考古学のおやつ/NEWSLINK

2020年11月30日（月）

神奈川県: 伊勢原市・神成松遺跡で、弥生時代後半～古墳時代初頭の集落の一部と中世の屋敷跡など。公益財団法人かながわ考古学財団の調査。1/9現場見学会。
【2021年1月9日開催】伊勢原市「神成松遺跡」現場見学会[公益財団法人かながわ考古学財団]
▼神成松遺跡関連記事→2018年11月27日
兵庫県: 姫路市・姫路城城下町跡（ひめじじょうじょうかまちあと）で、中曲輪と外曲輪を区画していた中堀と、その南面石垣の一部を発見。中堀以南の外曲輪にひろがる町屋の遺構も発見。姫路市埋蔵文化財センターの調査。
世界遺産　姫路城の中堀発見！[姫路市]
▼姫路城城下町跡関連記事→2019年2月22日
兵庫県: 姫路市・姫路城で、夜間に修復工事用の足場を伝ってやぐらを越え、大天守近くまで侵入したとして、兵庫県警が福岡県の男性3人を建造物侵入容疑で書類送検。[共同通信]
奈良県: ■ 大王墓特有の八角墳と確定石室内部に精巧な加工と朱塗り ■ 奈良・中尾山古墳文武天皇陵の可能性高まる新発見～関大考古学研究室と明日香村教育委員会による古墳発掘調査～[関西大学]
韓国: 京畿道議政府市佳陵洞と緑楊洞にあったとされる、青銅器時代の遺跡と推定される立石がいずれも行方不明に。2007年までは確認されていた。[聯合ニュース]
中国: 湖南省益陽市赫山区桃花侖西路・大海塘墓群で、後漢晩期～三国時代の土坑洞室墓（M3号墓）。階段式の墓道、洞室は前室と後室に分かれる。陶磁器や「長宜子孫」鏡出土。土坑洞室墓は益陽では初めてで、北方に多く南方では稀。被葬者は北方出身者の可能性。ほかに、後漢晩期～三国時代の磚室墓（M1号墓）、破壊の著しい土坑墓（M2号墓）。湖南省文物考古研究所の調査。
益陽大海塘墓群新発現土坑洞室墓[湖南省文物考古研究所]
トルコ: デニズリ（Denizli）の古代都市ラオディキア（Λαοδίκεια；Laodicea；Laodikeia）2000年前の司祭の頭部の像。[Hürriyet Daily News]
トルコ: ディヤルバクル県（Diyarbakır）スル郡（Sur）のアミダ遺跡（Amida Höyük；Amida Tumulus）で、ローマ時代・1800年前のの下水道システム。[Anadolu Ajansı]
▼アミダ遺跡関連記事→2020年11月10日
イタリア: パレルモ（Palermo）のアントニオ・サリナス考古学博物館（Museo Archeologico Regionale Antonino Salinas；Antonino Salinas Archaeological Museum）が所蔵する紀元前3世紀～前2世紀のチェントゥーリペ彩色土器（Centuripe）4点、ピュクシス（pyxis）、レベース・ガミコス（Lebes Gamikos）とレカニス（lekanis）2点を分析。オリジナルと修復部分の識別などに有用。
cf. Gabriella Chirco, Elisa Chiara Portale, Eugenio Caponetti, Vincenzo Renda, Delia Francesca Chillura Martino "Investigation on four centuripe vases (late 3rd-2nd cent. B.C.) by portable X-ray fluorescence and total reflectance-FTIR" Journal of Cultural Heritage [ScienceDirect]
スロバキア: トルナヴァ（Trnava）のハレナールスカ通り（Halenárska）で、ラ・テーヌ文化（La Tène；Lathenian）のケルト人（Celts）の集落。[The Slovak Spectator]
▼トルナヴァ県（Trnavský kraj；Trnava region）
ポーランド: ジェピン（Rzepin）郊外、第二次世界大戦当時のドイツ軍、ソヴィエト軍、フランス軍の武器12個。証言者の祖父が埋めたという。発見地はドイツ国境近くの森林で、第二次世界大戦後にポーランド領になった。ソヴィエトの支配に抵抗したポーランド人が用いた武器か。[The First News]
▼ルブシュ県（Województwo lubuskie；Lubusz）
オランダ: オランダの北海（North Sea）沿岸で出土した中石器時代（Mesolithic）のbarbed point 10点について、放射性炭素年代と炭素・窒素同位体を分析。うち2点は人骨、ほかはアカシカ（Cervus elaphus；red deer）の骨や角を加工。年代は9500年前～7300年前。北海の海底にあったドッガーランド（Doggerland）に由来。
cf. Joannes Dekker, Virginie Sinet-Mathiot, Merel Spithoven, Bjørn Smit, Arndt Wilcke, Frido Welker, Alexander Verpoorte, Marie Soressi "Human and cervid osseous materials used for barbed point manufacture in Mesolithic Doggerland" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 35 [ScienceDirect]
▼ドッガーランド関連記事→2019年5月29日
UK（スコットランド）: ミッドロージアン（Midlothian）のペニクック（Penicuik）で、中世・1191年～1273年のナイフ。[Edinburgh Evening News]
USA: ネヴァダ州（State of Nevada）の洞窟で、ネイティヴアメリカンのアナサジ人（Anasazi）の紀元前300年～紀元後1225年の遺物。石蒸し調理に用いるトング、籠、トゥサヤン土器（Tusayan Ware）などの土器を含む。[VegasNews]

