2021年9月30日(木)
- 埼玉県
- 熊谷市・上北浦遺跡(かみきたうらいせき)で、縄文時代後期〜晩期の集落。岩版、石棒・石剣、耳飾り、土偶、骨角器などが出土。岩版は縦19.2cm、横13.8cm、厚さ3.2cmで全国最大級、県内最大。熊谷市9/29発表。[埼玉新聞]
上北浦遺跡から出土した全国最大級の岩版[熊谷市] - 三重県
- 鈴鹿市・富士山1号墳(ふじやまいちごうふん)で、葺石や埴輪。鈴鹿市の調査。[中日新聞]
▼富士山1号墳関連記事→2020年11月6日 - 大阪府
- 三島郡島本町・尾山遺跡で、飛鳥時代末〜奈良時代前半・7世紀末〜8世紀前半の瓦窯跡(御所池瓦窯跡第1号窯)。飛鳥時代の僧・道昭(629〜700年)が関係した可能性。
尾山遺跡の発掘調査で発見された瓦窯跡について(御所池瓦窯跡第1号窯)[島本町] - 奈良県
- 橿原市・藤原宮跡で、中枢部の「大極殿」の北側で建物があると予測されていた場所に、建物跡が確認できなかった。奈良文化財研究所9/30発表。[共同通信]
- インドネシア
- スラウェシ島(Sulawesi)のレアン・ブル・ベトゥエ(Leang Bulu Bettue)で、更新世(Pleistocene)・25000年前〜16000年前のホモサピエンス(Homo sapiens)の人骨。スラウェシ島で更新世にさかのぼるホモサピエンスの人骨は初めて出土。
cf. Adam Brumm, David Bulbeck, Budianto Hakim, Basran Burhan, Adhi Agus Oktaviana, Iwan Sumantri, Jian-xin Zhao, Maxime Aubert, Ratno Sardi, David McGahan, Andi Muhammad Saiful, Shinatria Adhityatama, Yousuke Kaifu "Skeletal remains of a Pleistocene modern human (Homo sapiens) from Sulawesi" PLoS ONE 16(9): e0257273. [PLOS ONE]
▼レアン・ブル・ベトゥエ関連記事→2020年3月17日 - オマーン
- Ras Al Jinz RJ-2で出土した初期青銅器時代・ウンム・アン=ナール文化(Umm an-Nar)の石製容器の再加工品は、石の鉱物学的特徴から見て、エジプト産ではない。従来はエジプトの製品とみなされ、ウンム・アン=ナール文化とエジプト古王国の関連を示す唯一の遺物とされていた。
cf. Dennys Frenez "A non-Egyptian «Egyptian» stone vessel from Ras Al Jinz RJ-2, Sultanate of Oman: Critical review of an entrenched hypothesis" Archaeological Research in Asia, Volume 28, December 2021, 100321 [ScienceDirect] - ギリシャ
- ポリスティロン砦(Πολύστυλον;Polystylon fort)で1991年に発見された、ビザンティン帝国・1380年ごろの斬首された兵士の顎の骨を分析。オスマン帝国に砦が攻略された際に死亡し斬首されたと推定。死亡時に35〜40歳程度で、死亡の10年程度前、1373年ごろに顎に骨折。2つに割れた下顎を細いワイヤーでつないで固定し治療た痕跡。ワイヤーは金でできていた可能性。軟らかく、毒性のない金を推奨するヒポクラテス(Ἱπποκράτης;Hippocrates)の文献を参照したか。[LiveScience]
cf. Anagnostis Agelarakis "THE HIPPOCRATIC MEDICAL TREATMENT OF FRACTURA MANDIBULAE TRACED IN A BYZANTINE WARRIOR OF THE 14TH CENTURY" Mediterranean Archaeology and Archaeometry, Vol. 21, No 2, (2021), pp. 281-287 [Mediterranean Archaeology and Archaeometry] - ブルガリア
- プロヴァディヤ・ソルニツァタ遺跡(Провадия-Солницата;Provadia-Solnitsata)で出土した中期〜後期銅石器時代の製塩土器の底面に編んだ繊維の痕跡を確認。
cf. Mila Andonova and Vassil Nikolov "Pots on mats: mat-impressed salt-extraction pottery at Chalcolithic Provadia-Solnitsata, Bulgaria" Antiquity, First View, pp. 1 - 16 [Cambridge Core]
▼ヴァルナ州(Област Варна;Oblast Varna) - オーストリア
- ニーダーエスターライヒ州(Niederösterreich)エープライヒスドルフ(Ebreichsdorf)で、後期青銅器時代・骨壺墓地文化(Urnenfelderkultur;Urnfield culture)・紀元前1300年〜前1000年の集落。金製の碗など出土。北ドイツや南スカンディナヴィアに類例。[derStandard]
- UK(イングランド)
- エセックス州(the county of Essex)コルチェスター(Colchester)のレックスデン・ロード(Lexden Road)にある旧エセックス・カウンティ病院(Essex County Hospital)で、ローマ時代の道路。遺跡の破壊を心配する人々から連絡を受けた、コルチェスターのハイ・ステュワード(High Steward)の地位にあるボブ・ラッセル卿(Sir Bob Russell)は、開発を中止し、保護ガラスの下にローマ時代の道路を保存して観光資源とするよう求めた。[Daily Gazette]
- UK(イングランド)
- グロスターシャー州(the county of Gloucestershire)グロスター(Gloucester)で、ローマ時代・1〜2世紀のウェヌス(Venus)女神像。高さ17cm。フランス中部か、ドイツのラインラント/モーゼル地域で作られたと見られる。[BBC]
- UK(スコットランド)
- ハイランド地方(Highland)のケイスネス(Caithness)にあるオールド・ウィック城(Castle of Old Wick)で、中世の木材サンプルを採取。Historic Environment Scotland (HES)の調査。[Ross-shire Journal]
2021年9月29日(水)
- 埼玉県
- 熊谷市・上北浦遺跡(かみきたうらいせき)で、縄文時代後期〜晩期の集落。岩版、石棒・石剣、耳飾り、土偶、骨角器などが出土。岩版は20cm×14cmで全国最大級、県内最大。熊谷市教育委員会の調査。
上北浦遺跡から出土した全国最大級の岩版[熊谷市] - 新潟県
- 阿賀野市・山口遺跡(やまぐちいせき)で、平安時代や鎌倉〜室町時代の集落。集落の東側に水田。公益財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団の調査。10/3現地説明会。
阿賀野市山口遺跡発掘調査現場の一般公開及び説明会の御案内[公益財団法人新潟県埋蔵文化財調査事業団]
▼山口遺跡関連記事→2013年10月23日 - 韓国
- 昌寧・校洞・松峴洞古墳群(キョドン・ソンヒョンドンこふんぐん)のうち、隣接する校洞39号墳と校洞63号墳では、被葬者の近くに空間を設け、動物を殉葬。埋葬主体部にともなう埋葬空間3基のうち、それぞれ1基から獣骨出土。動物の殉葬槨は、いずれも埋葬主体部の北側にあり、方形に近い。昌寧は三国時代の加耶諸国のひとつ非火加耶に当たる。[聯合ニュース]
▼校洞・松峴洞古墳群関連記事→2020年10月28日 - イラン
