2021年10月31日(日)
- イラン
- セムナーン州(Ostān-e Semnān)マフディーシャフル郡(Mahdishahr)のMersinchal墓地で、パルティア時代(Parthia)の墓石。被葬者の頭上に立てられ、高さ52cm、幅38cm、厚さ7cm。[Tehran Times]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)で、ラメセス2世(Ramses II)の出納官Ptah-M-Wiaの墓。書記、ウシの管理者、ラメセス2世の神殿への生贄の責任者。メンフィスの長官Ptah-Mas、外交官Basir、軍事司令官Eurkhiの墓も。[Ahram Online]
2021年10月30日(土)
- 長崎県
- 壱岐市・原の辻遺跡で、弥生時代後期・1世紀ごろの馬形の青銅器。壱岐市教育委員会の調査。[読売新聞]
- オーストラリア
- 沈没船バタヴィア号(Batavia)の木材の年輪年代を研究。世界貿易の拡大によって起こった、造船に用いるオーク材の不足に対し、木材の調達先を多様化することで対処していたことが明らかに。バタヴィア号はオランダ東インド会社(VOC)の船で、1628年に建造され、1629年に西オーストラリアの海域で遭難。
cf. Aoife Daly, Marta Domínguez-Delmás, Wendy van Duivenvoorde (2021) Batavia shipwreck timbers reveal a key to Dutch success in 17th-century world trade. PLoS ONE 16(10): e0259391. [PLOS ONE] - オーストラリア
- タスマニア州(Tasmania)のポート・アーサー(Port Arthur)で、囚人の鍛冶工房の地下から、隠された銀貨。1814年〜1844年のもの。囚人の生活を示す。[Australian Broadcasting Corporation]
- カナダ
- ヌナブト準州(Nunavut)キングウィリアム島(King William Island)で発見された、1845年のフランクリン探検隊(1845 Franklin Expedition)のメンバーのうち身元不明の12人について、歯のエナメル質の酸素、ストロンチウム、鉛の同位体を分析。ストロンチウム同位体により12人のメンバーの出身地を英国と推定。また、12人全員の鉛同位体は英国産。
cf. Anne Keenleyside, Douglas R. Stenton, Karla Newman (2021) The integration of isotopic and historical data to investigate the identification of crewmembers of the 1845 Franklin expedition. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 40, Part A, December 2021, 103200 [ScienceDirect] - USA
- カリフォルニア州(State of California)・トンプソンズ・コーヴ(Thompson's Cove)で出土したゴールドラッシュ(Gold Rush;1849〜1855年)当時のタラの骨18個を分析。タイセイヨウダラ(Atlantic cod;Gadus morhua)は1850年代に東海岸から骨抜き、乾燥、塩漬けにされて輸入。一方、太平洋のマダラ(Pacific cod;Gadus macrocephalus)は1850年代にはほとんど捕獲されていない。アラスカを基盤にした漁業が発展する1860年代からマダラが大量に入手される。
cf. Cyler Conrad, Upuli Desilva, Brittany Bingham, Brian M. Kemp, Kenneth W. Gobalet, Kale Bruner, and Allen G. Pastron (2021) Finny Merchandise: The Atlantic Cod (Gadus morhua) Trade in Gold Rush–Era San Francisco, California. Journal of Anthropological Research, Volume 77, Number 4, pp. 520-549 [The University of Chicago Press] - メキシコ
- チチェン・イッツァ遺跡(Chichén Itzá)近くの水中で、マヤ文明・830〜950年の丸木舟。土器や祭祀用のナイフも出土。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[BBC]
▼チチェン・イッツァ遺跡関連記事→2019年12月10日
2021年10月29日(金)
- 岩手県
- 九戸郡 野田村・中平遺跡(なかたいいせき)で、縄文時代前期、平安時代の集落。意図的に燃やされた平安時代の焼失住居。公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターの調査。11/3現地説明会。
中平遺跡現地説明会のお知らせ(11月3日11時〜)[公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター]
▼中平遺跡関連記事→2015年10月8日 - 滋賀県
- 大津市・錦織遺跡(にしこおりいせき)で、古墳時代前期・4世紀後半の円墳。大津市教育委員会10/28発表。[京都新聞]
▼錦織遺跡関連記事→2004年2月20日 - 奈良県
- 河合町・大塚山古墳で出土した円筒埴輪の表面に船3隻を描く。河合町教育委員会10/28発表。[奈良新聞]
▼大塚山古墳関連記事→2020年6月12日 - トルコ
- キュタヒヤ県(Kütahya il)の古代都市アイザノイ遺跡(Αιζανοι;Aizanoi)で、ギリシャ神話のアフロディテ女神(Ἀφροδίτη;Aphrodite)やディオニュソス神(Διόνυσος;Dionysus)の頭部。彫刻の工房があったとみられ、ローマ時代にも多神教が永く維持されていたことを示す。[Anadolu Ajansı]
▼キュタヒヤ県(Kütahya il)チャウダルヒサール郡(Çavdarhisar) - トルコ
