2024年2月10日(土)
- 静岡県
- 富士市・比奈1古墳群(ひないちこふんぐん)で、新たに飛鳥時代の石切平第2号墳を発見。横穴式石室を持ち、武器が出土。富士市教育委員会の調査。2/23現地説明会。
▶ 比奈1古墳群発掘調査現地説明会について [富士市] - イラン
- ペルシャ湾北岸の9か所で、地中レーダーと地表調査を通じ、古代の港の存在を推定。うち4か所では遺構を確認。
▶ Abdolmajid Naderi Beni, Hossein Tofighian & Mostafa F. Kelishomi (2024) Geoarchaeological insights into ancient ports of the northern Persian Gulf: A vanishing heritage. The Journal of Island and Coastal Archaeology. [Taylor & Francis Online] - オマーン
- サムフラム遺跡(Sumhuram)で出土した紀元前3/2千年紀〜紀元後5世紀の土器と、ハムル・アル・シャルキーヤ1遺跡(Hamr al-Sharqiya 1)で出土した紀元前1千年紀〜紀元後1/2千年紀の土器のうち、アラビア半島南西部とインドの土器5点を分析し、インド洋貿易に関して推定。
▶ Daniele Zampierin, Patrícia Moita, Silvia Lischi, Marike van Aerde, Pedro Barrulas, José Mirão (2024) A multi-analytical approach applied to pottery from Oman as a key to understanding ancient Indian Ocean maritime trade. Archaeometry, Early View. [Wiley Online Library]
▼サムフラム遺跡関連記事→2020年2月23日 - ヨルダン
- 中部のウンム・スウェイウィネー(Umm Sweiwineh)で、鉄器時代2期の土製小像。
▶ Hashem Khries & Taher Al-Gonmeen (2024) An Iron Age II ceramic figurine from Umm Sweiwineh, Central Jordan. Palestine Exploration Quarterly. [Taylor & Francis Online] - イスラエル
- 南レヴァント中央部で、過去3000年間の湧き水トンネル216基のデータベースを作成。山岳地帯の集落の分布と湧き水トンネルの分布に相関関係。
▶ Azriel Yechezkel, Amos Frumkin, R. Lawrence Edwards, Xianglei Li, Uzi Leibner (2024) Evolution of water extraction technology (spring tunnels) in the Southern Levant during the last three millennia. Geoarchaeology, Early View. [Wiley Online Library] - スペイン
- バルセロナ県(Barcelona)シウタ・ベリャ(Ciutat Vella)のヤーナ広場(Plaça de la Llana;Plaza de la Llana)で、中世・14世紀の邸宅、17世紀の柵、19世紀のチョコレート工場。[Heritage Daily]
2024年2月9日(金)
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、県内3例目のさいころ出土。駒がセットで出土したのは東北初。南部町教育委員会2/9発表。[東奥日報]
▼聖寿寺館跡関連記事→2023年10月23日 - 奈良県
- 天理市・マバカ古墳で、前方部の裾の一部を確認。天理市教育委員会の調査。大和古墳群(おおやまとこふんぐん)に属す前方後円墳。3世紀後半。[奈良新聞]
▼マバカ古墳関連記事→2004年8月26日 - 愛媛県
- 今治市・伊予国府跡推定地で、昨年度調査した大溝の延長と考えられる溝を検出。少なくとも90m以上の長さである可能性。今治市教育委員会の調査。2/11現地説明会。
▶ 伊予国府跡推定地確認調査現地説明会開催のお知らせ[今治市] - 高知県
- 高知県で、1968〜78年に刊行された旧県史の製作で参考にした古文書などが、現段階で2割程度しか確認できず。[高知新聞]
- 台湾
- 桃園市 観音区・白沙屯遺跡で、4000年前の土器のヘビ形の把手。[自由時報]
▽ヘビは「小龍」ともいうと、春節(今年は2月10日)で辰年になることに絡めているが、ヘビにはちゃんと「巳年」があるんだから、無理がある。 - 中国
- 新疆ウイグル自治区(Xinjiang)バインゴリン・モンゴル自治州(巴音郭楞蒙古自治州;巴州;Bazhou)で出土した魏晋時代・220〜420年の織物について、繊維と染料を同定。絹、羊毛、木綿が用いられ、絹はカイコ(Bombyx mori)由来のものとクワコ(Bombyx mandarina)由来のものの双方がある。赤色の染料には植物染料としてクルマバアカネ(Rubia cordifolia)、セイヨウアカネ(Rubia tinctorum)、昆虫染料としてケルメスカイガラムシ(Kermes vermilio)を使用。黄色の染料には植物染料のキバナモクセイソウ(Reseda luteola)、オウバク(Phellodendron chinense)、キハダ(Phellodendron amurense)、メギ属(Berberis)を使用。青色の染料には藍が用いられる。在地の染料のほか、中国の中部や東部、地中海地域に由来するものを含む。