2020年11月29日（日）

中国: 河南省洛陽市伊川県徐陽村・徐陽墓地のM15号墓は、春秋時代・2600年前の北西の戎人「陸渾戎」の王クラスの墓。車馬坑の中にウマ、ウシ、ヒツジの頭や蹄を副葬する「頭蹄葬」。「陸渾戎」が紀元前638年に内遷し、紀元前525年に滅ぼされたという記録に合致。[新華社]
ギリシャ: エピダウロス（Επίδαυρος；Epidaurus）にあるアスクレピオスの聖域（Ἀσκληπιεῖον；Asclepeion）で、紀元前365年～前3335年のトロス墓（θόλος；Tholos）の近くから、アルカイック（Archaic）時代・紀元前600年ごろの建物跡。[H KAΘHMEPINH（Kathimerini）]
コロンビア: アマゾンの熱帯雨林にあるセラニア・デ・ラ・リンドサ（Serrania de La Lindosa）で、12500年前のロックアート。[The Guardian]
▼セッロ・アスル遺跡（Cerro Azul）

2020年11月28日（土）

イラン: ファールス州（Ostān-e Fārs）・タフテジャムシード（Takht-e Jamshid）＝ペルセポリス（Persepolis）近くのタレ・アジョリ遺跡（Tall-e-Ajori）で、ハカーマニシュ朝（アケメネス朝、Achaemenid）の土器片。[Tehran Times]
▽「先史時代の土器」（prehistorical pottery fragment）と言いつつハカーマニシュ朝。ハカーマニシュ朝は先史時代という扱い？
イスラエル: エルサレム（Jerusalem）で、第一神殿時代（First Temple-era）・3000年前の神殿時代の金のビーズ。[The Jerusalem Post]
ギリシャ: ギリシャ南部の6遺跡で、紀元前1000年～紀元後600年の堆積中の穀物、オリーブ、ブドウの花粉を分析。農業生産の構造的な変化を見出す。ローマにより征服される以前のアルカイック時代、すでに需要と供給の法則に基づく市場経済が存在。
Cereal, Olive & Vine Pollen Reveal Market Integration in Ancient Greece[Max-Planck-Institut für Menschheitsgeschichte]
cf. Adam Izdebski, Tymon Słoczyński, Anton Bonnier, Grzegorz Koloch, Katerina Kouli "Landscape Change and Trade in Ancient Greece: Evidence from Pollen Data" The Economic Journal, Volume 130, Issue 632, November 2020, Pages 2596–2618 [Oxford Academic]
ポーランド: ルブシュ県（Województwo lubuskie；Lubusz）ワグフ（Łagów）付近のパフスキ・ウーグ泥炭層（Pawski Ług）で、マルタ騎士団（Order of Malta）により1350年以降、生態系が変容していた。
Knights of Malta changed Lubusz ecosystem 700 years ago, says new research[Nauka w Polsce]
cf. Mariusz Lamentowicz, Katarzyna Marcisz, Piotr Guzowski, Mariusz Gałka, Andrei-Cosmin Diaconu & Piotr Kołaczek "How Joannites’ economy eradicated primeval forest and created anthroecosystems in medieval Central Europe" Scientific Reports. volume 10, Article number: 18775 [Scientific Reports]
ドイツ: ホーレ・フェルス洞窟（Hohle Fels）やフォーゲルヘルト洞窟（Vogelherd）で出土したオーリニャック文化（Aurignacian）の象牙製のビーズに、人為的に赤鉄鉱Fe2O3（hematite）を利用。同じ堆積中に、ビーズ以外では赤鉄鉱が検出されず。
cf. Elizabeth C. Velliky, Patrick Schmidt, Ludovic Bellot-Gurlet, Sibylle Wolf, Nicholas J. Conard "Early anthropogenic use of hematite on Aurignacian ivory personal ornaments from Hohle Fels and Vogelherd caves, Germany" Journal of Human Evolution. Volume 150 [ScienceDirect]
▼ホーレ・フェルス洞窟関連記事→2017年7月31日
▼フォーゲルヘルト洞窟関連記事→2017年4月21日