- 古代都市ドリケ(Δολίχη;Doliche)で、大規模な神殿の一部を発見。[idw]
▼ドリケ関連記事→2020年4月21日 - カザフスタン
- アティラウ州(Атырау облысы;Atyrau region)のサライシク村(Сарайшық;Saraishyq)から15kmの地点で、ジョチ・ウルス(キプチャク・ハン国;Алтын Орда;Golden Horde)の時代・14世紀のキャラバンサライ(Caravan Sarai)跡。鏃、鏡、土器片、ウズベク・ハン(Өзбек хан;Uzbek khan)のころの硬貨が出土。[Kazinform]
- ウクライナ
- リヴィウ(Львів;Lwów)の下水道で、第二次世界大戦当時、ホロコーストを避けるためリヴィウのゲットーから逃れたユダヤ人が利用した隠れ場所を発見。[The First News]
- チェコ
- 1400年〜1900年の木造建築物に使われた木材8135試料について、樹種を同定。歴史的建造物の大部分はモミ(fir)、トウヒ(spruce)、マツ(pine)、オーク(oak)。自然の植生を反映して、モラヴィア東部とシレジアではモミ材が多く、チェコ西部・中部ではトウヒ(Spurce)が多い。18世紀まではモミ(Fir)が多かったが、19世紀からは植林によってトウヒが優勢になる。
cf. Kolář, T., Dobrovolný, P., Szabó, P., Mikita, T., Kyncl, T., Kyncl, J., Sochová, I., Rybníček, M. (2021) Wood species utilization for timber constructions in the Czech lands over the period 1400–1900. Dendrochronologia. [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- ストーンヘンジ(Stonehenge)の付近で出土したチョーク製の板を分析。後期新石器時代で、放射性炭素年代により紀元前3千年紀の早い段階に比定。線刻の状況も調査。
cf. Bob Davis, Phil Harding and Matt Leivers (2021) Reflectance Transformation Imaging (RTI) Investigation of Engraved Chalk Plaques from the Stonehenge Region. Proceedings of the Prehistoric Society, First View, pp. 1 - 28 [Cambridge Core] - UK(イングランド)
- バッキンガムシャー州(Buckinghamshire)ストーク・マンデヴィル(Stoke Mandeville)で、中世の旧・聖母マリア教会(St. Mary's church)から、ローマ時代の彫刻2体。男性像と女性像。[BBC]
▼ストーク・マンデヴィル関連記事→2021年9月8日
2021年10月28日(木)
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、城館南側から門柱跡。正門の位置を特定する手掛かりになる可能性。城館南西部では中心部に至る新たな虎口。南部町教育委員会10/28発表。[デーリー東北]
▼聖寿寺館跡関連記事→2021年9月28日 - 栃木県
- 下野市・馬場下遺跡(ばばしたいせき)で、大規模な建物群跡。下野薬師寺跡(しもつけやくしじあと)の東側にあり、政所院か造寺司だった可能性。下野市教育委員会の調査。11/3現地説明会。[下野新聞]
馬場下遺跡発掘調査 現地説明会を開催します[下野市]
▼下野薬師寺跡関連記事→2012年4月19日 - 川崎市
- 高津区・橘樹官衙遺跡群(たちばなかんがいせきぐん)のうち千年伊勢山台遺跡(ちとせいせやまだいいせき:第35次調査)で、橘樹郡家(たちばなぐうけ)の正倉院内から郡家成立以前の倉庫遺構。川崎市教育委員会の調査。11/6現地説明会。
橘樹郡家跡第35次調査 現地見学会を開催します![川崎市教育委員会] - 大阪府
- 和泉市・惣ケ池遺跡(そうがいけいせき)で、弥生時代後期の青銅鏡「小形仿製鏡」。また竪穴住居の中には、鉄を加工した工房も。和泉市教育委員会の調査。[産経新聞]
- 島根県
- 益田市・スクモ塚古墳のくびれ部を含む3か所で墳裾を検出。埴輪が数多く出土。益田市の調査。11/20現地説明会。
[益田市]
▼スクモ塚古墳関連記事→2020年11月10日 - 岡山県
- 津山市・桑山南1号墳(くわやまみなみいちごうふん)からの陶棺から出土した1400年前の大刀の鍔と金具に、ハート形やアーチ形を連ねた文様を銀象嵌。
約1,4000年前の華麗な文様が明らかに―津山市桑山南1号墳出土大刀たちを公開します―[岡山県古代吉備文化財センター]
▼桑山南1号墳関連記事→2018年5月24日 - 福岡県
- 太宰府市・大宰府跡の蔵司地区南側で昨年度見つかった平安時代・9世紀前半の総柱礎石建物の基壇から、奈良時代・8世紀前半の甲冑の部材である鉄製小札。鎮壇具として使われた可能性。九州歴史資料館10/28発表。10/30現地説明会。[産経新聞]
- 中国
- 新疆ウイグル自治区(Xinjiang) Dalujiao墓地で調査された初期鉄器時代・紀元前542年〜紀元後59年の3種類の墓(竪穴土坑墓、突出部を持つ竪穴土坑墓、副室をもつ竪穴土坑墓)から出土した、ヒト51人、動物4頭の炭素と窒素の安定同位体分析。ウマとヒツジは主にC3植物を食べたと判明。ヒトのうち、単純な竪穴土坑墓に葬られた者の炭素同位体比には差が少ないが、複雑な構造の竪穴土坑墓の被葬者は数値が多様で、多様な食生活を示す。
cf. Xin Wang, Xue Shang, Colin Smith, Dong Wei, Jie Zhang, Qiurong Ruan, Yaowu Hu (2021) Paleodiet reconstruction of human and animal bones at the Dalujiao cemetery in Early Iron Age Xinjiang, China. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library] - 中国