▶ Suyun Gao, Mingyi Yao, Narenggaowa, Danhua Guo, Yonggu Li, Khai Ly Do, Jian Liu, Feng Zhao (2024) Identification of fibers and dyes in archaeological textiles from Bazhou, Xinjiang (220-420 CE), and their Silk Road origins. Journal of Archaeological Science, Volume 164, April 2024, 105941. [ScienceDirect] - デンマーク
- 先史時代の人々の骨や歯のDNAを分析。過去7300年間に2回、デンマークでヒトが入れ替わった。5900年前に狩猟・漁労・採集民を農耕民が追い出し、前者は数世代で絶滅。 4850年前にはヤムナ文化(Yamnaya culture)にルーツを持つ半農半牧民がロシアから渡来し、もといた農耕民を一掃。
▶ Scandinavia’s first farmers slaughtered the hunter-gatherer population [Lunds Universitet]
▶ Morten E. Allentoft et al. (2024) 100 ancient genomes show repeated population turnovers in Neolithic Denmark. Nature, volume 625, pages329-337. [Nature] - チリ
- ラパ・ヌイ(Rapa Nui)=イースター島(Easter Island)で見つかった、未解読のロンゴロンゴ文字(rongorongo script)を刻んだ木板4枚のうち1枚の放射性炭素年代は1493〜1509年。ヨーロッパ人到来よりも200年以上さかのぼる。ロンゴロンゴ文字は、ヨーロッパの影響以前に自ら発明した文字 。[LiveScience]
▶ Silvia Ferrara, Laura Tassoni, Bernd Kromer, Lukas Wacker, Michael Friedrich, Francesca Tonini, Lorenzo Lastilla, Roberta Ravanelli & Sahra Talamo (2024) The invention of writing on Rapa Nui (Easter Island). New radiocarbon dates on the Rongorongo script. Scientific Reports, volume 14, Article number: 2794. [Scientific Reports]
2024年2月8日(木)
- 石川県
- 金沢市・金沢城(かなざわじょう)で、能登半島地震により損壊した石垣の多くは、明治時代以降に積み上げた石垣。江戸時代の加賀藩が継承してきた技術が、廃藩置県で明治以降は引き継がれなかったことが影響した可能性。[共同通信]
- 愛知県
- 西尾市・西尾城大手門跡で、大手門の外枡形の一部と三之丸堀跡を確認。西尾市教育委員会の調査。2/18現地説明会。
▶西尾城大手門跡の発掘調査現地説明会 [西尾市] - 熊本市
- 中央区・熊本城の備前堀で、石垣の底部分には基礎となる人頭大の「根石」のみ敷き詰められている場所と、根石の下に拳大の「栗石」が敷き詰められている場所。地盤の弱い場所でより安定を図るため、栗石も敷いた可能性。熊本市2/8発表。2/10一般公開。[毎日新聞]
- 沖縄県
- 沖縄本島南部や久高島の海岸で無数に見られる巨大な岩塊は、沖縄戦の艦砲射撃による砲弾のさく裂によってサンゴ礁や断崖が破壊され、発生したものとの学説。[琉球新報]
- ヨルダン
- ホモ・サピエンスがユーラシアに拡散し始めた、45000年前ごろの石器は重厚で、石器の刃部獲得効率が低かった。刃部獲得効率が上昇したのは4万年前で、ホモサピエンスが増加し旧人が絶滅したころに当たる。ホモ・サピエンスの文化進化には複数の段階や試行錯誤があった。
▶ホモ・サピエンスの石器技術はいつ、どのように革新したのか? 〜ユーラシア拡散の時期、複数の段階があったことを明示〜 [名古屋大学]
▶ Seiji Kadowaki, Joe Yuichiro Wakano, Toru Tamura, Ayami Watanabe, Masato Hirose, Eiki Suga, Kazuhiro Tsukada, Oday Tarawneh & Sate Massadeh (2024) Delayed increase in stone tool cutting-edge productivity at the Middle-Upper Paleolithic transition in southern Jordan. Nature Communications, volume 15, Article number: 610. [Nature Communications] - ポーランド
