きまぐれNEWSLINK：2023年2月中旬2023年2月20日（月）
- 北海道
- 北海道沖で、第二次世界大戦中の1944年11月7日に沈没した米軍の潜水艦アルバコア（USS Albacore）の船体をアメリカ海軍が確認。[The Maritime Executive]
- 兵庫県
- 朝来市・竹田城跡（たけだじょうあと）の二の丸から、本格的な建物跡や、通路として敷かれた石畳。朝来市教育委員会の調査。[読売新聞]
▼竹田城跡関連記事→2021年2月25日 - パプアニューギニア
- パプアニューギニアで、オーストラリアの考古学者を含む研究者5人が武装集団の人質に。人質は生存しており、集団は身代金を要求。[The Sydney Morning Herald]
- ノルウェー
- ヨートゥンヘイム山地（Jotunheimen）の溶けた氷の中方3500年前の貝殻製の鏃。
▶Archaeologists surprised when 3,500 year old arrowheads made of shells melted out of the ice in the Norwegian mountains [Science Norway] - UK（イングランド）
- ノーサンバーランド州（the county of Northumberland）のヴィンドランダ砦（Vindolanda Roman fort）で1992年に出土した木製品は、ローマ時代・2世紀の男根型木製品と判明。金属製や石製は知られていたが、木製のものは初めて確認された。
▶ Rob Collins and Rob Sands (2023) Touch wood: luck, protection, power or pleasure? A wooden phallus from Vindolanda Roman fort. Antiquity, First View, pp. 1 - 17. [Cambridge Core]
▼ヴィンドランダ砦関連記事→2022年9月23日
2023年2月18日（土）
- 茨城県
- 大洗町・宮田遺跡で弥生時代〜平安時代の各時代の集落。竪穴建物跡80基。古墳時代前期の方形周溝墓の一部。古墳時代中期の滑石製品。大洗町教育委員会の調査。2/18現地説明会。[朝日新聞]
- 福岡県
- うきは市・西ノ城古墳（にしのしろこふん）は、双方中円墳と考えられていたが、東側の突出部が従来の想定より10m長く、突出部の付け根に「造り出し」も確認。うきは市教育委員会の調査。2/25-26現地説明会。[朝日新聞]
▶西ノ城古墳現地説明会のお知らせ [うきは市]
▼西ノ城古墳関連記事→2021年12月29日 - 中国
- 湖北省 天門市・石家河城跡で、面積が従来の想定の2倍と確認。[荊楚網]
- インド
- グジャラート州（Gujarat）アフマダーバード市（Ahmedabad）ダスクロイ（Daskroi）のカニエル村（Kaniyel）で、階段状の井戸と女神像。[The Indian Express]
- イラク
- ジーカール県（Dhi Qar Governorate）にあるシュメール（Sumer）の都市ギルス（Girsu）でシュメールの王宮と神殿を発見。ギルスは初期王朝時代・紀元前2900年〜前2335年のラガシュ王国（Lagash）の首都。ウル第3王朝・紀元前2112年〜前2004年の主要な行政都市。[Heritage Daily]
▼ギルス関連記事→2021年11月16日 - サウジアラビア
- ナジュラーン州（Najran）のアル・ウクドゥード遺跡（Al Ukhdud）で、先イスラーム時代のムスナド文字（Musnad）の銘文や金製指輪、青銅製の牛頭。[Arkeonews]
- スロベニア
- ドレンスカ地方（Dolenjska）のDolge Njive遺跡の前期鉄器時代の墳丘墓で出土した7人の人骨について、DNAと同位体分析により、被葬者同士の関係性を推定。生物学上は7人全員が近親者。集団の構成は父系にも母系にも厳密には該当せず、父系・母系双方のつながりが重視されていた。
▶ Ian Armit, Claire-Elise Fischer, Hannah Koon, Rebecca Nicholls, Iñigo Olalde, Nadin Rohland, Jo Buckberry, Janet Montgomery, Philip Mason, Matija Črešnar, Lindsey Büster and David Reich (2023) Kinship practices in Early Iron Age South-east Europe: genetic and isotopic analysis of burials from the Dolge njive barrow cemetery, Dolenjska, Slovenia. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core] - スウェーデン
- スウェーデン南西部マルメ地方（Malmö）の前期新石器時代・紀元前4000年ごろのフリント採掘導入ごろの動態を研究。農業導入以前から狩猟採集民がフリントを採取していたことを指摘。前期新石器時代のフリント採取の導入が、ヒトの移動に関連しているという仮説は、部分的にしか追認できず。
