000年よりはるかに古い。
Czy bydło udomowiono również w Afryce? Archeolodzy dostarczają nowych argumentów[Nauka w Polsce]
ウルグアイ: ウルグアイ東部の遺跡から出土した800年前の男性のDNAサンプルと、1500年前の女性のDNAサンプルを分析。パナマやブラジル東部とのつながりはあるが、現代アマゾンとのつながりはない。南アメリカへの人類の移動は大西洋沿岸ルートであったことを示唆。
[EmoryUniversity]
cf. John Lindo, Rosseirys De La Rosa, Andre Luiz Campelo dos Santos, Mónica Sans, Michael DeGiorgio, Gonzalo Figueiro (2022) The genomic prehistory of the indigenous peoples of Uruguay. PNAS Nexus, pgac047. [Oxford Academic]

2022年5月5日（木）

群馬県: 伊勢崎市・西上之宮遺跡（にしかみのみやいせき）で、5世紀後半～6世紀後半の古墳7基を含む古墳群。1号墳では舟形石棺の蓋の一部が出土。西毛地域の舟形石棺と似る。公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団の調査。4/16現地説明会。[上毛新聞]
▼西上之宮遺跡関連記事→2022年2月8日
オーストラリア: マジェドベベ遺跡（Madjedbebe）の岩陰から出土した65000年間の植物遺体を分析。環境と人口動態に応じて、食生活は変化。さまざまな植物性食糧を食べ、また植物を集中的に加工していた。より乾燥した氷河期にはさまざまなものを加工し、食の幅が広がる。海面上昇に伴う湿地帯の形成により、新たな植物性食糧を取り入れる。
65,000 years of food scraps found at Kakadu tell a story of resilience amid changing climate, sea levels and vegetation[The Conversation]
cf. S. Anna Florin, Andrew S. Fairbairn, May Nango, Djaykuk Djandjomerr, Quan Hua, Ben Marwick, David C. Reutens, Richard Fullagar, Mike Smith, Lynley A. Wallis, Chris Clarkson (2022) 65,000 years of changing plant food and landscape use at Madjedbebe, Mirarr country, northern Australia. Quaternary Science Reviews, Volume 284, 15 May 2022, 107498. [ScienceDirect]
▼マジェドベベ遺跡関連記事→2021年1月18日
トルコ、ギリシャ: 新石器時代の人骨から得られたコラーゲンの炭素と窒素の安定同位体により、食生活の中での蛋白質について、狩猟で得た肉と牧畜で得た肉との割合を評価し、生存戦略を推定。地中海地域には新石器文化が完全なパッケージとして到達したが、狩猟から牧畜への移行は緩やかで、中石器時代の狩猟採集社会の生活様式を一部残すことにより、食料を確保していた。
cf. Sidney V. Sebald, Anastasia Papathanasiou, Gisela Grupe (2022) Changing subsistence economies in the course of the Neolithic transition: Isotopic sourcing of collagen isotopic ratios in human skeletons from early Neolithic Anatolia and Greece. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 43, June 2022, 103450. [ScienceDirect]
スロバキア: ポプラト（Poprad）のマテヨウツェ（Matejovce）で2006年に発見された民族移動時代（Migration Period）・4世紀の首長墓から出土した木棺の10tにおよぶ木材が、ドイツでの保存処理を終え5/9帰国。ポプラトの博物館Podtatranské múzeum v Popradeで公開へ。同墓からは木製テーブル、皮製弓袋、タペストリーなどが出土した。[The Slovak Spectator]
ドイツ: バイエルン州（Freistaat Bayern）アイイング（Aying）のグロースヘルフェンドルフ墓地（Großhelfendorf）で出土した7～8世紀の男性人骨、115号人骨は、ほかの人骨とは違い、うつ伏せで埋葬。副葬品に長剣スパタ（spatha）や、鉄製の楯の突出部（Boss）。大腿部と上腕、額、顎に、重くて鋭い刃物による傷を負う。治癒しておらず、戦いのさなかで攻撃を受け、死亡したとみられる。うつぶせに埋葬したのは、予期せぬあるいは暴力的な死に対する恐怖のためか。当時の墓は平行な列をなす墓で仰臥伸展葬で葬られることが標準で、115号人骨のような埋葬は稀。
cf. Ja Young Lee, Albert Zink, Bernd Päffgen, Angelika Wolfseder-Freitag, Michaela Harbeck, Bernd Trautmann (2022) Prone burials and evidence of interpersonal violence: A case study from early medieval Bavaria, Germany. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library]
ペルー: リマ県（Lima）バランカ郡（Provincia de Barranca）スペ・プエルト（Supe Puerto）のアスペロ遺跡（Áspero）にあるワカ・アルタ（Huaca Alta）で、カラル文化（Caral）・5000年前の漁撈民の女性の遺体。外耳道外骨腫症が見られ、日常的に潜水していた。[Andina]
▼アスペロ遺跡関連記事→2016年4月21日