- ジェシュフ(Rzeszów)で鉄器時代・プシェヴォルスク文化(Kultura przeworska;Przeworsk Culture)の集落と遺物。[Nauka w Polsce]
- オランダ
- ハウテン・カステルム遺跡(Houten-Castellum)で2017年に出土した、ローマ時代・70〜100年の獣骨をくりぬいた容器に、ヒヨス(Hyoscyamus niger;Black henbane)の毒性がある種子を収めていた。[LiveScience]
▶ Maaike Groot, Martijn van Haasteren and Laura I. Kooistra (2024) Evidence of the intentional use of black henbane (Hyoscyamus niger) in the Roman Netherlands. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core]
▼ハウテン・カステルム遺跡関連記事→2021年10月2日 - フランス
- サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire)ロワレ県(Loiret)ボージャンシー(Beaugency)で鉄器時代末・1世紀前半の集落跡。溝で囲まれ、集落内も区画。
▶ Un habitat rural de la fin de l'âge du Fer à Beaugency (Loiret) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2024年2月7日(水)
- 滋賀県
- 大津市・坂本城跡(さかもとじょうあと)で、長さ30mの石垣や堀。大津市2/7発表。[朝日新聞]
▶坂本城跡の発掘調査の現地説明会を実施します/大津市 [大津市]
▼坂本城跡関連記事→2023年7月18日 - 韓国
- 済州空港(チェジュくうこう)で2007年〜2009年に発掘された2人の遺体の身元を確認。4.3事件の行方不明者。[聯合ニュース]
- 中国
- 青海省 玉樹市・丁都普巴遺跡の形成は4万年以上前。[中国新聞網]
- インド
- カルナータカ州(Karnataka)ラーヤチュール県(Raichur)シャクティ・ナガル(Shakti Nagar)のクリシュナ川(Krishna River)で、後期チャールキヤ朝(Kalyana Chalukyas)・11世紀のヒンドゥー教の神像。[Hans India]
- ジョージア
- ジョージア国内70遺跡で出土した紀元前2000年〜前550年の金属製品について、意図的な破壊に関し研究。埋葬の文脈でじは、破壊された金属器は祭祀の一環とみられることが多いが、埋葬を伴わない埋納品でも同様に破壊された金属器がある。埋葬に伴う金属器の破壊は、被葬者の詩とともにその所有物をも殺すことを意味するが、埋納品の場合、倒した敵から奪った斧を破壊して埋める、共同体としての意義があった。
▶ Giorgi Bedianashvili and Abby Robinson (2024) Intentional damage to metal artefacts in burials and hoards in the south Caucasus, 2000-550 BC. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core] - ポーランド
- クラクフ(Kraków)のヴァヴェル城(Zamek Królewski na Wawelu;Wawel castle)で、デンマーク塔(Wieża Duńska;Danish Tower)の地下から、中世・11〜12世紀の金の指輪。向かい合う顔の装飾。[Notes from Poland]
- ペルー
- パコパンパ遺跡群(Pacopampa)のラ・カピーヤ遺跡(La Capilla)で出土した人骨は紀元前1300年ごろ。同地で最も古い権力者の墓。[読売新聞]
2024年2月6日(火)
- 石川県
- 金沢市・金沢21世紀美術館は能登半島地震の影響で臨時休館していたが、2/6から交流ゾーンの一部を再開。全面オープンのめどは立たず。[北國新聞]
- 奈良県
- 奈良市・富雄丸山古墳の粘土槨から、割竹形木棺が出土。コウヤマキ製で保存状態がよく、縄掛突起も遺存。一部では金属探知機も反応し、副葬品の可能性。奈良市教育委員会2/6発表。[産経新聞]
▼富雄丸山古墳関連記事→2023年2月11日 - 北九州市
- 門司区の明治時代の鉄道遺構をめぐり、九州考古学会が北九州市長に対し、現地保存を最優先とした施設設計変更の検討と追加調査を求める要望書を送付。[西日本新聞]
- 中国
- 河南省 濮陽市 華龍区 孟軻鎮 東干城牟田で、戦国時代から漢時代までの城跡。[中国新聞網]
- タイ
- メーホンソーン県(Mae Hong Son)の鉄器時代・2300年前〜1000年前の木棺(Log Coffin)について、5遺跡の被葬者33人のDNAを分析。[Mirage News]