- マルキャズィー州(Ostān-e Markazī)マハッラト(Mahallat)で、イルハン朝(Ilkhanid)の墓石。長さ120cm、幅70cm、厚さ20cm。[Tehran Times]
- アラブ首長国連邦
- シャールジャ首長国(Sharjah)で、アッバース朝(Abbasid)・9〜10世紀の壺の中から、アッバース朝・8世紀後半〜9世紀前半に統治下の各地で打刻されたディルハム銀貨(Dirham)。この地に早くからアッバース朝が影響力を及ぼし、重要な交易拠点であったことを示す・シャールジャ考古学局(Sharjah Archaeology Authority)の調査。[UrduPoint]
- ロシア、モルドバ
- ポントス草原(Pontic steppe)で出土した後期旧石器時代初頭・4000年前の製粉具についてさまざまな分析。亜寒帯で、デンプンを豊富に含む植物を加工していたことを示す。
Laura Longo, Simona Altieri, Giovanni Birarda, Clarissa Cagnato, Valerio Graziani, Theodor Obada, Irina Pantyukhina, Paola Ricci, Natalia Skakun, Giusi Sorrentino, Vera Terekhina, Luca Tortora, Lisa Vaccari & Carmine Lubritto "A Multi-Dimensional Approach to Investigate Use-Related Biogenic Residues on Palaeolithic Ground Stone Tools" Environmental Archaeology [Taylor & Francis Online] - スロバキア
- ズヴォレン(Zvolen)のプスチー城(Pustý Hrad)で、中世・14世紀の偽造貨幣。中世の土器や獣骨、青銅器時代の土器。[The Slovak Spectator]
▼バンスカー・ビストリツァ県(Banskobystrický kraj) - UK(イングランド)
- イースト・サセックス州(the county of East Sussex)イーストボーン(Eastbourne)で中世の井戸。ヴィクトリア朝の染料の瓶が出土。Heritage Eastbourneの調査。 [Eastbourne Herald]
2021年9月28日(火)
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、16世紀初頭〜中ごろの竪穴建物跡から、真鍮製品をつくる道具「把手付き真鍮坩堝」。南部町教育委員会と国立科学博物館の調査。[朝日新聞]
▼聖寿寺館跡関連記事→2021年7月14日 - 長野県
- 伊那市・老松場古墳群(ろうしょうばこふんぐん:第4次調査)のうち、1号墳は南信地方最古の前方後円墳、粘土槨の埋葬施設が発見され、5世紀前半の造営と確認。2号墳は5世紀後半ごろの円墳。伊那市教育委員会と関西大学文学部考古学研究室9/27発表。[長野日報]
▼老松場古墳群関連記事→2018年9月2日 - 韓国
- 全羅南道 海南郡 県山面・揖湖里古墳群(ウポリこふんぐん)で、百済と馬韓の古墳110基を調査。遺跡範囲は140万平方メートルと推定され、湖南地方の古墳群では最大規模。[聯合ニュース]
- パプアニューギニア
- ユク岩陰遺跡(Yuku)とキオワ遺跡(Kiowa)で出土した18000年前〜6000年前のヒクイドリ(cassowary)の卵の殻1000点を分析して、ヒトが卵を得た時のヒナの成長度を推定。ヒクイドリの卵を選んで孵化させヒナを育てていた可能性。殻は孵化に近いか孵化ずみのものが大部分であるが、それらに焼けた痕跡がほとんど見られないことから、卵を食べたのではなく、孵化させたとみられる。一方で、ヒクイドリの骨は脚や太ももだけが出土しており、加工されて肉のついた部分だけが遺跡に持ち込まれたとみられる。
Late Pleistocene humans may have hatched and raised cassowary chicks[The Pennsylvania State University]
cf. Kristina Douglass, Dylan Gaffney, Teresa J. Feo, Priyangi Bulathsinhala, Andrew L. Mack, Megan Spitzer, and Glenn R. Summerhayes "Late Pleistocene/Early Holocene sites in the montane forests of New Guinea yield early record of cassowary hunting and egg harvesting" Proceedings of the National Academy of Sciences, October 5, 2021 118 (40) e2100117118 [PNAS] - インド
- メーラト(Meerut)のヴィカス・プリ(Vikas Puri)で、マウリヤ朝(Mauryan)・2000年前のレンガ積みのプットフォーム。30m×35m。同時代の土器も出土。紀元前3世紀の「アショーカ王の柱」(Ashoka pillar)と関連か。[The Times of India]
▼ウッタル・プラデーシュ州(Uttar Pradesh) - トルコ
- シャンルウルファ県(Şanlıurfa)ハリリエ郡(Haliliye)・カラハンテペ遺跡(Karahantepe)で新石器時代・11000年前の立体的な人物像などが多数出土。[Anadolu Ajansı]
▼カラハンテペ遺跡関連記事→2020年11月27日 - イタリア
- エミリア=ロマーニャ州(Emilia-Romagna)チェゼーナ(Cesena)で、16世紀の煉瓦積みの窯と、19世紀のホフマン窯。[Corriere Romagna]
- ポーランド
- マゾフシェ県(Województwo mazowieckie;Mazowsze)イウジャ(Iłża)で、8万年前のフリント製石器と、石器製作時の剥片。ネアンデルタール人に関連。ネアンデルタール人の痕跡としてポーランド国内で最北。チョコレート・フリントの露頭から数百メートルの位置。4万年前〜3万年前のホモサピエンスがこの露頭を利用していたことはすでに知られていた。[Nauka w Polsce]
▼マゾフシェ県(Województwo mazowieckie)ラドム郡(powiat radomski;Radom County) - ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)アルトマルク・ザルツヴェーデル郡(Altmarkkreis Salzwedel)アーレント湖(Arendsee)で、中世・1265年ごろの船の引き上げ作業。[Mitteldeutscher Rundfunk]
▼アーレント湖関連記事→2007年10月5日 - スペイン
- アンダルシア州(Andalucía)グラナダ県(Provincia de Granada)アルガリネホ(Algarinejo)のビジャビエハ遺跡(Villavieja)で、銅石器時代・5000年前の砦。300mの城壁。[El Español]
- アンティグア・バーブーダ
- バーブーダ島(Barbuda)ボイリング・ロック(Boiling Rock)で、古期(Archaic Age)の埋葬遺跡を調査。人骨3体出土。放射性炭素年代で紀元前3560年〜3220年(cal BC)。安定同位体により、海洋性の蛋白質と陸のC3植物を摂取したとわかる。
cf. Steve Hackenberger, Scott M. Fitzpatrick, Jessica H. Stone & Matthew F. Napolitano "Rescue recovery of the earliest known burials from Barbuda, West Indies (ca. 3560–3220 cal years BP)" The Journal of Island and Coastal Archaeology [Taylor & Francis Online] - グアテマラ
