2023年10月31日(火)
- 岩手県
- 花巻市・折居遺跡(おりいいせき)で、縄文時代前期末ごろの大型住居。長辺10m以上。大量の縄文土器も出土。公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターの調査。
▶折居遺跡 [公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター] - 栃木県
- 大田原市・佐良土上の原II遺跡(さらどうえのはらにいせき)で、古代の東西110mの区画溝。遺跡規模が拡大する可能性。大田原市教育委員会の調査。11/3現地説明会。[下野新聞]
▼佐良土上の原II遺跡関連記事→2022年10月3日 - 京都市
- 左京区・来迎院(らいごういん)で、旧善逝院の庭園跡。[産経新聞]
- 奈良県
- 奈良市・太安万侶墓で見つかった木炭は746年〜766年。墓誌に記す安万侶の没年723年より20年以上の開きがあり、改葬された可能性。[NHK]
- 韓国
- 慶尚南道 金海市 上東面 墨方里で、朝鮮時代の大規模な白磁窯跡を発見。王宮に陶磁器を進上した「甘勿也村」であることを実証。[聯合ニュース]
▼墨方里関連記事→2021年11月22日 - イスラエル
- アシュドッド=ヤム遺跡(Ashdod-Yam)で発見された、人工の港湾とアクロポリスを馬蹄形に囲む鉄器時代IIB期〜C期・紀元前8〜前7世紀の日干し煉瓦積みの城壁を分析。アシュドッド王国(kingdom of Ashdod)が地域の主導者として、あるいは新アッシリア帝国の代理人として城壁の建設・維持をしていたと推定。
▶ Marta Lorenzon, Benjamín Cutillas-Victoria, Eli Itkin, Alexander Fantalkin (2023) Masters of mudbrick: Geoarchaeological analysis of Iron Age earthen public buildings at Ashdod-Yam (Israel). Geoarchaeology. [Wiley Online Library]
▼アシュドッド=ヤム遺跡関連記事→2015年3月30日 - ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen)ビーレフェルト(Bielefeld)で、2500年前の壺棺墓地。近隣に集落があった形跡も。[Die Zeit]
- エジプト
- ギザ(Giza)の大スフィンクスは、風で形づくられた可能性。流体力学に基づき、スフィンクスの形に砂漠の風がもたらした影響を実験。風の浸食によってスフィンクスのような地形ができうることを示す。
▶Did Nature Have a Hand in the Formation of the Great Sphinx? [New York University]
▶ Samuel Boury, Scott Weady, and Leif Ristroph (2023) Sculpting the Sphinx. Physical Review Fluids. [American Physical Society] - メキシコ
- カンペチェ州(Estado de Campeche)にある古代マヤ都市エル・ティーグレ(El Tigre;イツァムカナク;Itzamkanac)で、1000年〜1200年の円形遺構。アステカの風の神ケツァルコアトル(Quetzalcóatl)にかかわるククルカン信仰(Kukulcán)に関連。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[Heritage Daily]
2023年10月30日(月)
- 群馬県
- 高崎市・多胡碑周辺遺跡(たごひしゅうへんいせき)で、古代多胡郡に関連するとみられる竪穴状遺構。高崎市の調査。[東京新聞]
▼多胡碑周辺遺跡関連記事→2023年10月17日 - 群馬県
- 渋川市・金井東裏遺跡(かないひがしうらいせき)周辺で、レーダー探査により新たに古墳(円墳)2基を発見。5世紀後半に築造と推定。榛名山の6世紀の火山噴出物により埋没。渋川市の調査。[GTB群馬テレビ]
▼金井東裏遺跡関連記事→2022年8月30日 - 福井県
- 越前町・杉の花遺跡で、平安時代末期・12世紀後半以前の大型掘立柱建物跡。神社の社殿だった可能性。また、古代の礎石建物も。越前町教育委員会の調査。10/28現地説明会。[福井新聞]
- イタリア
- ヴェネト州(Veneto)パドヴァ県(Padova)エステ(Este)のアテスティーノ遺跡(Atestino)で、後期青銅器時代・紀元前14世紀半ば〜前13世紀半ばの杭上集落(pile-dwelling settlement)から、木製のくびき。[Arkeonews]
2023年10月28日(土)