▶ Selina Carlhoff, Wibhu Kutanan, Adam B. Rohrlach, Cosimo Posth, Mark Stoneking, Kathrin Nägele, Rasmi Shoocongdej & Johannes Krause (2023) Genomic portrait and relatedness patterns of the Iron Age Log Coffin culture in northwestern Thailand. Nature Communications, volume 14, Article number: 8527. [Nature Communications] - イタリア
- シチリア島(Sicilia;Sicily)アグリジェント(Agrigento)のサン・レオーネ(San Leone)沖水深9mの海底で、紀元前5世紀のオリンピアのゼウス神殿(Temple of Olympian Zeus)の大理石製のウマのフリーズの断片を発見。[Arkeonews]
- UK(イングランド)
- ロンドン(London)のナショナル・ギャラリー(The National Gallery)の地下でサクソン時代の遺跡。当時のロンドンの中心部が、従来の想定より西に広がっていたことを示す。
▶ Excavations under the National Gallery, London, are undertaken by ASE [UCL Archaeology South-East] - UK(イングランド)
- ロンドンでサクソン時代の都市ルンデンウィック(Lundenwic)を確認。9世紀にヴァイキングの進攻により放棄。[Heritage Daily]
- UK(イングランド)
- アングロサクソンがキリスト教に改宗した7世紀について、安定同位体分析により、男性と女性、また女性の中でも豪勢な埋葬と貧相な埋葬との間で、移動性の違いを研究。貧しい葉かに葬られた女性の方が移動性が高く、豊かな墓に葬られた女性は出生地の近くにいた。当時の改宗時代には異族婚姻同盟が行われ、女性の役割も大きく変化した。
▶ Helena Hamerow, Sam Leggett, Christel Tinguely and Petrus Le Roux (2024) Women of the Conversion Period: a biomolecular investigation of mobility in early medieval England. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core] - USA
- ワイオミング州(State of Wyoming)コンヴァース郡(Converse County)ラプレレ遺跡(La Prele)で、クローヴィス期(Clovis)・12940年前(B.P.)の管玉。質量分析(ZooMS)により、ウサギの骨を用いたと判明。
▶ Todd A. Surovell, McKenna L. Litynski, Sarah A. Allaun, Michael Buckley, Todd A. Schoborg, Jack A. Govaerts, Matthew J. O’Brien, Spencer R. Pelton, Paul H. Sanders, Madeline E. Mackie & Robert L. Kelly (2024) Use of hare bone for the manufacture of a Clovis bead. Scientific Reports, volume 14, Article number: 2937. [Scientific Reports]
2024年2月5日(月)
- 奈良県
- 奈良市・大安寺旧境内(だいあんじきゅうけいだい)で、平安時代の金堂基壇の一部。付近からは火災の痕跡。基壇は、平安時代の大火で主要建物が焼失し再建した当時のものと推定。奈良市教育委員会の調査。[産経新聞]
▼大安寺旧境内関連記事→2018年11月8日 - 岡山県
- 倉敷市・酒津遺跡(さかづいせき)で、古墳時代の箱式石棺や中世の掘立柱建物・井戸。岡山県古代吉備文化財センターの調査。2/24現地説明会。<br />▶[岡山県教育委員会]
- ブルガリア
- ヴェリコ・タルノヴォ州(Област Велико Търново;Oblast Veliko Tarnovo)ノヴァ・ヴァルボフカ(Нова Върбовка;Nova Varbovka)のローマ時代の墓から、ローマ皇帝カラカラ(Caracalla)の青銅製メダリオン出土。小アジアの古代都市ペルガモン(Πέργαμον;Pergamon)で打刻。214年のカラカラ帝のペルガモン訪問を記す。[The Sofia Globe]
- ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen)シュタインハイム(Steinheim)で、中世・13〜14世紀の都市遺跡。
▶Bebauungsspuren aus der Frühzeit des mittelalterlichen Steinheim entdeckt [Archaeologie Online] - UK(イングランド)
- ロンドン(London)のフリート川(River Fleet)の底から、ローマ時代・2000年前のオーク材の木棺や、オーク材の葬送用のベッド。[LiveScience]