- ティカル遺跡(Tikal)には、古典期マヤ(Classic Maya)に、テオティワカン(Teotihuacan)のシウダデラ(Ciudadela)やケツァルコアトルの神殿(Temple of Quetzalcoatl;Temple of the Feathered Serpent)を模倣した空間。Lidarにより判明。
cf. Stephen Houston, Edwin Román Ramírez, Thomas G. Garrison, David Stuart, Héctor Escobedo Ayala and Pamela Rosales "A Teotihuacan complex at the Classic Maya city of Tikal, Guatemala" Antiquity, First View, pp. 1 - 9 [Cambridge Core]
2021年9月27日(月)
- 青森県
- 青森市・三内丸山遺跡の集落の北側から、50mにわたって掘削された溝の跡。最大幅7m、深さ1m。溝の両側には柱を並べて立てていた。縄文時代の大規模集落跡。三内丸山遺跡センターの調査。[NHK]
- 青森県
- 弘前市・湯の沢遺跡で、弥生時代前期・2400年前の大型住居跡。津軽平野では初。弘前大学北日本考古学研究センターの調査。[陸奥新報]
▼湯の沢遺跡関連記事→2021年9月15日 - 愛知県
- 犬山市・犬山城(いぬやまじょう)周辺で、城と城下町を分けていたとみられる大規模な外堀跡。空堀と推定。犬山市9/27発表。[共同通信]
▼犬山城関連記事→2021年3月29日 - 韓国
- 慶尚南道 梁山市・梁山芝山里西里古墳群で、三国時代・5世紀末〜6世紀前半の竪穴式石槨墓5基。韓半島文化財研究院の調査。[聯合ニュース]
- 中国
- 四川省 稲城県・皮洛遺跡で、13万年前の旧石器遺跡。チベット高原東麓で、海抜3750mに立地。アシュール文化(Acheulean;阿舍利)のハンドアックスなど1万点近い石器が出土。[中国新聞網]
▼四川省カンゼ・チベット族自治州(甘孜藏族自治州)稲城県 - トルコ
- アイドゥン県(Aydın il)ゲルメンジク郡(Germencik)オルタクラル(Ortaklar)の古代都市マグネシア(Μαγνησία;Magnesia)で、ゼウスの神殿の入り口の門を発見。[Anadolu Ajansı]
▼マグネシア関連記事→2018年7月29日 - ウクライナ
- クリミア(Crimea)の古代ギリシャ植民市ケルソネソス(Χερσόνησος;Chersonesos)の植民初期・紀元前5世紀〜前6世紀の墳墓で出土した屈葬と伸展葬の遺体47体を分析し、屈葬は在地のタウロイ人(Ταῦροι;Taurian)、伸展葬はギリシャ人との仮説を検証。有意な差は見られず、埋葬姿勢と出自は対応しないと判明。
cf. Hannes Rathmann, Roman Stoyanov, Richard Posamentir "Comparing individuals buried in flexed and extended positions at the Greek colony of Chersonesos (Crimea) using cranial metric, dental metric, and dental nonmetric traits" International Journal of Osteoarchaeology [Wiley Online Library]
▼ケルソネソス関連記事→2013年7月7日 - モンテネグロ
- ブドヴァ(Budva;Будва)のコスマッチ要塞(Tvrđava Kosmač;Fort Kosmač)はオーストリア=ハンガリー帝国・1840年に築いた要塞であるが、1918年の帝国崩壊以後は放置されて荒廃。[Balkan Insight]
- イタリア
- シチリア島(Sicilia;Sicily)マルサーラ(Marsala)の古代都市リリュバエウム(Lilybaeum;Lilibeo)で、カルタゴ〜ヘレニズム時代の都市。[Finestre sull'Arte]
▼シチリア州トラーパニ(Trapani) - フランス
- サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire)シャルトル(Chartres)のサン・マルタン・オ・ヴァル遺跡(Saint-Martin-au-Val)で、アポロンの神殿の前の泉から、2世紀の彫刻と彩色が施された木製の格子天井。3〜4世紀に火災によって廃絶。[L’Écho Républicain]
▼サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire) ウール=エ=ロワール県(Eure-et-Loir)
2021年9月26日(日)
- 韓国
- ソウル・漢陽都城で、朝鮮時代の築城当時に作られた、千字文の刻字城石97個のうち、58個の位置を確認。従来は15個が現存するとして知られていた。漢陽都城は、長さ59500尺に対し、600尺(192m)単位で97の区画に分けて築城し、それぞれの区画には千字文の文字を当てた。時期や地点ごとの特徴から太祖のころには労働力の均等配分が、世宗のころには崩壊予防と工事関係者の責任が強調されているとみられる。漢陽都城の刻字城石はこれまで288個が知られるが、229個は城外で確認されている。[聯合ニュース]
- トルコ
- イスタンブル(İstanbul)のブーコレオン宮殿(Παλάτι Βουκολέων;Boukoleon Palace)でビザンティン帝国・1600年前の泉。[The Jerusalem Post]
- ドイツ
- ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェル(Brandenburg an der Havel)のノイシュタット(Neustadt)で、中世の集落跡。骨と木でできた櫛や、13〜14世紀のザクセンから輸入された土器が出土。[Märkische Oderzeitung]
▼ブランデンブルク州(Land Brandenburg) - UK(スコットランド)
- アイラ島(Isle of Islay)東海岸のRubha Port-ant-Seilichで、北ドイツとスカンディナヴィアのアーレンスブルク文化(Ahrensburgian)のものとみられるフリント製の有舌尖頭器(tanged point)。11500年前〜12500年前のキャンプ跡の可能性。当時は海面が低く、スコットランドはドッガーランド(Doggerland)によってヨーロッパ大陸とつながっていた。[The Scotsman]
▼ドッガーランド関連記事→2020年12月2日
2021年9月25日(土)
- 和歌山県
- 有田川町・旧吉備中学校校庭遺跡(きゅうきびちゅうがっこうこうていいせき:第7次調査)で、弥生時代の焼失住居。有田川町教育委員会の調査。9/25現地説明会。[テレビ和歌山]
▼旧吉備中学校校庭遺跡関連記事→2008年4月24日 - 島根県
- 大田市・池田北遺跡で古墳時代の大型掘立柱建物跡。祭殿か倉庫の可能性。大田市教育委員会の調査。[中国新聞]
▼池田北遺跡関連記事→2021年9月12日 - インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu) アリヤルール(Ariyalur) のガンガイコンダ・チョーラプラム(Gangaikondacholapuram)で、チョーラ朝(Chola)の宮殿跡とみられるレンガ積みの遺構。銅銭、象牙、ガラス玉など出土。中国との交易を示す中国陶磁も出土。ラージェーンドラ1世(Rajendra Chola I:在位1016〜1044年)が建設した宮殿。[The Hindu]
- イラン
- マーザンダラーン州(Ostān-e Māzandarān)ネカー郡(Neka)のテペ・ヴェリキ(Tepe Veliki)で、新石器時代・9000年前の集落。[Tehran Times]