- 名古屋市
- 緑区・大高城跡(おおだかじょうあと)で、戦国時代の土器や刀装具。城館の存在を裏付け。[中日新聞]
▼大高城跡関連記事→2023年2月21日 - 鹿児島県
- 垂水市・垂水海軍航空隊の地下壕は、現存する特殊地下壕として九州最大規模。[南日本新聞]
- イラク
- テル・ムハンマド(Tell Muhammad)で、城壁内から古バビロニア初期・紀元前2千年紀前半の水道網や、工房跡、浴室跡、神殿など。[Heritage Daily]
- ウクライナ
- テルノーピリ州(Тернопільська область;Ternopil Oblast)チョルトキフ郡(Чортківський район;Chortkiv Raion)プジュニキ(Пужники;Puzhniki)で、第二次世界大戦中に殺害されたポーランド人の集団墓地。被害者はプジュニキ市民だったが、1945年にウクライナ人民族主義者に殺された。[The First News]
- ドイツ
- バイエルン自由州(Freistaat Bayern)フライジンク(Freising)の聖ゲオルギウス教会(Stadtpfarrkirche St. Georg)近くで、金属製の義手を装着した中世・15世紀ごろの男性人骨。30〜50歳で、放射性炭素年代が1450〜1620年。腕の骨には切断の痕跡。
▶Faszinierender Fund: Mittelalterliches Skelett mit Handprothese entdeckt [Archaeologie Online] - UK(ウェールズ)
- ディナス・ポウィス(Dinas Powys)の丘塞(hillfort)について、新たな放射性炭素年代などにより、前期中世とする。調査者のレズリー・オールコック(Leslie Alcock)が主要な防御施設をノルマン朝の城と解釈し、1990年代に反論が出ていたが、従来は調査時の年代観が参照され続けてきた。
▶ Ewan Campbell, Andy Seaman, Alan Lane and Gordon Noble (2023) A new chronology for the Welsh hillfort of Dinas Powys. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core] - ペルー
- ラ・リベルター県(Región La Libertad;La Libertad region)のロス・モルテロス遺跡(Los Morteros)の先土器時代の遺構は、動物遺体と植物遺体の放射性炭素年代は6000年前。アメリカ最古の日干し煉瓦建物と確認。当初は5000年前のものとみられていた。[Andina]
▼ロス・モルテロス遺跡関連記事→2021年11月16日 - ペルー
- アプリマク県(Departamento de Apurímac)チンチェロス郡(Chincheros)ウリパ・アンコ・ワジョ(Uripa- Anco Huallo)で、チャビン文化(Chavín)の石造りの建物。神託の場として用いられたとみられる。[Andina]
- ペルー
- リマ県(Lima)バランカ郡(Provincia de Barranca)のセロ・コロラド遺跡(Cerro Colorado)で、葬送用の包み14個。大半は新生児や幼児。[Andina]
▼セロ・コロラド遺跡関連記事→2023年3月10日 - 授賞
- 第11回角田文衞古代学奨励賞に、新尺雅弘氏。[京都新聞]
2023年10月27日(金)
- 島根県
- 江津市・桜谷鈩跡(さくらだにたたらあと)で、江戸時代〜明治時代に製鉄に用いられた「高殿」「本床」「跡坪」「炭町」「小鉄町」「土町」など。島根県埋蔵文化財調査センターの調査。11/3現地説明会。
▶130 文献に残された「たたら跡」を全面調査 [島根県] - 韓国
- 忠清南道 泰安郡・泰安邑城(テアンゆうじょう)の南東城壁の築城には、1417年の築城時、漢陽(ソウル)の東大門の築城技術が適用されていた。軟弱な地盤を補強するため多数の杭を深く打ち込む。[聯合ニュース]
- 韓国
- 高麗大学校博物館が、寄贈された朝鮮時代後期・17世紀の趙涑(チョ・スク)が描いたとされる「鵜図」を紛失。警察が捜査。[聯合ニュース]
- ロシア
- トゥヴァ共和国(Республика Тыва;Tuva Republic)のアラテイ遺跡(Ала-Тей;Ala-Tey)で出土した匈奴(Xiongnu)・紀元前2世紀〜前1世紀の象嵌帯金具を分析し、象嵌された宝石を同定。
▶ A. Povolotckaia, D. Pankin, N. Kurganov, E. Borisov, I. Grigorieva, A. Kurochkin (2023) Xiongnu ancient nomad inlaid buckles (2nd-1st centuries BC): Multi-analytical research. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104253. [ScienceDirect]