- 新疆ウイグル自治区(Xinjiang)のタリム盆地(Trim Basin)の青銅器時代(Bronze Age)・紀元前2100年〜前1700年のミイラ13体と、隣接するジュンガル盆地(Dzungarian Basin)の紀元前3000年〜前2800年のミイラ5体について、ゲノムを分析。タリム盆地のミイラは古代北ユーラシア人(Ancient North Eurasians;ANE)の子孫で、ほかの完新世の集団との混血もなく、また現在のタリム盆地の人たちともつながっていない、遺伝的に孤立した集団。一方、ジュンガル盆地の初期の集団は、在地の集団とともに西方ステップ地帯の遊牧民であるアファナシェヴォ文化(Афанасьевская культура;Afanasievo Culture)の子孫であり、初期青銅器時代のヤムナ文化(Yamnaya culture)に連なる。後のチェムルチェク文化(Chemurchek culture)にもつながる。青銅器時代のタリム盆地の人々は遺伝的に孤立していたが、周辺地域の牧畜文化を受け入れており、従来、西方からやってきたインド・ヨーロッパ語族とみられていた。
The surprising origins of the Tarim Basin mummies[Max-Planck-Gesellschaft]
cf. Fan Zhang, Chao Ning, Ashley Scott, Qiaomei Fu, Rasmus Bjørn, Wenying Li, Dong Wei, Wenjun Wang, Linyuan Fan, Idilisi Abuduresule, Xingjun Hu, Qiurong Ruan, Alipujiang Niyazi, Guanghui Dong, Peng Cao, Feng Liu, Qingyan Dai, Xiaotian Feng, Ruowei Yang, Zihua Tang, Pengcheng Ma, Chunxiang Li, Shizhu Gao, Yang Xu, Sihao Wu, Shaoqing Wen, Hong Zhu, Hui Zhou, Martine Robbeets, Vikas Kumar, Johannes Krause, Christina Warinner, Choongwon Jeong, Yinqiu Cui (2021) The genomic origins of the Bronze Age Tarim Basin mummies. Nature, 27 October 2021, [Nature] - トルコ
- カイセリ県(Kayseri il)インジェス郡(İncesu)で、後期ローマ時代〜初期ビザンティン時代の建物に、モザイク床。幾何学文と、ギリシャ語やラテン語の銘文。建物には10以上の部屋があり、床面積は約300平方メートルで中部アナトリア最大。[Anadolu Ajansı]
- クロアチア
- オシイェク(Osijek)にあったローマ時代の都市アエリア・ムルサ(Aelia Mursa)で、紀元前2世紀前半のピット群から多数の植物遺体。
cf. Kelly Reed, Tino Leleković, Lisa Lodwick, Rhona Fenwick, Ruth Pelling & Helmut Kroll (2022) Food, farming and trade on the Danube frontier: plant remains from Roman Aelia Mursa (Osijek, Croatia). Vegetation History and Archaeobotany, volume 31, pages 363–376. [Wiley Online Library] - フランス
- マルセイユ(Marseille)で、ギリシャ人が居住していた旧マッサリア(Massalia)のころ、紀元前4世紀後半の穴3基。最大のものは長さ5.3m以上、幅2.50m、深さ3.30m。内部に大量の焼き損じのアンフォラや、窯体の破片、炭化物が見られ、近隣の土器工房のためのゴミ穴と推定。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Nouvelles découvertes de fosses et d'amphores grecques hellénistiques à Massalia[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- ケント州(the county of Kent)リッチバラ(Richborough)のローマ時代の円形闘技場(amphitheatre)で、アリーナの漆喰の壁面の上に彩色による装飾。彩色の確認された円形闘技場は英国では唯一。人や野生動物が会場に通される前に入る小部屋「カルケル」(carcer)も確認。また、ネコの完全な骨格も出土。[The Guardian]
- UK(イングランド)
- 軍艦メアリー・ローズ(Mary Rose)で、木材を腐食するバクテリアが生み出す、酸を作るナノ粒子を特定。メアリー・ローズは1545年にソレント海(Solent)に沈み、1982年に引き上げられた。
Henry VIII's favorite ship has a bacteria problem, and now scientists have ID'ed the culprits[LiveScience]
cf. Kirsten M.Ø. Jensen, Esther Rani Aluri, Enrique Sanchez Perez, Gavin B.M. Vaughan, Marco Di Michel, Eleanor J. Schofield, Simon J.L. Billinge, Serena A. Cussen (2021) Location and characterization of heterogeneous phases within Mary Rose wood. Matter [Cell] - UK(イングランド)
- シュロップシャー州(the County of Shropshire)のアッティンガム・パーク(Attingham Park)で19世紀のプールとみられる楕円形のレンガ積みの遺構。第2代ベリック卿(Second Lord Berwick)のために1810〜1820年に作られたプライベートなプールと推定。[Shropshire Star]
- ペルー