- ブラジル
- ピアウイ州(Estado do Piauí)で1823年3月13日に起こったジェニパポの戦い(Battle of Jenipapo)の遺跡に関する地球化学的分析。武器の存在を示す鉛と銅の含有量を調べる。鉛の量が探査に有効と判明。
▶ Antonio Leite Oliveira, Maria Conceição Soares Meneses Lage, Benedito Batista Farias Filho, Maria do Amparo Alves de Carvalho (2024) A preliminary geochemical study of the archaeological site of the Battle of Jenipapo (Piauí state, Brazil). Archaeometry, Early View. [Wiley Online Library]
2024年2月4日(日)
- ポーランド
- ポズナン(Poznań)の王城の中で厨房を発見。[Nauka w Polsce]
2024年2月3日(土)
- ジョージア
- 黒海沿岸のコルキス平地(Colchis)で、青銅器時代の遺丘3か所についてリモートセンシングによる調査。うち1か所では堆積物コアを調査。紀元前2千年紀前半に集落形成。遺丘は人工的なもので、周囲を堀で囲む。
▶ Hannes Laermanns, Mikheil Elashvili, Giorgi Kirkitadze, Christopher P. Loveluck, Simon Matthias May, Daniel Kelterbaum, Revaz Papuashvili, Helmut Brückner (2024) The Bronze Age occupation of the Black Sea coast of Georgia—New insights from settlement mounds of the Colchian plain. Geoarchaeology, Early View. [Wiley Online Library] - ハンガリー
- シュバリュク洞窟(Subalyuk Cave)で1932年に出土した34000年前〜33000年前と38000年前〜37000年前のネアンデルタール人2人の骨を分析し、2人とも結核(tuberculosis)にかかっていたことを確認。結核がネアンデルタール人絶滅の要因の一つか。[LiveScience]
- ハンガリー
- ハイドゥー・ビハール県(Hajdú-Bihar megye)エベシュ(Ebes)で、7世紀のパンノニア・アヴァール人(Avar)の戦士。小札甲(lamellar armour)とともに埋葬。[Heritage Daily]
- フランス
- ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(Pays de la Loire) ロワール=アトランティック県(Loire-Atlantique)ゲランド(Guérande)で2021年〜2022年に発見された中世・12世紀と14世紀の貨幣の埋納について3D解析。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶ Quatre dépôts monétaires médiévaux mis au jour à Guérande révélés par l'imagerie 3D (Loire-Atlantique) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- ノーサンバーランド州(the county of Northumberland)のヴィンドランダ砦(Vindolanda Roman fort)で、西暦100年ごろの最下層から、トコジラミ(common bedbug;Cimex lectularius)の胸部。トコジラミもローマ人がブリテン島にもたらした。[The Guardian]
▼ヴィンドランダ砦関連記事→2023年7月10日 - チュニジア
- ウティカ(Utique;Utica)で出土したローマ時代・1〜2世紀のモルタルを分析し、3種類のモルタルを同定。建築の段階によってモルタルを使い分ける。
▶ R. Fort, MJ. Varas-Muriel, K. Zoghlami, D. Ergenç, A. Zaddem (2024) Analytical characterisation of 1st- and 2nd-century Roman mortars at the Utica archaeological site (Tunisia): Construction phases and provenance of the raw materials. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 54, April 2024, 104404. [ScienceDirect] - メキシコ
- タバスコ州(Tabasco)のプイル洞窟(Puyil)で出土した古期と古典期の人骨を分析し、出身地と母系を推定。オルメカやマヤとの関連を示唆。