▼アラテイ遺跡関連記事→2019年9月9日 - ギリシャ
- サロニコス湾(Σαρωνικός κόλπος;Saronic Gulf)サラミス(Σαλαμίς;Salamis)の東岸で、水没した柱廊(stoa complex)を発見。紀元前4世紀の碑石出土。[Arkeonews]
- ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)ルターシュタット・アイスレーベン(Lutherstadt Eisleben)のヘルフタ(Helfta)にあるヘルフタ王宮(Königspfalz Helfta)で、外堀、竪穴住居など。また、カロリング朝・9世紀の墓2基。夫婦と思われる身分の高い男女を葬る。[Neue Osnabrücker Zeitung]
- UK(イングランド)
- ノーサンバーランド州(the county of Northumberland)のハドリアヌスの城壁(Hadrian’s Wall)にある46号砦(Milecastle 46)で包み布に包まれた人骨1体。[itv]
- チリ
- サンティアゴ(Santiago)で、13000年前の狩猟採集民の人骨。[Télam]
2023年10月26日(木)
- 兵庫県
- 洲本市・洲本城跡(すもとじょうあと)の本丸西側で石塁。脇坂家の家紋が入った鬼瓦も出土。洲本市教育委員会10/25発表。10/28現地説明会。[読売新聞]
▶史跡洲本城跡本丸搦手西側石垣発掘調査に伴う現地説明会[洲本市教育委員会]
▼洲本城跡関連記事→2000年5月11日 - 熊本市
- 中央区・黒髪町遺跡群(くろかみまちいせきぐん)で、古代の大型の掘立柱建物や南北に伸びる溝など駅伝制に関連するとみられる遺構。また弥生時代の甕棺墓は4条の溝で囲まれ、方形周溝墓の可能性。熊本大学埋蔵文化財調査センターの調査。10/28現地説明会。
▶現地説明会の開催のお知らせ−大学構内で弥生時代の周溝墓を発見か− [熊本大学] - 長崎県
- 対馬市・観音寺から2012年に盗まれて韓国で見つかった観世音菩薩坐像に対し、韓国の浮石寺(プソクサ)が所有権を主張していた裁判で、韓国の最高裁判所が仏像の所有権を観音寺にあると認める判決。[NHK]
- シリア、イラク
- 冷戦期のスパイ衛星の画像を用い、ローマ時代の砦396か所を発見。[The Guardian]
▶ Jesse Casana, David D. Goodman and Carolin Ferwerda (2023) A wall or a road? A remote sensing-based investigation of fortifications on Rome's eastern frontier. Antiquity, First View, pp. 1 - 18. [Cambridge Core] - イスラエル
- カルメル山(Mount Carmel)のケバラ洞窟(Kebara Cave)で、前期ナトゥーフ文化(Early Natufian)・15000年前の貝殻製ビーズに、アカネ科の植物染料。鉱物顔料の使用は14万年前のアフリカで行われていたことがわかっていたが、有機物による染料は従来6000年前のものしか知られていなかった。
▶ Laurent Davin, Ludovic Bellot-Gurlet, Julien Navas (2023) Plant-based red colouration of shell beads 15,000 years ago in Kebara Cave, Mount Carmel (Israel). PLOS ONE, 18(10): e0292264. [PLOS ONE]
▼ケバラ洞窟関連記事→2019年7月2日 - イスラエル、パレスチナ
- ハマスによるイスラエルへの攻撃と、それに続くイスラエル側のガザ地区への報復に対し、国際博物館会議(ICOM)が10/25声明で憂慮を表明。[ARTnews JAPAN]
▶Statement concerning Israel and Palestine [ICOM] - ギリシャ
- アテネ(Αθήνα;Athens)アテネのヴァシリシス・オルガス通りで、ローマ時代・2世紀の建物。庭や多数の部屋があり、幾何学文のモザイクがある。ハドリアヌス帝により利が東に拡大する時期に当たる。4世紀に改築。また、銘文や、彫刻なども。[H KAΘHMEPINH]
- ルーマニア
- フネドアラ県(Județul Hunedoara)ショイムシュ(Şoimuş)で、ローマがダキア(Dacia)を征服したころの保存状態の良い硬貨407枚。発見された場所は、ダキア人またはローマ人の砦だった可能性。[Romania-Insider]