- シカン文化(Sicán culture)中期・1000年前の40〜50歳の男性の墓で、遺体がかぶっていた黄金のマスクに施された赤い彩色を分析。ヒトの血液の蛋白質や、鳥の卵の蛋白質を検出。
Red paint on 1,000-year-old gold mask from Peru contains human blood proteins[American Chemical Society]
cf. Elisabete Pires, Luciana da Costa Carvalho, Izumi Shimada, and James McCullagh (2021) Human Blood and Bird Egg Proteins Identified in Red Paint Covering a 1000-Year-Old Gold Mask from Peru. Journal of Proteome Research [ACS Publications]
2021年10月27日(水)
- 広島県
- 東広島市・藤が迫城跡(ふじがさこじょうあと)で、中世山城の遺構。弥生時代後期の竪穴住居跡3軒、貯蔵穴6基など。東広島市出土文化財管理センターの調査。
藤が迫城跡(ふじがさこじょうあと)の発掘調査を実施しました。[東広島市] - 宮崎県
- 宮崎市・陣ノ元遺跡(じんのもといせき)で弥生時代の竪穴住居や土器・石器。宮崎県埋蔵文化財センターの調査。11/23現地説明会。
[宮崎県埋蔵文化財センター] - 韓国
- 全羅北道 益山の益山双陵で、百済時代の高床式の大型建物跡2棟。オンドルや炉などはなく、生活空間ではない。地中の湿気を避けて祭儀のための器物を保管したと推定。硯の破片や印章瓦が出土。馬韓百済文化研究所の調査。[東亜日報]
- インドネシア
- 北マルク州(Maluku Utara;North Maluku)のハルマヘラ島(Halmahera)、ティドレ島(Tidore)、モティ島(Moti)の15か所で、巨石遺跡。[Antara News]
- インド
- ハリヤーナー州(Haryana)のロハリ・ラゴ1遺跡(Lohari Ragho I)とマスドプール1遺跡(Masudpur I)で発見された、インダス文明(Indus Civilisation)の集落での土器生産の伝統を研究。二つの土器伝統、インダス・マスドプール=ロハリA(Indus Masudpur-Lohari A)とインダス・マスドプール=ロハリB(Indus Masudpur-Lohari B)が併存。前者では回転運動はほとんど利用せず、後者では多用しており、ロクロの使用が想定される。
cf. A. Ceccarelli, P. S. Quinn, R. N. Singh, C. A. Petrie (2021) Setting the wheels in motion: Re-examining ceramic forming techniques in Indus Civilisation villages in northwest India. Journal of Anthropological Archaeology, Volume 64, December 2021, 101346 [ScienceDirect] - レヴァント
- レヴァント(Levant)で出土した農耕開始期・紀元前12800年〜前7000年(cal BC)の収穫具を分析。異なる植物を刈ったことにより生ずるシックル・グロス(Sickle gloss)を識別。穀物の収穫時の成熟度は、未熟→半熟→完熟と長期的に変化しており、品種改良によるとみられる。完熟した穀物の収穫は南レヴァントでは紀元前8500年ごろ果たされるが、メソポタミアでは1000年遅れる。栽培種の登場時期と合致。
cf. Juan J. Ibáñez-Estévez, Patricia C. Anderson, Amaia Arranz-Otaegui, Jesús E. González-Urquijo, Anne Jörgensen-Lindahl, Niccolò Mazzucco, Fiona Pichon, Tobias Richter (2021) Sickle gloss texture analysis elucidates long-term change in plant harvesting during the transition to agriculture. Journal of Archaeological Science. Volume 136, December 2021, 105502 [ScienceDirect] - ウクライナ
- クリミア半島で出土し、同地の博物館から、ロシアによるクリミア併合以前にオランダのアラード・ピアソン博物館に貸し出されていた「スキタイの黄金」(Scythian Gold)について、オランダ・アムステルダムの控訴裁判所は、ウクライナ側への引き渡しを命ずる一審の判断を支持。[AFPBB]
- ギリシャ
- ペロポネソス半島(Πελοπόννησος;Peloponnesos)ネアポリス(Νεάπολη Βοιών;Neapolis)とキティラ島(Κύθηρα;Kythira)の間の海底で2019年に発見されたクラシック時代・紀元前5世紀末〜前4世紀半ばの沈没船は、アンフォラを積載していたことが判明。アンフォラの大半はケルキラ島(Κέρκυρα;Corfù)の型式。一部はSolocha II式で、スコペロス島(Σκόπελος;Skopelos)のペパリソス(Πεπάρηθος;Peparithos)由来と推定。ほかのいくつかはキオス島(Χίος;Chios)由来など。[Tornos News]
- ブルガリア
- ブルガス州(Област Бургас;Oblast Burgas) カメノ(Камено;Kameno)のルソカストロ砦(Русокастро;Rusokastro)で見つかった貯水池の壁に、中世・13世紀末ごろの落書き50か所。ブルガス歴史博物館(Регионален исторически музей Бургас;Regional historical Museum Burgas)の調査。
ブルガリア語 Безценно откритие в средновековния град Русокастро - над 50 рисунки-графити със 700 години история