▶ Anders Högberg, Åsa Berggren and Kristian Brink (2023) Early Neolithic flint extraction in south-western Sweden: transregional practices on a local scale. Antiquity, Volume 97, Issue 392, April 2023, pp. 331 - 347. [Cambridge Core] - USA
- ゲティスバーグ（Gettysburg）のリトルラウンドトップ（Little Round Top）の古戦場で、南北戦争（Civil War）時の不発弾。1863年7月2日に戦闘が行われた場所。[LiveScience]
- ペルー
- ラ・セドゥクトラ遺跡（La Seductora）で、円形遺構。中央に炉、地下に換気孔。コトシュ文化（Kotosh）の祭祀伝統にかかわる可能性。
▶ Christian Mesia-Montenegro and Angel Sanchez-Borjas (2023) Embedded religiousness and the Kotosh religious tradition in highland Peru: the site of La Seductora. Antiquity, First View, pp. 1 - 19. [Cambridge Core]
2023年2月17日（金）
- 中国
- 山西省 大同市 平城区・智家堡唐代墓地で、唐墓58基。[中国新聞網]
- トルコ、シリア
- 日本西アジア考古学会は、トルコ、シリアを襲った地震について声明。
▶トルコ南部地震についての声明[日本西アジア考古学会] - スロバキア
- ジリナ県（Žilinský kraj：Žilina）ドルニー・クビーン（Dolný Kubín）のオラヴァ川（Orava）で、鉄器時代のバックルと17世紀の硬貨。[The Slovak Spectator]
- ポーランド
- オシフィエンチム（Oświęcim）で、ユダヤ教の儀式用の浴槽ミクワー。木造で、17世紀のものとみられる。[Radio Kraków]
- UK（イングランド）
- ニューカッスル・アポン・タイン（Newcastle upon Tyne）のグレートノース博物館（Great North Museum）が所蔵する青銅器時代の斧の観察を基礎に、青銅器時代の斧の効率について、実験的に研究。斧の刃のデザインよりも、柄と刃の接合の弾力性が、効率に大きく作用していると判明。
▶ Andrea Dolfini, Susan C. Scholes, Joshua Collins, Sean Hardy, Thomas J. Joyce (2023) Testing the efficiency of Bronze Age axes: An interdisciplinary experiment. Journal of Archaeological Science, Volume 152, April 2023, 105741. [ScienceDirect] - メキシコ
- メキシコシティのチャプルテペク公園（Chapultepec）で副王時代初期・1521〜1620年の遺体21体。メキシコ国立人類学歴史学研究所（Instituto Nacional de Antropología e Historia）の調査。[Mexico Daily Post]
- ペルー
- リマ県（Lima）バランカ郡（Provincia de Barranca）のセロ・コロラド遺跡（Cerro Colorado）は2400年前〜2200年前。カラル遺跡（Caral）と同時期と判明。[Andina]
▼セロ・コロラド遺跡関連記事→2021年12月14日 - 研究不正
- 福井大学教授が国際学術誌に投稿した自分の論文の「査読」に関わった問題で、福井大学は教授を減給処分にした。[時事通信]
▶職員の懲戒処分について[福井大学]
▼福井大学教授の研究不正関連記事→2022年12月20日
2023年2月16日（木）
- 静岡市
- 駿河区・曲金C遺跡（まがりかねしーいせき）で、古墳時代中期の方墳とみられる古墳や、大量の土器や玉類を伴う祭祀跡など。静岡市の調査。2/25現地説明会。
▶☆★☆曲金C遺跡現地説明会を開催します☆★☆ [静岡市] - 愛知県
- 清須市・清洲城下町遺跡（きよすじょうかまちいせき）で、戦国時代〜江戸時代に営まれた屋敷などの区画溝や土坑、堤跡など。愛知県埋蔵文化財センターの調査。2/23地元説明会。
▶清洲城下町遺跡の地元説明会を開催します。[愛知県埋蔵文化財センター]
▼清洲城下町遺跡関連記事→2020年1月22日 - 京都市
- 東山区・東福寺南大門で、大型トラックの積み荷のショベルカーが、門の軒先に接触し、垂木に擦り傷。南大門は桃山時代の建築で京都府指定文化財。[京都新聞]
- 愛媛県
- 松山市・辻町遺跡で、大規模地震の痕跡。当時の地表面に液状化現象で水や砂が吹き上がる「噴砂」の跡。西暦500年ごろに起きた可能性。公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センターの調査。[愛媛新聞]
▼辻町遺跡関連記事→2023年2月15日 - 北マケドニア