- ポーランド
- ポドラシェ県(Województwo podlaskie;Podlasie)ハイヌフカ郡(Powiat hajnowski;Hajnówka County)ノヴォベレゾヴォ(Nowoberezowo)の教会で、17世紀の大規模な聖画壁イコノスタシス(iconostasis)。[Nauka w Polsce]
- USA
- 米国南東部、ミシシッピ下流域のジェイクタウン遺跡(Jaketown)は、放射性炭素年代から見て、拠点集落ポヴァティ・ポイント遺跡(Poverty Point)よりも古い。従来ポヴァティ・ポイント遺跡に発祥する物質文化や習慣が拡大波及してジェイクタウン遺跡に及ぶとみられていたが、文化の革新が放射状に伝播したと仮定していては、社会変化を見誤る危険がある。
▶ Seth B. Grooms, Grace M.V. Ward and Tristram R. Kidder (2023) Convergence at Poverty Point: a revised chronology of the Late Archaic Lower Mississippi Valley. Antiquity, First View, pp. 1 - 17. [Cambridge Core]
▼ポヴァティ・ポイント遺跡関連記事→2021年9月2日 - メキシコ
- ユカタン半島東岸のカンクン島(Isla Cancun)にあるエル・レイ遺跡(El Rey)とサン・ミゲリト遺跡(San Miguelito)で出土した後古典期後期(Posclásico Tardío;Late Postclassic)の50人の遺体の歯や骨のストロンチウム比(87Sr/86Sr)から、移動性を分析。5歳〜成人の7人が、在地人でない可能性。葬送や食生活のあり方から見て、死亡時には出身による特別な扱いは受けていなかった。外来者ではなく地域社会に溶け込んでいたことを示唆。
▶ Andrea Cucina, Erin Kennedy Thornton, Allan Ortega-Muñoz (2023) Human mobility on Cancun Island during the Late Postclassic: Intra- and inter-site demographic interactions. PLOS ONE, 18(10): e0292022. [PLOS ONE]
2023年10月25日(水)
- 北海道
- 上ノ国町・洲崎館跡(すざきだてあと)の主郭部があった場所から、江戸時代の宗教施設とみられる柱穴200基。上ノ国町教育委員会の調査。[北海道新聞]
▼洲崎館跡関連記事→2023年9月28日 - 大阪市
- 中央区・法円坂遺跡(ほうえんざかいせき)内の後期難波宮大極殿復元基壇で、落書き被害12か所。所管警察署へ被害届を提出する予定。
▶史跡難波宮跡附法円坂遺跡における落書きについて [大阪市] - 広島県
- 呉市・旧呉海軍工廠跡の火工品機械工場跡で、新たに柱の巨大な基礎部分など。呉市の調査。[中国新聞]
- 中国
- 呂梁山(Lvliang)の曹掉牛遺跡(Caodiaoniu)で、細石器を出土する遺跡。放射性炭素年代や光刺激ルミネセンス年代により、細石器の技術は30500年前〜19200年前に位置すけられ、中国北部では最古級の細石器遺跡。寒冷で乾燥した時期に一致。
▶ Yanqing Deng, Haiyun Ren, Guoqiang Li, Siyi Gou, Weiping Ding, He Yang, Hua Tu, Yunian Zhang & Michael D. Petraglia (2023) Caodiaoniu: One of the oldest microblade sites in Northern China. Archaeological and Anthropological Sciences, volume 15, Article number: 167. [SpringerLink] - 中国
- 陝西省 清澗県・寨溝遺跡で、商(殷)時代晩期の方国の中心都市や大規模な「甲」字形墓8基、鋳銅遺構など。[央広網]
▼寨溝遺跡関連記事→2023年5月30日 - 中国
- 秦始皇帝陵の陵西墓葬で、陪葬車馬坑から、車を牽くための装具をつけたヒツジ6頭。の牽く車「羊車」は存在したことを示す。西晋の司馬炎のエピソードが史料に登場する最初の羊車。[西部網]
- インドネシア
- スラウェシ島(Sulawesi)南部のマロス・パンケップ・カルスト(Maros-Pangkep karsts)で、完新世中期(Middle_Holocene)・トアレ文化(Toalean culture)のイタチザメ(tiger shark)の歯を加工して作った刃物。使用痕や遺存物の分析、民族誌や実験によって、これらの歯に柄をつけて、紛争や儀式に用いたと推定。