- トルコ
- アイドゥン県(Aydın il)ディディム郡(Didim)の古代都市ミレトス(Μίλητος;Miletos)で、2400年前の劇場、市場、神殿などの公共建築住居のほか、庶民の住居2棟。[Daily Sabah]
- イタリア
- イタリア中部〜南部の12遺跡から出土した紀元前800年〜紀元後1000年の82人のDNAデータを比較。鉄器時代から共和政ローマまでのエトルリア人に関連した遺伝子は安定。ローマのラテン人(Latin)との関係が強く、アナトリアからの渡来ではない。エトルリア人は文化的な独自性があり、非インド=ヨーロッパ語族であったが、紀元前2000年期に初期のイタリア語話者がエトルリア語話者に同化した可能性。イタリア中部ではローマ帝政期に東地中海との混血。西ローマ帝国の滅亡後、北ヨーロッパの遺伝子の影響がみられる。
ドイツ語Genetische Abstammung und Erbe der Etrusker entschlüsselt
英語 The Origin and Legacy of the Etruscans[Max-Planck-Institut für Menschheitsgeschichte]
cf. Cosimo Posth, Valentina Zaro, Maria A. Spyrou, Stefania Vai, Guido A. Gnecchi-Ruscone, Alessandra Modi, Alexander Peltzer, Angela Mötsch, Kathrin Nägele, Åshild J. Vågene, Elizabeth A. Nelson, Rita Radzevičiūtė, Cäcilia Freund, Lorenzo M. Bondioli, Luca Cappuccini, Hannah Frenzel, Elsa Pacciani, Francesco Boschin, Giulia Capecchi, Ivan Martini, Adriana Moroni, Stefano Ricci, Alessandra Sperduti, Maria Angela Turchetti, Alessandro Riga, Monica Zavattaro, Andrea Zifferero, Henrike O. Heyne, Eva Fernández-Domínguez, Guus J. Kroonen, Michael McCormick, Wolfgang Haak, Martina Lari, Guido Barbujani, Luca Bondioli, Kirsten I. Bos, David Caramelli, Johannes Krause "The origin and legacy of the Etruscans through a 2000-year archeogenomic time transect" Science Advances, Vol 7, Issue 39 [Science Advances] - スイス
- ベルン州(Kanton Bern;Canton de Berne;canton of Bern)アエゲルテン(Aegerten)のツィール川(Zihl)の底から、ローマ時代・1世紀の、オリーブ油を運ぶためのアンフォラ出土。高さ73cm、幅50cm、内容量65リットル。中身を満たすと推定80kg。ローマ帝国のバエティカ属州(スペインのアンダルシア地方)から、この型式のアンフォラで各地にオリーブ油を輸送。このアンフォラの出土は、スイスのケルト人がローマの習慣を受け入れていたことを示す。
Archäologischer Fund im Kanton Bern[Kantons Bern] - ポーランド
- クラクフ=チェンストホヴァ高地(Kraków-Częstochowa Upland)のマウォポルスカ県(Województwo małopolskie:Lesser Poland Voivodeship)オルクシュ郡(Powiat olkuski;Olkusz County)ドリナ・ウドルキ(Dolina Udorki)で、10000年前〜6000年前のチョコレートフリント(chocolate flint)鉱山を発見。この種の遺跡としては、ポーランドで最も南西に位置する。従来、この地域の フリントは150km離れたシフィエントクシスキエ山地(Góry Świętokrzyskie;Świętokrzyskie Mountains)のものとみられていたが、地元で調達できたことがわかった。原材料は鉱山近くで加工された。チョコレートフリントは中期旧石器時代から鉄器時代まで好まれ、特に後期旧石器時代・1万5000年前〜1万2000年前に盛んに用いられた。[Nauka w Polsce]
(再掲)cf. Magdalena Sudoł-Procyk, Michael Brandl, Maciej T. Krajcarz, Magdalena Malak, Mateusz Skrzatek, Damian Stefański, Elżbieta Trela-Kieferling and Dagmara H. Werra "Chocolate flint: new perspectives on its deposits, mining, use and distribution by prehistoric communities in Central Europe" Antiquity, First View, pp. 1 - 7 [Cambridge Core]
▼シフィエントクシスキエ山地関連記事→2021年8月12日 - スペイン
- メリダ(Mérida)の新石器時代〜銅石器時代の羨道墳(passage grave)、「ラカラのドルメン」(Dolmen de Lácara)で出土した火葬骨12kg分を分析。火葬は遺体を減らす方法として行われたと推定。
cf. David Sánchez-Abellán, Enrique Cerrillo-Cuenca, Francisco Blasco Rodríguez, Alicia Prada Gallardo "Cremated human remains and Iberian megaliths. An analysis from the passage grave of Dolmen de Lácara (Mérida, Spain)" Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 39, October 2021, 103192 [ScienceDirect] - USA
- ミズーリ州(State of Missouri)カンザスシティ(Kansas City)で、バック・オニール橋(Buck O’Neil Bridge)の付け替え作業中に、19世紀のホテルの土台。労働者階級が利用。[California News Times]
- ボリビア
- ティワナク遺跡(Tiwanaku)の300年〜1500年の17人のゲノムを分析。チチカカ湖(Lac Titicaca)地域の文化的異・政治的な変化が大規模なヒトの移動を伴わなかったことがわかる。ティワナクの祭祀センターでは、多様性が高く、在地由来の人々と、遠いアマゾン地域との混血または同地出身の者がいるが、アカパナ(Akapana)のプラットフォームに捧げられた生贄は950年ごろの在地の人ばかりで、ティワナクが衰退し始めたころに当たる。
cf. Danijela Popović, Martyna Molak, Mariusz Ziółkowski, Alexei Vranich, Maciej Sobczyk, Delfor Ulloa Vidaurre, Guido Agresti, Magdalena Skrzypczak, Krzysztof Ginalski, Thiseas Christos Lamnidis, Nathan Nakatsuka, Swapan Mallick and Mateusz Baca (2021) Ancient genomes reveal long-range influence of the pre-Columbian culture and site of Tiwanaku. Science Advances, Vol 7, Issue 39 [Science Advances]