英語 An invaluable discovery in the medieval town of Rusokastro - over 50 graffiti drawings with 700 years of history[Регионален исторически музей Бургас] - UK(イングランド)
- ケント州(the county of Kent)・ロチェスター・インディペンデント・カレッジ(Rochester Independent College)で2004年に出土した17世紀の瓶は、魔女除けの道具と「witch bottle」判明。内部はヒトの毛髪と尿。ロンドン博物館考古学サービス(Museum of London Archaeology Service)の分析。[BBC]
- コロンビア
- シエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタ山地(Sierra Nevada de Santa Marta;SNSM)で、ナウアンゲ期(Nahuange)・100〜1000年と、タイロナ期(Tairona)・1000〜1600年のバリシア石(Variscite)のビーズを分析し、ベネズエラのグラン・ロケ島(Gran Roque)にある鉱床と比較。バリシア石の堆積は世界的にもまれで、これを利用してスペイン人到来以前の交易ルートを推定できる可能性。
cf. Natalia Acevedo, Marion Weber, Joaquín A. Proenza, Antonio Garcia-Casco, Juanita Sáenz-Samper (2021) Provenance study of the variscite artifacts of the Sierra Nevada de Santa Marta, Colombia and approach to routes of pre-Hispanic exchange. Journal of Archaeological Science. Volume 136, December 2021, 105511 [ScienceDirect]
2021年10月26日(火)
- 鹿児島県
- 鹿屋市・立塚遺跡(たちづかいせき)で、弥生時代の管玉、紫コラ(874年の開聞岳噴火時の火山灰)が入った柱跡、平安時代の畑の畝など。鹿児島県立埋蔵文化財センターの調査。11/6現地説明会。
立塚遺跡(鹿屋市吾平町)現地説明会開催について[鹿児島県立埋蔵文化財センター] - 韓国
- ソウル市・風納土城の西城壁で、城壁に沿って建設された循環道路の跡。車輪の痕跡(轍)や、ウシ、ウマの足跡も確認。城壁の基礎からは、イノシシの臼歯やイヌの骨を入れた壺も出土。国立江華文化財研究所10/26発表。風納土城は百済の漢城都邑期の王城。[聯合ニュース]
- 韓国
- 釜山市 機張郡 鉄馬面・古村里古墳群で、木槨墓6基、石槨墓1基、甕棺墓2基、溝状遺構1基。木槨墓から多数の土器が出土し、金官加耶と類似した400年ごろの土器を含む。釜山市立博物館の調査。[聯合ニュース]
- 中国
- 後期新石器時代(Late Neolithic)・竜山文化(Longshan culture)の4人のゲノムを分析し、近親婚の存在を証明。歴史記録より2000年前。竜山文化では、核家族を越えた拡大家族で、社会の複雑化を反映。
cf. Chao Ning, Fan Zhang, Yanpeng Cao, Ling Qin, Mark J. Hudson, Shizhu Gao, Pengcheng Ma, Wei Li, Shuzheng Zhu, Chunxia Li, Tianjiao Li, Yang Xu, Chunxiang Li, Martine Robbeets, Hai Zhang, Yinqiu Cui (2021) Ancient genome analyses shed light on kinship organization and mating practice of Late Neolithic society in China. iScience [Cell] - インド
- ヴァイガイ川流域(Vaigai River Basin)で、6回にわたる居住―洪水のタイムライン。細石器段階(Microlithic)以降、紀元前5511〜前5147年(7455〜7091 cal BP;HS-1)、紀元前2976〜前2961年(4938〜4908 cal BP;SH-2)、紀元前1860〜前1489年(3543〜3503 cal BP;SH-3)、紀元前530〜前390年(2435〜2314 cal BP;SH-4)、紀元後596〜629年(1353〜1321 cal BP;SH-5)、1225〜1312年(729〜619 cal BP:SH-6;SH-6)。文化的に異なる複数の集団が共存しており、ほかの多くの文明よりも火葬が早い段階から存在。
cf. Mu. Ramkumar, K. Balasubramani, K. Kumaraswamy, M. Santosh, P. D. Roy, A. Manobalaji, K. J. Juni, R. Nagarajan, Rajveer Sharma, Pankaj Kumar, Sundeep Chopra, N. A. Siddiqui, C. Ramachandran, S. Leo George (2021) Episodic habitation and abandonment of Neolithic civilization sites in the Vaigai River Basin, Southern India. Geosystems and Geoenvironment [ScienceDirect] - フランス
- オクシタニー地域圏(Occitanie)ピレネー=オリアンタル県(Le département des Pyrénées-Orientales)プラード(Prades)で、1〜2世紀の建物跡と、中世・9〜13世紀の鍛冶工房。16世紀以降の都市。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Recherches archéologiques au cœur de Prades (Pyrénées-Orientales)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- アラゴン州(Aragón)サラゴサ県(Provincia de Zaragoza)ベルチテ(Belchite)でスペイン内戦(Guerra Civil)中の集団墓2基。ファランヘ党支持者(falangistas)によって1936年7月20日に殺害された150人の遺体。手足を縛られたり、頭蓋骨に銃弾を受けるなどしたものも。[El Español]