2020年11月27日（金）

さいたま市: 岩槻区・真福寺貝塚（しんぷくじかいづか）で、縄文時代のミミズク土偶の破片。赤い顔料の跡がある。さいたま市教育委員会の調査。11/28現地見学会。[東京新聞]
名古屋市: 名古屋城で、敷地内の石垣から石材とモルタルが落下する破損事故。10/12に発見したが、名古屋市が期限を過ぎて文化庁に毀損届を提出していた。[共同通信]
韓国: 慶州市月城の1号石築濠が二重構造であることが判明。また、月城と鶏林をつなぐ道路も確認。城壁の基底部では、50代の人骨2体を発見。人身御供か。国立慶州文化財研究所の調査。[ソウル経済]
中国: 陝西省咸陽市涇陽県高荘鎮大堡子村の大堡子墓地で、前漢時代の大型墓地。土器に「新亭」の銘文を持つものがあり、前漢時代の「新城県」の証拠。陝西省考古研究院の調査。[中国社会科学院考古研究所]
南レヴァント: 後期青銅器時代～鉄器時代・紀元前1950年～前586年の銀のうち、紀元前1200年～前950年の銀の大半は銅との合金。埋納8か所の遺物86点について、鉛同位体により産地を推定。ほとんどの試料はエーゲ海／アナトリアの銀と、鉛の少ない銅、アラバハ渓谷（Wadi Arabah）の鉛の多い銅の合金。紀元前12世紀初めに青銅器時代が衰退すると、エーゲ海からの銀の供給が途絶える。鉄器時代IIA期・紀元前950年以降に銀の腸っ寄り交易が復活し、アナトリアや西地中海から銀が輸入され、銅との合金が終わる。
cf. Tzilla Eshel, Ayelet Gilboa, Naama Yahalom-Mack, Ofir Tirosh, Yigal Erel "Debasement of silver throughout the Late Bronze – Iron Age transition in the Southern Levant: Analytical and cultural implications" Journal of Archaeological Science. Volume 125 [ScienceDirect]
トルコ: シャンルウルファ県（Şanlıurfa）・カラハンテペ遺跡（Karahantepe）で、T字形のオベリスクなど。同遺跡は、ギョベクリ・テペ遺跡（Göbekli Tepe）よりも古い可能性。[Daily Sabah]
フランス: プロヴァンス＝アルプ＝コート・ダジュール地域圏（Provence-Alpes-Côte d'Azur）ヴァール県（Var）オリウル（Ollioules）で、川岸に中期新石器時代～前期青銅器時代の集落。シャセ文化（la culture chasséenne；Chasséen culture）の石器が豊富に出土。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
Occupations des abords d'un ruisseau au cours de la Préhistoire récente à Ollioules (Var)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
フランス: オーヴェルニュ＝ローヌ＝アルプ地域圏（Auvergne-Rhône-Alpes）ドローム県（Drôme）ル・ペーグ（Le Pègue）で、1～3世紀のモザイクで飾る豪邸ドムス（Domus）と、金属工房。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
Une domus antique au Pègue (Drôme)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
ドイツ: テューリンゲン州（Freistaat Thüringen）ザールフェルト＝ルドルシュタット郡（Landkreis Saalfeld-Rudolstadt）ルドルシュタット市（Rudolstadt）のオーバーヴェレンボーン（Oberwellenborn）で、ローマ帝政期・1世紀の骨壺墓70基。[Ostthüringer Zeitung]
カナダ: ヴァンクーヴァー島（Vancouver Island）で人骨発見。先住民ペントラッチ人（Pentlatch）と推定。[Maclean's]