▶ Michelle C. Langley, Akin Duli, Birgitta Stephenson, Muhammad Nur, Carney Matherson, Basran Burhan, Budianto Hakim, Iwan Sumantri, Adhi Agus Oktaviana, Fardi Ali Syahdar, David McGahan and Adam Brumm (2023) Shark-tooth artefacts from middle Holocene Sulawesi. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core] - イラン
- チャパラーバード・ダム(Chaparabad)の水没地域でサーサーン朝の埋葬遺跡。[Tehran Times]
- イラク
- ホルサバード(Khursbad)でアッシリアのラマッス像(lamassu)を1992年以来の再発掘。ホルサバードはアッシリアのサルゴン2世が建設した都。[Heritage Daily]
- トルコ
- ヴァン県(Van ili) ムラディエ郡(Muradiye)のキョルズュト城(Körzüt kalesi;Körzüt Castle)で、ウラルトゥ・2800年前のスシ神殿。ファサードに楔形文字の銘文。[Arkeonews]
▼キョルズュト城関連記事→2022年12月20日 - トルコ
- キュルテペ遺跡(Kültepe)で、紀元前3300年ごろの大型建物。メソポタミアと都市誕生がほぼ同時期だった可能性。[共同通信]
- スロバキア
- ズヴォレン(Zvolen)のプスチー城(Pustý Hrad)で、14世紀初めの真鍮の輪。女性被葬者の副葬品で、当時支配していたハンガリー王国のものではなく、フランス起源。[The Slovak Spectator]
▼プスチー城関連記事→2021年9月29日 - ポルトガル
- ラゴス(Lagos)で、水中から18世紀の船舶で使われていたとみられる青銅製の滑車2個。また、ローマ時代・紀元前4世紀〜紀元後2世紀の碇の鉛製の部材。[Portugal Resident]
- UK(イングランド)
- ハンプシャー州(the county of Hampshire)で、ローマ時代の墓地。2000年前の硬貨出土。Wessex Archaeologyの調査。[BBC]
- エジプト
- 猿の谷(Valley of the Monkeys)で1905年に出土した後期王朝時代・紀元前800年〜540年のヒヒのミイラのDNAを、現在のエリトリア、エチオピア、スーダン東部のヒヒと比較。エリトリアのものに一致し、古代のアドゥリス港(Adulis)を利用してもたらされたとみられる。史料に登場する古代エジプトの貿易相手プント(Punt)がアドゥリスを指す可能性。
▶On the trail of a great mystery [Universität Konstanz]
▶ Franziska Grathwol, Christian Roos, Dietmar Zinner, Benjamin Hume, Stéphanie M Porcier, Didier Berthet, Jacques Cuisin, Stefan Merker, Claudio Ottoni, Wim Van Neer, Nathaniel J Dominy, Gisela H Kopp (2023) Adulis and the transshipment of baboons during classical antiquity. eLife, 12:e87513. [eLife]
2023年10月24日(火)
- 福島県
- 郡山市・正直古墳群(しょうじきこふんぐん)の支群Bで、新たな古墳を発見。縄文時代の落し穴や壺棺なども出土。郡山市の調査。11/18現地説明会。
▶正直古墳群現地説明会(令和5年度調査成果)を開催〜新たな古墳を発見!壺棺などが出土〜 [郡山市] - 山梨県
- 笛吹市・神明遺跡(しんめいいせき)で、平安時代、鎌倉時代、戦国時代の土器。度重なる洪水の跡も。山梨県埋蔵文化財センターの調査。11/11現地説明会。
▶神明遺跡(しんめいいせき)現地説明会 11月11日(土曜日)開催[山梨県] - 岐阜県
- 岐阜市・芥見町屋遺跡(あくたみまちやいせき)で、縄文時代晩期の土器棺墓。深鉢を横倒しの状態ですえる。芥見町屋遺跡における人々の活動の始まりが縄文時代までさかのぼる。岐阜県文化財保護センターの調査。
▶縄文時代の土器棺墓がみつかりました!【芥見町屋遺跡】 [岐阜県文化財保護センター]
▼芥見町屋遺跡関連記事→2023年7月7日 - 愛知県