- メキシコ
- オルメカ地方(Olmec region)とマヤ低地(Maya lowlands)で、航空機LiDARにより、紀元前1050年〜前400年に作られたとみられる長方形や正方形の遺構478基を確認。サン・ロレンソ(San Lorenzo)の初期オルメカの中心地では、長方形の中央空間がり、これがのちの遺跡の規範となった。サン・ロレンソが衰退した後も、各地に伝播。
cf. Takeshi Inomata, Juan Carlos Fernandez-Diaz, Daniela Triadan, Miguel García Mollinedo, Flory Pinzón, Melina García Hernández, Atasta Flores, Ashley Sharpe, Timothy Beach, Gregory W. L. Hodgins, Juan Javier Durón Díaz, Antonio Guerra Luna, Luis Guerrero Chávez, María de Lourdes Hernández Jiménez & Manuel Moreno Díaz (2021) Origins and spread of formal ceremonial complexes in the Olmec and Maya regions revealed by airborne lidar. Nature Human Behaviour. [Nature]
2021年10月25日(月)
- イラク
- クルド人自治区(Iraqi Kurdistan)ドホーク県(Duhok)のファイダ(Faida)で、アッシリア(Assyria)時代の灌漑水路の岩の壁に刻んだ浮彫。王が神に祈る姿を表す。同県キニス(Khinis)では、アッシリアのセンナケリブ王(Sennacherib)の治世・紀元前8世紀末〜前7世紀初めの大規模なワイン工場。[News.com.au]
- スロバキア
- トルナヴァ県(Trnavský kraj;Trnava region)グベリ(Gbely)で民族移動時代(Migration Period)の墓。放射性炭素年代で421〜541年。20〜25歳と25〜40歳の女性人骨2体が出土。仰向けの伸展葬で、頭を西に向ける。一方の人骨は尾骨が非対称で、外傷のためといられる。複数被葬者を埋葬する墓はランゴバルド人(Longobardi;Lombards)のものと推定され、彼らはスロバキア西部に488年〜560/568年の間住んでいた。このことから、今回発見された墓は488年〜541年に作られたと推定。さらに、民族移動時代には墓泥棒が頻繁だったので、グベリの墓に副葬品を欠いているのも、墓泥棒のせいと思われる。上の部分が損傷した人骨もこの推定を傍証する。[The Slovak Spectator]
トルナヴァ県(Trnavský kraj;Trnava region)スカリツァ郡(Okres Skalica)グベリ(Gbely) - ポーランド
- 第二次世界大戦当時のドイツ空軍(Luftwaffe)の急降下爆撃機Ju 87 シュトゥーカ(Junkers Ju 87 Stuka)を発見。特別に掘られた穴に埋められていたが、エンジンは失われ、乗組員の靴はあったが遺体はなかった。1944年の訓練飛行の後に墜落したと推定。[The First News]
- UK(イングランド)
- ヨークシャー(Yorkshire)のファウンテンズ修道院(Fountains Abbey)で中世の大規模ななめし皮工場(tannery)。[Harrogate Informer]
2021年10月24日(日)
- 青森県
- つがる市・亀ケ岡石器時代遺跡で、縄文時代晩期の土坑墓5基。つがる市教育委員会の調査。10/23現地説明会。[東奥日報]
▼亀ケ岡石器時代遺跡関連記事→2009年11月27日 - イスラエル
- ガリラヤ湖近くで、ベツサイダ(Bethsaida)の使徒教会とみられる建物跡から、ビザンティン時代のモザイク床。[The Times of Israel]
- イスラエル
- アルスフ(Arsuf)=旧名アポロニア(Apollonia)にある十字軍(Crusader)の城で発見された800年前のバリスタ砲(ballista)の弾丸に、アラビア語の銘文。マムルーク朝(Mamluk)が使用。攻撃側の士気を高めるメッセージか。第3回十字軍のリチャード獅子心王とサラディンが1191年に近隣で戦った。城は1230年代に修築され防御を強化したが、1265年にマムルーク朝によって陥落した。[Haaretz]
▼アルスフ関連記事→2020年7月28日 - UK(イングランド)
- コーンウォール州(the county of Cornwall)カムボーン(Camborne)のトルーン村(Troon)で、青銅器時代・紀元前2000年〜前1500年の円形住居と土器。South West Archaeologyの調査。[CornwallLive]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)で2019年に発見されたエジプト古王国の貴族クウィ(Khuwy)のミイラを分析。従来考えられていたより1000年前に、樹脂や亜麻布などを用いた高度なミイラ作り技術。[The Guardian]
2021年10月23日(土)
- ポーランド
- バルト海南側の低地にあるマルキオニス街道(via Marchionis)近くのチェホフスキー湖(Lake Czechowskie)の800年間の堆積物を年代測定し、5年単位で花粉の変化を検討。14世紀まではヒトの影響が徐々に増加。その後環境の攪乱が激化。19世紀には近代的な交通路が整備され、環境への多大な影響。また、長期的な変化の一方、社会的危機や政治的な動きによる短期間の中断が重なる。