- ペラゴニア平原（Pelagonia）のジヴォイノ村（Живојно；Živojno）にあるヴラホ遺跡（Vlaho）で、新石器時代・紀元前7千年紀の環濠集落。
▶ Goce Naumov, Marcin Przybyła, Juan F. Gibaja, Kristina Penezić, Ferran Antolín, Amalia Sabanov and Aneta Fidanoska (2023) An Early Neolithic enclosure at the site of Vlaho, Pelagonia. Antiquity, First View, pp. 1 - 8. [Cambridge Core] - アルゼンチン
- パタゴニア（Patagonia）北部で出土した完新世後期（Late Holocene）の狩猟採集民の歯のエナメル質54試料についてストロンチウム同位体を分析し、外来系遺物の様相と対比。大半の人物は、埋葬された地点に近い地域に居住していたが、一部に遠隔地に埋葬された人物もある。
▶ Alejandro Serna, Clément P. Bataille, Luciano Prates, Emiliano Mange, Petrus le Roux, Domingo C. Salazar-García (2023) Small-scale mobility fostering the interaction networks of Patagonian (Argentina) hunter-gatherers during the Late Holocene: Perspectives from strontium isotopes and exotic items. PLoS ONE, 18(2): e0281089. [PLOS ONE]
2023年2月15日（水）
- 三重県
- 多気郡 明和町・斎宮跡（さいくうあと：第203次調査）で、東側の区画の掘立柱塀と区画内部に掘立柱建物2棟を確認。斎宮歴史博物館の調査。2/18現地説明会。
▶国史跡斎宮跡で発掘調査の現地説明会を開催します [三重県] - 愛媛県
- 松山市・辻町遺跡（第4次調査）で、古墳時代と中世の沼地や土器、水田など。公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センター2/15発表。2/18現地説明会。[愛媛新聞]
▼辻町遺跡関連記事→2021年10月20日 - 中国
- 内モンゴル自治区 バイリン左旗（巴林左旗） 林東鎮・遼上京遺跡の宮城内の1号建築は、遼時代の初めに建てられた、南面した大型建築。[中国新聞網]
▼遼上京遺跡関連記事→2021年9月24日 - 中国
- 陝西省 西安市 閻良区・秦漢櫟陽城遺跡の3号建築西側で、戦国時代・2400年前の水洗トイレ。[新民網]
▼櫟陽城遺跡関連記事→2020年12月20日 - 中国
- 寧夏回族自治区 賀蘭県・蘇峪口磁窯跡で西夏時代の白磁窯跡。[中国新聞網]
- 中国
- 雲南省 昆明市 晋寧区 晋城鎮 古城村・古城村遺跡で、商周時期の環濠集落と貝塚。滇文化の起源の手がかり。[新華社]
- パレスチナ
- ガザ地区（Gaza）で、ローマ時代・2000年前の鉛棺。高位の人物のものと推定。[Reuters]
- ポーランド
- コシチャン郡（Powiat kościański；Kościan）シミギエル（Śmigiel）で、もと池の中の島の岬だった場所に、青銅器時代・ウーニェティツェ文化（Únětice culture）・紀元前2300年〜前1600年の防御性集落。3.7エーカーの規模で、2重の木柵で囲まれ、金属生産を行っていた。[Heritage Daily]
▼ヴィエルコポルスカ県（Województwo wielkopolskie） - USA
- メリーランド州（State of Maryland） 東海岸部（Eastern Shore）で、奴隷の家の跡から、西アフリカに由来する宗教遺物。奴隷解放運動家ハリエット・タブマン（Harriet Tubman）が1822年に生まれた地域。[CBS News]
- チリ
- カレタ・ビトル湾（Caleta Vítor）の墓地から、インカ帝国・15世紀後半の保存状態の良い衣服ウンク（Unku）。[Phys.Org]
▶ Jacqueline Correa-Lau, Carolina Agüero, Jeffrey Splitstoser, Ester Echenique, Tracy Martens, Calogero M. Santoro (2023) Inka Unku: Imperial or provincial? State-local relations. PLOS ONE, 18(2): e0280511. [PLOS ONE]
2023年2月14日（火）
- アイヌ民族
- 内閣府の「アイヌに対する理解度に関する世論調査」で、アイヌ民族への差別や偏見が「ある」と答えた割合は2016年の調査と比べ増加。「アイヌの歴史に関する理解の不十分さ」「アイヌ文化に対する理解の不十分さ」などが背景として挙がる。[時事通信]
- 奈良県
- 奈良市・平城京南方遺跡で、奈良時代に瓦を焼いた窯跡。越田瓦屋の跡と推定。平城京に瓦を供給した窯は京の南側では初。奈良市教育委員会の調査。[産経新聞]
- 中国
- チベット自治区ナムリン県（Namling；南木林県）のゴンタン遺跡（Gongthang；共塘遺跡）で、3000年前のミルクの痕跡。[China Daily]