2022年5月4日（水）

韓国: 京畿道坡州市・烏頭山城（オドゥさんじょう）の北東側稜線で、統一新羅時代に築かれた内城壁。石造りの基壇の内側に2～3.5m間隔で木の柱「永定柱」を立てるための礎石を配置。中部地域では高麗時代に永定柱礎石の例があるが、統一新羅時代にさかのぼるものは初めて確認。烏頭山城は漢江と臨津江の合流地点にある要衝地に築造。[聯合ニュース]
イタリア: シエーナ県（Provincia di Siena）のピエヴェ・ディ・パヴァ（Pieve di Pava）に埋葬された中世・10～12世紀の人骨204体について、歯の変形を研究し、性別や年齢との関係を研究。男性に有病率が高く、また全体として年齢が進むほど有病率が高くなる。LSAMATと呼ばれる症状は革の加工、notchingやchippingは羊毛加工にかかわっており、特に男性が歯を用いた羊毛加工に多く携わっていたと推定できる。
cf. Martina Monaco, Giulia Riccomi, Simona Minozzi, Stefano Campana, Valentina Giuffra (2022) Exploring activity-induced dental modifications in medieval Pieve di Pava (central Italy, 10th-12th centuries AD). Archives of Oral Biology. [ScienceDirect]
エストニア: タリン（Tallinn）のTõnismägiで、ヴァイキング時代・700～1050年の炉跡4基。[Postimees]
エジプト: ソハーグ県（Sohag Governorate）Haridiで、プトレマイオス朝（Ptolemaic）プトレマイオス3世（Ptolemy III）のころの日干し煉瓦積みの塔形の検問所、イシス神の神殿。各時代の墓85基も。[Egypt Independent]
USA: ヴァージニア州（Commonwealth of Virginia）ジェームズタウン（Jamestown）の植民地時代・4000円前の遺跡が、気候変動による慢性的な洪水で毀損の危機。1607に設立された最初の英国人植民地。1619年にはアフリカ人奴隷が到着。[The Washington Post]
USA: アラバマ州（State of Alabama）の「無名洞窟19号」（19th unnamed cave）で、先住民による1000年前の大規模な洞窟芸術を発見。3D写真を公開。
Largest known cave art images in US by Indigenous Americans discovered in Alabama [LiveScience]
cf. Jan F. Simek, Stephen Alvarez and Alan Cressler (2022) Discovering ancient cave art using 3D photogrammetry: pre-contact Native American mud glyphs from 19th Unnamed Cave, Alabama. Antiquity, First View, pp. 1 - 17. [Cambridge Core]
北米大陸とオーストラリア: 北米大陸とオーストラリアの先住民によるカキ漁を研究し、海面水位の変化や漁獲記録と比較。時間的にも空間的にも幅広く行われ、5000年～10000年またはそれ以上持続。カキの管理は、養殖の域に達することもあり、文化、信仰、社会の伝統の中に組み込まれていた。
cf. Leslie Reeder-Myers, Todd J. Braje, Courtney A. Hofman, Emma A. Elliott Smith, Carey J. Garland, Michael Grone, Carla S. Hadden, Marco Hatch, Turner Hunt, Alice Kelley, Michelle J. LeFebvre, Michael Lockman, Iain McKechnie, Ian J. McNiven, Bonnie Newsom, Thomas Pluckhahn, Gabriel Sanchez, Margo Schwadron, Karen Y. Smith, Tam Smith, Arthur Spiess, Gabrielle Tayac, Victor D. Thompson, Taylor Vollman, Elic M. Weitzel & Torben C. Rick (2022) Indigenous oyster fisheries persisted for millennia and should inform future management. Nature Communications, volume 13, Article number: 2383. [Nature Communications]
メキシコ: メキシコシティ（Mexico City）のデリシアス通り（calle Delicias）で、メシカ人（Mexica）の遺跡、古代テノチティトラン（Tenochtitlán）の住居跡や、副王時代の遺跡など、後期古典期（Posclásico Tardío；Late Postclassic）・1200～1521年から20世紀まで、7世紀間にわたる発見、メキシコ国立人類学歴史学研究所（Instituto Nacional de Antropología e Historia）の調査。
Modernización de la subestación Buen Tono da pie a descubrimientos que abarcan siete siglos.[Instituto Nacional de Antropología e Historia]
メキシコ: メキシコ南部のキエチャパ（Quiechapa）で、大文字「I」字形の球戯場を岩に刻んだ石刻30か所を発見。石刻を利用して水や血抜きの儀式が行われていた可能性。[LiveScience]
ペルー: イカ県（Ica）チンチャ郡（Chincha）エル・カルメン（El Carmen）のポスエロ（Pozuelo）で、パラカス文化（Paracas）・2500年前の工人集落。100家族を擁する大規模集落で、染織や土器を生産。半世紀前のチャビン文化（Chavín）の影響を示す。[Andina]
ペルー: ラ・リベルター県（Región La Libertad；La Libertad region）トルヒージョ郡（Trujillo）ラ・エスペランサ（La Esperanza）のチャンチャン遺跡（Chan Chan）にあるチムー王国（Chimú）・800～900年のワカ・タカイナモ（Huaca Takaynamo）を調査。日干し煉瓦で作られ、壁を青、白、黄、緑、黒、赤の6色に彩色。重要な儀式で用いられた。また、モチェ文化から影響を受けた。[Andina]