cf. Michał Słowiński, Achim Brauer, Piotr Guzowski, Tomasz Związek, Milena Obremska, Martin Theuerkauf, Elizabeth Dietze, Markus Schwab, Rik Tjallingii, Roman Czaja, Florian Ott & Mirosław Błaszkiewicz (2021) The role of Medieval road operation on cultural landscape transformation. Scientific Reports volume 11, Article number: 20876 [Scientific Reports] - ポーランド
- スレフフ(Sulechów)で、地下室から多数の武器。サーベル、銃剣、黒色火薬ピストルなど。建物自体はホテルだったことがあるが、武器が誰のもので、いつ埋められたかは不明。[Poland In]
- ポーランド
- シフィェンティクシシュ県(Województwo świętokrzyskie)サンドミェシュ郡(Powiat sandomierski;Sandomierz County)ザヴィホスト(Zawichost)のトルイツァ(Trójca)で、中世の宝物。ヴワディスワフ2世ヴィグナニェツ(Władysław II Wygnaniec)のデナリウス硬貨や、オットー1世(Otto I)、オットー3世(Otto III)、皇妃アーデルハイト・フォン・ブルグント(Adelheid von Burgund)、アングロ・サクソンの硬貨などなど、10〜12世紀の硬貨140枚。11世紀の土器、骨製櫛、石製紡錘車など。[Nauka w Polsce]
- メキシコ
- サカテカス州(Estado de Zacatecas)・チキウィテ洞窟(Cueva del Chiquihuite;Chiquihuite Cave)で見つかった石器とされる遺物を再検討。自然の生成物であり、人工遺物とは言えない。チキウィテ洞窟は、最終氷期最盛期(Last Glacial Maximum)以前のアメリカ大陸でのヒトの居住の痕跡とは言えない。
cf. James C. Chatters, Ben A. Potter, Anna Marie Prentiss, Stuart J. Fiedel, Gary Haynes, Robert L. Kelly, J. David Kilby, François Lanoë, Jacob Holland-Lulewicz, D. Shane Miller, Juliet E. Morrow, Angela R. Perri, Kurt M. Rademaker, Joshua D. Reuther, Brandon T. Ritchison, Guadalupe Sanchez, Ismael Sánchez-Morales, S. Margaret Spivey-Faulkner, Jesse W. Tune & C. Vance Haynes "Evaluating Claims of Early Human Occupation at Chiquihuite Cave, Mexico" PaleoAmerica [Taylor & Francis Online]
▼サカテカス州(Estado de Zacatecas)コンセプシオン・デル・オロ(Concepción del Oro)
▼チキウィテ洞窟関連記事→2020年7月23日 - ペルー
- ランバイエケ県(Departamento de Lambayeque;Lambayeque Region)プカラ(Distrito de Pucalá)のワカ・サンタ・ロサ遺跡(Huaca Santa Rosa)で、ワリ文化(Wali culture)の子供やティーンエイジャーの墓3基。神殿の正面に位置し、生贄であることを示す。ワリ文化に関連づけられる遺構としては、遠方にある。[France24]
▼ワカ・サンタ・ロサ遺跡関連記事→2019年12月20日
2021年10月22日(金)
- 栃木県
- さくら市で、東山道駅路(とうさんどうえきろ)の一部とみられる道路跡。さくら市と那須烏山市の合同試掘調査。[下野新聞]
- 中国
- 丁家村遺跡(Dingjiacun)で出土した青銅器時代の磨製石器の使用痕分析。木工、収穫、土工、狩猟に使用されたとみられ、定住した農業共同体の存在を示す。
cf. Hong Chen, Liping Xue, Ran Chen, Hongwei Si, Yao Jin, Yixue Tang "A functional study of ground stone tools from the Bronze Age site of Dingjiacun in South China: Based on use-wear evidence" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 40, Part A, December 2021, 103215 [ScienceDirect] - ロシア
- バイカル湖(Озеро Байкал;Lake Baikal)東岸のザバイカル地域(Забайкалье;Trans-Baikal)の墓地フォファノヴォ(Фофаново;Fofanovo)から出土した人骨20体の放射性炭素年代と安定同位体分析。1群) 後期中石器時代・7950年前(3例)、2群) 後期新石器時代・6000年前〜5500年前(5例)、3群) 後期新石器時代〜早期青銅器時代・4900年前〜4500年前(2例)、4群) 早期青銅器時代後半・3700年前(10例)。1群からみて、ザバイカル地域はシスバイカル地域(Сисбайкал;Cis-Baikal)より早く墓地が利用された可能性。2群・3群では後期新石器時代の墓を初めて認識。4群はシスバイカルの早期青銅器時代と同時期。フォファノヴォの食生活はシスバイカル地域とは異なり、後期新石器時代と初期青銅器時代の間でも異なる。フォファノヴォの初期青銅器時代は、セレンガ川の季節性のある資源に依存した。
cf. J. Alyssa White, Rick J. Schulting, Peter Hommel, Vyacheslav Moiseyev, Valeri Khartanovich, Christopher Bronk Ramsey, Andrzej W. Weber (2021) Turning eastward: New radiocarbon and stable isotopic data for Middle Holocene hunter-gatherers from Fofanovo, Trans-Baikal, Siberia. Archaeological Research in Asia, Volume 28, December 2021, 100323 [ScienceDirect]