2020年11月26日（木）

東京都: 八王子市・八王子城跡御主殿で、戦国時代の礎石建物跡、炉状の遺構。磁器、鉄砲弾、永楽通宝など出土。八王子市教育委員会の調査。11/28見学会。
八王子城跡御主殿発掘調査見学会を開催します[八王子市]
京都府: 福知山市・稚児野遺跡（ちごのいせき）で、後期旧石器時代前半・3万6千年前の石器群。約3万年前に噴火した姶良丹沢火山灰層の下の層から出土。二上山のサヌカイトや隠岐諸島の黒曜石を用いる。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター11/26発表。[京都新聞]
奈良県: 明日香村・中尾山古墳で、墳丘の外周に八角形状の石敷きが3重分あった。8世紀初めの八角墳。文武天皇陵だった可能性が高まる。明日香村教育委員会と関西大学11/26発表。11/28-29現地説明会。[朝日新聞]
鹿児島県: 鹿屋市・久保田牧遺跡で、古墳時代の竪穴建物跡や古代・中世の溝跡・掘立柱建物跡。鹿児島県立埋蔵文化財センターの調査。11/14現地説明会。
久保田牧遺跡（鹿屋市吾平町）現地説明会[上野原縄文の森]
▼久保田牧遺跡関連記事→2019年10月23日
中国: 河南省平頂山市葉県・余庄遺跡の墓から、竜山文化・4000年以上前の彩色された明器。河南省文物考古研究院の調査。[新華社]
トルコ: ヴァン県（Van ili）エルジシュ郡（Erciş）のヴァン湖（Van Gölü；Lake Van）で、水位低下により、ウラルトゥ時代（Urartu）・2750年前の港の跡や、エルジシュ城（Erciş Kalesi；Erciş Castle）が露出。[Hürriyet Daily News]
ブルガリア: スタラ・ザゴラ（Стара Загора；Stara Zagora）の古代ローマ都市アウグスタ・トラヤナ（Augusta Traiana）で、新石器時代・紀元前6千年紀末の祭祀遺構とオーロックス（aurochs）の角などの供物。初期鉄器時代・紀元前8～前6世紀の古代トラキアの祭祀遺構。ローマ帝政期の排水施設。中世・第二次ブルガリア帝国・12～13世紀のキリスト教墓地。露土戦争（1877～1878年）中のスタラ・ザゴラ虐殺（Stara Zagora Slaughter）時のオスマン帝国による朝の火災の跡。
8,000-year-old structures, medieval Christian necropolis, Ottoman slaughter fire traces found in Bulgaria’s Stara Zagora [Archaeology in Bulgaria]
ブルガリア: スタラ・ザゴラ州（Област Стара Загора；Oblast Stara Zagora）ラドネヴォ（Раднево；Radnevo）で、初期トラキア、ローマ帝政期、ビザンティン帝国、中世ブルガリアの集落。ローマ時代・2～4世紀の青銅製のアテナ女神（Ἀθηνᾶ；Athena）像など出土。
Early Thracian, Roman, medieval settlements, Athena statuette found in rescue digs by Bulgarian coal mining company [Archaeology in Bulgaria]
東欧: ホロコーストの研究において、大量銃殺地、大量埋葬地、強制・絶滅収容所などの「現場」の考古学的研究による刺激。地中レーダー（GPR）などの新しいテクノロジーが知見を開く。ユダヤ教では墓の発掘ができないため、レーダー探査が有効。また、「現場」に着目することでホロコーストの加害者・犠牲者・傍観者の関係性について新たな視座を得られる。
cf. 武井彩佳「ホロコースト「現場」への考古学的アプローチ―テクノロジーが開く新たな次元」現代史研究 2017年 63巻 pp. 17-28 [J-STAGE]
セルビア: コストラツ（Костолац；Kostolac）の古代ローマ遺跡ウィミナキウム（Viminacium）で、ローマ軍の第7軍団クラウディア（Legion VIII Claudia；VII Claudia Legion）の司令部の建物（principium）跡。銀貨120枚出土。/[Reuters]
ドイツ: ニーダーザクセン州（Land Niedersachsen）カーレフェルト（Kalefeld）で新石器時代・線帯文土器文化（Linienbandkeramik；Linear Pottery culture）・紀元前5000年の集落。建物跡16基以上。遺構の切り合いから見て3時期以上からなる。[HNA]
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）ヘルフォルト郡（Kreis Herford）レーネ（Löhne）のゴーフェルト（Gohfeld）で、ローマ帝政期（Römische Kaiserzeit）・1800年前と中世盛期（hohen Mittelalter）の集落。[Westfalen-Blatt]
ノルウェー: ヨートゥンヘイム山地（Jotunheimen）にあるインラント県（Innlandet）Langfonneでの遺跡形成過程を研究。遺物は6000年前から見られ、このころ氷河が減少したことによる。矢は1700年前から増加し、1200年前にピーク。空間的にも広がり、狩猟が盛んだったことを示す。
cf. Lars Holger Pilø, James H Barrett, Trond Eiken, Espen Finstad, Sunniva Grønning, Julian R Post-Melbye, Atle Nesje, Jørgen Rosvold, Brit Solli, Rune S Ødegård "Interpreting archaeological site-formation processes at a mountain ice patch: A case study from Langfonne, Norway" The Holocene [SAGE journals]
USA: ユタ州（State of Utah）に残る、13世紀のシチメンチョウの羽11500本で作った毛布を分析。180mのイトラン属（yucca）の繊維を羽で覆って作る。シチメンチョウ4～10羽分の羽を要するが、羽が生え変わるときに羽を採取したのでシチメンチョウには痛みを伴わなかった。プエブロ人の先祖による。
Ancient blanket made with 11,500 turkey feathers[Washington State University]
cf. William D. Lipe, Shannon Tushingham, Eric Blinman, Laurie Webster, Charles T. LaRue, Aimee Oliver-Bozeman, Jonathan Till "Staying warm in the upland southwest: A “supply side” view of turkey feather blanket production" Journal of Archaeological Science: Reports [ScienceDirect]