2022年5月3日（火）

韓国: 忠清南道扶余・扶余王陵園（陵山里古墳群）の東側で墳丘径20mの百済古墳1基（王陵園東古墳群6号墳）を新たに発見。墳丘周囲に護石をめぐらす。百済泗沘期・538～660年に典型的な横穴式石室墳。墓道の造成過程から見て、2度にわたり埋葬。また、王陵園東古墳群1号墳でも位置と規模を確定し、墓道を確認した。[聯合ニュース]
中国: 陝西省宝鶏市周原遺跡（Zhouyan）の墓で、1999年に出土した3000年前の30～35歳の女性人骨に、右足を切断する刑罰「刖」が行われていた。足を切断された女性は切断後も少なくとも5年間生存。「刖」の最古の確認例。[Ancient Origins]
カンボジア: シェムリアップ州（Siem Reap Province）・アンコール・トム（Angkor Thom）の西大門（Takav Gate）の北側の壁で、クメール帝国（Khmer Empire）・12世紀のバイヨン様式（Bayon style）のアプサラス（Apsaras）の像。アプサラス像はバイヨン寺院（Bayon temple）の柱に表されたアプサラス像に似ており、ほかの彫像は西大門の別の彫像群に似る。西大門はクメール帝国のジャヤーヴァルマン7世（Jayavarman VII）により建設。[Khmer Times]
ウクライナ: ヘルソン州（Херсонська область；Kherson Oblast）にある複数のスキタイのクルガン墓（Kurgan）が、ロシアによる占領軍が砲台を設置したために破壊されていた。[LB.ua]
イタリア: ローマ市（Roma；Rome）アッピオ・ラティーノ区（Appio Latino）ルイージ・トスティ通り（via Luigi Tosti）で、2世紀に亡くなった13歳の少女ヴァレリア（Valeria）の墓。白大理石の祭壇に被葬者の名を刻む。[Fanpage]
スロバキア: トルナヴァ（Trnava）のストレレツカー通り（ulica Strelecká；Strelecká Street）近くで砦の楼門（barbican）の一部を発見。オスマン帝国の脅威が大きくなった16世紀に建設。[The Slovak Spectator]
アイルランド: ティペラリー州（County Tipperary）カシェル（Cashel）のガリャード（Garryard）を写した衛星画像に、円形環濠を表すクロップマーク（crop mark）。[TipperaryLive]
USA: 150万年前の化石を分析。当時の捕食者である剣歯虎（サーベルタガー；Saber-toothed cat；Machairodontinae）は、獲物の肉を食べつくし、骨までも食べた。先史時代の人類が肉食獣の食べ残しから肉を得たとする従来説は、必ずしも成り立たない。
Study of ancient predators sheds light on how humans did – or didn’t – find food[Rice University]
米国フロリダ州（State of Florida）ハイレ（Haile）の前期更新世（early Pleistocene）の動物相を分析。