2021年10月21日(木)
- 新潟県
- 加茂市・花立遺跡(はなたていせき)で、平安時代の有力者の集落跡。掘立柱建物跡、土坑、河川跡などを確認。墨書土器多数出土。加茂市教育委員会の調査。10/30現地説明会。
花立遺跡発掘調査現地説明会[加茂市] - 沖縄県
- 南城市・サキタリ洞遺跡で、23000年前の赤く着色された貝製ビーズが出土。ニシキツノガイを利用しベンガラで着色。着色された装飾品として国内最古。沖縄県立博物館・美術館10/21発表。[琉球新報]
- ミャンマー
- バガン(Bagan)で仏塔14基に大雨の被害。[The Irrawaddy]
- イスラエル
- エルサレム(Jerusalem)の嘆きの壁(HaKothel HaMa'aravi;Western Wall;Al-Buraq Wall)の礎石近くで、2000年前の紫水晶(amethyst)の指輪形の印章に、バルサムの木の表現。第二神殿時代に香などとして使用。[The Times of Israel]
- トルコ
- ムーラ県(Muğla il)ダルヤン(Dalyan)の古代都市カウノス(Καῦνος;Kaunos)で、ビザンティン時代の教会、墓、銘文など。[Anadolu Ajansı]
- トルコ
- バルケスィル県(Balıkesir il)ヒサルテペ(Hisartepe)の古代都市ダスキュレイオン(ΔασκυλεῖονDascylium)で、フリュギア(Φρυγία;Phrygia)やリュディア(Λυδία;Lydia)、紀元前8世紀〜前7世紀の城壁など。[Anadolu Ajansı]
- 家畜ウマ
- ユーラシアの紀元前50000年〜前200年のウマ273頭のゲノムを分析。紀元前2200年〜前2000年に大きな変化。それ以前は各地に多様なウマがいたが、各地のウマが、北コーカサス(Сискавказ;Ciscaucasia)のポントス平原のウマに数世紀の間に置き換わる。馬車やインド・イラン語の普及とも対応。家畜ウマの起源の手がかり。
Giddy-up: origins of the domestic horse uncovered[Cosmos]
cf. Pablo Librado et al. (2021) The origins and spread of domestic horses from the Western Eurasian steppes. Nature [Nature] - ポーランド
- ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin) ・クウォドニツァ(Kłodnica)の初期中世の要塞で、ヨーロッパ最大のマメの堆積。ピャスト朝・10世紀末〜11世紀初め。当時、ピャスト朝の支配下にはいったばかり。マメは税として集められたものと推定。
cf. Łukasz Miechowicz and Grzegorz Skrzyński (2021) An early medieval granary in Kłodnica, eastern Poland, and the largest deposit of grain legumes in Europe. Antiquity, First View, pp. 1 - 8 [Cambridge Core]
▼ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin)オポーレ郡(Powiat opolski;Opole Lubelskie County)ヴィルクフ(Gmina Wilków) - ドイツ
- イェリヒョウアー・ラント郡(Landkreis Jerichower Land)グロスデウシン(Großdemsin)で後期中世・1150〜1250年のウマ形の青銅製水注「Aquamanile」。礼拝の時に手を洗うため用いたと推定。[Die Zeit]
▼ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt) - ジンバブエ
- 植民地化以前のナンビャ国家(Nambya)の発展を検証。ほかのジンバブエ文化の国家発展と同時に進行しており、グレート・ジンバブエ遺跡(Great Zimbabwe)からの直接の移民によるものではない。
▶ Plan Shenjere-Nyabezi and Detlef Gronenborn (2021) The Zimbabwe Culture and the development of the Nambya state in north-western Zimbabwe. Antiquity, First View, pp. 1 - 8 [Cambridge Core]
▼グレート・ジンバブエ遺跡関連記事→2018年8月28日 - カナダ
- ニューファンドランド(Newfoundland)のランス・オ・メドー遺跡(L'Anse aux Meadows)でヴァイキングの集落に用いられた木材3片を年代測定し1021年に伐採と判明。992年の大規模な太陽嵐(solar storm)によって起こった放射性炭素を手掛かりに年代を特定。金属の道具で伐採・加工。ヴァイキングは1021年にアメリカ大陸に到達していた。
Europeans in the Americas 1000 years ago[Rijksuniversiteit Groningen]
cf. Margot Kuitems, Birgitta L. Wallace, Charles Lindsay, Andrea Scifo, Petra Doeve, Kevin Jenkins, Susanne Lindauer, Pınar Erdil, Paul M. Ledger, Véronique Forbes, Caroline Vermeeren, Ronny Friedrich & Michael W. Dee (2021) Evidence for European presence in the Americas in AD 1021. Nature [Nature]
おやつMaster Copyright © OyatsuMastar 1998-2024. All rights reserved.