▶ María Teresa Navarro-Romero, María de Lourdes Muñoz, Ben Krause-Kyora, Javiera Cervini-Silva, Enrique Alcalá-Castañeda, Randy E. David (2024) Bioanthropological analysis of human remains from the archaic and classic period discovered in Puyil cave, Mexico. American Journal of Biological Anthropology, Early View. [Wiley Online Library]
▼プイル洞窟関連記事→2018年8月9日
2024年2月2日(金)
- 京都市
- 下京区・御土居跡(おどいあと)で障子堀を発見。公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所2/2発表。[京都新聞]
▼御土居跡関連記事→2023年12月20日 - 兵庫県
- 明石市・三番割古墳群(さんばんわりこふんぐん)で、新たに5世紀後半の古墳2基の周溝。明石市の調査。2/10現地説明会。
▶古墳周溝発見(大久保町)に伴う現地説明会を実施します(2月10日) [明石市] - 大阪府
- 羽曳野市・塚穴古墳で、堤を貫く地下の排水溝を確認。空堀に水がたまらないための工夫。7世紀前半の方墳。発掘調査を宮内庁が考古学研究者と報道陣に公開。[NHK]
- 中国
- 浙江省 紹興市 越城区と柯橋区の亭山遺跡群で、春秋戦国時代の大型建物群。「越」国の都邑との関連か。[光明日報]
- オーストラリア
- メルボルン(Melbourne)の4遺跡で出土した19世紀の貝類を比較。カキ消費。
▶ Brendan Marshall (2024) The archaeology of 19th century oyster consumption in Melbourne. Archaeology in Oceania, Early View. [Wiley Online Library] - アラブ首長国連邦
- アブダビ首長国(Abu Dhabi)のサース・アン・ナフル島(Sas Al Nakhl)で、青銅器時代・ウンム・アン=ナール文化(Umm an-Nar)・紀元前2700年〜前2000年のアスファルト貯蔵穴。ボートとみられる木片も。出土した骨から見て、魚と海鳥が主要な食料。メソポタミアとインドを結ぶ重要な港。[Arkeonews]
- アルメニア
- イェゲギス1岩陰遺跡(Yeghegis-1)で、銅石器時代・紀元前5千年紀後半〜前4千年紀半ばのヒトの居住の痕跡。
▶ Mariya Antonosyan, Mariam Saribekyan, Satenik Mkrtchyan, Anahit Hovhannisyan, Ellery Frahm, Patrick Roberts, Arsen Bobokhyan, Karen Azatyan, Levon Yepiskoposyan and Noel Amano (2024) Yeghegis-1 rockshelter site: new investigations into the late Chalcolithic of Armenia. Antiquity, First View, pp. 1 - 8. [Cambridge Core] - イタリア
- ナポリ県(Città metropolitana di Napoli)バーコリ自治体(Bacoli)のプンタ・サルパレッラ(Punta Sarparella)で、ローマ時代・1世紀の邸宅。大プリニウス(Plinius Maior;Pliny the Elder)がヴェスヴィオス山(Mount Vesuvius)の79年の大噴火を目撃した場所か。ローマ時代のミセヌム(Misenum)に当たる場所で、大プリニウスはここでローマ艦隊を率いていた。[LiveScience]
- ケニア
- 岩に刻み込んだマンカラ(mancala)で用いるゲーム盤。[Heritage Daily]
2024年2月1日(木)
- 岐阜県
- 岐阜市・岐阜城跡(ぎふじょうあと)の山上部で庭を持つ饗応施設。円礫やかわらけ出土。岐阜市の調査。2/10現地説明会。
▶ 令和5年度 岐阜城跡山上部発掘調査成果を発表しました! [岐阜市] - 京都府
- 京丹後市・カンジョガキ遺跡(第1〜4次調査)で古墳時代後期の集落跡、飛鳥時代〜奈良時代の横穴墓5基。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センターの調査。2/3現地説明会。
▶カンジョガキ遺跡第1〜4次現地説明会[公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター] - 高知県
- 南国市・岡豊山北麓で、長宗我部氏のころの瓦や貿易陶磁。土留めを使用し、広い平坦面をつくっていることが明らかに。南国市教育委員会の調査。2/23現地説明会。
▶長宗我部一族の寺跡発掘調査 現地説明会のご案内 [南国市] - 北九州市
- 門司区の明治時代の鉄道遺構について、「一部移築保存」の方針に対し、鉄道史学会と都市史学会が方針撤回と現地保存のための施設整備計画の変更を求める共同声明。[西日本新聞]
- 北九州市