2020年11月25日（水）

岐阜県: 郡上市・篠脇城跡で、曲輪跡などから15世紀末～16世紀初頭ごろの陶磁器片や石製品。応仁の乱後、支配者の東氏が居館を山麓から篠脇城に移し、山上で風雅に暮らしたことを示す。郡上市教育委員会11/24発表。11/29現地説明会。[中日新聞]
▼篠脇城跡関連記事→2020年11月24日
京都府: 亀岡市・法貴峠20号墳（ほうきとうげ20ごうふん）で列石。6世紀後半の円墳。横穴式石室から須恵器・鉄製品・玉類・耳環など。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センターの調査。11/28現地公開。
法貴峠20号墳現地公開のご案内[公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター]
奈良県: 平城京で出土した奈良時代後期の須恵器3点と土師器4点の化学成分の比率を測定。土師器の方がリンの含有率が高く、田土が用いられた可能性。一方、須恵器はリンの含有量が少なく、表面に見られる黒色の粒子は丘陵地帯の粘土に含まれる亜炭。須恵器と土師器は原料の採掘場所に違いがあった可能性。[朝日新聞]
▼「ハジ」は泥の意味、「スエ（쇠）」は鉄の意味だと仮定するならば、「泥のうつわ」（土師器）と「鉄のうつわ」（須恵器）と呼び分けていたことになる、というのはトークの時の持ちネタ（※こちらには科学的根拠はありません）。
奈良県: 香芝市・狐井稲荷古墳（きついいなりこふん）で国内最大級の子持勾玉。古墳は5世紀後半の前方後円墳、70m。香芝市教育委員会11/25発表。[共同通信]
長崎県: 諫早市の深見川で、諫早大水害（1957）で行方不明になっていた、旧深海村と旧東長田村の境界を示す石柱が引き上げられたが、刻まれた年号「慶應元乙丑」（1869）が、両村が隣接するようになった明治9年（1876）を遥にさかのぼっており、新たな謎に。[長崎新聞]
韓国: 慶尚北道慶州市・皇龍寺跡で統一新羅時代の建物跡から、金銅鳳凰装飾錠前など、統一新羅～高麗時代の錠前3点。国立慶州文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
中国: 河南省周口市淮陽区四通鎮時庄村・時庄遺跡で、夏代早期・4000年前～3700年前の「粮倉城邑」28基。土中からアワ、キビなどの植物の成分を検出。粮食を集中貯蔵する「粮倉城邑」としては最古。[中国新聞網]
中国: 河南省南陽市臥竜区蒲山鎮黄山村・黄山遺跡で、仰韶文化晩期～屈家嶺文化・5000年前の大規模な玉石器生産工房。玉や石の材料、石製工具が出土。また、屈家嶺文化の、ブタの骨を副葬した、玉器工人の墓90基以上。[新華社]
中国: 河南省偃師二里頭遺跡で、夏王朝に相当する中国最古の碁盤目状の都市計画。竜山文化の集落の配置とは大きく異なり、後の商王朝に継承された方式。[新華社]
トルコ: ムーラ県（Muğla il）ヤタアン（Yatağan）の古代都市ストラトニケイア（Στρατoνικεια；Stratonikeia）の劇場跡で、2200年前の舞台の建物から、石に刻んだ、神話のキャラクターを示す人面が新たに10か所。[Daily Sabah]
▼ムーラ県（Muğla il）ヤタアン（Yatağan）
トルコ: ブルドゥル県（Burdur il）ギョルヒサル郡（Gölhisar）の古代都市キビュラ（Κιβύρα；Kibyra）で、ローマ時代のセラピス神（Σάραπις；Serapis）の大理石製胸像と、医神アスクレピオス（Ἀσκληπιός；Asclepius）の像。[Hürriyet Daily News]
ブルガリア: 聖イワン島（остров св. Иван；St. Ivan island）で、2500年前のアポロン神殿の上に建てられた初期キリスト教の修道院で、4～5世紀の聖なる井戸。