cf. Manuel Domínguez-Rodrigo, Charles P. Egeland, Lucía Cobo-Sánchez, Enrique Baquedano & Richard C. Hulbert Jr. (2022) Sabertooth carcass consumption behavior and the dynamics of Pleistocene large carnivoran guilds. Scientific Reports, volume 12, Article number: 6045. [Scientific Reports]
▽前期更新世のアメリカ大陸は人類がいないんですが。
キューバ: キューバの海岸で、1962年10月のキューバ危機（Cuban Missile Crisis）のときの掩体壕（bunker）や塹壕（trench）に、キューバ兵がスペイン語で書いたとみられる米国への反抗のメッセージが残る。[LiveScience]

2022年5月2日（月）

パレスチナ（ヨルダン川西岸地区）: ナーブルス（Nāblus）郊外のゲリジム山（Mount Gerizim）で、古代サマリア人の石製の浴槽近くから、2300年前の土製オイルランプ。[The Jerusalem Post]
エジプト: サッカラ（Saqqara）で、ジェセル王の階段ピラミッドを囲む長方形の空堀の東端から、第6王朝・4300年前の王室の書記Mehchecziの墓。Mehchecziは第6王朝初代のテティ（Teti）王の神官だったので、次代のウセルカラー王（Userkare）のときも活動していたと見られる。
Egipt/ Polscy badacze odkryli grób urzędnika odpowiedzialnego za tajne dokumenty faraona[Nauka w Polsce]

2022年5月1日（日）

奈良県: 広陵町・櫛玉媛神社古墳で埴輪が発見されは、古墳時代後期前半・6世紀前半に築造と判明。前方後円墳、30m。[奈良新聞]
ウクライナ: メリトーポリ（Мелітопол；Melitopol）の博物館で、ロシア軍兵士を引き連れた謎の白衣の人物が、スキタイ・紀元前4世紀の金製品を持ち去る。ロシア軍侵攻の中、文化財を段ボール箱に納めて地下室に隠していた。3月半ば担当者はロシア軍に拉致され尋問されたが、解放されてロシア軍支配地から逃れた。その後、残された職員にロシア兵が銃を突きつけて要求したが、文化財のありかは言わず、ロシア軍に任命された新館長とロシア兵が箱を見つけ出した。ロシア軍の要求を拒否した職員は拉致され、行方不明に。メリトーポリ市内では、博物館の略奪が相次ぐ。ウクライナのロシア占領地域では、正教会や文化財、記念物も破壊。ボロディアンカ（Бородянка；Borodianka）ではウクライナ人の詩人の彫像に向かってロシア兵が発砲。[The New York Times]

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