2021年9月24日(金)
- 岐阜県
- 大野町・乾屋敷古墳で出土した埴輪から、4世紀末〜5世紀初頭に築造と推定。[中日新聞]
- 京都府
- 八幡市・木津川河床遺跡(きづがわかしょういせき)で、古墳時代前期と飛鳥時代の竪穴住居跡、平安時代末〜鎌倉時代初期の井戸など、江戸時代の水路と御幸道の遺構。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センターの調査。[KBS京都]
▼木津川河床遺跡関連記事→2012年10月10日 - 韓国
- 忠清北道 丹陽郡(Danyang) 艾谷里・スヤンゲ遺跡(Suyanggae)6地区の旧石器時代の3つの層にわたる、18か所31試料について、放射性炭素年代測定。第2層は17,550±80〜20,470±70BP、第3層は30,360±350〜44、100±1900BP、第4層は34,870±540〜46,360±510BP。近隣の九郎窟(Gurang Cave)第1地点に関する先行研究と比較し、またスヤンゲ遺跡第1地点も含めて検討。初期の人類は46000BP〜30000BPに寒い環境を過ごしたのち、30000BP〜20000BPには姿を消し、その後、最終氷期最盛期(Last Glacial Maximum;LGM)にスヤンゲ遺跡第6地点に再び住んだ。
cf. Kyeong J Kim, Ju Y Kim, Kyong W Lee, Seung W Lee, Jong Y Woo, Yung J Lee and A J Timothy Jull (2021) RADIOCARBON AGES OF SUYANGGAE PALEOLITHIC SITES IN DANYANG, KOREA. Radiocarbon, Volume 63, Issue 5, October 2021, pp. 1429 - 1444. [Cambridge Core] - 中国
- 内モンゴル自治区 赤峰市 バイリン左旗(巴林左旗) 林東鎮にある遼の上京遺跡の皇城内の西山坡仏寺跡で、伽藍配置を確認。「塔」中心の配置から「殿」中心の配置への過渡的な姿を表す。[中国社会科学院考古研究所]
▼遼上京遺跡関連記事→2020年10月14日 - 中国
- 北京市 東城区・正陽橋遺跡で、橋の東南から明時代の花崗岩製の「鎮水獣」出土。鎮水獣は竜の九子のひとつで、水を好み、洪水を防ぐとされていた。[中国新聞網]
- イラン
- ギーラーン州(Ostān-e Gīlān)マスレー村(Masouleh)近くの山岳地帯では、後期青銅器時代・紀元前2000年〜前1500年から牧畜民や遊牧民が居住。以降、鉄器時代I期・紀元前1500年〜前1100年、鉄器時代III期・紀元前800年〜前500年、パルティア時代・紀元前247年〜紀元後224年、ブワイフ朝(Buyid)・943〜1029年、セルジューク朝(Seljuk)・1043〜1051年、イルハン朝(Ilkhanid)・1306〜1335年に、高地が季節的に利用される。[Tehran Times]
- トルコ
- デニズリ県(Denizli)ブルダン郡(Buldan)の古代都市トリポリス(Τρίπολις;Tripolis)で、地震の被害を受けた遺構と、地震の犠牲者と見られる人骨。発掘成果と碑文史料により、大きな地震を4回経ていることがわかる。[Anadolu Ajansı]
▼トリポリス関連記事→2021年9月14日 - イタリア
- シチリア島のモンテ・ポリッツォ遺跡(Monte Polizzo)で見つかったアルカイック時代のエリミ人(Ἔλυμοι;Elymian)の集落で、輸入された大量のアンフォラ(大半はエトルリアのもの)が出土。ギリシャ人のこの地での活動以前に、在地人による盛んな交易の証拠。堆積物の分析によると、居住期間に森林を伐採しつくし、土壌が流失。紀元前625年〜前550に居住され、火災で廃絶。
The indigenous population of ancient Sicily were active traders
Cecilia Sandström "Encountering Environments. Natural conditions for subsistence and trade at Monte Polizzo, Sicily, 650-550 BC." [Göteborgs universitet] - UK(イングランド)
- ケント州(the county of Kent)セント・メアリーズ・プラット(St Mary's Platt)で、ナチス(Nazi)の武器V2ロケット(V-2 rocket)。1944年2月14日に打ち込まれたもの。Research Resource Archaeologyの調査。[Kent Online]
- UK(イングランド)
- ノーフォーク州(Norfolk)シェリンガム(Sheringham)沖で、1896年に座礁したコモドア号(SS Commodore)の船体を航空撮影。[BBC]
- UK(イングランド)
- カンブリア州(Cumbria)カーライル(Carlisl)のスタンウィクス(Stanwix)で2017年に発見されたローマ時代の浴場で、銀の指輪、タイル、ペットの足跡など。タイルにはローマ皇帝の刻印があり、3世紀のローマ皇帝セプティミウス・セウェルスとの関わりを示す。[News & Star]
▼スタンウィクスのローマ時代の浴場関連記事→2017年5月30日 - UK(イングランド)
- ノッティンガムシャー州(Nottinghamshire)のスカイラークス自然保護区(Skylarks Nature Reserve)で、アングロサクソン時代の復元住居が火災で焼失。[BBC]
- USA
- ニューメキシコ州(State of New Mexico;Estado de Nuevo México) ホワイトサンズ国定公園(White Sands National Park)で、23000年前〜21000年前のヒトの足跡。北米大陸最古。大半は子供かティーンエイジャー。[The Guardian]
cf. Matthew R. Bennett, David Bustos, Jeffrey S. Pigati, Kathleen B. Springer, Thomas M. Urban, Vance T. Hollidaysally C. Reynolds, Marcin Budka, Jeffrey S. honke, Adam M. Hudson, Brendan Fenerty, Clare Connelly, Patrick J. Martinez, Vincent L. Santucci, and Daniel Odess "Evidence of humans in North America during the Last Glacial Maximum" Science, Vol 373, Issue 6562, pp. 1528-1531 [Science]
2021年9月23日(木)
- 石川県
- 能登町・旧松波城の庭園跡で、15世紀前半の礫敷き道の遺構。土師器、珠洲焼、越前焼が出土。能登町教育委員会の調査。9/25現地報告会。[中日新聞]
- ポリネシア
- 太平洋の主要な島21か所の430人のゲノムを分析し、ポリネシアへの人類の拡散の過程を復元。サモア(Samoa)に始まり、クック諸島(Cook Islands)のラロトンガ島(Rarotonga)を経て、11世紀にソシエテ諸島(Society Islands)=トータイエト・マー(Tōtaiete mā)、12世紀にオーストラル諸島(Austral Islands)=トゥハア・パエ(Tuha’a Pae)とトゥアモトゥ諸島(Tuāmotu Archipelago)、そして大きく拡散するが遺伝的には近い、北はマルケサス諸島(Marquesas Islands)=テ・ヘウナ・エナナ(Te Henua ‘Enana)、南はライヴァヴァエ島(Raivavae)、東端はイースター島(Easter Island)=ラパ・ヌイ(Rapa Nui)に1200年ごろ到達した。