- 門司区の明治時代の鉄道遺構に関して、北九州市は、北九州市議会教育文化委員会で、一部移築保存を再検討しない考えを示す。市民団体から提出された遺構の現地保存を求める陳情は委員会で継続審査。[西日本新聞]
- 中国
- 陝西省 楡林市 神木市 店塔鎮 楊城村・楊家城城跡は、唐・宋時代の麟州城だった可能性。[西部網]
- イタリア
- リグーリア州(Regione Liguria)のリパロ・ボンブリーニ遺跡(Riparo Bombrini)で。原オーリニャック文化(Protoaurignacian)のA1-A2層(ホモサピエンスに関連)とムスティエ文化(Mousterian)のMS1-MS2層(ネアンデルタール人に関連)の遺物の空間分布を分析。居住の期間、密度、道具、動物利用などに関連して生活空間を区分。ネアンデルタール人とホモサピエンスの空間区分の認知に大差がないと推定。▶ Amélie Vallerand, Fabio Negrino & Julien Riel-Salvatore (2024) Homo sapiens and Neanderthal Use of Space at Riparo Bombrini (Liguria, Italy). Journal of Archaeological Method and Theory. [SpringerLink]
▼リパロ・ボンブリーニ遺跡関連記事→2023年6月10日 - ドイツ
- ホーレ・フェルス洞窟(Grotte Hohle Fels;Hohle Fels Cave)で2015年に出土した、オーリニャック文化(Aurignacian)・40000年前〜35000年前の4つの孔のあいたマンモス象牙を分析。孔の中を植物繊維が時計回りの溝に導かれて通過した痕跡。縄をなうための道具と推定。再現実験によると、4〜5人の共同作業により、数分で長さ1mのロープを作れる。[ScienceNews]
▶ Nicholas J. Conard and Veerle Rots (2024) Rope making in the Aurignacian of Central Europe more than 35,000 years ago. Science Advances, Vol 10, Issue 5. [Science Advances]
▼ホーレ・フェルス洞窟関連記事→2023年7月30日 - ドイツ
- ラニス(Ranis)で出土した45000年前のヒトのあごの骨の遺伝子を分析し、ホモサピエンスと判明。ヨーロッパで45000年前すでにホモサピエンスが到達し、ネアンデルタール人と共存。
▶Neanderthals and humans lived side by side in Northern Europe 45,000 years ago [University of California, Berkeley]
▶ Dorothea Mylopotamitaki, Marcel Weiss, Helen Fewlass, Elena Irene Zavala, Hélène Rougier, Arev Pelin Sümer, Mateja Hajdinjak, Geoff M. Smith, Karen Ruebens, Virginie Sinet-Mathiot, Sarah Pederzani, Elena Essel, Florian S. Harking, Huan Xia, Jakob Hansen, André Kirchner, Tobias Lauer, Mareike Stahlschmidt, Michael Hein, Sahra Talamo, Lukas Wacker, Harald Meller, Holger Dietl, Jörg Orschiedt, Jesper V. Olsen, Hugo Zeberg, Kay Prüfer, Johannes Krause, Matthias Meyer, Frido Welker, Shannon P. McPherron, Tim Schüler & Jean-Jacques Hublin (2024) Homo sapiens reached the higher latitudes of Europe by 45,000 years ago. Nature. [Nature] - スペイン
- バレアレス諸島(Balearics)アイヴィーサ島(Eivissa、イビサ島)のエス・カステル遺跡(Es Castell)で出土した、ヴァンダル(Vandal)統治時代の土器について分析。調理用の土器は主に輸入品。一般的な黄褐色土器は在地産で、同じような粘土を用いて複数の工房で作られた。
▶ Miguel Ángel Cau-Ontiveros, Leandro Fantuzzi, Evanthia Tsantini, Joan Ramon Torres (2024) Ceramic production and trade in Eivissa (Balearic Islands, Spain) during Vandal rule: An integrated analytical study. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 54, April 2024, 104382. [ScienceDirect]
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