Archaeologists find holy well of Early Christian monastery on top of 2,500-year-old Apollo temple on Bulgaria’s St. Ivan Island [Archaeology in Bulgaria]
▼ブルガス州（Област Бургас；Oblast Burgas）
オランダ: ドルトレヒト（Dordrecht）で、ローマ時代・2世紀の邸宅（villa）。靴の鋲の跡が残るローマ時代のレンガや、鉄器時代の土器も出土。[RTV Dordrecht]
▼南ホラント州（Provincie Zuid-Holland）
オランダ: ヴィヤーネン（Vianen）のバテスタイン城（kasteel Batestein；Batestein Castle）近くから出土した人骨は中世後期～18世紀とみられ、15歳～30歳の男性。副葬品はないが、釘が出土し。1個の木箱に遺体20体を納めていたとみられる。[Daily Mail]
フランス: コルシカ島（Corse；Corsica）オート＝コルス県（Haute-Corse）リュクシアナ自治体（Lucciana）のプロコジョ（Procojo）で、2～3世紀の水車のある農村。ローマの植民地マリアナ（Mariana）の近く。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
Un moulin hydraulique au sein d’une ferme antique à Lucciana-Procojo (Haute-Corse)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
フランス: ノルマンディー地域圏（Normandie）ウール県（Eure）ヴァル＝ド＝ルイユ（Val-de-Reuil）で、カロリング朝（carolingien）のパン焼き窯37基。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。[La Dépêche Louviers]
UK（イングランド）: ライデール（Ryedale）でローマ時代・2世紀の珍しい遺物。皇帝の胸像など。[Gazette & Herald]
エジプト: ハワーラ（Hawara）で1910年～1911年に出土したローマ時代・1世紀の子供のミイラ「ハワーラの肖像ミイラ4号」（Hawara Portrait Mummy No. 4）をスキャン。肖像画は大人の女性だったが、ミイラは小さく、X線により内部は5歳程度の少女と確認。頭蓋骨の中に樹脂の塊、腹部には大理石の塊。ブロック美術館（Block Museum of Art）所蔵。
Roman-era Egyptian child mummy scanned with laser-like precision[LiveScience]
cf. S. R. Stock, M. K. Stock and J. D. Almer "Combined computed tomography and position-resolved X-ray diffraction of an intact Roman-era Egyptian portrait mummy" Journal of the Royal Society Interface [The Royal Society]
▼ハワーラのミイラ関連記事→2020年9月19日
メキシコ: オアハカ州（Estado de Oaxaca）モンテ・アルバン遺跡（Monte Albán）のメインプラザ（Main Plaza）で、地中レーダー、電気抵抗、勾配などにより、埋もれた建物を発見。1930年代に発掘された石造りの神殿に似る。モンテ・アルバンは紀元前500年ごろに建設。メインプラザは拡大や改築を繰り返しつつ遺跡が廃絶する850年ごろまで存続。オクラホマ大学（the University of Oklahoma）の調査。[The Norman Transcript]