cf. Alexander G. Ioannidis, Javier Blanco-Portillo, Karla Sandoval, Erika Hagelberg, Carmina Barberena-Jonas, Adrian V. S. Hill, Juan Esteban Rodríguez-Rodríguez, Keolu Fox, Kathryn Robson, Sonia Haoa-Cardinali, Consuelo D. Quinto-Cortés, Juan Francisco Miquel-Poblete, Kathryn Auckland, Tom Parks, Abdul Salam M. Sofro, María C. Ávila-Arcos, Alexandra Sockell, Julian R. Homburger, Celeste Eng, Scott Huntsman, Esteban G. Burchard, Christopher R. Gignoux, Ricardo A. Verdugo, Mauricio Moraga, Carlos D. Bustamante, Alexander J. Mentzer & Andrés Moreno-Estrada "Paths and timings of the peopling of Polynesia inferred from genomic networks" Nature volume 597, pages522–526 (2021) [Nature] - イラン
- タフテジャムシード(Takht-e Jamshid)=ペルセポリス(Persepolis)のラーマト山(Mount Rahmat)でヤズデギルド王(Yazdgerd)銘文の治世4年に特定人物を記念した碑文。[Iran Front Page]
▼ファールス州(Ostān-e Fārs) - イラン
- マルキャズィー州(Ostān-e Markazī)マハッラト(Mahallat)で、サーサーン朝(Sassanid、224〜651年)の30もの岩絵(petroglyph)が描かれた巨岩。描くための道具はフリント、鉄、骨など。[Tehran Times]
- イラン
- ザンジャーン州(Ostān-e Zanjān) ・テペ・クゼチ(Tepe Kuzechi)で、後期鉄器時代の金属工芸の証拠。[Tehran Times]
- トルコ
- ハタイ県(Hatay il)の古代都市アンティオキア(Αντιόχεια;Antiocheia)で、キリスト教の洞窟教会を調査。5〜6世紀のオリーブ用の石臼のほか倉庫、工房、売り場、水道施設など。[Anadolu Ajansı]
- トルコ
- イズミル県(İzmir il)のペルガモン遺跡(Πέργαμον;Pergamon)にあるローマ時代・2世紀の円形闘技場(amphitheater)で、エリートのための特等席を発見。氏名を刻む。ラテン語風の名前をギリシャ文字で刻んだ例も。[Anadolu Ajansı]
- カザフスタン
- 西カザフスタン州(Батыс Қазақстан облысы;West Kazakhstan)で18世紀のモスク。幅10m×長さ27m。焼けた煉瓦や、土器片出土。[Qazaq TV]
- ロシア
- シベリアのトゥヴァ共和国(Республика Тыва;Tuva Republic)ホンデルゲイ村(Хондергей;Khondergey)で、初期青銅器時代(Early Bronze Age)・4000年以上前の墳墓の一部として、雄ウシを表現した地上絵(geoglyph)。礫と砂岩からなり、3m×4m。後ろ半分のみが遺存し、前半分は1940年代の道路建設で消失。[The Siberian Times]
- ポーランド
- ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin) ホドリク(Chodlik)の中世・8〜10世紀のスラヴ人の丘塞(grodzisko;hillfort)で、中世の土器片、鏃、槍先などのほか、衣服や装身具に関する遺物。高さ5cmの人形の銀製品も出土。三重の城壁を具えた中世のスラブの砦。出土したデナリウス金貨から見て、城は11世紀まで存続した可能性。
Srebrna figurka, militaria i masa ceramiki. Odkrycia na grodzisku w Chodliku[Nauka w Polsce]
通称「スウェーデンの堤」(Szwedzkie Wały)[Heritage Daily]
▼ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin) オポーレ郡(powiat opolski;Opole Lubelskie County) カルチュミスカ(Gmina Karczmiska) - ドイツ
- ブルゲンラント郡(Burgenlandkreis) ツァイツ(Zeitz)のポザ修道院(Kloster Posa)跡で、ベネディクト派の修道院ができた1114年よりも古い教会跡を発見。この教会の聖歌隊席に35歳程度の女性の埋葬。また、修道院の遺構も。[Süddeutsche Zeitung]
▼ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt) - スペイン
- アリカンテ県(Provincia de Alicante)シャビア(Xàbia)沖の海底で、小さな穴からローマ時代・4世紀後半〜5世紀前半の金貨53枚。内訳は、ウァレンティニアヌス1世(Valentinianus I;364〜375年)の金貨3枚、ウァレンティニアヌス2世(Valentinianus II;375〜392年)の金貨7枚、テオドシウス1世(Theodosius I;379〜395年)の金貨15枚、アルカディウス帝(Arcadius;383〜408年)の金貨17枚、ホノリウス帝(Honorius;在位393〜423年)の金貨10枚。近隣に難破船は見られず、1500年前に異民族の侵入から隠したものか。[Today UK News]
- スペイン
- イスラーム統治下のアル・アンダルス(al-Andalus)と呼ばれるバレンシア州(Valencia)セゴルベ(Segorbe)にあるイスラーム墓地から出土した11世紀の男性「セゴルベの巨人」(Segorbe Giant)のDNAを調査。Y染色体(男系)、ミトコンドリアDNA(女系)の双方に北アフリカの遺伝的影響。彼の近い先祖は、北アフリカからやってきたイスラーム教徒のベルベル人(Berbers)であるが、安定同位体分析から見て彼は地元で育っており、さらに前の世代からスペインに住んでいた。セゴルベの巨人には、ベルベル人の遺伝的痕跡を残さない現在のバレンシア人とは異なる特徴。キリスト教による再征服の後、住民が入れ替わっていることを示唆。スペインでは8世紀以降、北アフリカから来たアラブ人やベルベル人に征服され、ヨーロッパ中世文明の中心の一つとなった。
Ancient DNA analysis sheds light on dark event in medieval Spain[University of Huddersfield]