- 豊橋市・吉田城址(よしだじょうし)で、これまで見つかっていなかった2種の石垣刻印。名古屋城を築城する際には用いられず採石地に残され、吉田城が改修される際に石垣に使われたとみられる。豊橋市美術博物館10/24発表。11/5現地説明会。[朝日新聞]
- 鳥取県
- 北栄町・六尾反射炉跡(むつおはんしゃろあと)で、盛土による大規模な造成工事。水車を回した水路の深さは3m以上。1857年に建造された帯方製造所。北栄町の調査。[日本海新聞]
- イラン
- マーザンダラーン州(Ostān-e Māzandarān)アーモル(Amol)にあるカーファル・コリー洞窟(Kafar Koli)で、岩窟墓5基。[Tehran Times]
- ウクライナ
- クリミア(Крим;Crimea)のベロゴルスク郡(Білогірський район;Belogorsk district)にあるブラン・カヤIII遺跡(Буран-Кая ІІІ;Buran Kaya III)で出土した、37000年前36000年前のヒトの頭蓋骨化石2個の遺伝子を分析。南西ヨーロッパのグラヴェット文化(Gravettian)の人類と近いが、グラヴェット文化より5000〜6000年古い。40000年前〜38000年前に気候の危機や、ナポリのフレグレイ平野(Campi Flegrei;Phlegraean Fields)の火山噴火の後にヨーロッパに住み着いたホモサピエンスは、グラヴェット文化(Gravettian)に関連。[Heritage Daily]
▶ E. Andrew Bennett, Oğuzhan Parasayan, Sandrine Prat, Stéphane Péan, Laurent Crépin, Alexandr Yanevich, Thierry Grange & Eva-Maria Geigl (2023) Genome sequences of 36,000- to 37,000-year-old modern humans at Buran-Kaya III in Crimea. Nature Ecology & Evolution. [Nature Ecology & Evolution] - フランス
- ブルターニュ地域圏(Région Bretagne)イル=エ=ヴィレーヌ県(Ille-et-Vilaine)アルジャントレ=デュ=プレシ(Argentré-du-Plessis)で、前期中世・カロリング朝・9〜10世紀の集落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Des vestiges du haut Moyen Âge mis au jour à Argentré-du-Plessis (Ille-et-Vilaine) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2023年10月23日(月)
- 北海道
- 江別市が、文化財を保存する収蔵庫を解体する際、40年前に市が募集して市民から寄贈された民具など600点を市民に知らせることなく処分。処分した民具の正確な数などもはっきりせず。[HBC北海道放送]
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、戦国時代の奥州街道が、通説の堀底を通るルートではなく、現在の町道と同じルートの可能性。南部町教育委員会の調査。[東奥日報]
▼聖寿寺館跡関連記事→2023年10月20日 - 群馬県
- 前橋市・元総社蒼海遺跡群(もとそうじゃおうみいせきぐん)で、平安時代10世紀の集落跡や、中世の蒼海城堀跡の一部。前橋市の調査。
▶発掘調査速報!(元総社蒼海遺跡群) [前橋フィールドミュージアム]
▼元総社蒼海遺跡群関連記事→2022年9月9日 - 神戸市
- 神戸市内の防空壕などの所在を、市民の情報提供により調査した結果、38件に関する情報。うち13件をが現存。調査結果として37件を公表。
▶防空壕調査の実施結果 [神戸市] - 長崎県
- 松浦市・鷹島海底遺跡で、元寇船とみられる木製の構造物、13世紀後半〜14世紀前半の中国陶磁も出土。松浦市教育委員会10/23発表。[読売新聞]
▼鷹島海底遺跡関連記事→2020年11月19日 - 大分県
- 大分市・大友氏館跡(おおともしやかたあと)で、大友館最盛期のころの門跡と、大友館の北限となる大規模な堀跡。大分市教育委員会の調査。10/28-29現地説明会。
▶国指定史跡 大友氏館跡現地説明会を開催します [大分市]
▼大友氏館跡関連記事→2001年5月16日 - 韓国
- 忠清南道扶余郡 陵山里・扶余王陵苑(陵山里古墳群)3・4号墳は、王陵苑中央古墳群の東側と西側を走る稜線の内西側稜線上に立地。墳丘の裾には護石をめぐらす。護石の外側には1.4mおきに割石を並べる。4号墳から木棺の装飾金具、3号墳では護石の隙間から平瓦、羨道の埋土から蓮華文軒丸瓦。国立扶余文化財研究所の調査。