2020年11月24日（火）

福井県: 坂井市・長崎遺跡で、室町時代・500年前の大規模な屋敷群跡。金属製のはかりの分銅出土。福井県埋蔵文化財調査センターの調査。11/21現地説明会。[福井新聞]
▼長崎遺跡関連記事→2020年11月18日
岐阜県: 郡上市・篠脇城跡で、曲輪、土塁、切岸部分の試掘調査。礎石、土塁の構築状況、石垣などを確認。多くの陶磁器片が出土。郡上市教育委員会の調査。11/29現地説明会。
篠脇城跡試掘確認調査の現地説明会の開催について[郡上市]
オランダ: ヴィヤーネン（Vianen）のバテスタイン城（kasteel Batestein）近くで、中世後期以降の人骨20体。釘が出土しており、遺体は木箱に入れられていた。城は1370に建てられ、1696年焼失。[NU]
スペイン: イベリア半島北部大西洋岸のカンタブリア地方（Cantabria）の旧石器時代・マドレーヌ文化（Magdalenian）の鯨骨製品遺物を研究。64遺跡中12遺跡から都合54点の鯨骨製遺物。投槍の穂先に代表され、カンタブリア・マドレーヌ文化の中段階に主に該当するが、古段階末、新段階初めにもわずかに重なる。17800年前～15000年前（BP）のフランス側とスペイン側のバスク地方を結ぶ600kmの恒常的な長距離ネットワークの存在を示す。
cf. A. Lefebvre, A. B. Marín-Arroyo, E. Álvarez-Fernández, M. De la Rasilla Vives, E. Duarte Matías, M. Cueto, J. Tapia, E. Berganza, J.-M. Pétillon (2021) Interconnected Magdalenian societies as revealed by the circulation of whale bone artefacts in the Pyreneo-Cantabrian region. Quaternary Science Reviews. Volume 251, 1 January 2021, 106692 [ScienceDirect]
UK（イングランド）: サフォーク州（the county of Suffolk）フレストン（Freston）の断続的な溝を物理探査し、初期新石器時代（Early Neolithic）の周溝遺跡（causewayed enclosure）であることを検証。遺跡に先行する曲線状の溝とみられる以上の観察され、ロング・バロウ（long barrow）の溝と考えられた。発掘調査で溝から初期新石器時代・紀元前4千年紀の遺物が発見され、仮説を実証。
cf. Tim Schofield, Tristan Carter, Nathaniel Jackson, Rose Moir "Integrating geophysical survey and excavation at the Freston Early Neolithic causewayed enclosure, Suffolk (UK)" Archaeological Prospection [Wiley Online Library]
UK（イングランド）: ケンブリッジ大学図書館で、チャールズ・ダーウィンのノート2冊が行方不明に。盗難の可能性。進化論に関する先駆的な概念や、「生命の樹」のスケッチが書き留められたもの。ノート2冊は2001年に所在不明となっていたが、徹底的な捜索の結果、盗難と判断した。[AFPBB]
ケンブリッジ大学図書館は、ダーウィンが1859年11月24日に『種の起源について』を出版した「進化の日」に、アピールを発した。
Darwin's missing notebooks[Cambridge University Library]
USA: ヴァージニア州（Commonwealth of Virginia）ウィリアムズバーグ（Williamsburg）の、歴史公園コロニアル・ウィリアムズバーグ（Colonial Williamsburg）内の黒人教会・第一バプテスト教会（First Baptist Church）跡で、墓を発見。[The Washington Post]
▼コロニアル・ウィリアムズバーグ関連記事→2020年11月17日
USA: カリフォルニア州・ピンホイール洞窟（Pinwheel Cave）のチュマシュ人（Chumash）による17世紀～19世紀後半の洞窟絵画に描かれた花は、幻覚作用のあるケチョウセンアサガオ（Datura wrightii）の花である可能性。ともに描かれた蛾はスズメガ（hawk moth）か。チュマシュ人による幻覚剤の使用を傍証。
Pinwheel Cave rock art in California may depict hallucinogenic 'trance flower'[LiveScience]
cf. David W. Robinson, Kelly Brown, Moira McMenemy, Lynn Dennany, Matthew J. Baker, Pamela Allan, Caroline Cartwright, Julienne Bernard, Fraser Sturt, Elena Kotoula, Christopher Jazwa, Kristina M. Gill, Patrick Randolph-Quinney, Thomas Ash, Clare Bedford, Devlin Gandy, Matthew Armstrong, James Miles, and David Haviland "Datura quids at Pinwheel Cave, California, provide unambiguous confirmation of the ingestion of hallucinogens at a rock art site" Proceedings of the National Academy of Sciences. first published November 23, 2020 [PNAS]