cf. Marina Silva, Gonzalo Oteo-García, Rui Martiniano, João Guimarães, Matthew von Tersch, Ali Madour, Tarek Shoeib, Alessandro Fichera, Pierre Justeau, M. George B. Foody, Krista McGrath, Amparo Barrachina, Vicente Palomar, Katharina Dulias, Bobby Yau, Francesca Gandini, Douglas J. Clarke, Alexandra Rosa, António Brehm, Antònia Flaquer, Teresa Rito, Anna Olivieri, Alessandro Achilli, Antonio Torroni, Alberto Gómez-Carballa, Antonio Salas, Jaroslaw Bryk, Peter W. Ditchfield, Michelle Alexander, Maria Pala, Pedro A. Soares, Ceiridwen J. Edwards & Martin B. Richards "Biomolecular insights into North African-related ancestry, mobility and diet in eleventh-century Al-Andalus" Scientific Reports, volume 11, Article number: 18121 (2021) [Scientific Reports] - チュニジア
- トリポリタニア(Tripolitania)のジタ遺跡(Zita)の調査に基づき、ローマによるカルタゴ征服後の植民地経営について研究。産業化や繁栄の後、紀元後200年ごろ都市が放棄される。当初はオリーブ油などの農産物に依存していたが、ローマ時代には鉄などの金属の生産を行う。オリーブの木は金属生産の燃料としての利用が増し、ついには持続不可能となった。
Recording Roman resource exploitation and urban collapse[Phys.Org]
cf. Brett Kaufman, Hans Barnard, Ali Drine, Rayed Khedher, Alan Farahani, Sami Ben Tahar, Elyssa Jerray, Brian N. Damiata, Megan Daniels, Jessica Cerezo-Román, Thomas Fenn, and Victoria Moses "Quantifying Surplus and Sustainability in the Archaeological Record at the Carthaginian-Roman Urban Mound of Zita, Tripolitania" Current Anthropology, Volume 62, Number 4 [The University of Chicago Press] - モロッコ
- エッサウィラ(Essaouira)のビズムーン洞窟(Bizmoune Cave)で、アフリカ中期石器時代(Middle Stone Age)・150000年前〜142000年の貝殻のビーズ33個。人類最古の装身具か。言語によらないコミュニケーションの証拠。
Those Earrings Are So Last Year – But the Reason You're Wearing Them is Ancient[The University of Arizona]
貝の種類はTritia gibbosula
cf. El Mehdi Sehasseh, Philippe Fernandez, Steven Kuhn, Mary Stiner, Susan Mentzer, Debra Colarossi, Amy Clark, François Lanoe, Matthew Pailes, Dirk Hoffmann, Alexa Benson, Edward Rhodes, Moncef Benmansour, Abdelmoughit Laissaoui, Ismail Ziani, Paloma Vidal-Matutano, Jacob Morales, Youssef Djellal, Benoit Longet, Jean-Jacques Hublin, Mohammed Mouhiddine, Fatima-Zohra Rafi, Kayla Beth Worthey, Ismael Sanchez-Morales, Noufel Ghayati, and Abdeljalil Bouzouggar "Early Middle Stone Age personal ornaments from Bizmoune Cave, Essaouira, Morocco" Science Advances, Vol 7, Issue 39 [Science Advances] - ペルー
- チルカ(Chilca)で、800年前の8人の埋葬を確認。植物質のもので覆い、周囲に食物や管楽器を副葬。頭に貝殻を飾ったり、コカの葉を入れたバッグを持った被葬者も。[France24]
2021年9月22日(水)
- 三重県
- 鈴鹿市・沢城跡で、盛り土の跡。鈴鹿市の調査。[中日新聞]
- 韓国
- 朝鮮時代の王陵「金浦章陵」付近に設けられた文化財保存地域で、文化財庁の許可を得ることなく建設中のアパートを撤去せよという、青瓦台の国民請願掲示板に、5日間で10万名を超える署名。[聯合ニュース]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁 - 中国
- 寧夏回族自治区 彭陽県・姚河塬城跡は、「人戎于獲侯」と記した甲骨文字が出土したことから、西周時代早期の「獲」国の都城の可能性。[中国新聞網]
▼姚河塬遺跡関連記事→2017年12月4日 - カンボジア
- アンコール・トム(Angkor Thom)のバイヨン寺院(Bayon temple)の西大門(Takav Gate)で、新たにデーヴァ(Deva)像の頭部。[Khmer Times]
▼バイヨン寺院関連記事→2020年4月2日 - カンボジア
- コンポンチュナン州(Kampong Chhnang)M’lou Prey遺跡で絹や糸の痕跡発見。カンボジアの絹の起源は、クメール文化がインドの影響を受ける以前の先史時代までさかのぼる。[Cambodianess]
- トルコ
- バトマン県(Batman ili)ハサンケイフ(Hasankeyf)でユニークな墓石発見。三角形の耳上の突起を持つ。[Hürriyet Daily News]
- トルコ
- カフラマンマラシュ県(Kahramanmaraş il)テュルコール郡(Türkoğlu)・ドムズテペ遺跡(Domuztepe)で、新石器時代の墳丘内に、中世・600年前の非イスラム教徒とみられる3〜4歳の子供の人骨。[Daily Sabah]
- モロッコ
- ヴォルビリス(Volubilis)で出土したローマ帝国のパン生地を混ぜる桶や、雑穀用やオリーブ用石臼などの石製品は、それぞれの機能に最適な石材を選択。石材は地元で産出しており、石製品を作る石工が、使用者から直接情報を得ていた可能性。
Roman-era Mixers and Millstones Made with Geology in Mind[University of Texas at Austin]
cf. Derek Weller, Omero Orlandini, Jared Benton, Christy Schirmer, Lauren LoBue, Scott Culotta "Provenancing the stone tools of Volubilis, Morocco: A Socio-economic interpretation of stonework lithologies" Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 38, August 2021, 103105 716[ScienceDirect] - エルサルバドル
- サンアンドレス遺跡(San Andrés)について、イロパンゴ湖(Ilopango)で6世紀中ごろに起こった巨大噴火後に築かれた公共建築物について、発掘調査、放射性炭素年代、労働量の推定により、噴火後5〜30年以内には公共建築を建設、増改築していた。大量の火山灰を建築材として利用。