▶扶余王陵苑3・4号墳の構造と築造過程が明らかに [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁 - スーダン
- バユダ砂漠(Bayuda Desert)のワーディー・アブー・ドゥーム(Wadi Abu Dom)にあるガザーリ修道院(Ghazali monastery)近くの第1墓地で出土した中世の遺体の右足に、クリストグラム(christogram)とギリシャ文字の「Α」(アルファ)「Ω」(オメガ)のタトゥー。クリストグラムはギリシャ文字「Χ」(カイ)と「Ρ」(ロー)をあわせたモノグラムで、キリストを表す。中世ヌビアのタトゥーで実例が発見されたのは2例目。[Arkeonews]
- ブラジル
- マナウス(Manaus)で、2000年前の岩刻画プライア・ダス・ラジェス(Praia das Lajes)が、干ばつによりアマゾンの水位が低下したため水面上に現れる。[Phys.Org]
2023年10月22日(日)
- 栃木県
- 佐野市・唐沢山城跡(からさわやまじょうせき)の本丸西虎口石垣から、櫓門の痕跡とみられる石列や雁木。[東京新聞]
▼唐沢山城跡関連記事→2021年1月27日 - UK(スコットランド)
- オークニー諸島(Orkney)で、新石器時代・紀元前3000年ごろの巨大な墓。直径15mで、7mの羨道を持つ。6基の墓室の内1基からは14人の人骨。[The Guardian]
2023年10月21日(土)
- 長野県
- 小諸市・小諸城跡で、江戸時代とみられる建物跡など。小諸市教育委員会の調査。11/22,26現地説明会。
▶『小諸城跡』発掘調査現地説明会について [小諸市]
▼小諸城跡関連記事→2023年10月2日 - バングラデシュ
- チッタゴン県(Chattogram)カルナプリ郡(Karnaphuli Upazila)ビスワムラ(Biswamura)で、8世紀の仏教の教育機関パンディット・ヴィハーラ(Pandit Vihar)とみられる遺構。[The Daily Star]
- イラン
- 西アーザルバーイジャーン州(Ostān-e Āzarbāyjān-e Gharbī;West Azarbaijan)ポルダシュト郡(Poldasht)のガレ・テペ遺跡(Qareh Teppeh)で、ウラルトゥの砦。[Tehran Times]
- トルコ
- バルトゥン県(Bartın il)アマスラ郡(Amasra)の古代都市アマストリス(Ἄμαστρις;Amastris)で先月見つかった、ニンフとみられていた像は、ローマ時代・180〜200年のアフロディテ像と判明。[Arkeonews]
▼アマスラのニンフ像関連記事→2023年9月9日
▼アマストリス関連記事→2022年11月9日 - イタリア
- サレルノ県(Provincia di Salerno)のアドリア海沿岸にある古代都市エレア(Elea)=ラテン語名ウェリア(Velia)のアクロポリスで、アラリアの海戦(naval Battle of Alalia)・紀元前540年〜535年の後に造られた神殿から、アテナ女神にささげられたとみられる古代ギリシャのかぶと。エレアは旧名ヒエレ(Hyele)。紀元前538年〜前535年に設立。[Heritage Daily]
- チェコ
- 新石器時代・フンネルビーカー文化(Funnel Beaker Culture)のロングバロー4遺跡と集落1遺跡から得られた土城サンプル1085試料を分析。居住遺跡とロングバローでは元素組成に顕著な差があり、耕作土でもその下層土でも同様の傾向を確認。ロングバローの近くには居住の形跡がなく、ロングバローは集落の周縁に建設。土壌の元素組成から祭祀空間と居住空間を識別する研究。
▶ Petr Krištuf, Martin Petr Janovský, Jan Turek, Jan Horák, Laszlo Ferenczi, Michal Hejcman (2023) Neolithic long barrows were built on the margins of settlement zones as revealed by elemental soil analysis at four sites in the Czech Republic. Journal of Archaeological Science, Volume 160, December 2023, 105881. [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- コッツウォルズ(Cotswolds)北部で3月に発見されたローマ時代・2000年前の剣をX線調査し、1振りの剣身に装飾文様を確認。[BBC]
▼コッツウォルズで出土したローマ時代の剣関連記事→2023年9月19日
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