2020年11月23日（月）

韓国: 大邱市北区・鳩岩洞古墳群の58号墳から、5世紀末～6世紀初めの大量の遺物。傾斜面を整えて墓域を設け、護石と2基の石槨を設ける。石槨内部から銀製環頭大刀、鉄製鐙、金装杏葉、銀装雲珠、星形金具、有蓋高杯、短頸壺出土。星形金具は鞍を装飾したものとみられる。大同文化財研究院の調査。[嶺南日報]
▼鳩岩洞古墳群関連記事→2019年10月30日
中国: 山西省平遥県で、東周時代の竪穴土坑墓（M6号墓）と、金時代の仿木構磚室墓（M1号墓）。[新華社]
トルコ: カイセリ県（Kayseri il）・キュルテペ遺跡（Kültepe）で、初期青銅器時代・4200年前の女神像。高さ45cmで、同時代のアナトリアでは最大。キュルテペ遺跡でこれまで見つかった土偶は、すべて女性像。裸身で、装飾された玉座にすわり、後ろ髪を編む。キュルテペ遺跡は古代カネシュ王国（Kaneš；Kanesh）の首都。[Anadolu Ajansı]
▼キュルテペ遺跡関連記事→2020年9月15日
ベルギー: エルスタル（Herstal）で出土したダマジカ（Dama dama；European fallow deer）の骨について、骨学、DNA、放射性炭素年代、安定同位体を分析。ローマ帝国のとき、地中海地域から北方属州へダマジカが導入されたと確認。
cf. Fabienne Pigière, Denis Henrard, Naomi Sykes, Nathalie Suarez-Gonzalez and Gontran Sonet "The introduction of the European fallow deer to the northern provinces of the Roman Empire: a multi-proxy approach to the Herstal skeleton (Belgium)" Antiquity [Cambridge Core]

2020年11月22日（日）

青森県: 青森市・の公衆浴場「日の出湯」の解体現場で、旧青森飛行場の門扉の基礎が掘り起こされ、解体、撤去。同飛行場の最後の遺構。[東奥日報]
東京都: 港区の再開発工事現場で、高輪築堤（たかなわちくてい）の遺構。1870年着工。現・田町駅付近から品川駅付近まで約2.7kmにわたり、約6.4m幅で細長く埋め立てた。周辺が埋め立てられ、築堤の所在は不明になっていた。JR東日本と港区教育委員会の調査。[東京新聞]
長崎県: 対馬市・太平寺の一部墓所で、江戸時代後期の石棺墓や集合墓。[長崎新聞]
インド: タミル・ナードゥ州（Tamil Nadu）キーラディー（Keeladi；Keezhadi）で出土した紀元前600年ごろの土器に、人類最古のカーボンナノチューブ（carbon nanotube）を確認。焼成時の高温下で偶然に生成か。[NDTV]
イタリア: ポンペイ（Pompeii）で、79年の噴火で犠牲となった男性2人の遺体。男性の一人は18～25歳で椎間板が圧迫されており、肉体労働に従事していたと推定。もう一人は30～40歳で、マントをまとう。奴隷とその主人のものの可能性。[Phys.Org]

2020年11月21日（土）

ブルガリア: プロヴディフ州（Област Пловдив；Plovdiv Province）カルロヴォ（Карлово；Karlovo）のボグダン（Богдан；Bogdan）で、銅石器時代末～青銅器時代初め・紀元前2700年～2500年の窯や炉。住居は発見されず、集落の手工業区域か。
‘Economic’ section of 5,000-year-old settlement with А dozen kilns found in Central Bulgarian Valley [Archaeology in Bulgaria]
イタリア: プッリャ州（Regione Puglia）バーリ県（Città metropolitana di Bari）グラヴィーナ・イン・プーリア（Gravina in Puglia）で、紀元前5世紀のアスリートの墓。[Barinedita]
ドイツ: シェーンガイジング（Schöngeising）で、中期青銅器時代～初期鉄器時代とみられる墳丘墓（Hügelgrab）が荒らされる。[Süddeutsche Zeitung]
▼バイエルン州（Freistaat Bayern）
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）ゾースト郡（Kreis Soest）リッペタール（Lippetal）で2019年に発見された中世（Mittelalter）・900年前の木造船を引き揚げ、復元。
LWL-Archäologen bergen mittelalterliches Schiffswrack[Archaeologie Online]
スペイン: サラゴサ県（Provincia de Zaragoza）タウステ（Tauste）で、イスラーム時代・8～11世紀の墓400基以上を調査。すべてイスラームの習慣に従いマッカ（メッカ）の方を向いて葬られる。[CNN]

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