メソアメリカ文明史上、最大級のイロパンゴ火山の噴火に古代の人々は屈しなかった[名古屋大学]
サンアンドレス遺跡(San Andrés)について、イロパンゴ湖(Ilopango)で古典期前期(Early Classic)・1千年紀中ごろに起こったティエラ・ブランカ・ホベン噴火(Tierra Blanca Joven)の影響を、発掘調査と放射性炭素年代により評価。生き残った人や戻ってきた人が大量の火山テフラを建材として用い公共建築物を建設。
cf. Akira Ichikawa (市川彰) "Human responses to the Ilopango Tierra Blanca Joven eruption: excavations at San Andrés, El Salvador" Antiquity, First View, pp. 1 - 15 [Cambridge Core] - コロンビア
- ボゴタ(Bogotá)近くのムイスカ文化(Muisca)の遺跡で、神殿や墓から、金属製の像やエメラルドで満たされた壺オフェンダタリオ(ofrendatario)8個。ムイスカ文化は金属工芸に優れていることで知られ、黄金郷エル・ドラード(El Dorado)の伝説を呼び起こすこととなった。
Ceramic jars full of emeralds found in temple tied to El Dorado, a mythical city of gold[LiveScience]
2021年9月21日(火)
- 北海道
- 伊達市・有珠モシリ遺跡(うすもしりいせき)の再葬墓は、縄文時代晩期・2600年前〜2500年前。[北海道新聞]
▼有珠モシリ遺跡関連記事→2020年9月16日 - 岩手県
- 花巻市・大谷地III遺跡(おおやち3いせき)で、奈良時代の集落跡。大型の住居跡と住居状遺構を円形の溝で区画。蝦夷の土器とされる赤彩球胴甕が出土。蝦夷の重要集落か。公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターの調査。[岩手日報]
- 中国
- 青海省 海西モンゴル族チベット族自治州 都蘭県 熱水郷・熱水古墓群の2018血渭1号墓は、木材の年輪年代により、744±35年。吐蕃のツェンポ(皇帝)、ティデ・ツグツェン(赤徳祖賛)の治世(704〜755年)に当たる。被葬者は、出土した印章の印文「阿柴王」の「阿柴」が吐蕃での吐谷渾の呼称であることから、吐蕃統治下の吐谷渾の王、「莫賀吐渾可汗」と確定。[中国新聞網]
- ヨルダン
- ヨルダン川流域のタル・エル・ハンマーム遺跡(Tall el-Hammam)で、中期青銅器時代II期の層に、破壊に伴う瓦礫とともに、高温で表面がガラス化した土器や泡立った煉瓦、融けた建築資材など、高温を示唆する遺物。紀元前1650年ごろ上空で起こった爆発で都市が破壊された証拠。
Evidence that a cosmic impact destroyed ancient city in the Jordan Valley[Phys.Org]
cf. Ted E. Bunch, Malcolm A. LeCompte, A. Victor Adedeji, James H. Wittke, T. David Burleigh, Robert E. Hermes, Charles Mooney, Dale Batchelor, Wendy S. Wolbach, Joel Kathan, Gunther Kletetschka, Mark C. L. Patterson, Edward C. Swindel, Timothy Witwer, George A. Howard, Siddhartha Mitra, Christopher R. Moore, Kurt Langworthy, James P. Kennett, Allen West & Phillip J. Silvia "A Tunguska sized airburst destroyed Tall el-Hammam a Middle Bronze Age city in the Jordan Valley near the Dead Sea" Scientific Reports. volume 11, Article number: 18632 (2021) [Scientific Reports] - ロシア
- 古代犬49頭のゲノムを分析。シベリアのイヌは9,500年前から7,000年前までは遺伝的に均質。その後、交易ネットワークを通じたユーラシア大陸のステップやヨーロッパからのイヌの導入により、混血が生じた。
cf. Tatiana R. Feuerborn, Alberto Carmagnini, Robert J. Losey, Tatiana Nomokonova, Arthur Askeyev, Igor Askeyev, Oleg Askeyev, Ekaterina E. Antipina, Martin Appelt, Olga P. Bachura, Fiona Beglane, Daniel G. Bradley, Kevin G. Daly, Shyam Gopalakrishnan, Kristian Murphy Gregersen, Chunxue Guo, Andrei V. Gusev, Carleton Jones, Pavel A. Kosintsev, Yaroslav V. Kuzmin, Valeria Mattiangeli, Angela R. Perri, Andrei V. Plekhanov, Jazmín Ramos-Madrigal, Anne Lisbeth Schmidt, Dilyara Shaymuratova, Oliver Smith, Lilia V. Yavorskaya, Guojie Zhang, Eske Willerslev, Morten Meldgaard, M. Thomas P. Gilbert, Greger Larson, Love Dalén, Anders J. Hansen, Mikkel-Holger S. Sinding, and Laurent Frantz "Modern Siberian dog ancestry was shaped by several thousand years of Eurasian-wide trade and human dispersal" Proceedings of the National Academy of Sciences, September 28, 2021 118 (39) e2100338118 [PNAS] - ベルギー
- ブリュージュ(ブルッヘ;Bruges;Brugge)の聖母教会で、中世・14世紀の地下埋葬室3基。うち2基はうち壁に彩色。[The History Blog]
▼ウェスト=フランデレン州(West-Vlaanderen;West-Flanders) - エジプト
- 東部砂漠(Eastern Desert)のハママ(Hamama)の工房で、プトレマイオス朝(Ptolemaic Period)の鉄生産の証拠。スラグ、焼けた植物、炉のような遺構を発見。鉄鉱石は近隣のアブー・ゲリダ(Abu Gerida)の鏡赤鉄鉱(specular hematite)を用いる。炭化した植物遺体の放射性炭素年代によりプトレマイオス朝初期と推定。ナイル流域都市と社会経済的関係を持つ在地人が、季節的に従事。
cf. Yasser Abd El-Rahman, Vincent Serneels "Iron production in Ptolemaic Egypt: From the Abu Gerida specular hematite mines to the Hamama smelting workshop" Geoarchaeology [Wiley Online Library]
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