- イタリア
- アスコリ・ピチェーノ県（Provincia di Ascoli Piceno）にあるカステル・トロジーノ墓地（Castel Trosino）で、頭に2回以上の外科手術を受けた中世ランゴバルド人女性。[ANSA]
▶ Ileana Micarelli, Flavia Strani, Samuel Bedecarrats, Sara Bernardini, Robert R. Paine, Lawrence Bliquez, Caterina Giostra, Valentina Gazzaniga, Mary Anne Tafuri, Giorgio Manzi (2023) An unprecedented case of cranial surgery in Longobard Italy (6th–8th century) using a cruciform incision. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library]
▼マルケ州（Regione Marche） - UK（イングランド）
- ウスターシャー州（Worcestershire）キダーミンスター（Kidderminster）にあるハートルベリー城（Hartlebury Castle）付近で、クロップマークにより、イングランド内戦当時の砦の存在を推定。ハートルベリー城は13世紀の城。[BBC]
2023年2月13日（月）
- 中国
- 山西省 呂梁市 汾陽市 杏花村鎮 馮郝溝村・杏花村遺跡で、新石器時代・仰韶中期・5500年前の住居跡2棟。[中国経済網]
- 中国
- 山西省 運城市 夏県 裴介鎮 轅村・轅村遺跡で、新石器時代・仰韶晩期・5000年前と、夏・商の遺跡。塩湖に近く、塩の生産が遺跡の形成に関連。[中国新聞網]
▼轅村遺跡関連記事→2019年7月25日 - 中国
- 陝西省 咸陽市 旬邑県 張洪鎮・西頭遺跡で、商・周・3000年前の大規模集落跡。溝で囲まれた墓地に1000基近い埋葬。大型墓M19号には、43人の生贄。[游民星空]
▼西頭遺跡関連記事→2023年1月13日 - オーストリア
- オーバーエスターライヒ州（Oberösterreich）のモント湖（Mondsee）にある新石器時代・5500年前のムースヴィンケル（Mooswinkel）杭上住居周辺から出土した糞を分析。冬にはウシ、ヤギ、ヒツジを集落の近くで飼育。森林を計画的に利用したこともうかがえる。
▶Mondsee: 5.500 jahre alter Misthaufen gewährt neue Einblicke in Landwirtschaft der Steinzeit [Archaeologie Online]
▶Thorsten Jakobitsch, Cyril Dworsky, Andreas G. Heiss, Marlu Kühn, Sabine Rosner & Jutta Leskovar (2023) How animal dung can help to reconstruct past forest use: a late Neolithic case study from the Mooswinkel pile dwelling (Austria). Archaeological and Anthropological Sciences, volume 15, Article number: 20. [SpringerLink] - チェコ
- ミクルチツェ・コプツアニ遺跡（Mikulčice-Kopčany）の4地点で出土した前期中世・大モラヴィア王国（Veľkomoravská ríša；Great Moravian Empire）時代・9〜10世紀のコムギ（Triticum aestivum）39試料について炭素と窒素の同位体分析。地域ごとに農業戦略の違いが大きいと推定。
▶ Michaela Látková, Roman Skála & Sylva Drtikolová Kaupová (2023) Bioarchaeological Characteristics of the Wheat (Triticum aestivum) Consumed at Different Parts of the Early Medieval Settlement Agglomeration of Mikulčice-Kopčany (9th–10th Century AD, Czech Republic). Environmental Archaeology. [Taylor & Francis Online]
2023年2月12日（日）
- 中国
- 陝西省 韓城市 芝陽鎮 陶渠村・陶渠遺跡で、西周時代晩期〜春秋時代早期の甲字形大墓。陶渠遺跡は西周〜東周の端境のころの「京」国の所在地。[環球網]
2023年2月11日（土）
- 奈良県
- 奈良市・富雄丸山古墳（とみおまるやまこふん）で出土した家形埴輪の中には浴槽のような大小の箱が並び、周囲には囲形埴輪。遺体を洗浄した殯所を再現した埴輪との説も。奈良市教育委員会の調査。[共同通信]
▼富雄丸山古墳関連記事→2023年1月25日
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